未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年02月26日)

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今朝の日経新聞の掲載されたオバマ大統領の施行演説を読んで大丈夫かな?と思い始めています。シティーバンクがスミスバーニーを売却し、年末年始のスピード感ある金融対策からみると、政権後退後、オバマ大統領になってからスピード感が鈍っているように思われ、清貧思想発言が気になっていました。
これじゃ金融は持たないかもしれない。と思う懸念が付きまとっていましたが、昨日の議会演説を読んで、ホッとしています。

問題は金融に対する大統領の認識ですが、最初に『この景気対策は経済を回復軌道に戻すための最初の一歩だ。だが、それは最初の一歩にすぎない。なぜかというと、たとえこの計画を完ぺきに実行しても、金融システムを深く傷つけた信用危機を解決しないことには本当の回復はないからだ。』と述べて金融システムの重要性を認識しています。

次に『 前政権が議会に対し経営不振銀行への支援を求めた時、民主党員も共和党員も前政権の運営のまずさと、それがもたらした結果に激怒した。納税者もそうだ。私もそうだった。  だから私はいま銀行を救うことがいかに不興を買うかわかっている。銀行の誤った経営判断のせいで誰もが苦しんでいる時だけになおさらだ。私はそれを理解していると約束する。

 だが私は危機の時に怒りにまかせて政権運営したり、その時々の政治に屈したりすることはできないこともわかっている。私の仕事、我々の仕事は、問題を解決することだ。責任の感覚を持って国を統治することだ。ウォール街の経営者に報いるのに1セントも使う気はない。だが従業員に賃金を払えない中小企業や、倹約してもなお住宅ローンを借りられない家庭のためならどんなことでもする。

 私の計画の目的はこういうことなのだ。銀行を救おうとしているのではない。国民を救おうとしているのだ。融資が受けられるようになれば若い家庭は新居を買え、企業はその家を建てるために労働者を雇う。労働者は消費のためのお金を手に入れ、さらにローンも組めれば、車を買ったり事業を始めたりすることもできる。投資家は市場に戻り、米国の家庭は再び安心して退職後の生活を送れる。ゆっくりだが確実に信用は戻り、我々の経済は回復するだろう。』

このように述べています。日本の場合は現実の困難から逃げて、問題を先送りしました。困難に立ち向かう勇気が政治家になかったのです。だから傷がどんどん膨らみ被害が増えました。しかしFRBは4ヶ月程度、金融緩和が遅れましたが利下げを実行し、その後、2007年1月には果敢に金融利下げを実施して挽回しているので、致命傷になっていません。

日経ビジネスのジョージ・ソロスの談話を見れば分かりますが、ポールソンは事態を性格に把握してなかったようですね。故に準備がなくリーマンを破綻させたのでしょう。私はあの時に、ポールソンはゴールドマンサックスの出身ですから、事態を把握していると思い銀行株の打診買いに動きました。しかし9月15日から11月の金融混乱の現実を見るとポールソンは市場経済を信じていただけで、準備がなかったようです。ここに混乱の目があったのでしょう。誤算は続きます。

その後のスピーディーな対応をみて、シティーへの二度目の公的資金注入と政府保証で大丈夫だと私は判断し買い向かいましたが、しかしオバマ政権は厳格な人のようです。もう一度、自分で確かめないと駄目なのですね。原点を大切に考える人なのでしょう。ゴールドマンサックスの株価を見れば分かるように、峠は越えていることは明らかですが、同時にシティーバンクなどは清算に動いているようにも見えます。相当、資産劣化が進んでいるのでしょう。AIGの決算を見れば分かります。一方でJPモルガンは黒字決算を掲げ、CEO自らが自社株を買っていました。ゴールドマンサックスは一度入れた政府資本を民間から調達しなおして、返すと言いはじめています。このふたつの話と株価をみると適切な政策さえ取られれば、経済は回復に向うと思われます。

ストレス検査、その後の資本増強、金融規制など、これから起こる出来事の推移を見なくてはなりませんが、就任演説の痛みを耐えろとか言う清貧思想は緩和されているように感じます。この施行演説は上手く修正されています。まだ予断は許しませんが、悲観シナリオが後退した印象を抱いています。一度、ご自分で演説を読んでみると良いでしょう。

英文は…

全訳は…

さて本日の日本株式市場は高かったのですが、引けにかけて下げました。買う人が存在しないのでしょう。しかしオバマ演説を聴けば、急いで日本株を売る必要もなくなります。ただストレステストの結果が悪ければ、当然、資産の圧縮が進みます。11月の山とオバマ政権誕生後の懸念を越えましたので、株価は少し戻るでしょう。しかし本格的な上昇に繋がるかは検査の結果と、その後の対応が問題になります。GMは何らかの形で救うようで、市場原理に反することも事実です。だから穏やかな相場の回復になるかもしれません。在庫調整は世界中で完了します。これから財政出動が効いて来ます。明るさを少し感じています。

タイミングよく指標株のオリックスは戻り、日本製鋼所などの仕手性が強い銘柄も動いています。まだ銀行が上がる段階ではないようですが、米国の商業銀行株がどう言う動きをするかにより日本の株価動向も決まるのでしょう。特にJPモルガンの推移とゴールドマンを見れば良いでしょう。新聞を何紙も読んでいると分かりますが、新聞は恣意的に記事を書いています。たぶん…。同じ記事が回るのです。だから株価の動向をみるのが一番正しいのでしょう。


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投稿者 kataru : 2009年02月26日 17:28