今日の市況(2009年07月28日)
今日は時間がないので…。
NY市場は予想を上回る好決算が、ダウ平均株価を押し上げています。この中身は概ね新興国が好調のためですね。米国企業はグローバル化が進んでおり、この影響と思われます。更に昨晩は、先日の中古住宅販売に続き新築住宅販売件数が発表され、事前予想が35万戸だったのですが、実際の発表数字は38万4千戸で住宅建設株のレナー(LEN)が6.8%高していました。在庫は前月の10.2か月分から8.8か月分に低下し好循環に突入しているようです。
一方、日立グループのTOBが発表され、買い取り価格が市場価格より高く軒並み高でした。8月20日より10月8日まで…、日立プラントは610円、日立システムは2150円、マクセルは1740円、日立ソフトは2650円、日立情報は2900円でそれぞれ全株式の買い取りをします。
民主党の公約が発表されましたが、それに絡んで不動産の売買の手数料が減るとの思惑があり、東急リバブルや住友不動産販売などが大幅安していました。反面、決算発表をしたJFEなどは高く、野村證券がレーティングを引き上げた三井住友銀行は一番人気でした。中小の証券会社が決算発表をしていましたが、何れも小幅の黒字でした。明日は注目される野村證券の決算が発表される予定です。
昨日の商船三井の決算からも分かるように、日本の競争力はかなり落ちています。コンテナ船の需要から見ると、4月は韓国に5月は台湾に、日本は抜かれているとの報道がありました。自動車は昨年の第一四半期は757千台の輸出でしたが今4-6月期は330千台ですからね。実に43.5%の実績です。8月3日に補助金政策が始まってからの最初の数字が明らかになります。7月の数字はかなり注目されますね。
米国の免許保有者人口は、毎年200万人も増えるのだそうです。トヨタやホンダの赤字状況が注目されます。ホンダは29日ですから明日発表されますし、トヨタは8月4日に決算発表が予定されています。今日は三菱自動車が正社員を前提として、300人程度の期間工を9月から採用するとの報道がありました。好調なのは限られますが、8月3日の数字が1100万台とかになれば…と、かなり期待しています。
もともと金額の大きな住宅や車の売れ行きは、経済全般に大きな影響を与えます。何しろ関連産業の裾野が広いのです。米国の住宅環境が改善すれば、銀行の不良債権処理額は減り、貸し出し余力が生まれます。銀行貸し出しが増えれば、消費が盛り上がり雇用状態も改善されます。全てがプラスの回転になり、やがて企業は設備投資を始め、ここまで火がつけば完全復活ですね。このような道筋が見え始めたので、17年ぶりの上昇相場にNY市場は入ったのでしょう。
一方、日本市場は21年ぶりの上昇でしたが、今日は大型株が上がりましたが、NT倍率に見られるように大型株の動きが鈍いのです。理由は銀行株ですね。金融株は大型のファイナンスが続き、需給悪の状態にあります。CDSの評価損が膨らむとの報道がありましたが、持合い株式の評価損が消えるわけで、ここで景気が浮上すれば与信費用も減りますね。民主党の選挙公約が発表され、不動産販売業のようなマイナス面もありますが、国の将来像を考える意味で、大きな進歩とも捉えられますね。真剣に議論を進めれば、日本の無駄は省かれ、効率化投資はいくらでもできる筈。ひょっとすれば…。期待感が現れたのが、昨日の21年ぶりの9連騰なのかもしれません。
S&Pのケース・シラー住宅価格指数は今晩かな? 発表がありますし…、世界的な景気の回復が確かになれば、日本株を買ってない弱気な機関投資家は慌てるでしょうね。所詮、日本人は横並び意識の強い人種です。そこに火をつけることが出来れば、力強い上げになるのですが…果たしてどうでしょう。重要な数字が、8月にかけて次々に出てきますから注目していて下さいね。必ず、この時期にPERの割高論が出てきます。いつの世の中もそうですが…強弱観が対立する金融相場は一番、面白い相場です。

投稿者 kataru : 2009年07月28日 16:23