未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2010年07月01日)

「出来高急増銘柄」「株式指標」はここをクリック。

IRNETでは相場の論点をまとめて書いているつもりです。
個別銘柄にはあまりコメントせずに、全体像を捉えようとしています。景気循環と株価の動きはいつの時代も同じような形で動くのが経済の仕組みです。このたびのように金融ショックから世界景気が落ち込めば、景気を下支えする為に金融政策(日銀の金利政策など)や財政政策(公共事業投資や補助金政策など)が実施させます。中国が家電下郷や汽車下郷という補助金政策を実施して効果が上がり、あっという間に世界に広がりました。この影響を受け消費は刺激され需要が持ち直し忙しくなり、さらなる需要に対応する為に生産を拡大し、そうすると雇用の不足が生じ賃上げが起こり、労働者の可処分所得が増えますから、更なる消費拡大に結び付き、この需要が設備投資に繋がり景気は拡大して行きます。

この度の金融危機は、基本的に他人のお金を利用して儲けようとする行為が咎められたものです。このような現象をバブルと呼びますね。自前のお金で高値の不動産を買い、どんどん地価が上がってもバブルにはなりませんね。上昇と言う鞘を抜くために、他人資本を使って投資をするから、その状態が行き過ぎるとバブルが生まれます。だから日本の新聞は中国の不動産はバブルだ、バブルだと煽ります。しかし日本のバブル当時よりずっと厳しい融資規制がひかれています。よってバブルかどうか…通常の上昇でしょう。今でも住宅を買う場合3割の頭金が必要です。日本は通常は2割の頭金で不動産が買えますね。(なかには頭金がゼロも…)

この程度の下準備があれば、今の世界経済が読めるでしょう。
雇用が足りないと言っているのは中国だけです。アメリカは雇用統計から見ると改善している途上ですね。不動産価格は中国では上がり続けていますが、アメリカは横這いでしょう。

相場の景色図は、中国は景気刺激から抑制に動いており逆金融から逆業績相場への過程と思われます。米国は金融相場から業績相場ですが、金融規制改革は逆金融相場の動きになります。本来なら雇用や不動産価格がさらに上昇し、FRBの資産圧縮が終ってから正常化のプロセスを実施すべきなのでしょう。ギリシャ危機からスペインに鉾先は向っていますが、欧州もユーロと言う通貨の矛盾を付かれています。ドイツはユーロ安の恩恵を受けて景気は良いですね。しかし競争力の乏しい国はユーロの維持が負担になっています。財政規律はそう言うことですね。通過は統一されているのに、為替や政治などの財政は違っています。この矛盾がユーロ危機の原点です。

さて今の現象は欧州のストレステストの結果待ちで出口戦略なのです。出口戦略とは金融ショックで入院を余儀なくされた患者が、何とか回復し退院出来るかどうかを問われているのです。しかし米国も欧州も足元の景気が不安定だから、株価が心配して2番底懸念を疑っているわけです。つまり財政規律も金融改革も早すぎるのでしょう。まだ雇用統計も確実に改善していないし、FRBの住宅ローン債権も民間に移管されていません。この時期に、過去の失敗を再び犯さない為の制度改革を急げば、折角、持ち直した景気が再び失速します。だって経済の要である銀行は傷んでいます。銀行が痛んでいれば、お金を貸せませんね。株で損ばかりすれば、新たに買う意欲を失います。それと同じですね。

だから銀行が元気を取り戻し、正常な経済の後押しを出来るようになったら、規律を強化するのが筋ですね。景気の回復があやふやな現在、総資産を圧縮させる金融改革法案は景気回復にマイナス効果です。財政規律も同じこと。正しいことをやろうとしても時期が大切だと言うことです。

市場関係者が2番底を懸念しているのは、このような背景があります。家を買うにも銀行から融資がなければ買えません。車もそうですね。二大消費財ですね。オバマさんが怒るのも充分理解できます。しかし金融セクターに網を掛けるのを急いではいけません。日本経済が元気のないのは、不動産融資が焦げ付き、その損を銀行が被ったからリスクを取るゆとりがなくなりました。だからこそ、地価を緩やかに上げる政策が良いのですね。株もそうです。地価と株を緩やかに上げる政策を採用すれば、景気は良くなり税収も増え、財政規律も健全化して、みんなハッピーなのです。

一般論をまとめました。相場の焦点は、実態景気が出口戦略に耐えられるかどうか? 今は、それが問われているのです。下のSP500のチャートは今が正念場ですが、ここを下回って1000を割れても、チャート的には950辺りの壁もあります。

s20100701a.gif
人気ブログランキング 「今日の市況」は人気ブログランキングに参加しています。

株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ

投稿者 kataru : 2010年07月01日 17:31