詩と真実・・・

マーケット三国志

« 2006年06月 | 戻る | 2006年08月 »

2006年07月31日

「梅雨明け」(いちば)

暑さとともに政治の季節が到来したようです。
谷垣財務相の「報道2001」での発言。
「ワンフレーズで徒に危機感を煽りポピュリズムで行くのではなく、“もっと自信を持ちましょう”」。
忘れかけていた言葉が政治の世界から出てきたことは新鮮でした。
これは、海外からも言われ続けたこと。
「ものつくり能力」「不良債権処理完了」そして「デフレ脱却」。
アメリカの凋落と日本の復活。
あり得ないシナリオではありません。
しかも防衛庁はテポドンは完全に失敗とのコメント。
地政学リスクは、それこそ減少しました。

ダイエーの処理が進展し、産業再生機構は1年前倒しで解散の報。
おまけに35社の処理で300億円の利益になるとの試算。
「発足時に利益は誰も予測していなかったことから利益配分ルールがない」というのは今では笑い話。
ここにも日本経済の変身があります。
だがこれを評価するマーケッターは見られません。
あまりにも近視眼・・。
外から見れば、立派な材料だと思うのですが・・・。

総裁選出馬せずの福田氏の「年齢のこともあるし」の真意についてのマーケット関係者の見方。
「年齢だから無理」ではなく、「その次でも出来る年齢だから」との解釈。
参議院選挙での短命に終わるくらいなら、その次でも出来るというのは、意外と自然な見方。
あるいは次期政権が相当に短命との見方も・・・。

「日本はデフレ脱却」とはIMFの報告書でした。
2006年度の実質成長率見通しを2.9%に上方修正。
なかなか宣言に踏み切れない政府に決断を促すような格好です。
一方でアメリカは4~6月のGDP速報値が2.5%と大幅減速。
8月8日FOMCでの利上げなし・・・となると世界同時株高の見出しもあながち荒唐無稽ではなくなってきます。
加えて、マネロン摘発へ米中は協力強化の方針。
マネーの流れは、やや変化の兆しともなるでしょうか。
以外に好調な企業業績や8月1日に発表の路線価。
天気の「梅雨明け宣言」とともにサマーラリーの足音は聞こえ始めたようです。
8月こそは「月足陽線」に期待といったところでしょうか。

2006年07月25日

「疑問」(いちば)

7月20日の日経朝刊スクープ。
なぜ今頃「昭和天皇メモ」が?
8月15日に靖国ではなく、中国へ行って胡錦濤主席と電撃的会談を行おうと目論む小泉氏が黒幕という荒唐無稽なシナリオも聞かれます。
もう一つのシナリオ。
「後継を安倍氏にしたい小泉氏。安倍氏が靖国へ行かなくても済むようにという配慮」との声。
もっとも小泉談話は「参拝判断影響せず」となっていますが・・・。
諸説渦巻きます。
そして当日の408円高。
いずれにしてもなぜ経済新聞が?の疑問だけは去りません。

ところで・・・。
アメリカはサウジアラビアに7200億円分の武器を販売するといいます。
種類は軍用ヘリコプター「ブラック・ホーク」や装甲車、軍用長距離無線など。
「サウジアラビアが中東地域の安定を維持または回復する上で、米軍兵力への依存を減らすことができる」ことが背景。
アメリカにしてみれば、7200億円程度ということですが、武器によるオイルマネーの取り込みという見方になってきます。

一方で「大手銀、海外融資3割増」の報道。
三菱UFJ、みずほ、三井住友の三大フィナンシャルグループの3月末の貸出金の合計残高は前期比3割増の約21兆円。
「アジアに進出した日系企業向け融資が好調なうえ、大型買収案件が多い欧州や資金需要が旺盛な中南米の資源国で非日系企業向けの貸し出しが増えている」とのコメント。
ドメプレイヤーから国際プレイヤーへと再び変化できたメガバンクの動向は喜ぶべき点。
でも・・・。
この融資増大が回りまわって、日本企業へのM&A資金となる可能性を考えると手放しでは歓迎できないことになりませんかね。

先週末のチャートコメント。
「安値には用心深い買い方の押し目待ちの買い物が入り、勢力は膠着状態。買い安心が出来ない状況が続いていることだけは確かながら、底堅い展開に、売り方は買い戻しに不自由を感じ始めている形」。
決算発表に対する期待感のなさが逆に元気を呼び込む格好になるような気がしてなりません。

2006年07月18日

「明けてみれば」

久々の3連休終了。
休み前の週末には、ゼロ金利解除が大きな話題でした。
明けてみれば、国連の北朝鮮制裁決議とサミットが終了。
そして・・・。
日経225Miniがスタート。
マーケットはそれこそ「行く川の流れは絶えずして・・・」であると実感。

面白かったのはロシアの「晴天維持作戦」。
周囲の雨雲に化学物質を散布してサンクトペテルブルグ上空に雨雲が来る前に雨を降らせてしまおうという計画。
空軍機11機を投入し、総額8億円をかけたといいます。
でも・・・。
結局は激しい雷雨。
元気なロシアもさすがに天気は支配できないようでした。

