今日の市況(2010年05月25日)
市場の負の連鎖は止まりそうですが、なかなか終りません。
NHKが報道したスペインの「カハスール」と言う貯蓄銀行は、僅かに180億ユーロの総資産で全体の0.6%の規模だそうです。世界中が小さな銀行の話で動揺する話なのでしょうか?それも先週末の話です。スペインは不動産の不良債権が多いと言われています。フランスなどの国々からの避暑地として栄え、リゾート地としての影響もあるのでしょう。それにしても落ち着きません。NY市場の1000ドル安は、依然、嫌なイメージとして我々の心に残っており、本日は北朝鮮が「朝鮮半島は戦争へと向かっている」と強い調子で警告するなど、朝鮮半島情勢は緊張感が急速に高まっています。このような背景も関与して一段安になったようです。しかし朝鮮特需に沸いた記憶もあり、戦争は一概に売りではなく買いとも見方も存在します。破壊があれば創造をするわけですから…。豊和工業などの戦争関連株が賑わっていました。

しかし本日までですね。通常の押し目買いが入るのは…。
ここからの下げは恐くて買いが入らなくなります。日経平均株価の乖離率は広がる一方で、通常の調整幅を逸脱してきました。既に今まで使っていた日足の比較は参考になりませんから、週足で13週線との乖離率を調べました。まるで当初、連想した「2番底の世界景気相場」の道を歩んでいるような展開です。底入れ形態を示していたのに…再び崩れたソニーなどをみると、買い残が増え始め嫌な展開です。実は昨日までは底入れチャートと考えていました。市場経済は連鎖しますからね。

やはりSECとGSの確執が背景にあるのでしょうか?
オバマ大統領のスタッフは市場原理を知っていると思いますが…。嫌な連想は日本の事例です。後手、後手に回り景気を悪化させた日本が歩んだ道を、欧州も米国も歩んでいる可能性がありますね。成長なくして財政再建はありません。日本の事例を考えれば分かりやすいですね。資産価格の負の連鎖が、失われた時代を形成しています。金融規制を強化すればデリバティブで拡大した実体経済を支えきれませんね。清貧思想は正しいかもしれないが現実的な対応を望むものです。
しかし…おかしいな?
実体景気は松下の報道のように部品不足の現状です。本来の景気パターンなら、昨年末から始まる筈だった設備投資がずれて、今年はラッシュになります。この時期に何故、株が下がるのでしょう? 赤字から黒字転換するもっとも明るい景気循環のパターンなのです。確かにツガミや日産自動車の予想数字をみると、好調なのに物足りないものを感じました。忙しいけれど儲からない現実を感じています。汎用品が多く利幅が少ないのでしょう。しかし今年は米国が改善します。昨日発表された中古住宅販売数字は駆け込みとは言え、好調な数字でした。自動車も売れているようです。しかしここに来て…。

全ては金融規制の不透明さからくる手控えなのでしょう。つまり…懸念と言う人間の感情を解消してあげれば、株価は簡単に戻り始めるのでしょう。今は不透明だから買いが入りません。みんなが安いと感じ始めた株価水準です。買っても良いけれど恐くて全力投球は出来ないし…打診買いをいつまでも続けるわけにも行かないのです。全米企業エコノミスト協会が4月27日から5月7日にかけて46名のエコノミストを対象に実施した調査によると、2010年と11年の米国のGDP伸び率は、ともに3.2%の見通しとなり何れも0.1%ずつですが上方修正されたそうです。
2006年より、ずっと環境は良いからポジティブ思考で、チャンスは続いていると考えています。テクニカル指標はダテじゃないでしょう。誰にも先のことは分かりませんが、やはり一つの基準となるのでしょう。

投稿者 kataru : 2010年05月25日 17:26