今日の市況(2010年06月11日)
NY市場は大幅高したようです。
解説に寄れば『欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、政策金利の現状維持を決めた理事会後の記者会見でユーロ圏の国債購入などを当面継続するとの意向を示した。ドイツの連邦憲法裁判所が、同国が総額7500億ユーロのユーロ圏の緊急融資制度に参加しないよう求める仮差し止め請求を却下。欧州発の信用不安が拡大するとの懸念がやや後退した。』と報道されています。これを受けてユーロの為替相場が戻り反発したようですね。テクニカル上の問題でしょう。
私には2月の下げも理解に苦しみました。同様に今回も同じです。
ホンダは期間工を新たに雇うほど忙しいし、事実、低迷していた米国の自動車販売は増えています。故に米国に強い富士重工は新高値圏なのです。加えて「DGレシオ」と言う半導体と電子部品の受注と販売の状況を示した指数が、アイサプライ社から発表されています。4月の受注は前月比0.06ポイント上昇し1.24となり、2003年の調査以来、過去最高の数字になったそうです。この数字は受注額を販売額で割って加重平均したものだそうです。つまりアルプスやサンケン、日本ケミコンが新高値圏で推移している様子を示しています。

本日の日刊工業新聞の一面にも、京セラを初めTDK、日本電産や村田などの増産動向が掲載されています。このように実体景気は非常に強い、今の時期に株だけが下がる道理は理解しがたいのです。しかし金融と経済は一体となるもので株式市場の脅えている背景は歴然としています。一つはユーロ問題。これは民間の金融機関などの損失を政府が肩代わりして被ったけれど、上手く処理できない様子を示しているのでしょう。米国も4月から正常化への作業に移りましたが、遅々として進まないのが、おそらく現状ではないでしょうか。日本は事後処理に失敗し「失われた20年」となっています。
もう一つの懸念が金融規制ですね。
自己勘定で投資が出来ないばかりか、正規業務に必要な付随するデリバティブまで規制しようとする古典的な考え方が政治家の認識です。ドイツの空売り規制はこの範疇にあるのでしょう。規制を強化すればヘッジ機能が希薄になり、リスクを採れなくなりますから総資産が圧縮され、資産デフレが起こります。日本のケースですね。このような懸念を消化できずに、持ち高調整に動いたのが今回の下げなのでしょう。
故に弱気に考えれば、日経平均株価は2番底に向うのです。
NYダウも9000ドルを割れるという指摘がありますね。8000ドル説を述べている人もいます。しかし溢れるキャッシュは存在します。お金の量は出したままなのです。つまり的確な対応を実施すれば、実体経済が好調なのに株が下げている現状のギャップは開いている状態なので、溢れるマネーが市場に戻り株価が急騰しますね。
今の状態は、この狭間に揺れている市場なのでしょう。
だから、くどいほど世界の金融のルールを決める米国の金融規制法案に過敏になっているのです。
果たして実体景気に株価は追随するのか?
それとも日本と同じ過ちを世界は犯すのか?
皆さんはどちらを選択するのでしょう。
まぁ、どっちにしても先週の株式教室で述べた状態が続いており、大幅な上下を繰り返している市場動向です。天底の兆候は、このような大幅な株価の上下が示しているのです。強弱観が対立するから株価は面白いのです。そうして意見が対立するから、株価が大きく上下に振れます。この振れる株価位置が問題なのです。どちらにしても来週から、一度は、株価は上昇の動きになるのでしょう。
下は中国経済の状態です…米中の貿易摩擦問題は気になりますが、経済は好調ですね。


投稿者 kataru : 2010年06月11日 16:22