株好き父さんのための

Take IT Easy!

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2006年04月16日

数字のマジック - 言葉に惑わされてはいけない

ある会社が社員を雇う時に次のような提案をしたとします。
基本給は20万円 です。そして次の2つの選択肢から1つを選んでください、と。

1.無条件で10万円を給料に追加する。
2.社長とのじゃんけんに勝ったら20万円を給料に追加する、負けたら0円を追加する(つまり追加はなし)。


さて、どちらを選びますか?まずはどちらを選ぶか決めてください。

では、次の提案の場合はどうでしょうか?

基本給は40万円 とします。そして次の2つの選択肢から1つを選んでください。

1.無条件で10万円を給料から減らす。
2.社長とのじゃんけんに勝ったら0円を給料から減らす(つまり減額なし)、負けたら20万円 を給料から減らす。

この場合にも、どちらを選ぶか決めてください。
両方の場合ともどちらかを選択しましたね。

さて、予測される結果を分析し、目標値を設定して行動する人は、どちらも同じ数字の方を選んでいるはずです。最初の条件で1.を選んだら、次の条件のときにも、1.を選ばないとその行動ポリシーに矛盾が生じるからです。

なぜなら、それぞれ提示された条件は文章は違うけれども、両方とも結果は同じことを言っているのですから。
確実にもらえる額は、両方とも30万円で同じであるし、5割の確率で40万円になるか20万円になるかという選択をしているのも両方とも同じなのです。どちらも40万円、30万円、20万円 の選択をさせているのです。
なので、最初に提示された20万円と40万円の額にはあまり意味がないと分析し、確実に30万を手にすると決めた人は、両方とも1.を選ぶし、40万円か20万円かどちらかに賭けてみようとする人は両方とも2.を選んでいるはずです。

上の条件では1.を、下の条件では2.を選んだ人は、チャンスの時(上の場合)には堅実な行動をとり、ピンチの時(下の場合)には、損失を0(ゼロ)にしようとする行動をする人です。しかし実際には損失を最大にするという危険な行動でもあります。

上の条件では2.を、下の条件では1.を選んだ人は、チャンスの時にはチャレンジをし、ピンチの時には、被害を最小にしようとするタイプで、たぶんもっとも投資で儲かる人なのでしょう。

デンの今日のTake IT Easy:数字や予測される結果が同じでも、人間は言葉によってその行動が首尾一貫しないことがあります。♪よーく考えよ~、お金は大事だよぅ...
レイジーの今日のおとぼけ:私だったら基本給40万円で、無条件に10万円を給料に追加する交渉をするわ、色気でも何でも使って。貴金属のためですもの。

2006年04月09日

フィボナッチ数列と黄金比

先週の株式教室の「エリオットの波動論」の中でフィボナッチ数列という数の並びがでてきました。数列というとある規則にしたがって並んだ数字のことで、はるか昔の中学校の数学で習いましたね。

等差数列:2 5 8 11 14 17 20 23 26 29 32 35 ・・・
等比数列:2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024 2048 ・・・

くらいは憶えているでしょう。等差数列は、隣り合う数字の差が一定(上の場合は3)の数の並び、等比数列は、隣り合う数字の比率が一定(上の場合は2) の数の並びです。

フィボナッチ数列というのは、もう少し複雑で、ある順番の数は、前の2つの数の和になる数列のことです。

フィボナッチ数列:1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 ・・・

6番目の8は、その前の5と、そのまた前の3の和ですね。
この一見単純な規則の数列が、世の中のいろいろなものを表すのに適しているらしいのです。

ウサギの数の問題
例えば、株式教室でもでてきたウサギの数の問題。
最初、生後1ヶ月の1組のウサギのつがいがいるとして、

(1)産まれたウサギのつがいは、2ヶ月後にウサギのつがいを産む
(2)2ヶ月後以降は、毎月1組のウサギのつがいを産む

という条件の場合(この際、ウサギの近親相姦については目をつぶります)
1年後には何組のウサギのつがいになっているでしょうか?という問題で、ウサギのつがいの増え方の規則をフィボナッチ数列で表すことができます。(右図)
1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 と増えていき、12ヶ月後には377組のウサギのつがいに増えています。
今月、子供を産むのは、2ヶ月前にいたウサギのつがいのすべてですので、1ヶ月前のウサギのつがいの数に、2ヶ月前のウサギのつがいの数(今月子供を産むつがいの数)を足したものが、今月のウサギのつがいの総数になるという理屈ですね。

その他にも、松ぼっくりやひまわりの螺旋状に並ぶ各周回のつぶつぶの数の増え方とか木の枝の増え方もフィボナッチ数列の規則の性質を持つそうです。そしてこ自然界に潜むルールであるフィボナッチがエリオットの波動論の価格の目標値などを求める上で用いられているのです。

フィボナッチ数列は、ある順番の数値をその前の数値で割った値を並べていくと面白いことに気付きます。
3/2 = 1.5、5/3=1.6666...、8/5=1.6、13/8=1.625、21/13=1.61538...、34/21=1.61904...、55/34=1.61764...、89/55=1.61818...、144/89=1.61797...、233/144=1.61805...、377/233=1.618025...
数が大きくなるにしたがい、一般に黄金比と言われている数字、1.6180339887...、数学では、Φ(ファイ)と呼ばれる数値にどんどん近づいていきます。Φ(ファイ)は、π(パイ)の親戚みたいなもので、πと同じく、決して同じ数字が繰り返し現れない無理数のひとつです。

