未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年02月27日)

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世界の株価は模様眺めに終始している様子です。
トヨタ自動車の赤字決算発表で、日本の企業は我も我もと、一斉に生産高を急激に減らしました。実はあまり報道されてないようですが、トヨタ自動車は昨年、経営戦略を間違えたのです。本来ならプリウスなどの環境カーや小型車の生産に力を入れるべきですが、大型車に力を注いだのですね。その為に米国ではホンダに比べ悪かったのです。その失敗もありますが、これ幸いと…在庫圧縮を口実に、今回の景気後退を利用したと…見方を変えれば言えるかもしれません。他の自動車メーカーの在庫調整はトヨタより早く終えるようですね。しかし生産高を従来の水準に戻す気配は今のところありません。

何度か述べているのですが、重要な事は日本メーカー各社が赤字を容認して、これ幸いに重くなっていた従業員の解雇に動いています。つまりリーマンショックを利用して、経費の削減を実施しているのです。理由がなくては人員を簡単に削減できません。トヨタが赤字なら、トヨタが人員を削減するなら、我々も目立たないとの日本人特有の横並び意識で大幅な減産調整を実施しています。その影で、日産自動車などは国内工場を閉めて、生産基地をタイに移管するとか…。京セラは中国に太陽電池の新工場を作るとか…。パナソニックまでが、インドに生産設備だけでなく開発所も設けると言います。

多くの市場関係者は勘違いをしているようです。
今回の不況は、本来、一過性の金融不況なのです。ファイナンスが付かなくなったので危うい地域の開発は止まります。資源価格の下落でロシアなどは苦境に陥っていますが、中国、インド、ブラジルはまずまずなのでしょう。ここ2日間程度、日本株の方がアメリカ株より強い動きを続けています。12.7%もの大幅なGDPの下落を演じたのは、日本人特有の共同精神の影響が大きいのでしょう。在庫調整は完了し、一過性の株式評価損などは決算期を越えれば終わりです。それでは何故、倒産が増えているのか?

日本はバブルの清算に長年苦しみました。その為に潜在的に防御本能が抜けていません。自信喪失から過大な幻想に陥っているのでしょう。資金繰り倒産など、通常起こらない現象なのです。過度のバブルの不良債権後遺症の為に過剰反応しているのでしょう。だから少し株を買えば、りそなのように新高値を更新できるのだと思っています。おそらくストレステストの過剰反応により、外人投資家が11月に続き、持ち高整理に動いたのが実情でしょう。僅かな売りに脅える日本株と言う印象ですね。この仮説が正しければNY市場との連動性が次第に薄れる筈です。既に貿易量は中国との方がアメリカより多いのです。そのような動きを感じ始めたのかもしれませんね。

一方、昨日も述べてように、オバマ大統領の議会演説を聴いて、私のように安堵している投資家も多いと思います。これまでの談話では清貧思想を疑われても仕方ありませんね。しかしあの議会証言は微妙に発言が修正されています。だからシティーバンクを除いて、米国の商業銀行の株価は上がりだしました。国有化が懸念されていたバンカメも同様です。JPモルガンの1-3月期の決算は、アナリスト予想では1株辺り0.33ドルです。10-12月期の0.07ドルより大きく増える見込みですが、経営幹部は、このアナリスト予想を容認したと言われています。ウォールストリート・ジャーナルの報道によれば、シティーバンクの政府の持ち株比率は30-40%で決着すると伝わっています。まだ検査の途中ですが、最悪のシナリオは回避できそうで、目先は戻り相場に入りそうだと思っています。

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米国の検査結果と中国の経済政策の行方。日本の依存度は既に中国の方が大きいのですね。両国はCDSなどの欧米資金の依存度は低いのです。日本で外資に依存していたのは、新興企業が中心です。故に2006年から新興株式の軟調相場が始まりました。ライブドア事件だけではなく、背景には金融デリバティブ資金の引き上げがあったのですね。奇妙にも新興株の相場と、米国の地価動向は一致しています。2006年から逃げ始めていたのです。さてリーマンの破綻でCDSの存在が明らかになったのですが、そろそろ積みあがったキャッシュは動く時期を迎えているのでしょう。今年の春の金融規制の行方が一番気になりますが、リーマン倒産がやはり分岐点なのでしょう。

決算期を迎え、手形のジャンプが出来ずに倒産が相次いでいますが、2003年同様に倒産リストが市場では出回っていると言います。昨日、倒産したトミヤアパレルはリストにあったと言い、今日はCSKを市場では叩いていました。このリストには大成建設やソフトバンクも入っていると言います。2003年の木村リストと同様で、まぁ、心配することはないと思っています。日本の政治に期待は持てませんが、グローバル企業の多くは不況を利用し生産の効率性を高めているのです。多少、値動きが重い銘柄が散見されますが、信用期日の影響もあるのでしょう。僕には丸紅が、何故、300円を割るのか理解できませんね。丸紅は食品の割合が高い商社です。だから減益度合いが小さいのですね。まぁ、異常な状態が長く続くとは思えません。日本は中国と同様で、今回の金融危機の影響は小さい筈です。

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投稿者 kataru : 2009年02月27日 16:32