今日の市況(2009年06月22日)
米国市場は金融規制の発表にも拘らず、銀行株などは相対的に高くなっており、この問題を懸念する必要性は薄れているのかも知れません。規制とは行動が制約されることで、自由な市場原理に反することなので好ましいとは言えませんが、株価の反応を見る限り、この程度の規制は市場で容認されているのかもしれませんね。市場経済とは、常に市場の反応を見て政策を変えることですね。日本株のように1989年以来、一貫して下がり続ける株式市場は、いくら少子高齢化でGDPが増えないとは言え、政策の失敗と言われても仕方ないと思います。ところが、お隣の国の中国はGDPが日本並みになっても、成長力は大きく落ち込みませんね。故に下のグラフのように、株価は世界で一番早く立ち直り上がり続けています。

大国中国の需要は大きく、限られた資源ですから価格も戻り始めています。一般的にCRB指数は歴史も古く、途中でロイターに買収されましたが商品市場のバロメーターです。2005年9月に修正され現在は、原油、燃料油、無鉛ガソリン、天然ガス、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、とうもろこし、大豆、小麦、綿花、牛、豚、ココア、コーヒー、オレンジジュース、砂糖の19品目から構成されていると言います。その動きは下のような展開です。

一方では中国経済はバブル状態だと懸念する声もあります。何度も指摘しているように、貸し出しなどの異常な増加が資産インフレを招いていると言う意見なのでしょう。しかし私はこの意見とは、逆の考え方をしています。1989年の日本も銀行貸し出しが元になり、土地などの資産インフレが起きてバブルが発生し、その残存処理に手間取っています。未だに、その当時の借金が清算出来ないのです。「りそな」などは代表的な例ですね。あの当時の日本のGDPは一人あたり3万ドルぐらいあり世界のトップレベルでしたが、中国の現在のGDPは上がったといっても、一人あたり3000ドル程度のものですからね。依然、多くの国民が貧しい生活を送っているわけです。沿岸部では日本より裕福な人は大勢いますが、全体的な水準が違います。
成長の余地が高い国と世界トップの水準を維持する為には、自ら改革をしなくてはならない国と雲泥の差です。ようやく、ここに来て日本は情報通信やエコ革命などにより、新しい時代の息吹を感じる次第です。JR東海がリニアカーの建設に乗り出すなど、未来都市を創りあげるスタートラインに来たような印象もありますね。物まねだけで世界トップの成長を維持できる道理がありません。世界トップレベルのGDPとは、世界の見本になる国民が成し遂げられる水準を意味するのでしょう。だから中国のバブル説は正しいとは思わないのです。あの当時の日本と立場が違います。一人あたりのGDP水準は違いますからね。
GSユアサなどの材料仕手株が市場では賑わっており、私は数字が会わないので買いませんが、充分に理解できる相場でもあります。ただ参加者はよく知る必要がありますね。5年程度、この分野で利益を上げられるかどうか疑わしいですね。果たしてGSユアサが市場を席巻できるほどの高い技術的な実力を維持できるかどうか? つまり競争が激しいと言うことは、激変する市場だと言うことでしょう。エコ革命を成し遂げテーマに合う利益の出る会社なら私もお客様に薦めることができますね。
そういえば、今日は富士電機と古河電工が共同で環境車向けの電力制御半導体の共同開発が市場で話題になっていましたね。パワー半導体のトップは何処でしょう? 三菱電機などはNECが防衛庁の談合問題で処分されていた時に食い込んだと言う話しを聞きましたね。私も技術的な価値は良く分かりませんが、エアコンなど車以外で幅広く使われており1兆円市場とか…。更に似たような仕組みで注目を集めそうなのがインバーター技術を有する安川などのメーカーでしょう。「スマート・グリッド」を代名詞とする効率的な電力制御は日本にも必要なシステムでしょう。このようなグループから好業績の銘柄を採り上げるのは面白いかもしれませんね。
しかし今は日本の未来を買うより、世界景気の回復を相場に織り込む段階だと思っています。世界景気の鍵を握るのはGDP1300兆円を誇る米国の景気がキーになりますが、成長力ではやはり中国でしょうね。株価は変化を求めるもの。今はどちらかと言えば、値固めの相場だと思いますが、次のステップは再びBRICs株が注目されると考えています。相場の強さを占なう三井住友銀行は今日が払い込み日です。なんでもTOPIXに連動させる為に、公募で増えた株式を買う必要があるとか…市場で話題になっていましたね。

投稿者 kataru : 2009年06月22日 17:26