黄金比とは、一本の線を2つに分割したとき、長い方の線と短い方の線の長さの比率が、元の線と長さと長い方の線の長さの比率と同じになるとき、その比率を黄金比といいます。長い方の線÷短い方の線=1.6180339887...(=Φ)なるのが黄金比ですね。
長い方の線と短い方の線でできた長方形のことを黄金方形といい、人間が見て最も美しく感じる形になります。

トランプ、テレホンカード、クレジットカード、名刺、タバコの箱、マンガ本、パリの凱旋門、ギリシャのパルテノン神殿などみな黄金方形になっています。ミロのヴィーナスの各部位の比率も黄金比になっているそうです。

さて、この黄金比の値はどこかで見たことありませんか? 1.61805... という数値です。株の目標価格によく使われる係数として使われていますね。
エリオットの波動論だと、第二波の下値の目安は第一波の高値の0.618倍、第三波の目標値は第一波の1.618倍、第四波の調整は第三波の0.618 とかのに使われています。日本語でも3分の2押し(つまり0.666)などで使われてるのは黄金比に近い値です。

0.618 というのは黄金比(1.618)と違う値ではないかと思いますが、そこが黄金比の不思議なところで、黄金比の逆数(1をそれ自身の値で割った値)を計算すると、黄金比の少数点以下と全く同じ数値になるのです。電卓で計算してみて確かめてみて下さい。

1.61803... = 1 + 1/1.61803...

数って不思議ですね。しかも黄金比などというお金に関係する名前のついた数学の値を株式でも使っているなんて神秘でさえもあります。

デンの今日のTake IT Easy:フィボナッチ数列と黄金比は関連性があり、黄金比の値は、株価の目標値や調整率の目安に使われています。
レイジーの今日のおとぼけ:前々回買った貴金属の値段と前回買った貴金属の値段の合計したものが、次回買う貴金属の値段です。これが私の黄金比。散財万歳!

2006年04月02日

数字のマジック - 千円はどこにもいっていない

昨日の答えは、「千円はどこにもいっていない」です。最初の間違った金額である3万円を基準にして考えると騙されてしまいます。

金額として有効なのは2万5千円であって、3万円ではないのです。ひとり9千円ずつ、計2万7千円払ったうちから、A君がネコババした2千円を引けば、2万5千円になり、ちょうどお店の売上と一致します。
人はこんな単純なトリックで騙されてしまいます。もし、昨日の問題が、次のようになっていたら、恐らくだれも千円はどこにいったとは考えないでしょう。

3人の仲間があるレストランで食事をしました。料金は2万5千円でしたが、お客さんはお釣りの5千円を受け取るのを忘れて店を出ていってしまいました。

その後すぐ、店のオーナーが、お釣りの5千円を今出て行ったお客さんに返して来いとアルバイトのA君に命じました。

A君は5千円を持って、お客の後を追いかけながら、この5千円をどうやって3人で割るんだろうと考えました。そして、3人に千円ずつ返して、あとの2千円はネコババしても、誰も気がつかないなと考え、3人のお客さんには、千円ずつ返し、2千円は自分のポケットにしまってしまいました。

A君はお店に戻る途中で、ふと考えました。お客さんは、結局一人9千円ずつ払ったことになり、9千円 x 3人分 = 2万7千円。そして、自分のポケット中には、ネコババした2千円があり、それを引くとちょうど 2万5千円になります。よしよし、誰にもばれないぞ。

ね、どこにも千円なんて消えていなのがわかりますね。寸借詐欺の手口なんて、だいたいこんな単純なもんです。

デンの今日のTake IT Easy:単純な加減算でさえ、数字の後ろに円がつくだけで、人間は間違った計算をしてしまいます。
レイジーの今日のおとぼけ:あー、良かった。私の王子さまの消えていないということね。しかし、最初から王子さまがいたのかどうかが心配になってきたわ。

2006年04月01日

数字のマジック - 千円はどこにいった?

今日は、お金と数字の話です。

3人の仲間があるレストランで食事をしました。料金はちょうど3万円。ひとり1万円ずつレジで払って店を出ました。

その後すぐ、レジで精算をした店のオーナーが、実は料金は2万5千円だったことに気付き、余計にもらった5千円を今出て行ったお客さんに返して来いとアルバイトのA君に命じました。

A君は5千円を持って、お客の後を追いかけながら、この5千円をどうやって3人で割るんだろうと考えました。そして、3人に千円ずつ返して、あとの2千円はネコババしても、誰も気がつかないなと考え、3人のお客さんには、千円ずつ返し、2千円は自分のポケットにしまってしまいました。

A君はお店に戻る途中で、ふと考えました。お客さんは、結局一人9千円ずつ払ったことになり、9千円 x 3人分 = 2万7千円。そして、自分のポケット中には、ネコババした2千円があり、合計すると 2万9千円。後の千円はいったいどこにいったんだろう? どこに消えたんだ と。

千円はいったいどこに消えたのでしょうか?ちょっと一日考えてみてください。答えは明日書きます。
この答えがわからない人は、お金に惑わされるか、お金で騙される人ですヨ。

デンの今日のTake IT Easy:基準にする正しい値は何かをよく考えないと、間違った結果が導き出されてしまいます。
レイジーの今日のおとぼけ:消えた千円より、私の結婚相手はどこに消えたの?出てこ~い、王子さま。