未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年08月24日)

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NY市場はバーナンキFRB議長の発言のように、金融危機の克服相場になっているようです。週末のNY市場は3年8ヶ月ぶりに前年同月比で5%増となる524万戸の中古住宅販売などを受けて株価は上がりました。理由は住宅金利が下がり、住宅価格が割安になったので、新規の一次取得者が増えたといいますね。米国の人口は増え続け、基本的にデフレ政策を選択しないためですね。一方日本は、少子高齢化が進み配分論ばかりが先行し、成長戦略が希薄のために、なかなか成長軌道に乗れません。ところが日本の現実と同じような感覚のアナリストが、米国も日本と同じ道を歩むと考え弱気論を唱える人が相変わらず多いですね。彼ら弱気の言い分は、商業用不動産の不振と、差し押さえ物件の増加で、販売は好調でも在庫は減らずに、米国の地方銀行の破綻は多いという指摘です。

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しかし今週のエコノミストは驚きです。あれほど弱気論を唱えていたのに、流石に選択がまずいと考えたのか…。今週はメリルの吉川さんの2番底回避説を選択していました。彼の意見は、決して強気と言うわけではありませんが…、√型の景気見通しを解説していました。僕はV字型と、いつも強気にニコニコ派ですが…。確かに年末年始から来年の前半をどう考えるかにより、日本株の位置が変わります。金曜日の日本相場は24日にも米国の自動車への補助金が切れるということで、過剰とも思える反応で自動車株は急落しました。要するに米国も中国も、日本も政府支出などに支えられ、GDPが成長しましたが、この動きが広がるかどうかの読みなのですね。この見通しが非常に重要なのですね。

チャートがどうのこうの…と言う話ではないのですよ。
株価の基本は業績推移で、その基礎は国の付加価値(GDP)が増えるか減るかによって決まります。1579円まで行った単純平均株価は、成長が失われデフレ政策のために、現在は274円になっています。でも今の水準は、なんとPBR1倍割れの企業は2101社あり、全上場株3353社の内、62.6%もあるのです。しかも配当を実施している企業は1270社あり37.8%です。(ビスタの原稿の数字も訂正させて頂きました)普通の常識では黒字で配当をしている会社が、純資産倍率1倍を割ることは考えられません。何故なら、利益が蓄積されているので、普通、株式価値は上がるからです。この原因を担っているのが、日本独自基準である経営権の問題ですね。ブルドックソース問題での最高裁の判決がこういう結果を導く一因です。

でも株価が下がると予測する人は、このような現実を考えているのでしょうか?
何故、ファナックがこの時期に、富士通から株式を買い取るか? 同時にGEとの提携も打ち切っています。日経産業新聞で山田さんは、株式教室で述べたように、かたると同じ見方をしていました。『富士通の変化』ですね。しかし今日は…ファナックは、どうしてこの時期に、こういう決断をするのでしょう? 確かに5571億円も現金を抱えているのは不自然です。だから890億円で自己株式を買い取ったのでしょう。でも…。おそらく稲葉さんも、かたると同じようなV字型回復を考えているのではないでしょうか? 日本の製造業は設備投資関連の比重が高いと言います。つまりGDPが民需によって嵩上げされるのでは…。行き過ぎた金融デリバティブの修正は、かなり早い段階で終了するという見方です。

弱気の人は、米国の個人消費は過剰借り入れによるもので、既にその選択が出来ないから過剰生産設備の調整は長引くという読みですね。金融デリバティブにより過剰需要が生まれ、その調整に長い見方の人で4-5年かかるというのが、今では一般的な読み筋になっています。丁度、海運業界の話しと似ています。海運業界は世界貿易の拡大を見越し船舶を大量に発注し過剰船舶問題を抱えているという見方がありますね。商船三井は年率で5%程度伸びると言う基本概念を持っています。この辺の読みは面白いですね。中国がバブルだという見方をしている人は大勢います。しかしファナックの稲葉さんの読みは、おそらく成長論への布石でしょう。(あるいは自分が死んだ後の布石の意味合いがあるのかもしれません。)米国株は予想通りの展開を歩んでいます。何故、日本だけが遅れるのかな? 金融危機の震源地は米国で、日本は勝ち組なのですね。どうも私には過剰な警戒心が、サラリーマン根性の保身を生んでいるように見えるのですね。マスコミ報道の影響が大きいのでしょう。

仮に稲葉さんの狙いは分かりませんが、金融危機の過剰投資の調整が、サプライ・チェーン・マネジメントと同じ考え方で一時的だったら? ここから10年程度は薔薇色相場が展開しますね。富士通のように退路を断ち、真剣に経営する経営者が増えるのです。当然、ROEは上がりますね。しがらみを捨てるのです。日本は社会維持コストが高いのですね。株式の持合いなど…後ろ向きの保守的な管理コストがかかっています。ここにメスが入れば企業利益は増えますね。構造改革とは郵政民営化のような枠組みの転換ではなく、非効率な仕事を減らすことですね。このようなことを考えていくと、なにやら日本が変わっているようにも見えるのですね。そう考えると日経平均株価は38915円奪回が見えてきます。

今日の話題は、少し難しいかな? 
本日の上げは指数の上げですね。寄与度の話も書きたかったけれど、またの機会に…。更にビスタの原稿で書いた自動車からの波及論の話しで、その推奨銘柄から早くも増額修正が出ていましたね。でも高い所は追わないように…。まだ市場は非常に弱いからね。

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投稿者 kataru : 2009年08月24日 17:56