未来かたるが語る

今日の市況

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2009年06月30日

6月30日

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難しい選択を迫られ市場経済は何処に落ち着くのでしょう。
市場経済の見本の国「米国」では金融機関に公的資金を投入し、驚く事にGMなどの民間企業まで救済しました。日本は何故か分かりませんが、改正産業活力再生法を設け、エルピーダや日航などを救済すると言います。日本郵政の民営化は着々と進み、黒字化に成功しスムーズに運んでいるようですが、元総務大臣の鳩山氏が噛み付き、日本を揺さぶっています。

マスコミは郵政民営化を小泉改革と言っていますが、本質は共産国家か資本主義かの選択です。間違っては困りますが1989年のベルリンの壁崩壊は、社会主義の敗北なのですね。市場主義が効率的な発展を促す考え方と言うのが定着した現象なのです。ところが2005年ごろから2006年に掛けて、行き過ぎた市場原理が暴走し、原油価格が147ドルを付け反省をもたらしたのが、サブプライムから発展したCDS問題なのです。今はその行き過ぎた分の揺り戻しです。

財政投融資を支えているのは、郵貯のお金です。その配分権を民間に委ねるか、官僚などの役人が支配するかの戦いが郵政問題です。失われた時代を経て市場原理に資金配分を委ねようとしたのが郵政民営化です。だから財界は挙って西川さんを応援し麻生総理に圧力を掛けて鳩山さんが切られたのです。しかし改正産業活力再生法は、官の復権です。必要のない制度を作り、自分たちが権力を広げる為に用いました。ダイエーやカネボウと同じです。

その要らない法律を利用し、日本航空に公的支援をするという話しに、全日空の伊藤社長は「国土交通相コメントに関する要望について」という文書を、国交省に提出したと言います。その内容は「航空行政の取り扱いにおいて企業間で公正・公平な競争環境が確保されることを望む」とし、「(日航の)既得権益の見直しについて柔軟な対応をして欲しい」と訴えたそうです。当たり前ですね。フェアな競争が市場原理の原点で、それを自己保全や権力拡大の為に歪めているのですから…。私は坂本社長が好きですが、エルピーダも支援を受けるべきじゃないですね。日本に要らない産業だと日本は言っているのです。

エコ・ブームになっていますが、二酸化炭素の排出量削減の問題は産業界に膨大な経費負担を強いる事になります。今日の日経産業新聞には、日本が鉄を1トン生産するためのエネルギー使用量を100とすれば、アメリカは125であり中国は129だと述べています。効率は日本が断トツですが、この上に更なる負担をかける事になります。鉄鋼大手の研究開発費は4.5%増の1100億円とか…。

雇用をどうやって守るのか?
先日、テレビで島根県の企業誘致の話しを紹介していましたね。県が専属のスタッフを置いて企業の要望を細かく聞き、行政は直ぐに対応するスタイルをとっていました。役所が民間企業レベルの有利な条件を考えているのです。固定資産税や事業税を優遇し雇用を維持してもらえば住民税などで補えるわけですね。どうやって雇用を確保するか? 

何処に政策の焦点を持って行くか? 非常に難しい選択ですね。日本が失われた時代を続けて、さらに難しい注文を付けるから企業は海外に逃避します。人件費などを考えれば、日本で無理する必要がないのです。一方、外人投資家もブルドックやフジテレビのような例を見せ付けられ、馬鹿らしくて日本に投資をしようと言う気が起こらないのでしょう。だから株価は20年間も下がり続けるのです。いつまで郵政民営化のような戦いが続くのか?

なんとか、しなければならないと思い真実を伝える為に、株式の話しと共に情報を提供している次第です。株式市場は経済の鏡、真剣に儲けようと思えば、必ず、政策の壁に当たります。グッドウィルが、何故、潰されるのか? 真相は分かりませんが、必要な分野でしたね。介護も派遣も…。何故か揺り戻しが、ずっと行われている。経営の失敗である赤字のツケを、市場が払わされるのです。失敗したら潰せば良いのです。民間の市場原理の論理の中に、役人が口を挟むべきではないでしょう。全日空の伊藤さんの気持ちは痛いほど分かります。苦労してリストラをして経費を削減し頑張っているのに、何故、JALだけが優遇されるのか? 天下りが多いのは分かりますが、こんな事を許したら、フェアな競争精神は失われますね。僕の考え方は間違っているかな? 

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2009年06月29日

6月29日

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NY市場は金融規制の行方が気になりますが、今の所は無難な動きをしており心配する必要はないようです。中国は必用に米国に圧力を掛けています。外貨準備高の金の保有を増やすとか…ドルの基軸通貨に対する疑問を再び投げかけています。その為に米国株は大きく下がらないと思っています。今日のように弱い相場だと、皆さんの景気回復シナリオの自信が揺らぐことでしょう。

今まで主力と考えられたGSユアサなどが、ここまで上げたので投機資金が生まれたのですが、ここに来て調整入りを余儀なくされ下げています。業績の背景が分かる銘柄は、株価の下げはチャンスに見えて買えるのですが、業績を無視したこのような銘柄の判断は難しく、どうしても売り急ぎの動きになります。私が買いで入ると言う前提で考えるなら、13週線以下(767円)から買い下がるかもしれませんが…。前にも言ったように、絶対に買うことはありません。

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博打熱は盛んでラオックスは今日も上げていました。しかし主力銘柄は一斉の調整局面が続いています。コラムに「揺れる心」を掲載したのが6月7日ですから、基本的にその頃から調整局面が続いているのでしょう。先週は25日線を目処に押し目買いが入りましたが、このラインが基準になるかどうか微妙です。しかし今週の日経平均株価の13週線は9412円近辺にあり、そう下がるように感じません。

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今日の相場は大和証券ですね。意外な増資発表で憶測を呼んでいます。三井住友銀行が日興証券を傘下に入れたこのタイミングの増資ですからね。この会社の評価は難しいのでしょう。てっきり大型公募は「みずほ」だけと考えていただけに意外感がありますね。この連想で「みずほ」が売られ、全体相場の腰を折った印象です。ただ年初から「みずほ」は増資を観測されており、発表があっても意外感はなく相場に織り込み済みです。配当金がきましたね。なんと10円です。今度は8円ですが…高利回りの預金のようなものです。問題は三井住友銀行の株価の行方です。ここに9000億円の資金が眠っており、このお金の還流なくして、相場が元気になることはないでしょう。ヘッジファンドに資金は還流され、若干のユトリはありますが大きく株価を上げることは困難ですね。そこで眠っている東芝の3000億円を含めて動かす必要があるのですが…。

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ところでビスタニュースに掲げた銘柄がストップ高して意外だったのですが…、私は鉱工業生産指数が発表されているように…、戻りの好調な業種から銘柄をピックアップしただけなのです。なんでもソフトバンクの孫氏が決算発表で、この話題に触れたことが材料視されていると、今日になって聞きました。私はこの話しを知りませんでした。時代の流れから有望なのです。他にも類似銘柄はあります。昨年末にアルプス電気がこの分野に参入しています。あまり高い所を追う必要はありません。因みに…これの有料情報の方なのでしょうが…、基本的に保守的な銘柄は、たいがい人気化したときが売り場になります。上昇波動は業績変化が続く限り普遍なのですが、一旦は利食い売りをして次のチャンスを待つ事になります。多くの業績の裏付けがある有望銘柄は25日移動平均線割れからが買いのポイントになり、そこから下を徐々に買い下がります。必ず、このように人気化しますから、その時に売れば良いのです。少し気になったので補足しました。今度、時間がある時に、この手の株の仕掛け方などを、ビスタの株式教室で解説します。

そろそろ追証を心配される方も居るでしょうが、無理する相場ではありません。しかし慌てて売り急ぐ必要もないでしょう。基本的に横這い波動が続くのでしょう。6月に続き7月も1兆円じゃ…。打ち出の小槌があるわけじゃあるまいし、トホホ。いったい上は、何を考えているのか。


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2009年06月26日

6月26日

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米国では新規の失業者保険申請者数は前週比1万5000件増の62万7000件で失業保険の受給者件数は2万9000件増え673万8000件になっていると言います。なかなか働くところが増えてない印象ですね。バンカメの優先株が普通株に転換され、これにより米国政府の基準を満たしそうだとか…。そのバンカメのメリル関与で議会証言を求められていたFRBのバーナンキ議長は障害を乗り越えたと言われています。彼がポールソンの失政を救ったと言われています。来年1月31日に彼の任期が切れるのですが、再任を期待する次第です。スイスの大手銀行UBSは38億スイスフラン(3300億円)の増資を実施するとか…欧州は東欧を中心に景気後退が深刻ですからね。

米国株は住宅や消費が高かったと言いますが、まだ分かりませんね。何れこの流れに向うのですが…。農機具大手のディアの株価が上昇したと言います。好調な需要に支えられている日本の農機具メーカーのクボタや井関農機の株価も人気になっています。クボタは水処理などの技術もありますから、期待して買おうと検討していた時に、先週号の日経ヴェリタスに、アクルーアル(売掛金未収の話し)が拡大しPER22倍だけれど、実際のPERは42倍との記事を読み断念した経路があります。でも株価は上がりましたね。トホホ…。情報も諸刃の剣か。博打株のラオックスは上がるし…。考えてみれば、先日のダヴィンチもそうだし…。博打はよく上がりますね。度胸の勝負なのでしょう。

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そう言えば株価が強かった住友信託は、日興アセットの買収を決めたとか言う報道がありました。銀行セクターで前期黒字を計上した堅実さを評価する声も背景にあります。あとは先日、触れた古河電工が今日も人気を集めていました。でも富士電機は動いておらず、やはり大きな背景が違うのでしょう。先日のパワー半導体とは違う狙いがあるのでしょう。今日の動きはこんな所でしょうか…。そうです。今日は主だった企業の株主総会で注目されていたのはロームの自社株買い提案ですが、否決されたそうです。成長力が落ちたら、使い道のないお金は、市場に返すべきだと思うのですが…。もう一期ぐらい経営者を信じてみようということかな?

