詩と真実・・・

マーケット三国志

「冬場」(いちば)(2006年11月21日)

ある証券が無期限信用取引の手数料ゼロを撤回しました。
実はホッとしています。
理由は二つ。
手数料をゼロにするということは、証券会社としての立場を放棄し、貸金業に徹するということ。
ならば、証券会社の看板は必要ありません。
もう一つは、無期限信用取引を利用する投資家が少なかったということ。
信用取引は、本来数日から数週間の利用にするべきもの。
未来永劫、借金で株式取引をするのであれば、オプションや先物の方が気が利いています。
そして・・・。
手数料の下げ競走も、ようやく終焉を迎えるかとの予感。
証券会社が本来の立場に戻ってくるのかもしれません。
もっとも、従来型の「売り手の論理」での大量販売ではなく、「投資家の相談」に乗るという意味においてです・・・。
世の中の投資家は、相談相手がいないことで、寂しさを感じているのも事実。
類推するに、これは手数料の高さや低さの問題ではないと思われる。
「貯蓄から投資」へが国策ならば、「自己責任原則」を踏まえた相談システムを完備することが必要。
でも・・・。
上期の個人投資家の発注の91%はネットというのも現実ですが。

新興の業績懸念が燻っています。
そして・・・。
豚肉脱税問題の企業から安倍首相への献金問題。
逮捕された和歌山県知事の談合献金問題。
あるいは、ベンチャー投資会社の脱税問題。
いつもダーティな問題は冬場に発生するような気がしてなりません。
昨年は1月でした。
それよりも・・・。
JASDAQの信用取引評価損率は20%超。
加えて、売り出し公募のラッシュ。
「セカンダリーまでの余裕はない」というのが本音でしょうか。

香港ではハンセン指数が19000ポイントを突破。
背景は「超強気」。
11月16日付香港経済日報は「市場は潤沢な資金に牽引された強気相場であり、年末から来年初めにはハンセン指数が20000まで上昇する可能性もある報じています。
まさに東京の対極。
225の年内18000ポイント説はどこへ行ってしまったのでしょう。

野村證券が大規模のセミナーを開催するそうです。
時期は12月4~7日。
このセミナーには昨年、2700人が参加。
日本企業の参加も53社。
「今年も海外投資家の参加が見込まれ、日本株上昇の好材料となるかもしれない」とは市場関係者の見方。

怖いのはある評論家氏の強気。
11月16日付レポートは「来年2万円に向け年末ラリー、ハイテク株に注目」。
気持ちはわかりますが、個人的には「何も語らないで」といいたいところ。
おかげで週初は、完全なネガとなってしましました。