今日の市況(2009年05月22日)
S&Pが英国の国債をAAAの安定的からネガティブに引き下げたと言います。まぁ、当たり前ですね。日本より、ずっとひどい状況なのでしょう。先日、ムーディーズは日本国債を格上げしてAa2にしたと言いますが、格付け会社は違いますが英国がAAAで、日本はAaaではなくAa2なのですね。僕の格付けは詳しく知りませんからコメントできませんが…。細かい種類が多いのですね。長期債務格付けとか、短期とか…。FT100の株価は下げましたが、単なる調整の範囲なのでしょう。

これを受けて米国も何れ国債格付けが引き下げられるとの見込みから、為替はドル安になったと解説されています。加えて日本独自の問題で、税制が変わったので、企業の海外プール資金の還流が見込め、その為の円高基調の可能性も指摘されていました。何しろ海外プール資金は20兆円と言われ、その内、4兆円が戻る可能性があると言います。
NY市場が安く、円高になると、値嵩株の輸出企業の株価が下げますから、日経平均株価も弱くなりますね。ただNY市場の銀行株は高く、こちらも単なる調整なのでしょう。一般的なNY市場安の解説は、新規失業保険の申請者数が高水準だとか…。フィラデルフィア連銀景気指数が、予想以下だったとか言われていますが、基本は単なる利食い調整でしょう。銀行株が高いと言うことは、順調に増資が消化されていると言う事で、何れ株高を暗示していますね。日本と同じです。

国内では鉄鉱石の価格調整が35%安で決着しそうだとの報道が日経新聞でありました。既に市中の鋼材価格は値下がりしており、鉄鋼メーカーは昨年の高い原材料が余っていますから赤字なのでしょう。しかし価格交渉が決着したと言うことは、その原料在庫も少なくなっているのでしょう。加えて自動車各社の生産活動は、弱いながらも徐々に回復しています。今日はハイブリット車のトヨタやホンダの売買代金が1位、2位を占めていました。更に、ここに来て半導体の需給が改善しており、DRAMよりフラッシュの価格は損益分岐点に届いたという話です。ここで注目されるのは東芝の株価です。英国のヘッジファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント(TCI)のカラ売りの買戻しが終了していると言う需給関係ですね。この後、大型公募が予定されており、これからどうなるのか? 市況ものの振幅は大きいですから、業績動向が注目されます。

年内にはマイクロソフトの「セブン」の発売が予定され、DRAMの需要はこれからクリスマスを迎えるので、当然、増えますね。シリコン・ウェハーなど需要は多くなるのでしょう。ここにも相場のヒントがあります。金融の世界ではアイディアが命です。どのアイディアを採用するかは、投資家次第なのですね。切り口は多彩ですよ。「100年に一度の危機」だなんて、グリーンスパンが述べるものだから、すっかりこの言葉が定着しました。それならば、逆説的に「100年に一度の好機」なので、株式投信でもしようと募集が増えていると言う話しです。
人間は欲張りの動物で、先日まで、なかなか9000円台に乗らなかったのですが、今は9500円台をクリアできないから、相場は弱いと思っているかもしれませんが、この程度の休憩は当たり前の時間なのです。むしろ9000円をなかなか割れない相場が強いのですね。かなり強い展開と考えて良いと思います。確かに三菱UFJの押し幅は大きいかなとも思うのですが、日経平均株価の推移はかなり強いイメージです。早晩、一段高が見込めそうな動きに見えますがどうでしょうか?


投稿者 kataru : 2009年05月22日 18:03