今日の新聞の中で面白かったのは「膜のはなし」(水処理)ですね。旭化成や東洋紡に日東電工など…それぞれ違う種類のろ過方法があるようで、詳しく調べたことはありませんが東レもそうですね。兎も角、欧米の企業は水を直接、売るビジネスをするのですね。日本みたいに膜の技術だけを売るのではなく…。そういえばシャープはイタリアだったかな? 太陽光による発電事業を展開しますね。昭和石油もサウジで…。丸紅だったか? 商社もそのような売電事業なんかに参加しています。

思うのです。M&Aを駆使して日本の金融力をバックに、アジアで社会インフラ事業を実施すれば良いのです。先日の東西回廊も含め、日本のプロジェクトとして民間主体で、政府保証をある程度つけて現地の政府と共に…大変な需要が生まれ日本は成長を加速できますね。通信インフラもそうです。NTTの3Gの技術は世界一ですからね。本当に…イライラします。折角、日本が飛躍できるチャンスが転がっているのに…日立も重工も動こうとしない。社会インフラ整備は日本のお家芸の一つですね。建設会社もたくさんあるし…。

スケールが小さな政治家や事業家ばかりですね。このような発想は直接、株に結び付きませんが、同様なビジネスが起こった時に、株価にアクションがあれば、一緒に行動できます。ところが普段から、このような幻想を考えてないと相場に乗ることが出来ませんね。先ほどの農機具の話しから農薬を連想した人はいますか? 日本農薬やクミアイ化学にイハラケミカル、北興化学と銘柄を連想できる人は、先読みが出来ますね。

GSユアサが人気になりましたが明電舎だけではなく三井ハイテックに黒田精工はモーターコアとの報道が日経ビジネスにありましたが、モーターなら磁石だから日立金属にTDK、そして信越化学まで連想ができるかな? ただ問題は、やはり売上に対する比率ですね。そうして、儲けがあるのかないのか…。197億円だったかな? 燃料電池車に賭けた夢の成果はわずか42台とか…。197億円もの予算があれば他に何か出来そうですね。まぁ、今日は気分が乗らずに取り留めのない話しを…何かのヒントになれば幸いです。

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2009年06月25日

6月25日

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NY市場はFRBの現状維持の政策を受け、米国金利が上がり円安に…。しかし予定内の反応だった為か、日経平均株価は25日移動平均線を割れていることもあり、様子見から買い戻しなどの買いが入り、先物より大幅上昇しました。しかし中身の乏しい展開です。こんな中では月曜日の今日の市況で触れたパワー半導体の三菱電機が元気な動きをしていましたね。また先日書いたパナソニックの6月上旬の出荷が前年同月比1.5倍という中で硝子などの方が…と書きましたが、日本電気硝子が業績の上方修正を発表していました。まぁ、旭硝子もそうですが、自動車の方が不振だから、やはり日本電気硝子なのでしょう。

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今日の話題は何かな? SNSで書いたラオックスでしょうかね。中国の蘇寧電器が12円で引き受ける第三者割当増資も話しですが…今日の株価は124円でした。別に、こんな博打株はどうでも良いのですが、要するに、このようなケースで、まともな大型出資の案件が今後、出てくるのではないかと感じます。既に日本の政策を思うと、大きな期待がかけられるのかどうか…疑問を感じているわけですが、仮に日立クラスの会社に中国企業の出資が行われれば、面白くなりますね。そんな幻想を抱いているわけです。

今日のような先物からの上げを見ていると、素人の人は株が上がってよかったと思うでしょうが、中身のない展開ですから、強い相場と言うよりテクニカル的な意味合いでしかないのです。しかし先物からの上げでも、やはり個別銘柄に影響を与え、全体のマインドはよくなりますね。緩む時間帯でも先物が高いと裁定取引を誘発し、相場を作りやすくなりますからね。私は1ヶ月の休養と考えており、7月上旬まで調整色が強いかな?と考えていましたが、今週の安値が当面の下値になるケースも出てきましたね。

つまり上海総合株価指数と同じ展開を日本株が歩む可能性がありますね。今の上海総合株価指数の位置は昨年の7月から8月の株価位置で、日経平均株価に直すと12000円から13000円の株価位置になります。昨日、示したように既に日本経済は中国経済との繋がりが強いですから、その可能性も充分考えられます。その為には来週から三井住友銀行のフォローが始まらないと、相場にボリュームが生まれないでしょう。果たしてそんな展開になるかどうか…。いくら強気の私でも…

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民主党が郵政民営化を白紙にすると言いますが、時代を戻す政策が国民に受け入れられるのでしょうか? マスコミは「かんぽの宿」の建物の価格の表面上しか報道していませんね。人件費などの計算をしていません。西川さんの判断はお金の額ではなく、時間に重きを置いたのでしょう。今、日本が失われた20年と言う歳月を強いられているのは、人間の感情を重視して、曖昧な判断をして構造改革の時間を無視したのです。どちらを重視するかの問題なのです。

金融危機で高額報酬に批判があったボーナスカットを補う為にシティーバンクの基本給を上げるそうですが、その米国は昨年の9月に金融危機が発生しましたが、すでに健全な大手銀行は公的資金を返済しました。日本は1989年から2005年ですね。「みずほ」は未だに通院状態で「りそな」は入院状態ですね。この違いは時間なのです。時間にお金を掛ける価値観が、日本にないから前に進めません。情報にお金を掛ければ他人の時間を奪えます。他人が経験した貴重な時間をもらえるのです。仮に郵政民営化になれば、ブラックボックスの財政投融資が復活します。読売新聞はナベツネが鳩山氏の援護をしているとか…。個人的な感情で大新聞が日本を惑わし、正しい報道をしないとは…。テレビも含め困った国です。変化を受け入れねばなりません。

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2009年06月24日

6月24日

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NY市場は模様眺めの動き、何度か生産延期に追い込まれている新型旅客機787型機の今月の初飛行見送りからボーイングが安く、NY市場は下がったと言います。肝心の中古住宅販売件数は2.4%増の年換算477万戸の販売で、在庫率も3.5%減少しましたが市場予測の480万戸に届かず、市場心理を圧迫したと言いますが本当かな? 

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まぁ株式相場の解説など、いい加減なものなのでしょう。昨日の金融株は軒並み高でしたね。私はアメリカの経済を壊すような金融規制を実施するとは思えませんね。いくら清貧思想が疑われるオバマ大統領でも、ドルの基軸通貨の権利を手放すとは思えません。だから米国の株式も単なるテクニカルの調整だろうと考えています。

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東京市場は偶然か、昨日、話した古河電工などが人気になっていました。物色意欲は落ちているわけではなさそうです。ただ注目しております三井住友銀行は安かったですが、出来高が大幅に減っていますね。増資を払い込んだ短期値鞘取りの動きは一巡し始めているようです。今日はBRICs関連が強かったですね。当然なのですね。貿易統計が発表されていますが、地域別の輸出額を見ると分かりますが、中国は米国経済よりも既に大きなウェートを占めていることが、お分かりいただけると思います。その中国はGDPの成長率を上方修正するという話が、日経新聞に載っていました。あまり目先的な動きに振り回されず、確りしたバックボーンを持って行動したほうがいいのでしょう。

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利食い調整と言うテクニカルな調整は、時間調整と値幅調整の二通りあります。今回は時間調整のイメージが強いのです。理由は株価位置の問題ですね。日本市場はPBRを基準にした株価はかなり安く、この理由を説明する為には、当分の間、日本企業は赤字が続く事になります。しかし今の見通しは年後半から来年にかけて、成長力が回復するとの読みですね。米国も年末には上昇に向う予測が、一番多いですね。カンフル剤が切れて経済が失速する懸念は、依然として強く囁かれています。…がしかし、大きく落ち込んだ生産調整は急速に変化しています。

先日の話しました東西回廊に続き、中越回廊(中国とベトナムを結ぶ道路)が完成した物流ネットワークのおかげで、08年までの8年間で貿易総額は8倍に成長したと言います。九州と韓国を結ぶ海底トンネルなどの話題が出れば面白いですね。この道路を日本、韓国、北朝鮮、中国と、鉄道も含め結ぶのです。北朝鮮の金正日の死が近いと噂されています。新しい時代が動き出しても良い頃です。夢は大きくしないと面白くありません。

マスコミは相変わらず電気自動車などの話題が多いようです。しかし三菱ケミカルの作ったプラスチック・カーならリッター100キロの走行が可能だと言われています。勿論、新日鐵なども負けてはいません。強い鋼板を作る技術を開発しており、車が更に軽くなれば、どうなるのでしょう。この流れを消したくはありませんが、エコ・カー・ブームは一服状態なのでしょう。果たして業績の見込みの立たない業界の株を、いつまでも繋げるものかどうか…。出来ればアジア経済界発展のような、現実的な利益に繋がるブームの作れるスター銘柄が見つかれば良いのですが…。何かないかなぁ~。

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2009年06月23日

6月23日

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米国の株式の下げを多くの解説によれば、世界銀行が2009年の実質成長率を3月の予測であるマイナス1.7%からマイナス2.9%へとトーンダウンした影響によるものだと解説されていました。でもやはり、私と同じ不安を覚えている人がいるようで、金融規制懸念が株安を誘発しているとの解説も中にはありました。下の様子が昨晩のNY市場の金融株の値動きです。私が気になるのは5%規制ですね。新規のデリバティブに対する総量規制を意味するのか? 日経新聞は報道していませんからわかりません。ただ5%規制が掛かるとの報道だけでしたから…。その範囲が問題なのですが…。報道がないから米国の株価動向をみるしか、判断材料がないわけです。

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金融規制は日本でも強化されます。サラ金の総量規制が実施されます。ヤミ金を認める悪法だと思いますが、日本は個人の自由を奪い、何でも管理したがる国ですからね。三和銀行が潰されたのも、銀行側の主張を認めませんでした。景気の底打ち後、強引に役人が割り込んだカネボウは自主再建を出来ずに、投資ファンドはホーユーに売却するとか…。あの時、花王が手を挙げていたのに…。(一応、表面上は成功した事になっています。)同じ状態で、民間に委ねた双日は、どうにか民間の論理で動いていますね。ダイエーは丸紅からイオンへ行くし…。果たして役人が、しゃしゃり出るのが正しい選択なのかどうか…。今度はJALも融資に対しても80%保証だとか…。本当に、この国の役人はアメーバーですね。消費庁だけで我慢せず、再び新しい動きも出ています。日本の国が豊かになるなら何をしても良いのですが、現実は失政ばかりです。

さて今日は株安ですが、基本的に大丈夫でしょう。何故なら、世界経済は新興国中心に復活しているのです。世界鉄鋼協会によれば、世界の5月の粗鋼生産は前年同期比で21%減となっていますが、中国では3ヶ月ぶりに増加し0.6%増の4646万トンだそうです。インドでは9.3%増となっています。しかしブラジルやロシアではマイナスです。この中国の話しですが、四川省から分離され政府の直轄市になった重慶では、モノレールや地下鉄の建設が盛んで、12%成長を確保すると言います。日本と違い公共企業投資の波及効果が大きいのですね。モノレール1億元の投資に対し2.63億元の経済効果があるそうです。

日本でも地下鉄東西線が開通した時は、浦安などの地価が上がり経済効果が高く、沿線はすごく発展しましたね。同じことです。葛西は都市銀行が出店ラッシュになった激戦区です。しかし今は、日本で公共事業投資をいくら増やしても、経済効率は上がりません。乗数効果は1.5倍もあるかどうか…。90年代に昔の幻想に縛られ財政出動した役人の政策は、間違いだったのです。だから失われた時代が長く続いています。90年代の公共事業投資の為に、地方の自治体は借金で苦しんでいますね。あの時に次世代の光通信網などの情報インフラ整備や少子化対策などにお金を使っていたら日本は変わっていましたね。日本国だけでなくアジア地区を巻き込んだインフラ対策を実施すれば…。日本はかなり成長していました。まぁ、株屋が言うことではないですが…。

