今日の市況(2013年)(2013年10月03日)
かたる:昨日は指数から来る売りに場味が崩され、腰の弱さを露呈したイメージでした。しかし所詮、指数なのです。実弾ではないのですが、市場は目先筋に揺れるわけです。一般的な市況解説は、「米国の財政問題」との事ですが、消費税の引き上げが効いている可能性もありますね。だっておかしいですよね。本家の米国は、そんなに下げていませんよ。いくら消費税の引き上げが、相場に織り込まれているとは言え、12月かな? …に予定されている経済対策の中身が思わしくないと…。折角の上昇ムードが、オシャカにならなければ…とも考えます。カタルにもどちらに転ぶか、分かりませんね。こればかりはやってみないと、結果は分かりません。ただ最近のニュースを見ると、大丈夫と言う気もしています。例えば、本日の介護・医療REIT上場は、急速に広がる介護ビジネスを資金面から助けますからね。本来は銀行借り入れの間接金融ではなく、このような形で、直接、信用補完をしてあげ資金面を支援する政策が必要ですね。介護産業は適正利潤が得られるように介護価格が設定された公共産業とも言えます。しかし設備などの初期投資負担が重く、資金面がネックになっていましたからね。当然、カタルが好きな「ツクイ」なども恩恵を受けられます。債務の切り離しが出来ますからね。このような直接市場を利用したファイナンスを盛んにすれば、経済はだんだん活性化して行きます。PFIの概念にもREIT市場は応用が効きます。
オリンピック開催決定からの切り返し相場は、ほぼ一巡したようですね。大成建設は高値揉み合い、鉄建も熊谷もみんな、一服し出しました。しかし建設株はバックボーンは確りしており、オリンピックがなくても株価は上昇組です。何しろ社会資本の更新需要は非常に大きな市場です。加えてアセアンも投資が加速していますね。例えばミャンマーに政府が多額の投資を実施していますが、これはタイト貿易の部類です。今は「タイト」と言う言葉を使わないのかな? 所謂、ひも付き貿易で、政府の円借款などを利用させる代わりに、我が国の産業を利用する取り決めでしょう。ミャンマーの産業都市建設の港湾や鉄道整備など、みんなブーメランで帰ってきます。日立や新日鉄などの基幹産業が伸びる背景があります。日本も貧乏したせいで、経済援助は減りましたが、このような政府支援で我が国の貿易は伸びてきました。
指数で抑えられるのほどですから、現状の相場は実弾投資が少ない訳です。通常は金利が下がれば投資が加速しますが、長いデフレ環境が、企業を慎重にさせています。だから企業の内部留保は、どの会社も歴史的な厚さですね。この内部留保が、国内への投資に向くかどうか…為替水準がものを言いますが、TPPが完結すれば、国の壁がなくなりますからね。例えばトヨタは、米国と韓国がFTAを結んでいるので、米国からわざわざ韓国に車を輸出していましたが、今度は日本から輸出できます。こんな事例が増えてきます。安倍政権は、デフレを乗り越えられる可能性があります。長州藩を引き合いに出したという事は、歴史的な感覚を意識し政権に臨んでいる訳ですね。
一番大きいのでは、減損会計だという事を、認識しなくてはなりません。イオンなどは借金が多く、資金繰りが大変なのでしょうが、何故、自社物件をリートにするかと言えば、もし資産劣化が続けば、その劣化部分を補わねばなりません。こんなデフレ環境では、誰も投資をしませんね。売上高営業利益率が10%以下なのに、資産価格が毎年3%も下げてみなさい。利益をどうやって確保するのでしょう。アベノミクスの成否は、此処に掛かっていますね。だから「ケネディクス」なのですね。信用創造は必ず進みます。だから孫さんが、銀座のティファニービルを高値と思われる水準でも買う訳です。みんなが驚くからニュースになるのです。しかしこの事象は、黒船来航と同じで、歴史的な転換点なのでしょう。
チャートを見ると、ここ1か月間が買い場でしょう。11月から5月の上昇相場の調整がどの株にも進み、ようやく新しいステップに移行できる体制が整いつつあります。此処からの下値は、積極的に拾わねばなりません。既に5月からの調整は完全に終了しましたね。今回の消費税引き上げ決定は、ある意味で新しいスタートでもあります。資産価格を3%引き上げればいいのです。簡単ですね。金融庁の融資姿勢を変化させればいいのですよ。だからオリコへの業績指導の行方などが、気になる訳です。今日は試しに、僅かですがケネディクスの寄り付きで、打診買いを入れました。覚えておいてね。今日の始まりは514円ですね。
