未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年06月03日)

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全米不動産協会(NAR)が発表した4月の中古住宅の仮契約件数を示す指数が5.7ポイント高い90.3となり前月比6.7%増で2001年10月以来、7年半ぶりの高い伸びを示したとかで、株価は堅調に推移したと言います。アルコアなどの景気敏感株が市場で物色の中心だったとか…。しかし5月29日に流れているニュースでは、1-3月期の住宅ローンの延滞や差し押さえ件数は12.9%となり、10-12月期の11.1%を上回り過去最高を更新しているとか…。この数字は全米の住宅ローンの8件に1件は、返済に行き詰っていると言う数字だそうです。しかし最近の統計数字で株価に反応するのは、いいほうの数字で、悪いほうの数字には株価は反応しなくなりました。投資環境が好転している現象の一つですね。

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騰落レシオも120を越え、昨日は125、今日は122となっており、市場では警戒感も生まれているようです。デッカプリング論の見直しは、時期尚早との声があるようです。例えば三井住友銀行の宇野さんは「割り切りの短期勝負なら別だが、投資家の多くは、昨年の投機マネーの流入で、実体から著しくかけ離れた原油や穀物相場の急騰が、景気や消費を冷え込ませた経験をすっかり忘れたようだ」と発言し警鐘を鳴らしていました。私はこの発言を聞いて一理あるとは思いますが、現在は景気を回復させようとしている段階ですから、少し昨年とは背景が違うと思っています。

しかし日立建機では生産縮小解除を3ヶ月先延ばしする話しも出ていますから、先日のシャープ(片山さん)のサプライズ発言を、過大評価するもどうかな?…とも感じています。結局、この現象がハッキリするのは、時間が経たないと分からないのでしょう。物色動向が難しいから、市場では「GSユアサ」のような材料仕手株に人気が集中します。今日は東芝に続き、売買代金が430億円と膨らんでいました。下のグラフを見ると分かりますが空売りが入り乖離が開いてきましたが、過去の推移では13週線との乖離が54%まであります。現在の13週線は615円ですから乖離は34%で、仮に53%まで開くなら940円ぐらいが、目処になるのかもしれません。この銘柄はダイワボウとは違い、業績向上の背景があるので、面白いとは思いますが私は買いません。業績の裏付けを無視しているからです。仮に収益化するにしてもだいぶ先です。計算すれば分かりますが、株価と業績は合いません。ただハイブリッド車が続々と発売されますからやはり夢はあります。人気がなくなった時に買う株ですね。

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GSユアサは業績と株価が合いませんが、同じ仕手材料株になりそうな商船三井は可能性があります。会社側の今期予想1株利益は33円ですから、明らかに株価が700円と言うのは高く感じます。しかしこの1株利益が100円になるとすれば、どうでしょう。安く感じませんか? PER10倍で株価は1000円ですね。その可能性はあるでしょうか? 下のグラフは四半期別のBDI(バルチック海運指数)の推移と利益を示したグラフです。平成18年の決算は2006年ですから1株利益が95円です。見て分かるように、その年のBDIは2500~3000です。1000を割れていたBDIは、連休明けには2200ぐらいでしたが、昨日のBDIは4100まで、僅か1ヶ月間で急騰しています。つまりこの水準が維持され続ければ…。

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勿論、採算割れしているコンテナ船もありますし、当時より減価償却費も高い水準ですが、今期の1株利益100円に乗る可能性はありそうですね。現実の会社側発表の1株利益は33円で…可能性のある数字のEPS100円と大きなギャップがあります。このギャップに強弱観が対立して、ここから仕手株としての素質の芽があると感じます。先ほどの三井住友銀行の宇野さんのデカップリング論に対する警戒論が背景にあり、大きなスケールのバックボーンが対立しており、BRICs関連の象徴的な存在としての素質を感じるわけです。

一方、市場には大きく売られた銘柄の値戻しが進んでいます。博打株の値上がり率はすごいですね。恐くて買えない株である代表的な存在の不動産のダヴィンチの株価は、安値から6倍以上の上昇を示しています。当然、倒産のリスクを抱えています。まさに博打の世界です。競馬や競輪の感覚ですね。市場はこのほかにもPBR1倍以下で割安に置かれていた銘柄が急速に値戻しして、全体水準を押し上げています。水準訂正は続いています。

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投稿者 kataru : 2009年06月03日 18:28