マーケットでは「相場環境が良ければ先週末は3日間の信用期日が到来し、一つの節目となるところ。
2月高値、3月高値、4月高値銘柄の順番に物色することが寛容。
4月高値が多いので5ヶ月目の9月が全体整理の完了時期と判断するのが妥当。
ゼロ金利解除を言い続けて相場は下げ続けてきたのだから需給さえ改善すれば上昇に転じる順番」の見方も。

一方でベテラン編集者のコメント。
「全般相場を、TOPIXで見ると、さすがにコツンの場面が来週にも来そうな可能性。
コツンと来て戻り、そして又下がる。
8月のどこかで『あぁ、あそこが最後の底だったか』という局面が到来するに違いない。
『そろそろ、ソロスが買い戻すらしい』と、市場関係者が言ったとか言わないとか・・・。
ともあれ、株式市場は依然、病み上がり」。
日経225Miniがスタートということは、経験則からは暫しの上昇を示唆しているのですが・・・。
しかし、制度の変更や創設は、個人投資家を裏切ってきたことは歴史に詳しいところ。

マーケットは土砂降り。
外の天気同様にアジアモンスーン状態。
キャシュリッチから堅調だったキャノンも、米デルよる半額プリンター直販の報道からネガティブに。
タンス預金の25兆円が動き始めたとはいえ、まだまだ途半ばの感。

外資は、「ゼロ金利解除後もマネーの増大が円安を招来する」のレポート。
・・・量的緩和解除後における準備預金残高の大幅な削減は、銀行による信用創造に何ら抑制的な影響は与えなかった。
従って、量的緩和の解除がマネーの収縮を通じて円高をもたらすとの議論は誤り。
だから・・・。
世界のマネーの流動性を減少させ、世界同時株安の誘因となったとの説も妄想となる・・・との見方。
銀行はさらなる信用拡大に走る、との説。
因みに3ヵ月後の円ドル見通しは118円。

ところで・・・。
価格の一方通行は、金に顕著。
休み中の値動きは・・・。
週末のNYでは667ドル。
月曜日は、極東時間に676ドルと高値。
700ドルが目の前と思われた瞬間にロンドン・NYでファンドの一角が激しく売り浴びせ。
結局650ドルを割り込んだところでストップロスの売りから下げが加速。
めまぐるしい一方通行の動き。
専門家は「流動性の現象とプライベートディーラーの増加が背景」と指摘します。
これは、エクイティにも言えることになるのでしょうか。

2006年07月10日

「デフレ脱却」(いちば)

政府の実質成長率見通しはは2.1%へ増額修正されました。
明らかに「デフレ脱却感」は増幅されそうです。
そして、ゼロ金利解除の条件は整ってきました。
あとは、それこそ「株価の安定」が課題。
こちらも機械受注発表から堅調展開。
NYからの独立記念日にも思えてきます。

「骨太の方針」が決まりました。
10年ぶりの国家中期計画。
「実現すると言う感じはしないが削減しようとする決意は伺える」との指摘は妥当なところでしょうか。
弱い政府からの脱却に期待したいものです。
すでに言われてはいますが「付加価値の高い映像コンテンツ市場を10年間で5兆円拡大」。
「次世代航空機や自動車向けの燃料電池」。
「ロボットなどの有望分野で新産業創出」となると、具体的期待感も徐々に高まってきます。

東京エレクトロンの第1四半期の受注高が過去最高水準になったの報。
ハイテク産業の収益を占う先行指標だけに、これは大きな出来事です。
最終的にはマイクロソフトの新OS「ウィンドウズビスタ」を端緒としたパソコン好況となるとの読みからは好材料。
「07年、08年に向けて右肩上がりで伸びるとのコメントもおまけでした。
外資系は「上振れはNANDとDRAM向けの増額と推定される」としながらも「受注調整が市場に織り込まれるまでは製造装置銘柄への積極投資は待ちたい」とのコメント。
複雑なところです。

ワールドカップとウィンブルドンは終了。
ようやく目は市場に向き始めたというところでしょうか。
もっともゴルフの全英オープンも控えていて、なかなかスケジュールは空きません。
スポーツの裏側では良くさまざまなことが行われるだけに注意は必要でしょう。
「決定的とは言えない『押し目底』ながら『下値は届いた』模様」とは、週末に出た罫線のプロのコメントでした。

易学の奇門遁甲の先生のセミナー。
今年の日経平均見通しは・・・。
7月末15800円。
8月末16860円。
9月末18890円。
10月末19890円。
11月末18900円。
12月末16500円。
これは心強い味方となりそうです。
もっとも・・・。
7月末を確認してからでも遅くはありません。

振り返ってみれば、香港ハンセン指数の動きを明解に読んだとフィナンシャルタイムズが紹介したのは92年。
西も東も市場の見方は究極のところ一緒なのでしょうか。
そして、易の考え方は、中国だけではなく、世界中に通用するとの事。
上記の予測の通りに推移したとすると・・・。
それこそ古の「春日大社のお告げ」の復刻も可能となりそうです。