さて小野薬品の話しでもしましょうか。実はサラリーマン時代の話ですが、株式部長のSさんが小野薬品に惚れちゃって…全店で取り組んだのですね。小さな証券会社ですから、資金など限られますが、「プロスタグランジン」と言う魔法の物質が、色んな病気に効くらしいという事を発見したと言う、眉唾のような話から、相場はスタートします。よくあるのです。過去に科研製薬がイチジクから、がんに効く特効薬を開発したとされ、株価が暴騰したこともあります。結局、この話しは、偽物です。偽物でも大手証券が動くと相場になるのですね。科研は日興証券が主体だったのですが…。この小野薬は本物ですよ。1984年の話ですが今でも小野薬品は、この発見で高収益を堅持していますね。
問題は此処なのです。まだ本物かどうか分からないうちから、相場はスタートします。小野薬品の株価は、あれよあれよ…と上がり、市場で独占人気になります。カタルが初めて手数料が月間1000万円の水準を超えたのは、この小野薬品の相場から離れなかったからですね。通常は2000円の株が、4000円になれば2倍ですから、売りますね。そうしてその株を再び買うことはありません。しかしカタルは強気を堅持し、1万円相場を掲げ、お客様に何故、プロスタグランジンが素晴らしい発見なのか…説いて回りました。勿論、3年生の若年社員なので、知識は全て株式部長の押し売りです。問題は1万円を超えた株式を、既にどう考えても割高で、製品化されても業績は見合わないのですが、この株式の購入に、お客様の退職資金を充てたのですね。ここが問題です。最初は良かったのです。1万円が12000円に、更に買い増しすると15000円に上がって行きました。信用で買った株をクロスするだけで、数百万円の利益が生まれます。お客様もカタルも酔っていましたね。しかし株価は、持田製薬などが出てきて、やがて人気が分散され暴落してきます。追証の嵐でした。
いやはや、いくら、お客様が納得しているとは言え、長年働いた退職金を株式投資に充てたカタル君の営業姿勢は、やはり問題ですね。客観的に見て、言い訳が出来ません。ずいぶん苦労した経験があります。いくら若年セールスとは言え、この若年セールス時代は、数々の失敗をしています。相場を当てたとか、外した…と言う以前の営業姿勢の問題です。通常は上司が止めるべきなのですが、ノルマに追われる証券マンですからね。苦い経験です。この小野薬品ですが、最初は理想買いから始まります。株式投資の一番面白い時期は、この理想買いです。
昨日はナスダックのIT相場の話に少し触れました。2000年の時期ですね。ITバブルと呼ばれましたが、ヤフーだけが、その後、あの高値を超えましたが、ソフトバンクも光通信もソニーも、未だに抜けていません。この理想買いが、一番、株式投資でワクワクする瞬間です。相場の循環から言えば金融相場の時期ですね。日本は今、異次元緩和を実施していますから、通常は利益が生まれない理想買いの段階ですね。日本は今、江戸時代から明治への移行期と、同じ環境下にあります。時代がITにより大きく変わりますね。昨日のニュースで感じたことは、東大の医科学研究所の宮野悟教授が、スパコンを使い、がんの転移にかかわる遺伝子を24個、特定したことですね。素晴らしい時間短縮です。これまでは数年かかっていた作業が、3か月とされています。時代が飛躍的に移動する瞬間に、我々は生きているのですね。
007の今日は安いようですね。昨日は2490円を抜き、一気に走るのかな?とも考えました。板状況が薄く、ひょっとすれば、玉が吸い上がっている可能性もあります。確認がされていませんが、今度、飛ぶときは、意外高する可能性もあります。もし玉が吸い上がっていればの話ですが…。どうもチャートの形は下値が切り上がり、玉が吸い上げているようにも感じます。悩みますね。資金さえあれば、安くなれば買い、高くなれば一部を売りの作業を繰り返し、持ち株を増やし続ければ、儲けは格段に膨らみますが…。果たしてファンドの介入が始まったのかどうか…。J・TECのように明らかに介入しているのを確認している訳ではありませんからね。ただ今の所は、順調に育っている印象を抱いています。希望的な見方も含めていますが…。
今日の全体相場は、若干安いですね。8月28日の13188円がポイントになりますが、おそらく、それよりは上の位置で止まりますね。せいぜい25日線割れ辺りの相場(13970円)が、下値になる確率が高いのでしょう。前回はこの水準を4%ほど下回りましたね。基本的に6月13日の安値12415円を割ることはありません。昨日の下げは、あまり気にしなくても良いはずです。株式投資は、利益が生まれない「理想買い」の段階の相場が、一番ワクワク感があるのですね。なんでも世の中そうです。知ったらお終いなのです。分からないから面白いのですね。

投稿者 kataru : 2013年10月03日 10:46