今日の市況(2009年06月15日)
イタリア・レッチェで開いた主要8カ国(G8)の財務相会合は、世界経済は「株式市場の回復など安定化を示す兆候がある」との認識を示したが、「失業者の増加など大きなリスクが引き続き存在する」とも指摘し、景気が回復した後には経済政策を元に戻して財政健全化などを進める「出口戦略」を検討する必要性にも言及したと言います。日本株も1万円の大台を回復しリーマン・ショックを克服しつつあります。予てから述べていた金融不況は一時的な動揺との考え方が認識されてきたようです。ただ実体経済が確実に回復するか未だに予断を許しません。米国では遅行指数とは言え失業率は高止まり、住宅ローンなどの不良債権は増える傾向にあるからです。
1929年の大恐慌のときもそうですが、この出口戦略を誤ると大変な事になります。日本がいい例ですね。当時、年収の5倍で住宅を買えるようにするために課税を強化し、土地担保融資を削り、地価を下げようとしていましたね。政策により資産デフレを承認していたのです。だから銀行の不良債権が膨大な量に膨らみ、負の連鎖が起こったのです。今回は少し事情が違いますが、拡大する資産を圧縮する政策に乗り出したために一時的なデフレ状態になりました。リーマン・ショックが口火を切ったわけです。しかし何とか正常ラインまで資産の圧縮に成功したので投資銀行のゴールド・マンサックスやモルガンスタンレーの株価の戻りが良いわけですね。しかし商業銀行の株価が低迷しているように、信用供与が縮小した為に実体経済が影響を受け、その後遺症は消えてはいません。
しかし昨今の株価急落はサプライチェーンマネージメントの影響も受け、過剰な生産調整のための影響だった要因が大きく、その行き過ぎた反動から株価は急速に戻りました。米国の自動車保有台数が2億5千万台ぐらいなのに、5月92万台ですから年間で110万台ぐらいですね。つまり22年に1台のペースです。こんな馬鹿な話しはありませんね。悪くても15年に1台ペースなら分かりますね。つまり月間138万台の水準です。世の中には常識と言う数字があります。その常識の数字から大きくかけ離れた時間は長く続かないものです。故に先日、トヨタは北米の現地生産を6万台ほどでしたかね? 増産、いや減産緩和を実施したわけです。
株価も同じです。今日はおそらく公募価格の値決めのためと思われますが、三井住友銀行の売買高が異常に膨らみました。おそらく手持ちの株を売り、公募をもらう短期の値ざや稼ぎの動きなどが背景にあるのでしょうが…2位の三菱UFJの売買代金が559億円なのに、三井住友は、なんと1645億円も売買代金が膨らみ株価は6.8%も下げていました。私はこの光景を見て買い向いました。目先の売りを吸収すれば株価は上がるだろうと思っているのです。加えて株価位置は、最近、上がっていると言っても安値圏で推移していますね。考えてみれば分かります。三菱UFJが公募を実施し、野村證券が増資をして東芝が続いています。会社の自己資本が増え財務内容が良くなり、その資金を使って業務を拡大するので収益も増えますからね。株価が上がる背景はありますね。まぁ、穴埋めの東芝よりずっとマシな増資です。あの東芝でも2割も株価が上がっています。野村證券のように2倍以上になるとは言いませんが、株価が上がっても良いわけですね。

やはり異常な現象が、何故、起こったのか?
その現象がおかしいなら、いずれか株価は戻ると思うべきでしょう。値動きに脅えずに自分の価値観を持つべきだと思います。今日の金融セクターの株価は、三井住友の増資による影響か? 弱かったのですが、同じ金融相場銘柄の不動産や住宅などの株価が高かったですね。加えて、うれしい現象は、大きく売られた後に先駆して株価が戻っていた銘柄が休んでいたのですが、先週末より再び復調気配で循環物色が続いていますね。株価が出遅れていた新興株が上がったり…、非常に理想的な循環物色が続いているような展開でした。



投稿者 kataru : 2009年06月15日 16:58