中国は適切な対策を実施しています。沿岸部では輸出の落ち込みをカバーできませんが…心配ないでしょう。パナソニックの6月前半の話が載っていました。此方は日刊工業新聞です。薄型テレビの出荷は、前年同期比で1.5倍だそうです。今日はお客様の注文で、偶然にもパナソニックを買いましたが、本当は製品メーカーより硝子など素材の方が儲かるかな? 携帯電話やリチウムイオン電池が好調のようで、古河電工では電解銅箔生産が急回復しており、08年度上期と同程度の生産まで回復しているそうです。銅の市況が上がっているのも頷けます。ただ三菱伸銅では70%だそうですが…。しかし2月は08年度上期の15%の生産量だったことを考えれば、劇的なV字型回復です。でも全体では概ね7割の回復なのですね。

金融規制の動きは気になりますが、実態景気は明らかに上昇傾向です。証券界の現状は4月は赤字ですが、5月、6月は黒字に転換していますね。まぁ、私の給料を見ればわかります。今の時期はどうしても、昨年後半の嫌な下げが、強烈に記憶に残っている為に、下がると弱気になりやすいです。目一杯、信用取引をしていれば、今日の水準では追証ラインでしょう。

しかし、そんなに心配ないでしょう。もともと買いの参加者は少なくシコリがありません。強気を貫いている人は、既にかなりの儲けがあります。多少の下げでも慌てて売りに回らずに買う人が多いことが、今日の出来高や売買代金から窺えます。ただ、どんどん下がれば駄目ですね。しかし9000円を割るような下げにならなければ、個人の買い意欲は衰えないでしょう。配当利回りで、株が買える水準です。土曜日の株式教室を見てください。定期預金するよりお得ですね。さぁ、安くなったら元気を出してくださいね。来週には落ち着くと思います。市場の株式相場のバロメーターはやはり三井住友銀行の推移でしょう。

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2009年06月22日

5月22日

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米国市場は金融規制の発表にも拘らず、銀行株などは相対的に高くなっており、この問題を懸念する必要性は薄れているのかも知れません。規制とは行動が制約されることで、自由な市場原理に反することなので好ましいとは言えませんが、株価の反応を見る限り、この程度の規制は市場で容認されているのかもしれませんね。市場経済とは、常に市場の反応を見て政策を変えることですね。日本株のように1989年以来、一貫して下がり続ける株式市場は、いくら少子高齢化でGDPが増えないとは言え、政策の失敗と言われても仕方ないと思います。ところが、お隣の国の中国はGDPが日本並みになっても、成長力は大きく落ち込みませんね。故に下のグラフのように、株価は世界で一番早く立ち直り上がり続けています。

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大国中国の需要は大きく、限られた資源ですから価格も戻り始めています。一般的にCRB指数は歴史も古く、途中でロイターに買収されましたが商品市場のバロメーターです。2005年9月に修正され現在は、原油、燃料油、無鉛ガソリン、天然ガス、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、とうもろこし、大豆、小麦、綿花、牛、豚、ココア、コーヒー、オレンジジュース、砂糖の19品目から構成されていると言います。その動きは下のような展開です。

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一方では中国経済はバブル状態だと懸念する声もあります。何度も指摘しているように、貸し出しなどの異常な増加が資産インフレを招いていると言う意見なのでしょう。しかし私はこの意見とは、逆の考え方をしています。1989年の日本も銀行貸し出しが元になり、土地などの資産インフレが起きてバブルが発生し、その残存処理に手間取っています。未だに、その当時の借金が清算出来ないのです。「りそな」などは代表的な例ですね。あの当時の日本のGDPは一人あたり3万ドルぐらいあり世界のトップレベルでしたが、中国の現在のGDPは上がったといっても、一人あたり3000ドル程度のものですからね。依然、多くの国民が貧しい生活を送っているわけです。沿岸部では日本より裕福な人は大勢いますが、全体的な水準が違います。

成長の余地が高い国と世界トップの水準を維持する為には、自ら改革をしなくてはならない国と雲泥の差です。ようやく、ここに来て日本は情報通信やエコ革命などにより、新しい時代の息吹を感じる次第です。JR東海がリニアカーの建設に乗り出すなど、未来都市を創りあげるスタートラインに来たような印象もありますね。物まねだけで世界トップの成長を維持できる道理がありません。世界トップレベルのGDPとは、世界の見本になる国民が成し遂げられる水準を意味するのでしょう。だから中国のバブル説は正しいとは思わないのです。あの当時の日本と立場が違います。一人あたりのGDP水準は違いますからね。

GSユアサなどの材料仕手株が市場では賑わっており、私は数字が会わないので買いませんが、充分に理解できる相場でもあります。ただ参加者はよく知る必要がありますね。5年程度、この分野で利益を上げられるかどうか疑わしいですね。果たしてGSユアサが市場を席巻できるほどの高い技術的な実力を維持できるかどうか? つまり競争が激しいと言うことは、激変する市場だと言うことでしょう。エコ革命を成し遂げテーマに合う利益の出る会社なら私もお客様に薦めることができますね。

そういえば、今日は富士電機と古河電工が共同で環境車向けの電力制御半導体の共同開発が市場で話題になっていましたね。パワー半導体のトップは何処でしょう? 三菱電機などはNECが防衛庁の談合問題で処分されていた時に食い込んだと言う話しを聞きましたね。私も技術的な価値は良く分かりませんが、エアコンなど車以外で幅広く使われており1兆円市場とか…。更に似たような仕組みで注目を集めそうなのがインバーター技術を有する安川などのメーカーでしょう。「スマート・グリッド」を代名詞とする効率的な電力制御は日本にも必要なシステムでしょう。このようなグループから好業績の銘柄を採り上げるのは面白いかもしれませんね。

しかし今は日本の未来を買うより、世界景気の回復を相場に織り込む段階だと思っています。世界景気の鍵を握るのはGDP1300兆円を誇る米国の景気がキーになりますが、成長力ではやはり中国でしょうね。株価は変化を求めるもの。今はどちらかと言えば、値固めの相場だと思いますが、次のステップは再びBRICs株が注目されると考えています。相場の強さを占なう三井住友銀行は今日が払い込み日です。なんでもTOPIXに連動させる為に、公募で増えた株式を買う必要があるとか…市場で話題になっていましたね。

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2009年06月19日

5月19日

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米国では「バイ・アメリカン」などの保護主義的な動きがありますが、この度、再び中国製タイヤの輸入制限を大統領に勧告するとか…言われています。今日の読売新聞には、先日書きました「バイ・チャイニーズ」の話が掲載されていましたね。昭和恐慌の時は、このような保護主義的な動きが、世界恐慌に結び付いたと分析されています。リカードの比較生産費説と言う効率化論が世界貿易を支え、市場経済を支えてきたわけですが、このような動きが広がると、株価にとってはマイナス要因ですね。

一方、米国では統計学上意味のないニューヨーク連銀景気指数を持ち出して、先日は株価の下げを解説したわけですが、今日はフィラデルフィア連銀指数の改善によって、先日の懸念が打ち消されたようです。気になる新規失業保険申請者数は3000件多い60万8000件となり増えましたが、肝心の受給者総数は14万8000件減り、668万7000件だそうです。本当に米国は100年に一度と言うリセッションなのでしょうか? ここで月次の失業率と、年間の失業率のイメージを捉えて置いて下さい。1982年は9.7%で、1983年は9.6%だったのですね。確かに月次の増え方は異常な状態で5月は9.4%まで来ていますが、年間を通じて高い状態が続くのでしょうか?

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マスコミなどを信じては駄目ですね。自分で米国の労働省の統計局までホームページで飛んで、自分の目で確かめる必要があります。株式投資を他人任せにして儲ける道理がありません。何故なら株価は常にぶれて振幅します。だから信じられる根拠がないと、大切なお金を投じることが出来ませんね。PERが割高だと盛んにマスコミは報じていますが、今の時期は当たり前ですね。損益分岐点に近い位置での数字です。このような経済環境でPERと言う指標を使おうとすることが間違っています。昔、収益還元法価格で地価が決まり外人投資家は大儲けしました。その手先として育ったのが「ダヴィンチ」などの新興不動産ですね。外人投資家は利回りと言う概念を用いて、日本の不動産は安いと判断して世界からお金を集め運用したのですね。こんな時期の株価評価で確かなのは配当利回りでしょう。だって、この不景気と言われる所で配当をするのですから、基本的にこれ以上悪くなる道理がありません。日経新聞などの記事を鵜呑みにしないことです。自分で考えることですね。

私のお客様で、あるサービス業ですが、日本でトップレベルの業界の会長さんが居られます。この会社に、最近、中国に進出して欲しいと、地元の役人が2度も来て頼んでいったとの事です。蘇州なのですが、考えてみれば沿岸部の輸出企業は業績が悪く、空き工場があるらしいのです。なんでも使用料が月に坪600円で良いというのだそうです。この会社は進出を検討し社長が見学に行くとか…。この話しを聞いて中国はすごいと思いました。日本の役人が外国まで行って企業誘致をするでしょうか? トップレベルの経済外交をする国は、やはり世界の中でも成長率が高いのでしょう。その中国の上海総合指数は綺麗な右肩上がりの動きをしています。最近、再び「デッカプリング」と言う言葉を目にするようになっています。

ほぼビスタニュースで解説しているような相場展開になっているようです。今日はゴールドマン・サックスが三菱UFJのレーティングを引き上げたとか…。まぁ、アナリストさんの評価などあてになりませんが、三井住友の大型公募が成功するかどうかが、目先の動きを決めるわけですから、側面援助の動きがあっても当然なのでしょう。なんとか証券マンとしては成功して欲しいと願うばかりです。果たして来週に繋がるかどうか…。

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2009年06月18日

5月18日

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S&Pがウェルズ・ファーゴなどの大手銀行株の格付けを引き下げたと言います。まぁ、格付け会社の評価は気休め程度のもので、実際の企業評価とは違うのでしょうが、一般の人はレーティングなどと同じように信じますね。過去の実績を見れば、馬鹿馬鹿しい限りですが…。気になるのはCPIの推移です。前年度比でマイナス1.3%ですが前月比では0.1%のプラスです。市場予測の前月比0.3%を下回ったとか…。米国がデフレ状態になるかどうか瀬戸際ですからね。

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日経新聞などの報道も詳しくなかったのですが、金融規制の行方はやはり気になります。どうも新規のデリバティブ商品に対するものなのか? 仕組み債に対する範囲が分からないのですが5%規制はやはり気になります。大丈夫なのでしょうか? 昨日の米国金融株の動きは小幅安で、大きな影響はないような反応なのですが…。私は気になって仕方がありません。日本でもサラ金規制が強化されますが、基本的に金融規制は、人々の行動を狭めるものです。ただでさえ反省している所に、過剰な規制をかければデフレ環境が加速しますからね。

