今日の市況(2010年05月28日)
昨日のNY市場は大幅高で反発し、予想通り底入れ気配が感じられます。
4月26日につけた11258ドルから5月25日の9774ドルは13.1%の下げ率です。通常20%以上下げると弱気相場への変化と言われています。日本は17.6%です。株式相場は心理戦ですから、あまり大きな下げは、人々の心に響きます。

この所、信託銀行が買っているようです。つまり年金基金の買いなのでしょう。私は国債等の低金利運用ものを5%程度減らし、株式に振り向けるべきだと考えています。総資産が150兆円程度と言われていますから、7.5%兆円の株式の買い付け規模になります。理由はイールド・スプレッドの正常化に向け、徐々に入れ替え作業をすべきだと考えています。米国の市場は株が上がると債券が売られ市場原理どおりに動きますが、日本は清貧思想の蔓延で銀行貸し出しも含め市場原理も歪んでいますね。正常な資金運用をしない機関投資家が多いように思えます。皆が失敗を畏れ行動しない社会です。ブルドックなどの後出しジャンケンが市場を歪んだものにしているわけです。
米国の報道はすこぶる好調なのです。本日は「米アメリカン・エキスプレスやバンク・オブ・アメリカ(BOA)で消費者ローンの延滞率が低下し始めた。」と報道されています。「改善の兆しを受けて貸し手が融資に前向きになり、成長加速につながることが期待される。カードローン2位のBOAでは4月に延滞が4年で最大の減少となった。低下は5カ月連続。アメックスでは延滞率が1年前に比べ34%も低下した。ディスカウントチェーン米2位のターゲットの先週の発表によれば、2-4月(第1四半期)の同社顧客の延滞率は08年5-7月(第2四半期)以来の低水準だった。」と言います。そうですGDPの70%程度を占める消費が盛り上がる話ですね。与信審査が緩むのです。
このような環境下ですから、株式が下がり続ける理由が分かりませんね。ユーロ危機は今に始まったことではないでしょう。もともとユーロと言う基軸通貨の財政や政治の問題性は以前から指摘されていたのです。どう考えてもポイントは7月にも決定される金融規制法案でしょうね。金融デリバティブ規制を強化すれば、ポジション整理を迫られますから。しかし…仮に強化しても、移行期間は充分に採られるでしょうから、急激なポジション整理は起こらないでしょう。そう考えるとやはり今回も何時ものように…、儲ける為の仕掛け的な売りで、買うための口実で、世間は騒いでいる可能性を疑っているのです。
北朝鮮の緊張を含め、複合的な懸念が背景にあるのでしょうが、仮に全面的な戦争になっても1~2週間程度で、戦争は終結するんじゃないでしょうか? だから常識的に北朝鮮は仕掛けませんね。世界相手の完全な負け戦ですから…。一番恐いシナリオはガチガチの清貧思想による金融規制です。もしガチガチなら世界経済にお金が回らなくなり、急激に冷え込みますね。いつも楽観論ばかりのかたる君ですが、緊縮財政が進む欧州の動きはやはり気になります。当然ですが、GDPにはマイナスの影響です。
中国は資産インフレを警戒し既に引き締め政策ですが、この解除は短期なのでしょう。内陸部と沿岸部の格差是正は急務で、公共事業投資は内陸部に向けられています。今のところ上海総合株価が弱い動きを続けているのは、増資による需給バランスの崩壊と考えています。中国農業銀行が300億ドルのIPOを決めたそうですね。成長以上に調達をすれば双日化は確定です。いくら割安でも、業績が改善しても、株価は浮動株だらけで上がらないのですね。上がるとすれば日銀がFRB以上にヘリコプター戦略でお金をばら撒くことですが行動に移すとは考えられません。
一旦、追証の投げなど、無理やり売らされる動揺は、3日間の上げにより止まりました。ここから2週間は、人々の心に動揺が残り安定する為に最低な必要時間です。多くの人は株を、株価の上下で売り買いをしますが…、考え方としては時間で考える方法もあります。企業業績は株価が乱高下するように、増えたり減ったりしませんね。株の取り引きにおいて時間の概念は必要です。今日は金曜日なので、特別情報はお休みです。なお、明日の株式教室のアップは、時間がかなり遅れる予定です。実はサーバーを変更する予定です。気が向けば特別情報を日曜日に書くかもしれません。でもあまり相場観に変化はないのです。
それでは良い週末を…

投稿者 kataru : 2010年05月28日 18:02