未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年05月21日)

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FRBは09年のGDP予測を、1月の-1.3%~―0.5%から、今回は-2.0%~-1.3%に下方修正をしたと言います。このような背景を受け、ドルが売られ円が買われ、日本では輸出株中心に株が売られ日経平均株価が下げましたが、引けにかけ先物から買いが入り、下げ幅を縮小していたようです。NY市場の朝型は、民間資金で銀行の増資が出来たことは大きいと言う評価がなされ、バンカメを中心に銀行株が上がりましたが、引けにかけ利食い売りに押されたと言います。

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一方、VIX(恐怖指数)と呼ばれる変動性指数が30ポイントを割っており、最近は一環して縮小傾向にあります。リーマン・ショック以来、既にVIXは半分以下になっており完全に峠は越えていますね。ただ改善があるとは言え、リスク資産のBBB債への投資は限られ、スプレッドは縮小しているとは言え、反応は鈍く高い水準が続いています。この辺りのスピードが景気回復にも影響を与えるのです。このような環境なのでFRBがGDP予測を引き下げたのでしょう。昨日の新規住宅着工件数推移が、低いのは仕方ないのでしょう。しかし、依然、住宅の差し押さえ件数は多く、その販売である中古販売は伸びているのです。これらの指標推移は今後も注目されます。

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本日の日本市場は原油価格の上昇を受け商社株などが確りしていましたが、上値を追うほどの力もなく、終日、揉み合いの展開でした。このような動きは仕方ないのでしょう。米国の株式も銀行の大量資金調達があり、悪材料の消化まで時間を要するでしょうし、中国もかなり株価が高い水準ですので、更に一段高するまでは若干の時間を要すると思います。既に2008年の3月決算数字が発表され、今期予想の赤字決算も容認されましたが、次のポイントである4-6月期の回復具合は、現段階ではハッキリせずに6月中旬過ぎでないと先行きが見えてきません。

例えば鉄の価格を決める石炭は、2008年の57%減で交渉は決まりましたが、鉄鉱石の価格は未だに決まってないと言います。この動きは6月には決まるとの観測が流れています。この動きに見られるように、今期の業績予想は非常に難しいのですね。故に、今期の業績予想を合理的な判断が出来ないとして、発表を見合わせる動きが広がりました。つまり時間が経過しないと、今期の業績予想が見えないのですね。この動向が見え始めるのが6月の中旬過ぎなのでしょう。7月に入れば4-6月期の数字が見えるようになり株価は動きやすくなります。

このような背景を考えれば、当面は大きな動きは期待し辛く、ボックス相場の動きとの見込みが一般的です。このような膠着場面は、株式の整理が促進され、株価の位置が変わるための必要な作業です。どうしても利食い調整には、時間が掛かります。例えば三菱UFJなどの動きを見れば分かります。500円台から一気に699円まで買われた過程では、もっと上がるとの見方もあり、利食い売りは発生しにくいのですが、一度、このように動きが止まると、人間は不思議なもので、今度は先の高値690円台近辺では、誰しもが売りたいと感じます。株価が上昇している内は、売り物は多く出ませんが、一度、株価の動きが止まると、今度は売りたくなるのです。不思議な人間心理ですね。だから利食い整理の為には時間が必要になります。

相場は新興市場(BRICs)絡みの動きなのでしょう。
今日は鉄鋼や銀行に、中国では利食い売りが出たようですが、中国株に限らず株式は利食い売りを消化して大きくなるのですね。既に調整から3年間と言う時間が経っており、更に昨秋のリーマン・ショック以降、急激に調整が加速され上値のシコリは、ほとんどありませんね。故に弱いように見えて、意外に強いのが相場の腰なのでしょう。まさに『強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で…』育っている最中なのでしょう。積極的な買い増しのチャンスだと考えています。


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投稿者 kataru : 2009年05月21日 18:20