今日の市況(2009年07月17日)
米国では商業銀行トップのJPモルガンが決算発表をしました。
4-6月期は前年同期比で36%も純利益が増え、27億2100万ドルになったそうです。1株利益は0.28ドルです。しかし市場予想は0.04ドルだったのだそうです。単純に4倍すると、通期で1.12ドルですから、PER30倍で株価は33ドル60セントですね。昨日の株価は36.13ドルが市場評価です。JPモルガンは住宅金融のワシントン・ミューチュアルと証券会社のベア・スターンズを買収したのでしたね。

ニュースでは同時に、カード事業は前年同期2億5000万ドルの黒字だったのに、今四半期は6億7200万ドルの悪化になり、貸し倒れ引当金は前四半期86億ドルだったけれど今四半期は80億3100万ドルと、依然として高水準が続くことを報道していました。どちらを主眼に考えるか? 私はいつも強気ですから80億ドルも引き当てるということは…何れ20億ドル程度になる。つまり60億ドルの利益が増えるから90億ドルぐらいの価値があると考えます。つまり今の株価はPER10倍の水準だということですね。
物事には二通りの見方があります。悪く考えるか良く考えるか? それによりPERの評価が大きく変わります。だから株価が大きく上下するのでしょう。
さて増資ラッシュが続いていますが、値下がり上位にNECが顔を出していました。会社側は否定しているようですが、読売新聞などは1500億円の公募増資を報道していたようです。呆れますねモラルがない。東芝も倒産はしませんが、公募をすべきではないですね。第三者割り当て増資なら理解できます。既に大企業なので特定の資本家に引き受けてもらえば良いのです。証券市場は資金調達が難しい新興企業のものですね。大企業は自社株買いをして、今までの借りを返すべきですね。それを赤字の穴埋めの為にリストラもせずに…。せめて東芝は2万人の人員カットを実施するとか…。10%程度は人員を減らすべきでしょう。努力もせずに市場に頼るなんて…。
今までの経過を見ると情けない限りです。私は東芝の西田さんは好きです。サムソンは韓国が応援していますが、日本はしていません。でもフラッシュに賭けたなら不採算の工場ぐらい閉めるべきですね。効率の悪い工場を残し赤字を垂れ流しているのに…。
IHIは嘘をついて公募をして上場廃止になりませんでした。ライブドアは粉飾決算だけで上場廃止です。どちらが悪いのでしょうか?
僕には市場倫理の基準が何処にあるのかサッパリ分かりません。今回の増資ラッシュもそうです。金融界はある意味で仕方がありません。しかし一般企業の赤字穴埋めの為に、市場を利用されたのではたまりません。GSユアサは良いのです。立派な理由があります。市場関係者として情けないモラルです。東証の権威は失墜するばかりです。ご都合主義の市場が続ければ何れ投資家はそっぽを向きます。そうして市場はどんどん縮小し経済がどんどん悪化します。金融が栄えない国に未来はありません。
みずほの株価は安定操作中です。この株価水準は、流石に4%の利回り水準ですからね。普通の常識では下がらない筈ですが…。配当利回りの世界に既に市場は転落しています。NECなどは中国の企業に買収されれば良いのです。日立もそうですね。その方がずっと、成長性を感じられ社員も株主も良いでしょう。みずほは国際業務をあきらめて国内行になるべきですね。もっと淘汰されますね。紙パルプに化学、鉄鋼、グローバル基準が一つの尺度になるのでしょう。
今日はクックパッドの上場初日でした。久しぶりのIPOなので人気もすごく、初値は付かなかったようです。気配値が19100円ですが既に時価総額は250億円もあるとか…。あまり異常な価格が付くのもこまりものですが…、市場は新興企業を応援する場にしたいものです。成長力のなくなった大企業を助けるなんて市場原理に反すると思います。市場原理に負ける会社は、経営者を交代すべきですね。いたずらに助ければ、どんどん世界競争から日本は負け組みに転落することでしょう。

投稿者 kataru : 2009年07月17日 18:33