凄腕ストラテジスト是山金蔵の

是金レポート

目先の相場に関して(2006年10月19日)

NYダウは依然上昇トレンドを形成中で日々高値を更新している。
日本株は出遅れ感と企業業績上方修正期待から徐々に上値を切り上げる展開に。

この日本株の上昇は2つの側面から見方が出来る。
ひとつは
”NYダウ(海外市場全体)がこれだけ上昇しているのに対して、日本株は相対的に出遅れ感が強く。まだまだ上昇の余地がある。”
と言う見方と
”NYダウがあれだけ上昇しているのに日本株はまだこれだけしか上昇していない。なんと言う上値の重さなんだろうか?”
と言う見方だ。

これはどちらも正しい。
実際日本株の上昇は他の国々と比べて鈍いんだから。その鈍い理由は新興市場の崩壊にともなう中小型株の軟調な動きと大型株中心に進む信用買い残の減少である。現に7203トヨタ、7751キャノン、4063信越化学と言った高値更新銘柄の買い残はバンバンに減少してきている。

相場に市場参加者の体制が強気で「まだまだ行くでえ!!」と言う状況でないことがここからわかろう。つまり市場参加者を分類すると買いの主体は相変わらず外国人で、個人、法人といった日本人が売り越していることがここからもわかる。皆、日経指数だけが上昇する展開に、投資家の保有銘柄と指数の体感温度の違いが相場に対して強気になれずに、売りが先行することとなっているのだ。

「小型株アカンのに大型株ばっかしあがっとる。こりゃあ~俺の相場感が大型株を売れって言うとるんやな、これが。」と利食いをかけ、個人は新規売りをかけることになる。法人は指数についていけなくなる。

結果大型株中心に徐々に信用の取り組みが改善しながら、徐々に高値を更新するという理想的な状況が生まれることとなる。

一方新興諸国はどうか?これは以前ここでも書いたが、2階、3階建ての投機的下げとなっている。
”小股すくい系”ヘッジファンドの魔の手にまんまとひっかかり暴落したという展開。ここでも売り買い需給の飛躍的な改善が見られる。つまり大型株も中小型株も需給の改善はばっちしで(裁定残高は気になるが)、主要銘柄に関しては企業業績の情報修正期待まで加わるのである。こりゃあ~なんか株式市場ばら色の世界が目の前に迫っているような。。。。。。だがテクニカルに戻ると、そろそろ一旦天井かな?と思えるような形状が見える。相場は2005年4月を底に5波で上昇、2006年4月にピークアウトして3波a,b,cで調整した。そして6月に底入れして再び5波の上昇波動を形成中であると見える。ただ5波に関してはNYダウのようにスーパーエクステンション!!なんてこともありえるのだが、通常はここまでは考えにくいため、現状戻り高値の目処としては5月の窓埋めと4月の高値の間のゾーンとなるのではないかと感じる。現状の相場観としては、目先そのあたりでピークアウトして反落。で。。。押し目を入れるんだが、企業業績の情報修正を受けてその押しは甘く、そこから再び上昇トレンドを形成するのではないかと見る。

まあ押し目なしに仮に高値を越えて行った場合、今回の相場は日本人だれも日経指数についていけていない状況を考えると、その場合はバリバリの強気シナリオに変更せざるえなくなるのであるが。。。。。

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