今日の市況(2009年06月11日)
FRBはベージュブック(地区連銀経済報告)を発表し、総合判断は「景気は弱いか悪化している」との認識を維持したと言います。「下振れ傾向が緩やかになっている」との回答は4月と同数だとか…。要するにL字型になっている印象なのでしょう。ゴールドマンサックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)はリセッションの長期化を示唆するコメントを発表したようで、株価は弱含みになったとか解説されていました。しかしこの人は、5月8日の年次会合で株主に対し「景気は最悪の状態を脱したようだ、というのが私の期待であり推測だ」と語り、さらに、「現在の危機の終わりがみえてきたと信じている」と指摘した人だそうです。要するに誰にも先は分からないと言うことでしょう。
まぁ、私自身、日曜日のコラム『揺れる心』で迷っている様子を述べています。ビスタの原稿も同様ですね。しかし今日の市場は、この原稿のなかで自信がないと書いた銘柄が、レーティングを引き上げられて、人気の上位に顔を出しています。株は分からないものです。順番を間違いたり、僅かな、すれ違いが成果に繋がるのですね。野村證券のインセンティブの話しは、昨日のSNSでしたのかな? その通りの相場になってきていますね。ビックリですが相場は相場。月曜日、火曜日は想定どおりの相場で、その通りの動きだったのですが、昨日から変化が見られましたね。それで過剰流動性相場に傾いてきたのですね。ビスタでは週1回ですから、この点の心の揺れ具合が分かりませんね。日曜日に書く原稿を読んでくれれば、もっと分かりやすいでしょう。誰にも先は分かりません。
午前中は買い売りの注文を受けるだけしか時間がないのですが、お昼から概ね暇になり、お客様の相談に応じています。しかし鈍いですね。大きくやられたので、此方から積極的に電話をしていません。まだお客様の反応は鈍いようです。あるお客様は昨年1300万ほど損をして、この損の大半は10月~12月です。そうして残金が300万ほどしかなかったのです。今年2月まで更に130万の損だったのですが、今では400万ほどプラスに転じました。このお客様に煽られっぱなしです。「100年に1度のチャンスだからこんな時に買わなくてどうする。」「下がってもたかが知れている。」と、毎日、人気銘柄を買い儲かり始めています。だいたい市場の1番、2番人気の株を買って儲かる時期は長くは続かないと思っていますが、それほど良い環境なのでしょう。勇気さえあれば、みんな利益になっています。損をしていると最初に飛び出す勇気がかなり必要です。
今日は「株を売りたい」を言う電話を頂きました。その注文を断り、逆に買い乗せになりました。そういえば、先日も売りたいと言う電話を頂きましたが、やはり断りましたね。散々、「薦めた株が上がらない」と怒られていた銘柄がようやく上がりだし、今日は買い乗せに、そのお客様は応じてくれました。馬鹿でも儲かる相場なので…やはり良い相場なのでしょう。河村健夫官房長官は「資金が株式市場に戻りつつある」と述べて、日経平均株価1万円乗せをコメントしていました。今日もNHKのニュースでは、おそらく1万円の大台乗せが話題になるでしょう。だって配当利回りが2%、3%の銘柄が、市場にはまだゴロゴロしています。しかも業績の裏付けが確実な大型株の銘柄もゴロゴロありますからね。一方、預金金利は1%以下ですからね。お金が動かない筈がありません。
昨日、トリプルB債と国債のスプレッドの話しましたね。あの例はアメリカですが同じことです。ソフトバンクの5.1%の社債は、瞬間蒸発だったそうです。これは5月26日の話です。大きな流れが感じられますね。先日、野村證券はハイイールド債を募集して、好評のなかで打ち切りになりましたね。そうして私は、リーマンが抱えるトリプルB債がターゲットになると書きましたね。同じ頃、半導体ファンドや金融株ファンドが大量に設定され、此方もかなり好評な募集だったようです。株なんて簡単ですね。理屈どおり買っていれば儲かるのです。
盛んに市場には、警戒感が流されています。1万円を付けて目標達成とか…これまでの下げの経験から多くの人は利食いを急いでいます。しかしどうでしょう? これだけ多くの人が利食いできる環境に、相場環境はなっていますね。誰が株を買っているのでしょう。「もうはまだなり、まだはもうなり」株式市場には有名な諺があります。私だって恐いのですが…、考えてみれば、まだまだ理屈がつく株価です。割高感など全然ありませんね。あるのはテクニカルの利食い調整ぐらいでしょう。この調整は先ほどのお客様が言うように、「下げても知れている。もう恐くない。」果たして、この言葉が慢心になっているのかどうか? 結果は神だけが知っています。


投稿者 kataru : 2009年06月11日 17:38