未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年09月17日)

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米国では8月の鉱工業生産指数が予想以上の数字を示し、世界景気の底入れ説が強まった印象です。NY市場は強く8連騰し、その後4連続安をしましたが、5連騰、1日下がって、3連騰となっています。この背景は金融株にも現れています。実は2003年の金融危機の日本でも、同じようなことがありました。一旦、安値から株価は上がりましたが、経済見通しに対し強弱観が対立して、株価が横這いの動きを経過したあとに、再び株価が上昇するパターンを繰り返したのです。今の米国市場は、そのような状態にあるように感じます。

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さて世界景気の二番底懸念説から、次第に景気回復が確信に変わる場面でしょうが、日本株は強いながらも、片肺飛行のように感じます。その理由は、世界景気は大丈夫だけれど、国内問題で不安を抱えている様子が表れています。株価が本格的な上昇に入るかどうか…全ては新政権次第なのでしょう。今日の市場意見の中で「新内閣に市場主義を嫌う勢力の存在を問題視し、海外投資家が逃げ出すのでは…」と言う意見がありました。具体的に郵政民営化の揺り戻しですね。小泉改革時に効率的な資金配分に繋がると歓迎した外人筋が逃げると言う意見です。

しかし、この意見は財政投融資資金を述べているのでしょうが、新政権が効率的な予算編成をする前提なら、この懸念は消えてなくなりますね。国民新党の日経平均先物廃止論を問題視する意見もありましたが、民主党の公約ではありません。あくまでも政権政党は民主党で、おそらく重要な決定は国家戦略局が担うのでしょう。だから現段階では、頭の隅に入れる程度なのでしょう。

今日の銀行株安は、亀井金融相が発言した「モノトリアム」法案作成指示からの動きなのでしょう。3年間の支払猶予の話しですが…、何故、大手銀行株が下がるのでしょう?

住宅ローンや中小企業の返済が停止されれば、その貸付が不良債権になり貸し倒れ損失を積み増さなければならない。だから赤字が増え自己資本が毀損し、それを補う必要がある。このような発想から売られたのでしょう。亀井氏の選挙区は広島で、アーバンが黒字倒産した地元です。しかし…みずほが融資を引き上げたのは、もともと金融庁の指導ですね。現在は不良債権の基準である線引きが厳しく設定されており、銀行の裁量権が働きません。UFJ銀行が統合された時に、金融庁は一元管理により、銀行の裁量権が認められずに、双日やダイエーは不良債権扱いされ、引き当てを余儀なくされました。だからアーバンは黒字でしたが、保有不動産の値下がりで債務超過と判断され、融資を引き上げられたのでしょう。

今の金融行政はマニュアルに縛られ、裁量権が銀行にないために、貸し渋りや貸し剥がしに見えるのでしょう。素をただせば厳しい金融検査が生んだ弊害なのでしょう。亀井氏は一応、東大出ですから、説明すれば問題点を理解されるでしょう。逆説的に言えば、支払猶予の発言は好材料に転換するかもしれません。銀行に裁量権が戻るかもしれませんね。勘違いしないで欲しいのですが、この政策で一番苦しいのは、小さな銀行で地方銀行や信金、信用組合レベルの銀行ですね。大手銀行の中小企業への貸付は少なく、多くはセーフガード(政府保証)が付いているものです。セーフガードがなくてお金を貸している先は超優良の中小企業ですね。地方銀行と同レベルに考えるのはおかしいですね。仮にこの政策が実行に移されても、常識的には政府保証が付く話しでしょう。そうして不良債権扱いはしませんから、自己資本の毀損もないと思います。更に世界景気は回復過程ですから、通常の貸し倒れ損失は減る傾向で、その増加余裕分でカバーできると考えています。よって銀行株は絶好の買い場だろうと思っています。

まぁ、本当は昨日の発言は、亀井氏の冗談かな?と当初は考えていました。今日になって10時半頃の報道で、あぁ、真剣なんだ…と思いましたが、モラルハザード(倫理の欠如)の懸念がありますから、利用する企業も相当絞られると考えています。前年度まで税金を納めている黒字企業であることや、今回の金融ショックでの影響のみの利用に限ることなど…。利用に際し、相当ハードルが高い法案になるのでしょう。だから影響は大きくないでしょう。それでは銀行株が、何故、下がるか? もともと下げ歩調でマインドが暗いこと。信用買い残が多いことなど…色んな理由はあるでしょうが、黒字で配当をして、尚且つ増益基調の企業であり、純資産倍率が1倍程度のことを考えれば、明らかに割安だろうと考えています。そうして、大切なことを忘れていませんか? 銀行株のビック材料を…。包括利益の国際会計基準適用を採用されるのです。株価は既に簿価より、かなり上がっていますね。

まぁ、心配していません。今日もまた、私は不良在庫(銀行株)を積み増している所です。長くなりましたから、個別株の話しはなしです。面白くなってきましたね。久々にワクワク感を感じます。初閣議の内閣基本方針を読めば…「国民主権」「地域主催」「自立と共生」を掲げており、国民の可処分所得を増やし、内需を拡大させると明言しています。この通りなら株高になります。民主党、頑張れ!

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投稿者 kataru : 2009年09月17日 19:21