先頃の米国金利上昇は、どうも上海協力機構とBRICsの動きに対する動きだったようですね。ロシアのクドリン・ロシア財務大臣は「米ドルの立場は今後数年で大きく変わることはない」と発言したことで米国金利は下げたのでしょうが…、その為に円高になり日経平均株価は下げを増幅しているのかも知れませんね。この理由なら株安は恐くありません。しかし金融規制の影響だとすれば、大変な事態も考えねばなりません。限られた情報の中では、米国の株価がやはりバロメーターでしょう。少し皆さんには、この話は難しいでしょうかね? 一番の懸念はデフレ状態が生まれることで、インフレは大賛成なのです。今の所は過剰な反応は禁物で、予定通りの調整だと理解しており、今日も安い所を買っているわけです。まぁ、安いかどうかは、結果を見ないと分かりませんが…。

私の行動を見れば分かりますね。私のようなバブル人間がこれだけ慎重な行動をとるわけですから、世の中は萎縮した状態なのですね。政府は選挙が近いためか分かりませんが、「景気底打ち宣言」だそうで…本当かな?と思いますね。どう考えても、まだ株は安いですよ。実は株主総会の案内が来ていたのですが、封も切らずに見なかったのですが、日経新聞を読んで驚きました。ライブドアが特別配当を実施するとか…。あの時は100円前後から買い始め、途中でも買えなくなっちゃったのです。たしか1万株買うつもりだったのですが3000株を買って買い注文がストップされたのです。だから予定数量が買えなかったのですが、なんと1株6500円も配当を実施するとか…。株主総会の決議を受けねばなりませんが、うれしい限りですね。株価に直すと65円の配当ですね。だから投資金額の半分以上が戻ります。早速、インターネットを開き賛成票を投じないと…。

株価はやはり解散価値は有効ですね。上場廃止になってもこのように配当をするのです。うれしい限りです。米国の対応は早く、公的資金返済が進んでいます。ところが日本の中央三井は公的資金の返済を延期するとか…。りそなも返していないし、新生もあおぞらも返していません。米国と明らかに違いますね。

そういえば「日本は仕方がないのよ。」と、今日、隣の外務員さんに言われました。「日本は士農工商の制度から、社会が構成されており、金融は商人の分野でお金の話は下賤との認識があり、役人は武士の世界だからね。」考えてみれば、その通りですね。いくら若い人が頑張っても、日本には、なかなか市場原理が根付かないのは、仕方がないのかもしれません。しかし市場原理を大切にしないと、お金が育ちません。お金がなくては、どんな理想論も実現できませんね。サラ金規制のような、行き過ぎた規制制度をみると、この国はやはり駄目なのかな?と不安を感じますね。

何とか、頑張れニッポン! 明日も限られた薔薇色相場を念頭に買い向かおうと考えています。

そうそう、基本的に博打相場でもOKなのですが、今は、やり過ぎラインですからね。考えてみれば分かりますよ。時価総額が4000億円の会社の売買代金が、連日1000億円以上と言うことは、この水準で株価を支えると言うのが無理と言う現象でしょう。私はそう思っていますが、やはりハズレ屋の独り言かな? 

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2009年06月17日

5月17日

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米国では住宅着工件数が発表され前月に比べ17%増の53万2千戸となり伸びたけれど、依然として低い状態なのが日本との比較のグラフでも分かると思います。人口や成長率から言って、こんな異常な事態は長くは続かない。もう一つは家電量販店のベスト・バイが3―5月期の決算を発表し1株利益は予想より良かったけれど、売上の予想がアナリスト予想は2.8%減だったけれど、実際は6.2%減となり景気回復期待に水をさした形。一方、ゴールドマン・サックスが100億ドルの公的資金を17日に返済すると言うことです。早いですね。日本の場合と比較し雲泥の差です。

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一方、後場から一気に盛り上がった材料株物色を支えたのは公的資金の買いとか噂されていました。私には先物からの買い支えに見えましたが、今日下げると相場のムードは悪くなる所でしたが…絶妙なタイミングでした。GSユアサを中心とする材料株の物色の輪が広がっていました。驚く事に本命のGSユアサは1219億円の売買代金を誇り第一位の人気株になっています。二番手には実際は明電舎なのでしょうが、売買代金では三洋電機も買われていました。そうして日電工や川重が続き、FDKや古河電池とバッテリー株のオンパレードです。個人やディラーが主体となる相場でしたね。

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私が現役時代のテーマ株相場を連想しました。昔は、そうだったのですね。第二次オイルショックの頃は日本石油を本命に昭和石油や丸善石油などの材料株が主役になっていました。業績は関係ありません。ただの連想ゲームですね。それを煽る業界紙やマスコミに証券会社。しかし今ではコンプライアンスの観点から、合理的な理由がないと銘柄を薦めることができないはずで、検査の対象になります。はたして業績に見合わない株式を薦めたセールスは処分の対象になるのかどうか? まぁ、堅いことは言わず、株が上がり相場に活力が戻ればOKです。ただ私は業績の裏付けがない材料株は苦手です。

一方、ファイナンス期間中の三井住友銀行を「6千円目標です」と公募株を薦めている証券マンが入るとか…。此方も合理的な根拠がある目標株価なのか? ハッキリしませんが…そんな話しをききました。3940円の株価の三井住友の払い込み代金は3928円ですから利鞘がなく売りにくい商品なのかも知れません。しかしこの公募金額が9000億円ですから、仮に2割、株価を上昇させて増資を成功させれば、儲けの1800億円が再投資資金に変わると思うと、証券マンとしては、俄然、この増資を応援したい気持ちです。東芝とは違い、ある程度、根拠のある増資です。

個人投資家は材料株が分かりやすく、値動きが信条の投資をしますから、今日はGSユアサに、明電舎ですからウハウハ状態でしょう。どうやって、この人気を他に移すか…。せっかく育った個人の投機資金を上手く無駄にせずに誘導できれば良いですね。急激な上昇からの調整をどうやって収めるか? 難しいところです。最近の相場は一方通行に動きやすいですからね。今日の動きが明日に繋がらない。投資家層の幅が狭いのでしょう。力量のある証券マンがいなくなったし、日本では資本市場の育成を念頭においているトップが居ませんからね。難しい話です。

日経新聞の夕刊には米国金融規制案が載っていました。重要ですね。デリバティブ規制なども載っていますね。この記事だけでは詳細が分かりませんが、規制の度合いが強すぎれば株価にも影響を与えます。しかし投資銀行業務は不変だろうと思います。今日は大和証券のリートへの投資の話が報道されていましたが良い事ですね。日本の証券会社は投資銀行化の道を歩むべきでしょう。他に今日の日刊工業新聞には、電子部品各社に受注が戻っているとの報道がされていました。日本には省エネ投資を促進させるインバーター技術などもあり、安川電機などは仕手株としての評価以外にも、ちゃんとした背景もありますね。パワー半導体の受注が好調な三菱電機も、何れ株が上がるでしょう。反面、気になる話題は「バイ・アメリカン」ならぬ「バイ・チャイニーズ」の動きです。保護主義が栄えれば株価は下がります。更に上海協力機構とBRICsの動きです。この辺りの話しも要注意ですね。

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2009年06月16日

5月16日

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何故、これほど急激に警戒感が生まれたのでしょうか?
先週末までの動きと今週に入ってからの動きは、同じ経済を表しているように感じられませんね。全く別物を評価しているような錯覚を覚えます。NY市場はあまり重要と言えない指標であるニューヨーク連銀景気指数がマイナス9.41となり前月より5ポイント近くも悪化したことが意外だったとか…。あるいは原油価格などが下落したからとか…。そのように言われていますが、原油価格は大きく下がっているわけではないですね。おそらく東京市場と同じで、利食いの切っ掛けを待っていたのでしょう。そのタイミングで一斉に利食いが入ったので株価が下がったと言う推測が成り立ちます。

元来、私は強気の立場でしかものを見ませんから…このような見方をしますね。今日のお客様への解説は「短期的な利食い調整」と言うもっとも楽観的な見解を述べました。NY市場安、円高により値嵩ハイテク株の下げ、更には三井住友銀行の1兆円近くの公募増資資金手当ての売りなどが、重なったと言う解説です。G8でも回復を支持した発言で、今日は、日銀が5月の「悪化を続けている」から「大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある」と景況感を上方修正しています。このような時期に早々と弱気論の景気後退論が幅を利かせるとは考え辛いからです。

一時、金利高から心配されたスタグフレーション懸念が遠退いたようですね。住宅ローン金利も下がっているでしょうし…。最近、言われ始めている懸念材料は後退しています。やはり「利食い売り」と言う一時的な短期調整と言う見方が正しいかな?と考え、今日もその路線で行動しました。無論、強気ばかりを通しているわけではありません。ポジションを見ながら対応をしているつもりです。ここに来て相場が急伸してお客様も投資マインドが変わり始めているようです。3月には「買い場じゃないですか?」と何度も申し上げたけれど、多くの人はおっかなびっくりでしたが、しかし最近はお客様から煽られる始末ですからね。

先週の動きは、このまま急伸するもっとも強い展開を、一時、考えたほどです。何故なら、そろそろ売り物が切れる段階だったのです。このラインを超えれば、一気に景気が戻る可能性があったのですね。リーマン・ショック時が目標ターゲットになっていましたが、その目標をクリアできる可能性が出てきましたからね。しかし流石に、昨日、今日の動きは楽観論を戒める動きとなりました。ここで二つの指標銘柄を見てみましょう。一つは時代背景を味方に付けた仕手株の「GSユアサ」の株価と、公募が大成功につながった「野村證券」です。

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仮に先ほどの売り要因である公募増資の資金手当ての為の売り要因なら、明日まで続く可能性はありますね。三井住友銀行の払い込みは22日の月曜日ですから、明日までに現物の株を売れば、その資金を充てる事ができます。因みに野村證券のときも公募価格決定時は安くなり、翌日も下げていますが、払い込み当日から株価の動きは変わり始めました。まぁ、あの時のケースが今回も当て嵌まるかどうか環境も銘柄も違いますから、なんとも言えませんが、証券界としては三井住友の増資金額は大きく、注目されることは事実ですね。この増資の成果が気になるところです。

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2009年06月15日

6月15日

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イタリア・レッチェで開いた主要8カ国(G8)の財務相会合は、世界経済は「株式市場の回復など安定化を示す兆候がある」との認識を示したが、「失業者の増加など大きなリスクが引き続き存在する」とも指摘し、景気が回復した後には経済政策を元に戻して財政健全化などを進める「出口戦略」を検討する必要性にも言及したと言います。日本株も1万円の大台を回復しリーマン・ショックを克服しつつあります。予てから述べていた金融不況は一時的な動揺との考え方が認識されてきたようです。ただ実体経済が確実に回復するか未だに予断を許しません。米国では遅行指数とは言え失業率は高止まり、住宅ローンなどの不良債権は増える傾向にあるからです。

