今日の市況(2014年01月14日)
かたる:11月27日の講演会で、日銀政策委員の白井さゆりさんが追加緩和発言に踏み切ったことを切っ掛けにして、為替が再び100円台に入り日経平均株価は仕組債の影響を強く受け、上昇を開始しました。先週末、米国ではFRBが金融緩和縮小に踏み切ったにもかかわらず、雇用統計が74000人増と言う低い水準にとどまり、失望を市場に与えたので、米国はそのポジション調整の為に売られ、本日の日経平均株価も下げています。基本は為替との組み合わせで動いている仕組み債の影響を受けているのでしょう。レバレッジの掛け方や期限などにより、様々な組み合わせがありますからね。
でも面白いですね。円安が日本株にとってプラスかどうか…。構造改革が終った後の影響は確かめられていません。大企業ではキャノンが国内生産比率を引き上げると表明しました。最近は自動車も期間工の確保が難しくなっており、正社員化に踏み切る所が増えているようですが、国内生産を増やすとの話はあまり聞きませんね。現状は海外への移管投資分を見合わせる程度なのでしょう。そんな中でVWは北米に5年間での総額ですが、70億ドルをかけて工場を新設すると言います。ロールスロイスの販売額は、米国を中国が抜いたわけで、中国の経済は、依然、伸びていますね。ただ上海総合株価は低迷状態のままです。背景には習近平氏が行っている粛清…?と言うか汚職追放運動の高まりがあり、文化大革命色を強くしていますね。
この動きは市場経済下でも、バブルの後は必ず見直しが行われます。日本の場合は強烈で1985年から発生したバブル退治の後遺症に今でも苦しんでいます。米国ではボルガー規制、世界的にはBIS規制やバーゼル3などが進行しています。基本的に金融デリバティブの発展により、見えないリスクが増大しCDSの拡大から縮小と言う、軟着陸を目指しているのでしょう。AIGはCDSの保証をしていた為に、一時的な資金ショートをきたし、政府の保護で再建されました。実体経済のGMは、投下資本を回収できませんでしたが、AIGは大きな利益を生みました。つまりCDSの存在は正しいのでしょう。この一連の信用不安で失った信用をFRBが補完し景気が回復しています。民間金融機関の信用が再び構築されているので、FRBの役目が薄れ、金融緩和縮小に向かっている途上なのですね。しかし米国企業の現金保有率も日本同様に高いのです。
この事は何を物語っているのでしょう。おそらくITバブルの2000年前後に生まれたグローバル体制への移管に対応しきれていないのでしょう。ネットの存在が一般化し、アラブの春のような現象が生まれ、一気に世界は進化しました。カタルは、よく「アンティキティラ島の機械」の話をします。あの解明は世界の科学者が共同で謎を解明しました。同じことが、東西冷戦の崩壊にも繫がったと言われています。ハレーすい星の観測の為に、冷戦下にも拘らず、世界の科学者が協力し合い観測したのですね。「クラウド」の存在が今では非常に大切だという事が分かりはじめています。「ビッグデータ」もその一つのキーワードでしょう。
例えば、先日カタルは、ジョージ・ソロスが寄稿したレポートを紹介しました。あの時はWSJの要約でしたが、原文は此方に存在します。日本経済を、彼は「After 25 years of stagnation, Japan is attempting to reinvigorate its economy by engaging in quantitative easing on an unprecedented scale. It is a risky experiment: faster growth could drive up interest rates, making debt-servicing costs unsustainable. But Prime Minister Shinzo Abe would rather take that risk than condemn Japan to a slow death. And, judging from the public’s enthusiastic support, so would ordinary Japanese.」と表現しており、彼はカタルのガラガラポンのリスクを視野に入れていますね。異次元緩和はルビコン川なのです。現在は円安=株高となっていますが、円安=金利高でもあるのですね。消費税の引き上げが、改革の妨げになってはいけません。最近の自民党政治を見ていると…少し心配ですね。
このレポートの中で中国の事に触れていますが、シャドーバンキング問題で話題になる地方債務は、地方債の発行で置き換えられるはずで、中国は確実に市場経済化しているわけですね。やがて戸籍の問題も緩和されるのでしょう。
