今日の市況(2009年07月15日)
今日のニュースはゴールドマン・サックス証券の利益が、予想以上に増大したニュースでしょうか? 予想では4-6月期の純営業収益は106億6400万ドルだったのですが、実際は137億6100万ドルでした。昨年の3倍近いトレーディングが67億9500万ドルとトップでした。ただM&Aなどの助言分野は54%減など…投資銀行部門は15%減でした。
注目されるのはインテルの決算です。日米欧は全て減収ですが、中国を中心とするアジア地域(日本外)は頑張っています。1-3月期の51%のシェアから4-6月期は55%のシェアが拡大しています。3四半期連続の減収ですが1-3月期の26%減から4-6月期は15%減の80億2400万ドルの売上になり市場予測を上回ったとか…。世界中で共通している現象ですね。
このアジア地域の改善は台湾積体電路製造(TSMC)が毎月発表している月次売上で分かると言います。1-3月期は395億台湾ドルの売上でしたが、4-6月期はなんと9割増の742億台湾ドルになっています。中国は台湾企業を優先的に発注していますが、戦略の読み違いから原材料が不足し韓国のサムソンにしてやられています。このことは日本も同じです。韓国のサムソンには敵いません。
もう一つの話題です。
米国のファーストフード大手のヤム・ブランズの業績です。日本では一般的に知られていませんが…ピザハット、タコベル、KFC三つのファーストフード・チェーンを抱える親会社がヤム・ブランズなのです。ヤム・ブランズはマックを抜く為に中国戦略を加速させました。この結果が4-6月期の売上は7%減の24億7600万ドルですが、国際部門は19%減、米国は10%減なのですが、中国は13%の増収なのだそうです。
GDPが500兆円を目指す中国の成長は、世界の光明になっていますね。ゴールドマン・サックスの利益の増大は、多くの会社が淘汰され残存者利益の増大です。そうしてインテルの決算は新興国の躍進を意味しています。なんと55%のシェアをアジア地域が占めているとは…BRICsの躍進ぶりが分かります。先日の話しを裏付けていますね。GDPの1/3しかないBRICsを、購買力平価でみると50%を越えるという話しがありましたね。
覚えていますか?
7月6日の「今日の市況」で経済産業省の構想を紹介しました。アジアには昭和30年代の勢いのある購買層が8億8千万にいるのですね。そうです。「3種の神器」と呼ばれた日本の昭和30年代の力強い良き時代を迎える購買層が8億8千万人ですよ。日本は1億2千万でしかなかったのです。でもあの時、生きている躍動感が味合えたのです。だんだん日本株が上がるように思えてきませんか? 新日鐵が大分の高炉を最初に再開する理由は…九州は自動車などの工場がたくさんありますね。たしかに再開時期が5月から9月にずれて、L字型景気を懸念しましたが徐々に本来に生産活動に戻るでしょう。日本は新日鐵のように鈍いのですが、韓国の鉄鋼メーカーは90%操業に戻っているそうですね。インドネシアはセメント工場が増産体制になるとか…。早く日本企業はアメリカからアジア地域に目を向けないとなりません。
株式市場は綱引きですね。今日で大型ファイナンスが終了します。決まったんだよね。明日の新聞を見ればわかりますが…。需給悪から実体景気を反映する相場がスタートするというベスト・シナリオを明日から感じることが出来ることを祈ります。

投稿者 kataru : 2009年07月15日 18:39