1929年の大恐慌のときもそうですが、この出口戦略を誤ると大変な事になります。日本がいい例ですね。当時、年収の5倍で住宅を買えるようにするために課税を強化し、土地担保融資を削り、地価を下げようとしていましたね。政策により資産デフレを承認していたのです。だから銀行の不良債権が膨大な量に膨らみ、負の連鎖が起こったのです。今回は少し事情が違いますが、拡大する資産を圧縮する政策に乗り出したために一時的なデフレ状態になりました。リーマン・ショックが口火を切ったわけです。しかし何とか正常ラインまで資産の圧縮に成功したので投資銀行のゴールド・マンサックスやモルガンスタンレーの株価の戻りが良いわけですね。しかし商業銀行の株価が低迷しているように、信用供与が縮小した為に実体経済が影響を受け、その後遺症は消えてはいません。

しかし昨今の株価急落はサプライチェーンマネージメントの影響も受け、過剰な生産調整のための影響だった要因が大きく、その行き過ぎた反動から株価は急速に戻りました。米国の自動車保有台数が2億5千万台ぐらいなのに、5月92万台ですから年間で110万台ぐらいですね。つまり22年に1台のペースです。こんな馬鹿な話しはありませんね。悪くても15年に1台ペースなら分かりますね。つまり月間138万台の水準です。世の中には常識と言う数字があります。その常識の数字から大きくかけ離れた時間は長く続かないものです。故に先日、トヨタは北米の現地生産を6万台ほどでしたかね? 増産、いや減産緩和を実施したわけです。

株価も同じです。今日はおそらく公募価格の値決めのためと思われますが、三井住友銀行の売買高が異常に膨らみました。おそらく手持ちの株を売り、公募をもらう短期の値ざや稼ぎの動きなどが背景にあるのでしょうが…2位の三菱UFJの売買代金が559億円なのに、三井住友は、なんと1645億円も売買代金が膨らみ株価は6.8%も下げていました。私はこの光景を見て買い向いました。目先の売りを吸収すれば株価は上がるだろうと思っているのです。加えて株価位置は、最近、上がっていると言っても安値圏で推移していますね。考えてみれば分かります。三菱UFJが公募を実施し、野村證券が増資をして東芝が続いています。会社の自己資本が増え財務内容が良くなり、その資金を使って業務を拡大するので収益も増えますからね。株価が上がる背景はありますね。まぁ、穴埋めの東芝よりずっとマシな増資です。あの東芝でも2割も株価が上がっています。野村證券のように2倍以上になるとは言いませんが、株価が上がっても良いわけですね。

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やはり異常な現象が、何故、起こったのか?
その現象がおかしいなら、いずれか株価は戻ると思うべきでしょう。値動きに脅えずに自分の価値観を持つべきだと思います。今日の金融セクターの株価は、三井住友の増資による影響か? 弱かったのですが、同じ金融相場銘柄の不動産や住宅などの株価が高かったですね。加えて、うれしい現象は、大きく売られた後に先駆して株価が戻っていた銘柄が休んでいたのですが、先週末より再び復調気配で循環物色が続いていますね。株価が出遅れていた新興株が上がったり…、非常に理想的な循環物色が続いているような展開でした。

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2009年06月12日

6月12日

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NY市場は、心配されていた30年もの国債の入札が順調に消化され、市場には安心感が広がったと言います。このところの円安は、米国の金利高により日米の金利差が拡大したことが要因の一つでもあります。金利平価説ですね。中国を中心としてロシアやブラジルなどがIMF債の購入に動いています。米国債への投資が減り、リファイナンスが上手く行かないのでは?と言う懸念があります。米国への資金還流が上手く行かないと、金利が上がり住宅ローン金利なども上がりますから、景気回復が遅れるとの指摘がありますね。所謂、「悪い金利上昇」と言う見方も存在します。

金利上昇には景気が良くなり消費が活発化してインフレになる「良いインフレ」と、今、懸念されているように金融がだぶついているが、景気は悪化すると言う「悪いインフレ」(スタグフレーション)の二つがあると言われています。私は今の金利上昇は、正常化へのステップだと思っています。金利がある程度上がるのは当たり前だと思っています。原油などの実物への投資も活発する背景には、景気が回復するシナリオがあるわけで、これからは金利上昇と、景気回復の綱引きが繰り返されると考えています。

原油や鉄鋼石などの資源価格が上がれば、積極的に開発を進め借金の多いリオ・ティントのような資源大手の資金難も救われますね。このような企業に資金が回れば、開発が促進され建設機械などの需要が増え、景気を刺激します。要するに、どちらのスピードが行き過ぎるか? そのスピード感の問題だけなのです。基本的に金利上昇は正常な経済のバロメーターなのです。資金を欲する人がいるから、金利が上がるのです。経済が動いているのです。正常な経済は金利が上がり銀行貸し出しが伸びます。この持続的な上昇が経済の成長力に繋がりますね。しかしあまり早い金利上昇は、景気回復の芽を摘むことも事実でしょう。しかし基本的に一番恐いのはデフレで、インフレはそれほど恐いものではありません。

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現在はグラフを見て分かるように、リーマンの破綻時を上回る金利水準です。つまり株価も何れリーマン破綻時の株価を上回ることと理解しています。その動きが金融相場の特徴である、銀行・証券・不動産と言うセクターの株にも現れていますね。
一例を申し上げれば、不動産の再販大手のリベレステと言う会社が買った、同業者の売れ残り物件が、2週間で完売したと言います。池袋まで20分の埼京線の駅から歩いて12分の75平米の3LDKのマンション14戸を2600万円から売り出したと言う物件です。建設費だけでも2700万円するという話ですから割安なのでしょう。つまり土地代は無料と言う物件だそうです。

このような事例が存在すると言うことは、行き過ぎた銀行の融資姿勢を物語っていますね。黒字倒産に追い込まれた業者は哀れですが、その原因を作った世界同時金融不況の原因の一つである株式相場が1万円の大台に乗せ、銀行もユトリが生まれ融資枠が広がっています。健全な黒字経営なら、そろそろ資金繰り倒産が消える現象の一つが、この事例から窺えます。その銀行株も急伸しています。株価が戻れば売買も盛んになります。今日はSQで2兆円の売買代金を大きく越えていますが、1兆円スレスレまで落ちていた売買代金は2兆円台にまもなく乗せそうです。多くの証券会社は、4月は赤字ですが5月は黒字転換になり、6月も好調な数字を示していることでしょう。野村證券の株価が急伸しているのも頷ける背景です。証券株は軒並み新高値更新ですね。銀行も同様です。最近では、流石に銀行系証券の力は強く活躍しています。大和証券、野村證券、三菱UFJ証券、みずほ証券、三井住友銀行の傘下になる日興証券と、基本的に銀行・証券は同じ株価の動きをします。

話は変わり、中国の5月の小売売上高は、前年同月比15.2%の上昇だそうです。同時に発表された工業生産高は8.9%増で、驚く事にセーブしている筈の銀行融資は、前月の5918億元を上回り、6645億元と前年同期比25.7%増だそうです。これで中国経済が落ち込むとは考え辛いですね。一部で存在するまもなく公共事業投資のカンフル剤が切れ、成長が鈍化するとの読みは当たるのでしょうか? NHKの朝のニュースでは東西回廊が開通したことを報じていました。アジアには世界の6割以上の人が居り、これから日本の昭和30年代からの高度成長期に突入します。馬鹿馬鹿しい弱気論を信じるかどうか? 冒頭の中国やロシア、ブラジルのIMF債への投資は、還流して途上国に融資されるのです。

こう考えれば、誰が考えても中国や日本の株価が、世界の株価に先駆けて新高値に挑戦しても不思議ではないと言う希望的な観測も描けますね。もともと楽観論者のかたる君、調整を欲している日経平均株価ですが、アナリストなどに楽観論が少ない今は、利食い先行になりやすく、なかなか過熱感は高くならないものですね。しかし何時休んでもいい株価水準ですので、恐い気持ちも同時にあります。

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2009年06月11日

6月11日

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FRBはベージュブック(地区連銀経済報告)を発表し、総合判断は「景気は弱いか悪化している」との認識を維持したと言います。「下振れ傾向が緩やかになっている」との回答は4月と同数だとか…。要するにL字型になっている印象なのでしょう。ゴールドマンサックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)はリセッションの長期化を示唆するコメントを発表したようで、株価は弱含みになったとか解説されていました。しかしこの人は、5月8日の年次会合で株主に対し「景気は最悪の状態を脱したようだ、というのが私の期待であり推測だ」と語り、さらに、「現在の危機の終わりがみえてきたと信じている」と指摘した人だそうです。要するに誰にも先は分からないと言うことでしょう。

まぁ、私自身、日曜日のコラム『揺れる心』で迷っている様子を述べています。ビスタの原稿も同様ですね。しかし今日の市場は、この原稿のなかで自信がないと書いた銘柄が、レーティングを引き上げられて、人気の上位に顔を出しています。株は分からないものです。順番を間違いたり、僅かな、すれ違いが成果に繋がるのですね。野村證券のインセンティブの話しは、昨日のSNSでしたのかな? その通りの相場になってきていますね。ビックリですが相場は相場。月曜日、火曜日は想定どおりの相場で、その通りの動きだったのですが、昨日から変化が見られましたね。それで過剰流動性相場に傾いてきたのですね。ビスタでは週1回ですから、この点の心の揺れ具合が分かりませんね。日曜日に書く原稿を読んでくれれば、もっと分かりやすいでしょう。誰にも先は分かりません。

午前中は買い売りの注文を受けるだけしか時間がないのですが、お昼から概ね暇になり、お客様の相談に応じています。しかし鈍いですね。大きくやられたので、此方から積極的に電話をしていません。まだお客様の反応は鈍いようです。あるお客様は昨年1300万ほど損をして、この損の大半は10月~12月です。そうして残金が300万ほどしかなかったのです。今年2月まで更に130万の損だったのですが、今では400万ほどプラスに転じました。このお客様に煽られっぱなしです。「100年に1度のチャンスだからこんな時に買わなくてどうする。」「下がってもたかが知れている。」と、毎日、人気銘柄を買い儲かり始めています。だいたい市場の1番、2番人気の株を買って儲かる時期は長くは続かないと思っていますが、それほど良い環境なのでしょう。勇気さえあれば、みんな利益になっています。損をしていると最初に飛び出す勇気がかなり必要です。

