今日の市況(2010年07月20日)
NY市場はどうにか1万ドルを維持しています。緊縮財政で景気後退が予想されるEUより株価の動きは弱い日本市場は、株式持合い解消の売りなのでしょうか? 新聞を読めば決して景気状態は悪くないですね。確かに確実に減速懸念はあります。更にここに来ての円高に振れる為替相場も気掛かりですが、それにしても納得できないのは、増産ラッシュとも言うべき世間の動きに逆行する株式相場。どちらが正しいのでしょう?

そこで昨日、人口とGDPの表を作りました。
仮に株式動向に「先見の明」があるなら、この先、かなり業績が急速に悪化する事になります。しかし昨日のコラムに載せたように、アジアの成長は概ね良好です。中国は既にGDPの総額は5兆ドル規模で、年率10%と仮定すると5000億ドルの新規需要が生まれます。EUが落ち込むとしても、あの金融危機の最中で1兆9148億ドルですから、この20%程度と考えるのが普通でしょう。つまり4000億ドル前後の減少。インドやブラジルの規模は1兆ドルを超えていますから、仮に6%としても両方で1000億ドルを大きく越えますね。インドネシア、タイも好調です。
先進国のデフレと新興国のインフレの綱引きと考える見方が、概ね妥当なのでしょう。FRBは日銀と違い実力者が揃っています。だから米国が大きく落ち込むことは考え辛いですね。一時的な減速はあっても、直ぐに適切な手段を講じるでしょう。デフレの対策には日銀が動かなくてはなりません。先端技術の研究開発分野への融資程度では、資産デフレは止まりませんね。ここが本来のネックですが…、高成長の国々に囲まれる日本株がこのまま下がるのでしょうか? どうも私には考え辛いのです。
ただガイシなどの株価を見ると、残念ながら底入れは感じられません。スマートグリットの蓄電システムでは実績がありますから、排ガスの減速を視野に入れても…ズルズル下がるものかな? これから強い銘柄を一つずつ攻めるのかどうか…。来週から4-6月期の決算発表が始まります。

エルピーダの解説にDRAM価格のことを言っているのかどうか分かりませんが、アナリストは減速が気に食わないと述べていますが、不需要期に入っているからこの程度は当たり前で、むしろ強いと見るべきでしょう。価格と数量のバランスが収益に結び付くのですね。確かに3ドルを越えていたDDR3は2.55ドルと落ちていますが、出荷数量はうなぎ登りですね。4月のピーク時に4600を越えていたDXIは、現在4366です。この水準はかなりの儲けが生まれます。あえて何度も指摘しますが、これから半導体は需要期を迎えるのです。今は不需要期ですからね。

自動車会社の戦略カーのタイ工場は稼動し始めました。今度は大衆車を日本が輸入するのです。まだバランス上、輸出の規模が大きいですが、何れグローバル化のバランスは取れるでしょう。昨年から、このような経営者の新しい動きを評価してきた株式市場なのです。この動きが市場から更に評価されない筈はありません。需給面では持ち合い解消とのバランス、実体景気面からは落ち込むと予想されていた実体景気は落ち込まない。と言う現実が分かり始めるのは、やはり8月過ぎかな?
私はGSとの和解が成立したから、世界の待機資金が市場に還流すると考えています。この読みが正しいかどうか? この結果はまもなく判明します。あるいは実体景気が落ち込まないと言う考え方が正しいかどうか? 此方は8月過ぎになるでしょう。この辺の先行指標として、半導体は非常に面白いですね。全ての製品に必要な部品ですから…。あまり目先の動きに惑わされるより、自分なりのシナリオを大切にすべきでしょう。
もう一度、クドイようですが、待機資金の動向はまもなく分かります。金融規制強化で警戒していたお金が、本当に抜け道が多く存在し、ザル法案なのかどうか…。待機資金が豊富なら世界景気の2番底は回避されますね。信じられている2番底説が覆るのです。もう一つは、先進国と新興国のバランスですね。お金が戻るなら成長力は増し、新興国と先進国の相乗効果が生まれます。そうなると自動車が面白いですね。インドネシアはタイヤの増産に忙しいと新聞報道されていました。
6月24日に買い指示シグナルのガリバー7599が今日も活躍か…。

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株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ投稿者 kataru : 2010年07月20日 17:03
