今日の市況(2010年05月24日)
本日の日本株は下げ止まりの傾向を見せています。
先物からの動きに左右される市場ですが実体経済は好調です。設備投資が必要だった34社の電子部品業界は繁忙でも慎重に構えていましたが、ここに来てようやく今期の設備投資を1.6倍の5124億円に増やしたと日刊工業新聞は報道しています。昨年10月から状況が大きく変わったのですが、2番底懸念で慎重姿勢を崩さなかったのです。年初は半導体業界も露光装置だけに絞って設備投資を実施してきましたが、ここにきてサムソンの2兆円もの大型設備投資計画に見られるように完全に積極姿勢に変化しました。このような状況なのに株だけが低迷するのは明らかにおかしな現象です。
何故、急速に市場環境は悪化したか?
表面上はギリシャ危機なのですが…、基本的に流動性懸念が生まれてきているのです。
米国でストリップ債が売れてきたそうですが基調はデフレ懸念が背景にあるようです。このところギリシャ危機から流動性不足が指摘されLIBOR金利が上昇しています。この背景は金融危機の残像が、関係者から完全に抜け切っていないのです。でも考えてみれば分かりますね。景気が回復しようと言うこの時期に、過剰な金融規制が実施されるものでしょうか? SECによるGSへの訴追は金融規制法案への布石でしょうが、最近の米国の選挙結果はティーパーティーの存在感が増し市場経済派が力を付けていますね。
少し、皆さんにはこの解説は難しいかな?
実はNY市場の1000ドル安を見て、私が最初に考えたのは世界景気の2番底でした。でもその後、色んな情報に接するに従い、過剰な規制懸念は後退したと、今では考えています。先週末に上院で金融改革法案が可決されましたが、その方向性が明らかになったからでしょう。事実、木曜、金曜日の金融株の出来高は増え、下値が固まっているようです。一時、SECとGSの和解の噂が出たようですが、依然、この話しは煮詰まっていないようです。しかし今回の下落は、単に金融規制による流動性不足の疑念なのです。

正式な結果は7月になりますが、今回の下げは不透明な金融法案の行方なのでしょう。だからこの結果が判明すれば、瞬時に相場環境が戻る可能性がありますね。目に見える単純な話は、GSが制裁金を払えば一件落着になる可能性がありますね。この問題から、1割から2割程度の金融機関の減益要因に留まるなら、再び3月からの上昇相場に、早晩、市場は戻る事になります。ポジティブな米国人も、たまに日本人のようなネガティブな気持ちになることがあるのでしょう。もともと4月から5月の売りの規模は、それほど多いわけではありません。一度、手持ちの玉を売り切ったので、買いたいがために、ギリシャを叩きSECの動きを利用したと推測するほうが正しいのではないでしょうか?
例えば…米連邦検察は2年前にAIGを破滅寸前にまで追いやった金融契約に関連して、同社の現・元幹部らを刑事訴追しないことを決めたのも幕引きを急いでいる現象の一つでしょう。
日本の場合は失政続きで、投資家の心理が非常に弱いですからね。日銀が必死になってデフレを克服しインフレへ舵を切り始めていますが、なかなか市場は反応しません。ずいぶん冷淡な反応です。「お金がなくて貸し出しが増えないのではない。」とか…「日銀が融資に乗り出しても効果はない」という評価ですね。しかし私には記憶にないのです。日銀がこんなに真剣に流動性を供給しようとしている姿が…。1998年に臨時貸出制度を設けたそうですが…まだペイペイだった僕には、理解できる能力がなかったのでしょう。あの後、ITバブルになったのですね。
何度も言いますが、異常な市場環境なのです。今の株価水準は…
本日、人気になった地盤改良工事の日特建設(1929)ですが1円の配当を実施するそうです。確かに公共事業投資に未来はないし、需要は多くないから売上げは減り続けるのでしょう。しかし毎年、合理化を実施し、頑張れば食えるのでしょう。毎年10円の利益をあげる会社が、今日は7円上がって60円か…。年率20%近い計算ですね。何故、普通の投資家がこの株価で放置するのでしょう。郵便局に10年の定額預金をするより、ずっと効率が良いと思います。郵政は預金などの運用資金で日本国債を買うより、このような会社を買ったほうが効率運用でしょう。
頑張る人が報われない規制が多いですね。ライブドアの行動の是非は兎も角、ダヴィンチもグッドウィルもそうです。多少、問題があるから残れなかったのでしょうが、思い出してください。秀和とか、桃源社とか、安全信用組合などの時代を…。本当の悪は、仕方ないけれど、社会を活性化するリーダー?を育てないと、日本は自己崩壊しますね。清貧思想も悪いとは言いませんが、市場原理が働かないで、日銀は融資を増やす為に、貸し手に回るような現実なのです。仙石さん、あなたが成長戦略を描く番ですね。多少のイレギュラーを認め、積極派の意見を採用すべきでしょう。簡単な事なのです。資産効果を考える政策を実行することです。
まもなく上がりだす株を少し買いました。種を蒔くのです。株価が安い時に脅えて、どうするのでしょう。頑張りましょうね。

投稿者 kataru : 2010年05月24日 18:01