今日は「株を売りたい」を言う電話を頂きました。その注文を断り、逆に買い乗せになりました。そういえば、先日も売りたいと言う電話を頂きましたが、やはり断りましたね。散々、「薦めた株が上がらない」と怒られていた銘柄がようやく上がりだし、今日は買い乗せに、そのお客様は応じてくれました。馬鹿でも儲かる相場なので…やはり良い相場なのでしょう。河村健夫官房長官は「資金が株式市場に戻りつつある」と述べて、日経平均株価1万円乗せをコメントしていました。今日もNHKのニュースでは、おそらく1万円の大台乗せが話題になるでしょう。だって配当利回りが2%、3%の銘柄が、市場にはまだゴロゴロしています。しかも業績の裏付けが確実な大型株の銘柄もゴロゴロありますからね。一方、預金金利は1%以下ですからね。お金が動かない筈がありません。

昨日、トリプルB債と国債のスプレッドの話しましたね。あの例はアメリカですが同じことです。ソフトバンクの5.1%の社債は、瞬間蒸発だったそうです。これは5月26日の話です。大きな流れが感じられますね。先日、野村證券はハイイールド債を募集して、好評のなかで打ち切りになりましたね。そうして私は、リーマンが抱えるトリプルB債がターゲットになると書きましたね。同じ頃、半導体ファンドや金融株ファンドが大量に設定され、此方もかなり好評な募集だったようです。株なんて簡単ですね。理屈どおり買っていれば儲かるのです。

盛んに市場には、警戒感が流されています。1万円を付けて目標達成とか…これまでの下げの経験から多くの人は利食いを急いでいます。しかしどうでしょう? これだけ多くの人が利食いできる環境に、相場環境はなっていますね。誰が株を買っているのでしょう。「もうはまだなり、まだはもうなり」株式市場には有名な諺があります。私だって恐いのですが…、考えてみれば、まだまだ理屈がつく株価です。割高感など全然ありませんね。あるのはテクニカルの利食い調整ぐらいでしょう。この調整は先ほどのお客様が言うように、「下げても知れている。もう恐くない。」果たして、この言葉が慢心になっているのかどうか? 結果は神だけが知っています。

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2009年06月10日

6月10日

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アメリカではJPモルガン、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックスなどの金融機関が公的資金の返済を認められたと言います。日本の場合は未だに「りそな」などの金融機関は返済できていませんね。なんと米国の金融機関は返済が早いのでしょう。昨年11月が一番きつかったのですね。その当時、IRNETでも盛んにドルLIBORの金利の行方を追っていました。ここで先日から何度も、BBB債と10年もの米国債の利回りのスプレッドの話しをしてきましたね。6%台から4%まで下げていると…。8日現在、BBB債は7.72%で10年国債は3.91%です。なんとスプレッドは3.81%に縮まっています。このような現象は臆病な待機資金が市場に流入することを示しています。

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要するに、株を買う資金がジャンジャン流れていると言うことです。世界の中央銀行は金利低下だけでなく、量的緩和の金融政策を積極化していたのです。市場には溢れるお金があるのです。それにも拘らず株価が下げたのは将来に対する不安ですね。今日、発表されている日本の機械受注は相変わらず悪い数字です。内閣府が発表した4月の民間の(船舶電力を除く)機械受注は6888億円と前月に比べ5.4%下落しています。22年ぶりの低水準の数字です。故にみずほ証券の上野さんなどは、まもなく財政出動によるカンフル剤効果は切れ再び景気悪化の奈落の底へ…と述べているのですね。

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一部にはジャブジャブの資金供給の為に原油価格などの資源価格が上がり始め、景気悪の物価高になるスタグフレーションを懸念しています。まもなく株価は大きく下がると予測する声が多くあります。しかし現実は…1万円大台をチャレンジする力強い相場が続いています。日経新聞の騰落レシオによる警戒感を煽る報道が適度なガス抜きになり大きく相場が乖離しないために過熱感がないのですね。しかし今日は…過剰流動性相場を予感させる相場つきになっています。今日はお客様に聞かれました?「過剰流動性相場」ってどういう意味ですか? 要するにあり余るお金が行き場を失い大型株中心に株価が上がる相場を言います。小型株なんて10億、20億と株を買えませんね。自分の買いで株価だけが飛んで株を買えません。売り物がある株が上がる相場が過剰流動性相場です。

日本では1986年から始まった相場です。日銀総裁の澄田さんがドル高を懸念するばかりに、金利平価説を採用し低金利状態を長く維持しました。当時は土地神話が生きていました。土地は下がらない。そうして過剰な貸付競争が生まれました。その為に大型株が軒並み暴騰して1000円以下の株価は数えるほどしかなかったのです。売り物がたくさんある株。増資を実施している三井住友銀行は連日の新高値を更新しています。8000億円の株が買えますね。みずほが1円刻みに500万株ほどの売り物が存在します。たかが10億、20億ですが…、ジャブジャブの運用資金を抱えている金融機関が1000億円の運用を始めるとしたら…。

世界の金融機関の臆病な資金が動く目安がBBB債と国債の利鞘推移です。この利鞘が縮小すればリスクマネーが増えている証拠ですね。故にジャブジャブの金融環境ですから過剰流動性相場が始める可能性があるのです。今日はまさにそのような展開に相場は見えますね。私はまだその走りだろうと思います。本格的な上昇相場は一度試練を受ける必要があると思っていますが…、このまま走り続けるシナリオもあるかもしれません。高値を買ってもあまり恐くない。

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その様子を先駆している中国株を見ると分かりますね。1-4月期で中国は既に5兆元以上の資金を市場に流しています。30兆元ほどのGDPの国で5兆元ですからね。20%ですよ。大変な金額が市場に流れています。当然、株価は過剰流動性相場になりますね。しかしCPI(消費者物価指数)は1.4%とマイナス推移です。だからスタグフレーションを心配する段階はまだまだですね。故に上海総合株価指数は上がり続けるのでしょう。日本株も中国株のような展開を歩む可能性もあります。しかし恐いな…。こんなシナリオが本当に起こるのだろうか?

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2009年06月09日

6月09日

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アメリカではオバマ氏が「次の100日間では、最初の100日間よりも景気対策の執行を加速させる」と発言したとか…。
プリンストン大学のクルーグマン教授は「米国経済は9月までにリセッションから脱出する」と述べたとか…。

一方、市場は強いのですが高値警戒感が強く、日経新聞では騰落レシオの話しが話題になっていました。個人投資家は、ここに来て利益を得ており、かなりリスク許容度が上がっているようです。このために博打銘柄も人気になっています。調べて見たら騰落レシオは、確かに138と高いのですが、乖離率はそれほど離れていませんね。

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個別銘柄でも人気が長続きせずに直ぐに下落し、再び上がると言うパターンを繰り返しているようです。おそらく…、このような警戒感が相場のガス抜きになり、持続的な上昇に繋がるのでしょう。だからと言って、ここからの上昇は多くの銘柄では、やはり難しいと思っています。理由は今の数字では、高値を買えません。スケジュール的には7月下旬から8月がポイントでしょう。この時期は4-6月期の赤字決算が発表されます。この赤字を乗り越えて株価は上がると思っているのですが、そのためには、ここで上昇相場ではなくボックス相場に入るというのが私の推測です。

このような中で、どう立ち回るか?
基本的には出遅れ株の物色が中心なのでしょう。低位株が乱舞しているにもその一環です。リスク許容度が上がっているので、大きく下がった博打株が人気になる局面も出てきますね。今日の値上がり上位の銘柄には、そのような銘柄が並んでいますね。
一方、HV、EVのエコカー・ブームは広がりをみせています。今日は先日ご紹介したリストの中でトヨタにモーターコアを納めている「三井ハイテック」がストップ高を付けていましたね。同様の感覚でホンダに納めている「黒田精工」も人気になっていました。

しかし材料株は個人投資家が主流ですので、逃げ足は速いのでしょう。昔、私はこのようなブームの仕手戦の時は、本命しか買いませんでした。今のグループでは「GSユアサ」ですね。ただ先日も述べたように、私は買いません。利益水準に株価が見合うとは思えないからです。実際の数字が出るのは先でしょうし…、それまでに再び人気が冷めると思っています。今の関心は、やはり銀行でしょうね。三井住友銀行のファイナンスはどうなるのでしょう。チャートは絶妙な形ですね。4月の3000円前後は良かったですね。

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基本的に、私は機械的な株の売り買いするようにしています。高くなれば売り、安くなれば買うのです。ところが人間は不思議な動物で、高くなると買いたくなり、安くなると売りたくなります。再び大きく下落し景気は回復しないと言う意見は、依然、至る所で語られています。これらの主張で話題になるシナリオが、物価高の景気悪ですね。スタグフレーションと言う悪いインフレです。当然、このことが、これから話題にされますが、考えてみると分かります。お金がジャブジャブで景気が悪くなる例は過去ありません。インフレで生活苦になりますが、同時に所得は後から上がるのです。このようなケースは必ず、時間差を置いて景気が良くなります。懸念は一時的な現象なのでしょう。ただ日銀はインフレになるまで金融緩和を容認しないでしょう。

私は今回の景気回復が本格的な成長期にならないかな?と密かに期待しています。非常に可能性は高いのですね。あらゆる意味で日本株は、継続的にスケールの大きな相場に入っている可能性がありますね。夢の相場の話は、またの機会にして…、相場が安い時は強気な対処で…。その為には論理的な裏付けがある銘柄を手掛けるべきでしょうね。互いに頑張りましょうね。

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2009年06月08日

6月08日

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市場では1万円の大台回復に向け掛け声が強かったようです。おりしも円安の方向性で輸出企業中心に値嵩株が買われ日経平均株価が押し上げられました。うれしい事に銀行株が堅調な展開でファイナンス中の三井住友銀行を中心とした銀行、証券などの金融銘柄が高かったですね。広範囲に個人投資家の物色は続き、出遅れ銘柄から低位株と流動性相場を思わせるような力強い動きでした。5月の銀行貸し出し残高は、前年同期比3.3%増と増えています。ただ貸し出し総額が4月の470兆9206億円から468兆894億円に減っているので一概に喜べません。

同時に景気ウォッチャーが内閣府から発表されました。この調査は街角景気と呼ばれ、タクシーの運転手の人などに対するアンケート調査です。詳しくは此方…。
人間の感覚とは的確なもので、ミリ単位以下の違いを区別できるので、このようなアンケート調査は、優れた景気のバロメーターだろうと考えています。非常に重要ですね。ただこの調査でも分かりますが、日本人との言うのは控えめと言うか…後ろ向きの人種のようにも感じます。今回の景気拡大が長かったのですが、2005年、2006年でも良くなっていると言う人は少ないですね。それに引き換え悪くなっていると言う人は多いのです。ただ5月のDIは36.7と、昨年3月の36.9に並ぶ水準になっています。

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ここに来て投資信託などへの資金流入は順調のようです。実は野村が募集したハイ・イールド債投信の影響かどうか分かりませんが、先週はノート(10年もの米国債)の利回りが上がったのですが、トリプルB債の利回りは若干、低下しています。その為に両者のスプレッドは縮小しました。この現象は正常な金融市場に近付いており、株式市場にも資金が流れることを暗示しています。日本では出遅れ修正が続き、東証2部や新興市場の株価が急速に値戻しされていますね。兎に角、安いのです。PBRが0.5倍以下で配当をしている企業などは異常な株価ですね。