今日のレポートは株式教室のようですね。少し分かり辛いかもしれません。カタル自身が理解しているかどうかも怪しいのです。すべては未来予測で推測ですからね。本当はカタル銘柄の信用創造のケネディクスやユビキタス時代に向けたスマート・コミュニティー造りの007の選択が、カタルは正しいと思っているのですね。理屈を考えて時代を考察すると、そこに行きつくのです。だから昨日も解説しましたが、ケネディクスの場合は外資系ファンドの利食いを、市場が受け止めているわけですね。一時的に個人の信用買いなどが浮動株をプールしている訳です。仕手グループや大きなファンドを仕掛けている人は分かると思いますが、基本は此処にあります。プロは時間の制約を受けますが、素人は時間の制約がありません。だからプールできる銘柄を選別することが、非常に大切なのですね。プールできる銘柄とは、何か? やはり時代性に尽きますよ。
カタルは日銀がマネタリベースを増やし続けている現状は、やがて貸し出し増に繋がり、不動産融資が増えることを予見しています。事実、2013年はその動きになっていますね。私募債の形や新設のリートは続々と誕生し、東京地区の地価が中心ですが、優良物件は2割ほど上がっています。「軍艦ビル」が象徴的な物件の取引ですね。しかもメザニン・ローンが付いていると言います。通常、資金力のある買い手なら、メザニン・ローンなど利用しません。わざわざ利益を取られる訳ですからね。つまり時間を限られている連中が東京の土地を買い始めているのです。投機筋と言われるグループですね。このような連中が新しい市場を開拓するのです。ケネディクスもそうですよ。公募をしたお金を元にファンドを作り、長銀本社のファンドにお金を入れましたね。あの新しいビルが2年か3年か分かりませんが、完成し稼働し始めると、自前のリートへ高値で買い取らせて利益を上げます。
こんな事は常識ですね。カタルは現役当時に、ジャパンリアルエステイト投資法人が資金に売り出され内容を調べたことがあります。ハッキリ言って地所の不良債権物件の寄せ集めのような古いビルばかりでしたね。でも三菱地所と言うブランド力はすごいものです。現在の投資利回り予想は3%を切って2.76%とか…。銀座のティファニービルは新しいですよ。しかも銀座中央通りですね。2.6%でも充分におつりが来ますね。おそらく今の環境下では、既に1割程度は…儲かるかもね。あれは10月の初めですから8月頃には話が進んでいたのでしょう。流石、孫さんです。スプリントの買収は、実質円安が進み2割程度安く買ったことになります。サントリーと、えらい違いですね。売上高の2倍かな? 本当に採算に合うのでしょうか? ケネディクスは、孫さんより以前に多く、不動産に投下している資金があり、値上がり利益を享受しています。ただ2007年~2008年頃の高値のものも多く買ってあり、おそらく18%程度はひかされていました。でもこの損失は金融庁様の厳しい監査により、減損会計を強いられており、大部分は低い単価になっています。ダヴィンチと違い伊藤忠ブランドが効いたのか残ったので、疎開させている不良物件が残っていたので、年末にかけても減損処理をしていましたね。ダヴィンチとの違いは、この点でしょう。
ブランド力は信用力として存続に、大きな力を発揮します。そうして、おそらくこの3月の私募債かどうかわかりませんが、日経新聞によれば300億円規模のリートを販売するそうですから、残存物件が残っているなら利益と相殺するでしょうが…昨年かなり処理してあり、金融庁も馬鹿ではありませんから、減損会計は厳格に処理されているでしょう。だから一気に利益が溢れるかもしれませんね。この辺りを確かめるのは、5月の数字になります。1―3月期の決算ですね。消費税の変更があり水面下の処理が明らかになります。だから5月を最終期限に、その前に動き始めるはずですね。4月は日本の新営業年度、1月は海外の新営業年度のはじまりです。こんな事は常識ですね。
ただね…全体が弱くなると、どうしても信用買い残が多いから、株価は沈みます。資金力の勝負なのですね。異次元緩和の怖さをジョージ・ソロスのレポートから分かるように、世界の投資家は理解しているのです。だから借金を減らすには、インフレであり物価を上げるしかないのですね。資産価格が暴騰するのですよ。誰が考えても当然の結果です。こんなチャンスは滅多にありませんよ。チャンスは、みんなに平等に訪れますが、物に出来るかどうか…問題は此処にあります。まぁ、カタル自信も失敗が多く、絶対とは…言い切れませんが…白井さゆりさんの講演で、あれだけの動きは発生するのですね。消費税の影響をどうのこうのと…言う人は居るでしょうが、カタルは超強気のままなのです。

投稿者 kataru : 2014年01月14日 11:06