今日の市況(2010年07月09日)
株とは面白いもので大きな材料が株価に響かないこともあれば、なんと言うことはない些細な現象が、株価に影響を与えることもあります。基本的に株価位置が問題なのでしょう。株価位置が安いものは、どんな材料でも受け入れ株価が上がる傾向が見受けられ、逆にどんな好材料でも、株価位置が高いと売られます。例えば米国株は欧州金融の問題や金融規制の影響が背景があり、株価位置が低かった為にステートストリートの好業績や、昨日は失業申請件数と言う重要度が薄いと思われる指標を材料にして上げたりします。
勿論、昨日は『6月の米小売り各社の売上高は、好天や積極的な販売促進活動を背景に堅調となった。若者向け衣料のアバクロンビー・アンド・フィッチはこの日、前日比7.8%の急伸。同社の6月の既存店売上高が9%増と、アナリスト予想の5.5%増を大きく上回ったことが好感された。ランジェリー店チェーン「ビクトリアズ・シークレット」などを展開するリミテッド・ブランズは同2.2%上昇と堅調。同社の6月の売上高は6%増加した。この日は生活必需品セクターが高い。なかでも会員制小売りチェーンのコストコ・ホールセールは2.6%高、ドラッグストア・チェーンのウォルグリーンも3.6%上昇と、買いが膨らんだ。』と株価が上がった材料が報道されています。
日本株も5月の末に、第一弾が…。6月の中旬に第二弾の下げがあり、そうして先週からの強烈な下げがあり、ここで三回目のダメ押しを入れ、今週は後半から堅調な展開です。今日は注目されていた中国株動向も、西部開発の大型公共投資の発表から堅調に推移し、日本株の動きを助けました。経験則では機械受注が大きく落ち込んでいるのに、何故ファナックが買われるのは奇異に映りますが、工作機械もそうですが、海外需要が国内需要を大きく上回る規模で発生している現実があります。ただユーロ安でドイツに負ける日本企業の姿は否めません。
心配されている為替動向ですが…
例えば注目しているマツダなどは上期のユーロは既に予約済みだそうですね。しかし下期からはデミオなど利幅の少ない小型車は値上げを検討するそうですね。多くの日本人の認識は既に時代遅れのようです。自民党の掛け声は『日本はつねに「いちばん」をめざしてきました。夢を追求する努力の積み重ねが、モノづくりや、治安、教育、長寿など、世界に誇れる「いちばん」をたくさん生み出してきたのです。』と述べていますが、今は残念ながら製造業は三流の烙印が押されています。2~3割、価格競争力で他国に負けています。日本人の拘り意識が時代に逆行しマイナスに働いたのでしょう。
アップルのような独自技術をソニーはむかし持っていましたが、今は、遊び心のない企業に成り下がっています。驕りは10年前からありました。私は当時の広報部長(総務部長)のCさんに面談しましたが、既に大企業病にかかっていましたね。その当時のソニーは世界で一番の日本を代表するグローバル企業だと思い、品川駅からソニーの本社に向ったのですが、残念ながら実体は他社の動向を気にする会社に成り下がっていましたね。マスコミが正しい報道をしないから、なかなか国民意識が変わりません。
このような社会観は非常に重要なのですね。銘柄を選別し感じる心を持つためには社会を知らないとなりません。一般概念は邪魔になることが多くあります。昨日、クローズアップ現代で、現役棋士74歳の有吉9段の引退の姿を報道していました。彼の姿を見て考えさせられましたね。私も既に古典的な考え方の部類なのでしょう。新漢詩紀行と言う朝のNHKの番組を見ると面白いですね。今日は屈原の漁父の話しをしていました。時代は変化しているから、逆らわずに流れる道家の方が正しい道なのかもしれません。有吉9段の生き方と漁父の発言は何故か似ているように感じます。
ビスタの読者へ、今日は休みますが週末はレポート掲載の予定です。

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株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ投稿者 kataru : 2010年07月09日 20:09