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最近のことですが低位株が賑わっていますね。新興不動産株などは資金繰り不安を抱えており、博打なのでしょうが大幅に上がり続けています。市場では1万円の大台回復が注目されていますが、同時に上記のグラフのようにノートは上がり続けており、景気回復に水をさす動きがあります。弱気筋は必ず「スタグフレーション」を将来、言ってきます。確かに根拠はあるのですが、私は正常化に向けた一つのステップだといつもの様に楽観的に構えています。今までは増資は売りだったのですが…三菱UFJや野村證券の学習効果からか、東芝は高く展開し、三井住友も一度売られましたが、最近は自粛期間中にも拘らず株価は高く推移していますね。これから「ファイナンスは買い」というジンクスに変わると良いのですが…。

この分岐点は前向きな投資かどうかでしょう。
三菱UFJはある意味で理解できます。野村もしょうがありません。東芝は少し納得できませんね。三井住友ある意味で理解します。何れも増資で得た資金を何に使うかが、問われます。単に赤字の穴埋めなら、市場は協力すべきではないでしょうね。あくまでも将来の為になる資金を募集して欲しいものです。今日の新聞記事で目を引いたのは中国が日本のGDPを2009年にも上回ると言う話しでしたね。日本はマイナスで、中国はプラス成長ですからね。簡単に差は縮まってきます。此方は先日の記事ですが、契約社員などを整理した村田は電子部品の受注に対応が遅れ、どうにか雇用を確保した京セラは積極的に受注を獲得していると言う記事を見て面白いものだと思いました

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2009年06月05日

6月05日

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米国では5月30までの1週間の新規失業保険の申請者数が市場予測より4000人少ない62万1000件だと言います。一方、5月23日までの1週間の失業保険受給者数は673万人となり、前週より2万人減ったと言います。同時に小売売上が発表されており前年同期比4.8%減となり、市場予測の4.1%減より悪化し百貨店などは8.6%減っていると言います。一方、GSは年末の原油価格を85ドルと予測し、来年は景気回復で95ドルになると予測しているとか…。このような背景からインフレに対する警戒感が生まれ、住宅ローン金利も上がっていると言われています。今日はRBCキャピタル・マーケッツのレポートで銀行セクターの投資判断に引き上げが行われ、米国の銀行株は堅調な展開だったようです。

一方、国内では電気自動車の記者会見がされた三菱自動車などは人気化しています。GSユアサも一番人気で売買代金は647億円です。発行株式総数が3億6757万株の会社で時価総額は株価854円なので3139億円ほどの会社です。442億円、727億円、647億円と売買代金上位に、連日、顔を出しています。すごい人気ですね。確かにEVはHVより多くのバッテリーを使います。しかし儲かるのかな? 

歴史的な場面の業界創設となる時に、株価が10倍以上になる例は珍しくもありません。GSユアサは三菱自動車、更にホンダにバッテリーを供給する会社ですからね。でもやり過ぎだな…とも感じています。この人気は波及し明電舎などの環境関連で賑わっている様子です。今日は安川電機まで波及していました。エコ関連の人気は強く、日経報道の太陽光パネル生産の量産化を実現する大同特殊製鋼も上がっていましたね。何れの銘柄も業績面では裏付けが取れていません。だから相場妙味があると思う人も居るのでしょう。先日、HVやEV関連メーカのリストが日刊工業新聞(6/2)に掲載されていました。

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しかし、たぶん主要企業は日立ですよね。でも売上が大きいので、所詮はHVやEVなどはニッチ産業との見方が多いですね。更に競争が激しく利益に結び付くかどうか…。EVの燃費はよく理想的ですが、補助金を利用しても320万ほどかかると言われていますから…。しかも軽自動車の車体ですよね。ガソリン代など燃費比較がありましたが、価格が200万円も違うと10年償却で1年20万円だから…やはり普及はしないでしょう。EVは2020年ごろまで、ニッチ市場と言うJPモルガンのアナリストが指摘する通りでしょうね。

最近、読んだ中で面白かったのは6月号の「選択」で冒頭に書いてあった邱永漢さんの談話でした。最後の方に、若い日本人が100万人も中国へ出稼ぎに行けば、日本人の中国観も変わるという話です。中国が嫌いと言う人は多いですね。更に、中国が工業化していく過程で食糧不足に陥ると見ていると彼は述べています。中国人が世界中から稼いだお金で食糧を買い漁ったら…との発言ですね。

実に面白い発想ですね。人間は所得が高くなると、食べ物の嗜好が変わります。肉食を好むようになりますね。豚を1キロ育てるのに穀物がどれくらい必要なのでしょう?
一般的に牛肉は11倍、豚肉は7倍、鶏肉は4倍の穀物が必要と言う記事を、ネット上で発見しました。此方です。時間は掛かりますが、間違いなく農業は成長産業でしょうね。ここで商社の活躍場面になります。日本には豊かな農業の知恵があります。この手段をアフリカなどの豊かな自然の所で利用したらスケールの大きな話しになりますね。日本の政策は、このように目先は採算に合わないかもしれないが、必要な分野にお金を投資すべきでしょう。そうすれば常任理事国の理解も諸外国から得やすいですね。日本にとっても良いし…。株屋は目先ばかり追うのではなく、やはり大きな夢の産業に、お金を集めたいもの。そう考えると、否定的なGSユアサも…、まぁ、いいか…とも思えます。

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2009年06月04日

6月04日

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法人企業統計が財務省から発表されました。日本の製造業は初の赤字だと言います。この統計は1954年から取り始めたのだそうです。下のグラフは10億円以上の企業を中心にグラフを作成しました。考えてみればネットは非常に便利ですね。昔ならこのグラフを作るのも大変で、わざわざ財務省まで出向き資料を集めなくてはなりませんが、今なら家にいて、誰でも簡単に数字が手に入ります。興味のある人は此方のサイトから…(結構面白いです。)

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さて今日の相場は、一服、入りました。
上げ続ける筈はなく、休むのも当然なのでしょう。DRAM価格が上昇していると言う読みがあり関連銘柄が上がっていましたね。しかし事情通に言わせれば減産調整の最中に、早くもクリスマス商戦を見込んだ買いが入ったと言います。しかしこの解説はあまりに早く疑問に感じます。トヨタは北米で6月~8月は6万5千台の減産緩和をすると言います。米国の商務省発表の製造業受注額は、前月比0.7%増で3444億4千万ドルと2ヶ月ぶりに増加したそうです。

ファイナンスに絡んだ東芝の売買代金がトップですが、GSユアサの人気が継続し、売買代金は昨日より725億円に膨らんでいます。明電舎も人気上位に顔を出して三菱自動車が人気になる相場の地合いです。昨日、話したように株価の出遅れ修正が続いています。今まで人気の圏外にいた株価の物色が続いています。

日経新聞によれば、鳩山大臣は日本郵政社長人事に関し、西川さんを認めないと言います。不思議なことです。黒字で民営化を成功させている人をやめさせ、赤字の元凶を作った役人の責任を問わない。成功者を痛めつけて失敗者を庇う政策は、社会コストの増大に繋がります。新潟県などが道路財源問題で国が決めた基準に従わないのは、必要の優先度が低いからですね。必要な所にお金を回さず利権温床の部署に予算を配分したので、日本はグローバル競争に負けているのですね。保養所の売却問題で西川さんのやり方が気に入らないのでしょうが、スピードを買えばコストは掛かります。コストを無視した八ツ場ダムや諫早湾の干拓など…。数え上げればキリがありません。この決断が実現すると、なかなか構造転換できない高コスト体質の日本は、どんどんグローバル競争に負け続けますね。

例えばエチレンの話しです。
国内のエチレン(ポリエチレン―使用目的は日用雑貨など…、塩ビモノマー―水道管や建材など…)の生産は年間770万トンあるそうですが、内需分は550万としかありません。他は輸出に回ります。当然、日本で原油は採掘されませんから、輸送コストをかけて原油やナフサを輸入し、これを精製してエチレンを作ります。これでは世界競争に勝てるわけがありませんね。だから三菱ケミカルと旭化成はコンビナートの中核設備を統合し減産します。一方、原油の生産地のサウジなどは、天然ガスからでるエタン成分を燃やしたりして捨てていました。これを活用しエタンからエチレンを作るプロジャクトが動き出しました。住友化学と共同で建設した「ペトロラービグ」と言う世界最大のコンビナートが4月から稼動したのです。今まで捨てていた原料を活用しますから原料価格は日本の1/10とも…1/20とも言われています。その安値製品が市場に流れるとの観測から、先日はアジアのポリエチレンなどの価格が下落していました。グローバル競争とはこういうことですね。日本独自の考え方は世界には通用しません。

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国内の三菱化学、三井化学、出光興産、昭和電工、東ソーなど…小さい所は多いですが、これではグローバル競争に勝てる道理がありませんね。経営者もグローバル展開を考え、努力しているかどうか? 赤字を垂れ流し黒字の見込みのない製造を続けるのか? 国内の化学メーカーは、決断を迫られているわけです。日本郵政も同じ構図ですね。右肩上がりの時代は終わり、どうしたら日本は効率のいいお金を使えるかどうか…。成功者を称える世の中にしないと、どんどん日本は疲弊しますね。増資で東芝を助け、イカサマをしたIHIを上場維持させている不公正なシステムを改善しないと若者は努力をしなくなりますね。あくまでも公正に…

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2009年06月03日

6月03日

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全米不動産協会(NAR)が発表した4月の中古住宅の仮契約件数を示す指数が5.7ポイント高い90.3となり前月比6.7%増で2001年10月以来、7年半ぶりの高い伸びを示したとかで、株価は堅調に推移したと言います。アルコアなどの景気敏感株が市場で物色の中心だったとか…。しかし5月29日に流れているニュースでは、1-3月期の住宅ローンの延滞や差し押さえ件数は12.9%となり、10-12月期の11.1%を上回り過去最高を更新しているとか…。この数字は全米の住宅ローンの8件に1件は、返済に行き詰っていると言う数字だそうです。しかし最近の統計数字で株価に反応するのは、いいほうの数字で、悪いほうの数字には株価は反応しなくなりました。投資環境が好転している現象の一つですね。

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騰落レシオも120を越え、昨日は125、今日は122となっており、市場では警戒感も生まれているようです。デッカプリング論の見直しは、時期尚早との声があるようです。例えば三井住友銀行の宇野さんは「割り切りの短期勝負なら別だが、投資家の多くは、昨年の投機マネーの流入で、実体から著しくかけ離れた原油や穀物相場の急騰が、景気や消費を冷え込ませた経験をすっかり忘れたようだ」と発言し警鐘を鳴らしていました。私はこの発言を聞いて一理あるとは思いますが、現在は景気を回復させようとしている段階ですから、少し昨年とは背景が違うと思っています。

