今日の市況(2009年06月02日)
先ず、追加のご案内です。
実は今日の日経新聞を読んで…あれ? 僕が間違ったのかな?と思いました。そうして調べてみました。実は昨日書いたPMI(製造業購買担当者景況感指数)の数字はCLSA(カリヨン証券)のものなのですね。今朝の日経新聞は中国国家統計局と中国物流購買連合会の共同調査によるもので、サンプル数は後者の方が多いと言う話です。だから数字にズレが生じていたのでしょう。下のグラフは中国物流購買連合会のものです。この指数がどれくらいの効果があるのか? 最近マクロ統計を気にし始めたかたる君には経験値がないので分かりません。もともとこんな指数の存在も知りませんでした。はぁ、株屋も大変です。たくさんのデータのなかから、株に影響を与えるものを抽出して相場を考えなくてはなりません。まぁ、仕事だから仕方ありませんが…。

昨日、気になった指標でもう一つは厚生労働省発表の製造業の残業の数字でしたね。日経新聞の夕刊には従業員5人以上が載っていましたが、私は30人以上のものを採用しグラフを作成しました。数字は依然、低いですが下げ止まり感が出ています。与謝野さんは「1-3月期が底だ」と言う認識を発表したそうですが、色んなデータから底入れ観が現れています。感心するのはフィデリティー投信の株式投信の広告ですね。ここで投資すれば株は儲かると判断しているのでしょう。野村證券も株式営業を強化しています。

さて今日は、NY市場のダウ平均の寄与率まで調べてないので分かりませんが、構成銘柄の入れ替えがありました。GMとシティーバンクが外され、ネットワーク機器の「シスコシステムズ」と保険大手の「トラベラーズ」が採用になりました。昨日の上げはこの入れ替えに関係あるのかな? 銀行株は総じて小幅安で、JPモルガンが50億ドルの普通株による増資を発表していましたね。最近のGSに続き、MSも公募を実施して株価は上がっています。三番目にJPモルガンです。勿論、他にもたくさんの金融機関が資金調達をしています。GMが倒産し、悪抜け感を演出していましたが…、果たして相場はどうなのでしょう? 商業銀行株が上昇しない景気回復なんて有り得ませんからね。依然、オバマ大統領に対する金融界の評価は、信認が低いのでしょう。
先物の展開は午前中に大口の利食い確定売りが出たようですが、中弛み後に小口の買いが入り相場が持ち直していました。しかし最後は売られましたね。昨日の流れを引き継ぎ、商社などのBRICs関連株が強かったのですが、午後には利食い売りに押されている展開のようです。この時期の景気敏感株は、強弱観が対立しやすいのです。会社発表の数字が1-3月期を前提に今期の予想数字を出している為に、1株利益に対する株価は割高感が感じられるようになり、株は空売りが入り仕手化します。業績の裏付けが分からない内に、株価が上がる為に強弱観が対立するのですね。だから面白いのですね。株式相場の季節感で春と表現される金融相場の初期の段階が一番面白いのです。
なんでもそうなのです。結果を見たら面白くないのですね。結果が分からないから興味が湧き人間の感情を揺さぶるのですね。恋愛もそうですね。相手の気持ちが分からないから面白いのです。相手の気持ちを知って結婚したら普通は100年の恋も冷めるものです。日常化すれば人間の感情は慣れますからね。恋女房に逃げられたら、一緒に暮らしていた時の懐かしさから、感情は再び揺さぶられるものでしょう。株を買うまでは、買いたくて仕方がありませんが、一旦、買うと今度は売りたくなります。利食いをすれば再び買いたくなるし…株は上手く出来ていますね。この時期の相場観は意見が対立します。中国の経済成長は続くと言う意見もあれば、財政出動のカンフル剤も切れて、再び失速すると言う意見もあります。様々な意見の対立から相場が形成されています。私の読みはまもなく横這い波動との読みです。残念ながらリーマン倒産時の12000円台の回復は、しばらくお預けでしょう。理由は大型増資が頻発し、時間が経過しないと、一段高をする資金の流入がないと思っています。さて結果はどうなるかな?

投稿者 kataru : 2009年06月02日 17:43