今日の市況(2010年06月17日)
5月27日の9395円を割れた6月9日以来、日経平均株価は5連騰しましたが、本日は流石に一服している様子でした。市場は盛り上がりに欠けるので、物色対象も小さな銘柄の個別材料物色に陥りました。景気回復は金融から…と、何度も述べてきましたが、この見方は大きく外れました。つまり正常な回復パターンではないというのが現実なのでしょう。金融と実体景気は一心同体ですが、世界の政治家は、生贄として金融機関を悪者にしています。誰が悪いかではなく、どうしたら正常な成長力を取り戻せるか?…が、重要なのですが、あまり良い路線を歩んでいるとは思えません。
市場経済は儲かる所を探します。
もっとも効率的な所にお金を配分して効率的な仕組みを創りあげるようになっています。社会主義や共産主義が敗退し、中国の成長を見れば分かるように、市場原理を取り入れた政策が正しく実行されれば、成長力は増します。ユーロと言う仕組みにメスが入ったと言うことは、欠陥があるから隙を突かれるわけですね。だから改善の余地がありますが、ドイツのように空売り規制やCDSなどへ制約を入れても、根本が改善されねば意味がありません。FTには「早期の財政引き締めが伴う世界的なリスク」と言うコラムが載っています。私が恐れる2番底シナリオの一つです。
日本は政策の失敗を犯しました。
だから失われた時代を永遠と過しています。総理が何人も変わっても国民意識が変化しない限り無駄なのでしょう。時間価値が問われています。つまり世代交代ですね。中国の文化大革命と同じで、失われた暗い世界です。振興銀行やSFCG(商工ローン)問題は、ある意味で清貧思想の象徴でしょう。現場でこのような事件が起こっているわけで、いくら、お題目のようにデフレ脱却を掲げても無駄でしょうね。しかし2006年時より、デフレ宣言をしており、問題を直視しているから救われます。効果が薄い的外れな金融緩和策を採用する日銀でも、やろうとしている事が嬉しいですね。2006年と天地の違いです。菅政権の方向性は悪くありません。円安発言もOKです。デフレ克服には円安です。
ただ世間の風潮と言うか…マスコミの論調と言うのは厄介ですね。例えばこんにゃくゼリー問題ですが、法規制を望む勢力があるらしいのですが…。亡くなられた方にはお気の毒ですが、餅を詰まらせ亡くなる方もいますし、飴をのどに詰まらせて死ぬ人もいるでしょう。直ぐに規制を求める風潮はいただけません。私はサラリーマンを辞めた人間ですから特に感じるのでしょうが、なるべく自由が良いのです。表現の自由も同じです。他人に迷惑をかけない。これが一つの基準でしょう。マスコミの報道姿勢を見ると、ある方向性に結論付ける意図的な報道姿勢と感じるのは私だけでしょうか?
10年以上もネットを書き続け相場を見てきて、人間と言うものは、やはり影響を受けるようですね。私に相場操縦などと言う意図はありませんが、やはり僕が感じていることを書けば同調される方は大勢居るようです。だから最近は個別銘柄の話題は、あまり取り上げていません。さらりと書いているだけです。しかし僕の考え方はあまり変わりませんね。自分で調べて、自分の知識の中から相場を考えると、相場環境が良い時は、かなりイメージどおりの展開になるようです。まぁ、長く見ている読者の人には分かってもらえるでしょうが…、アイデンティティーと言うか、こう得るべき論を展開して行動すると現実は違う方向に向かうときがあります。私が考える展開と違う道を選択するわけです。そうなれば株は下がりますね。何しろ、上がることしか頭に描いていませんから…。
まぁ、銀行が下がるということは、経済が悪化するという見方をしても過言ではないでしょう。しかし最後はデフレの選択ではなく、必ず、インフレになります。時間の問題なのです。菅内閣がどのような選択をするか分かりませんが、要するに行き着く所は決まっています。最善策を採らずに、時間的に追い込まれるなら、悲惨ですがジンバブエの世界です。超インフレ世界の道ですね。だからこそ報道機関は視聴率や購買数を基準に考えることをやめて、良いものを創るべきでしょう。ネットの世界は自分の好みで様々な選択が出来ます。だから早く、自分なりの眼を養って下さい。今日は下げているけれど、心配はありません。私のお客様もそうだけれど、少し下がると利食いを入れたくなる心理状態なのです。本当は買い増しなのですよ。人間心理とは面白いものです。
例えば日経新聞の「DRAMに天井感」と言う半導体の記事ですね。
あの通りですが知識の補足がないと正しい見方が出来ませんね。今までは12月から1月になれば価格が下がっていましたが、中国需要が新たに発生しクリスマスの他に春節と言う新たな山場が出来ました。この6月は閑散期で、この時期にこの程度の値下がりと言うことは…9月から10月になれば、かなりの需要があると言うことでしょう。
更に昨日、ルネサンスエレクの話しを書きました。
1-3月期に那珂工場では70%、山形の鶴岡工場では85%の稼働率だったのですが、4月以降、何れも90%以上に稼働率が上がったのですね。負け組みの操業率が上がる時代なのです。株価は方向性です。単価の下落は単に不需要期と言うだけなのでしょう。株価を見る場合、今日の記事を織り込んで、事前に株価が下がっていたとみるのが自然でしょうね。既に株価に織り込まれている以上、2ドルを割れる事態にならない限り、株価は下がらないでしょうね。まぁ、この見方が正しいかどうか分かりませんが、材料の出現と株価の位置が問題なのです。更に忘れましたが、半導体と言ってもDRAMやフラッシュもあれば、システムLSIもあります。幅広いので、ごっちゃにしないで下さいね。組み込みソフトは大きく伸びるばかりなのです。

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株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ投稿者 kataru : 2010年06月17日 18:55