しかし日立建機では生産縮小解除を3ヶ月先延ばしする話しも出ていますから、先日のシャープ(片山さん)のサプライズ発言を、過大評価するもどうかな?…とも感じています。結局、この現象がハッキリするのは、時間が経たないと分からないのでしょう。物色動向が難しいから、市場では「GSユアサ」のような材料仕手株に人気が集中します。今日は東芝に続き、売買代金が430億円と膨らんでいました。下のグラフを見ると分かりますが空売りが入り乖離が開いてきましたが、過去の推移では13週線との乖離が54%まであります。現在の13週線は615円ですから乖離は34%で、仮に53%まで開くなら940円ぐらいが、目処になるのかもしれません。この銘柄はダイワボウとは違い、業績向上の背景があるので、面白いとは思いますが私は買いません。業績の裏付けを無視しているからです。仮に収益化するにしてもだいぶ先です。計算すれば分かりますが、株価と業績は合いません。ただハイブリッド車が続々と発売されますからやはり夢はあります。人気がなくなった時に買う株ですね。

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GSユアサは業績と株価が合いませんが、同じ仕手材料株になりそうな商船三井は可能性があります。会社側の今期予想1株利益は33円ですから、明らかに株価が700円と言うのは高く感じます。しかしこの1株利益が100円になるとすれば、どうでしょう。安く感じませんか? PER10倍で株価は1000円ですね。その可能性はあるでしょうか? 下のグラフは四半期別のBDI(バルチック海運指数)の推移と利益を示したグラフです。平成18年の決算は2006年ですから1株利益が95円です。見て分かるように、その年のBDIは2500~3000です。1000を割れていたBDIは、連休明けには2200ぐらいでしたが、昨日のBDIは4100まで、僅か1ヶ月間で急騰しています。つまりこの水準が維持され続ければ…。

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勿論、採算割れしているコンテナ船もありますし、当時より減価償却費も高い水準ですが、今期の1株利益100円に乗る可能性はありそうですね。現実の会社側発表の1株利益は33円で…可能性のある数字のEPS100円と大きなギャップがあります。このギャップに強弱観が対立して、ここから仕手株としての素質の芽があると感じます。先ほどの三井住友銀行の宇野さんのデカップリング論に対する警戒論が背景にあり、大きなスケールのバックボーンが対立しており、BRICs関連の象徴的な存在としての素質を感じるわけです。

一方、市場には大きく売られた銘柄の値戻しが進んでいます。博打株の値上がり率はすごいですね。恐くて買えない株である代表的な存在の不動産のダヴィンチの株価は、安値から6倍以上の上昇を示しています。当然、倒産のリスクを抱えています。まさに博打の世界です。競馬や競輪の感覚ですね。市場はこのほかにもPBR1倍以下で割安に置かれていた銘柄が急速に値戻しして、全体水準を押し上げています。水準訂正は続いています。

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2009年06月02日

6月02日

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先ず、追加のご案内です。
実は今日の日経新聞を読んで…あれ? 僕が間違ったのかな?と思いました。そうして調べてみました。実は昨日書いたPMI(製造業購買担当者景況感指数)の数字はCLSA(カリヨン証券)のものなのですね。今朝の日経新聞は中国国家統計局と中国物流購買連合会の共同調査によるもので、サンプル数は後者の方が多いと言う話です。だから数字にズレが生じていたのでしょう。下のグラフは中国物流購買連合会のものです。この指数がどれくらいの効果があるのか? 最近マクロ統計を気にし始めたかたる君には経験値がないので分かりません。もともとこんな指数の存在も知りませんでした。はぁ、株屋も大変です。たくさんのデータのなかから、株に影響を与えるものを抽出して相場を考えなくてはなりません。まぁ、仕事だから仕方ありませんが…。

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昨日、気になった指標でもう一つは厚生労働省発表の製造業の残業の数字でしたね。日経新聞の夕刊には従業員5人以上が載っていましたが、私は30人以上のものを採用しグラフを作成しました。数字は依然、低いですが下げ止まり感が出ています。与謝野さんは「1-3月期が底だ」と言う認識を発表したそうですが、色んなデータから底入れ観が現れています。感心するのはフィデリティー投信の株式投信の広告ですね。ここで投資すれば株は儲かると判断しているのでしょう。野村證券も株式営業を強化しています。

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さて今日は、NY市場のダウ平均の寄与率まで調べてないので分かりませんが、構成銘柄の入れ替えがありました。GMとシティーバンクが外され、ネットワーク機器の「シスコシステムズ」と保険大手の「トラベラーズ」が採用になりました。昨日の上げはこの入れ替えに関係あるのかな? 銀行株は総じて小幅安で、JPモルガンが50億ドルの普通株による増資を発表していましたね。最近のGSに続き、MSも公募を実施して株価は上がっています。三番目にJPモルガンです。勿論、他にもたくさんの金融機関が資金調達をしています。GMが倒産し、悪抜け感を演出していましたが…、果たして相場はどうなのでしょう? 商業銀行株が上昇しない景気回復なんて有り得ませんからね。依然、オバマ大統領に対する金融界の評価は、信認が低いのでしょう。

先物の展開は午前中に大口の利食い確定売りが出たようですが、中弛み後に小口の買いが入り相場が持ち直していました。しかし最後は売られましたね。昨日の流れを引き継ぎ、商社などのBRICs関連株が強かったのですが、午後には利食い売りに押されている展開のようです。この時期の景気敏感株は、強弱観が対立しやすいのです。会社発表の数字が1-3月期を前提に今期の予想数字を出している為に、1株利益に対する株価は割高感が感じられるようになり、株は空売りが入り仕手化します。業績の裏付けが分からない内に、株価が上がる為に強弱観が対立するのですね。だから面白いのですね。株式相場の季節感で春と表現される金融相場の初期の段階が一番面白いのです。

なんでもそうなのです。結果を見たら面白くないのですね。結果が分からないから興味が湧き人間の感情を揺さぶるのですね。恋愛もそうですね。相手の気持ちが分からないから面白いのです。相手の気持ちを知って結婚したら普通は100年の恋も冷めるものです。日常化すれば人間の感情は慣れますからね。恋女房に逃げられたら、一緒に暮らしていた時の懐かしさから、感情は再び揺さぶられるものでしょう。株を買うまでは、買いたくて仕方がありませんが、一旦、買うと今度は売りたくなります。利食いをすれば再び買いたくなるし…株は上手く出来ていますね。この時期の相場観は意見が対立します。中国の経済成長は続くと言う意見もあれば、財政出動のカンフル剤も切れて、再び失速すると言う意見もあります。様々な意見の対立から相場が形成されています。私の読みはまもなく横這い波動との読みです。残念ながらリーマン倒産時の12000円台の回復は、しばらくお預けでしょう。理由は大型増資が頻発し、時間が経過しないと、一段高をする資金の流入がないと思っています。さて結果はどうなるかな?

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2009年06月01日

6月01日

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ほぼ想定どおりの相場で、もっとも強い展開を歩んでいるのでしょうか? 
もともと米国のストレス・テスト終了後の増資ラッシュをみて、早ければ3週間の整理と考えていましたが、意外にも堅調な展開のようです。多少、9000円を前に、もたつきましたが難なくクリアして、早くも1万円大台回復の声が聞こえるような展開です。一見、今日のような相場を見ると、完全復活のようですが…。色んな思いがありますね。堅調な原因の一つは中国経済の動きでしょう。このような背景があり、原油価格が上がりBRICs銘柄がオンパレードの相場でした。その理由は上海総合の株価指数にも表れているようです。

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国内も厚生労働省発表の残業手当の動向を見れば分かるように、減産緩和処置が広がり、一部では、早くもフル操業の話しも出ているようです。この現象を裏付ける資料の一つでしょうか? 何処まで株価は景気回復を織り込むのか? 今日は時間がないので、あまり詳しいことを書く時間がないので簡単にします。

これから一番、恐いのが米国の金融動向混乱と、中国の中弛み現象があるかどうか?
ただザラ場中に流れたGMの倒産を聞いても、相場は続伸していました。今日は、他に中国の製造業購買担当者景況感指数(PMI)が前月比1.1ポイント改善の51.2となり、2ヶ月連続で50を越えているのを好感したのでしょうか? 上海総合指数が一段高になっているために、日本の相場も強くなったのかもしれません。何度も書いていますが既に、日本は中国との関わりが米国より大きいのですね。しかしグローバル経済なので、中国の輸出を支えているのは、米国経済ですから米国が駄目なら駄目なのですね。

何故、相場が続伸しているのか?
水曜日に書いた「今日の市況」ですね。コンファレンス・ボード(消費者信頼感指数)の改善が、この背景を支えているのでしょう。皆さんは○○の株が、どうのこうのと…。株価の動きばかりを気にするでしょうが、大切なのは周りの経済環境ですね。あらゆる現象は、一つの流れに繋がっています。その流れを見極めないと銘柄の選抜を間違ったりするのですね。

僕らの仲間の外務員でも、お客様に東京電力を薦めている人が居ました。考えて下さい。東京電力は確かに原発の再開で、収益が改善するかもしれませんが、大きなバックボーンは違いますね。公共関連は儲けては駄目な産業です。だから景気後退期に株価が高くなりますね。これから景気が回復する時に、買う株ではありませんね。どちらかと言えば、ディフェンシブ・ストックです。今は景気敏感株と呼ばれる株が、主流の筈です。まぁ、安値圏だし、全体が上がれば株価は上がる要素はあるでしょうが、明らかに効率は悪いでしょう。ただ相場が下がると仮定するなら良い選択になります。

景気循環に沿った銘柄選別をしなくてはなりません。しかし何故か、かたる君が選んでいる金融セクターの株価は戻りが鈍いのです。理由はハッキリしません。僕は理解できないのです。何故なら、日本の銀行などは、株式の持ち合いの損失が大きいのですね。これは一時的な損失で、これから景気が拡大すれば、金融のセクターは儲けが膨らむ筈なのです。三菱UFJ銀行の保守的な与信費用の増大観測が、みずほの楽観的な予想より優れているとは思いません。5月23日の株式教室ですね。ただ増資による需給関係を気にしていると、単純に考えるべきかもしれません。

同じく5月30日の株式教室ではSCMの話しを書いてありますね。此方は非常に重要なのです。だから、個別の銘柄の選別に繋がっているのですね。台湾のTSMCの話しは重要ですよ。末端の販売部門で8%減が、製品出荷で10%減、半導体に至っては20%減と言う話ですね。そうなれば、ある銘柄が候補に挙がりますね。

時代の流れに合う株を探すのは比較的容易いことですが、儲かる為には、売買のタイミングやテクニックがものをいいます。薔薇色相場ですが、警戒感を持ちながら頑張って下さい。

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