未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年)(2013年09月10日)

かたる:米国では新値追いレースに遅れていた「ナスダック」にも復活の兆しがあるようです。(実はこの話は重要なキーワードなのですが…解説は、後日にします。)既にNYダウやSP500は過去最高値を更新していますが、ナスダックだけは2000年3月に付けたITバブル時の高値5048ドルに遠く及ばずにいました。なにしろITバブル時の高騰は、異常な雰囲気でしたからね。最近は市場の制空権を、外人投資家に奪われ海外勢の写真相場が続いて来ました。

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今回の景気回復は、いつくかの点で変化の兆しも感じられます。カタルが「失われた時代」を克服し、新しい日本経済の長期成長波動に突入したのではないか?と思うのは、情報の活用をはじめとする「スマート・コミュニティー」への進展ですが、その為には「失われた時代」の終了が、不可欠です。この「失われた時代」の終了とは何か?という問題ですが、一般的にはデフレの克服なのでしょうが、本当の意味は日本の構造改革なのでしょう。

何度か既に語っていますから、簡単にお浚いをしますが、東西冷戦の影で米国の庇護の下に成長を続けてきた日本は、年功序列や終身雇用と言う独自システムが有効に働いてきました。しかしこの日本独自の仕組みは株式持ち合いなどに支えられた歪な仕組みでした。二重価格制度と言う内外価格差の存在で成り立った鎖国制度が背景にあったわけです。コメの価格制度見れば分かります。しかしこの江戸時代の仕組みが「プラザ合意」と言う「黒船来航」により崩壊し、明治維新への転進を促されました。此処で日本は構造改革へ向け、厳しい道への選択を取らずに、数々の間違った選択をします。しかし長いデフレ低迷期のおかげで、構造改革がいよいよ終了を迎えたのでしょう。まもなくTPP交渉も纏まるでしょう。固定資本形成などの依存により、偏った形で成長が支えられた時代から自律する時代へ変化してきたのです。1000兆円の借金の存在は、自立を促します。

構造改革の終了と言う現象が、今回は生まれているようです。消費税引き上げと言うイベントを控えた現象…と解釈されているようですが、駆け込み需要消費により、GDPが押し上げられたと言います。過去は必ず財政出動から需要が刺激され、消費に繋がり設備投資と言う形で…固定資本形成による起爆剤で、景気回復が実現してきました。教科書には金融政策と共に、財政政策が景気回復の常套手段になっているのです。あるいは外需に支えられた形での成長回復のパターンだったのですが、今回は消費に支えられた、内需の回復と言う影響度が増しているようです。残念ながら、名目成長率が、実質を上回る真の成長への壁は大きかったようですが、異質の景気回復だと…今日の日経新聞の景気指標面で、解説がされていました。吉川洋教授のくだりですね。どうも…今回ばかりは、本物では、ないかな?

カタルの考える本物とは…株価が過去最高株価を抜くことを意味しています。つまり一人あたりのGDPが成長を続けるのです。先日はざっくり400万がスマート・コミュニティーへの転換により600万円にしようと…、自走式の車による交通渋滞の解消などの事例を掲げ、効率化が高まると解説しましたね。今日の新聞では1964年の一人あたり30万円のGDPが、2012年に372万円となっていますが…日経3面に、56年前の東京オリンピック時代との比較が掲載されています。また今日の新聞には「コンパニオン診断薬」の話が載っています。技術革新により、無駄な抗ガン治療を省けますね。現代では遺伝子の配列が何らかの影響により変化し、転写が異常になりガン化したり老化したりしていることが分かっています。故にスーパーコンピュータの利用により、たくさんのサンプルを集め検証すれば、夢の治療の時代がくるのです。電子カルテ化はサンプル集めでもあるのですね。遺伝子構造と投薬治療の成果をデータベース化するのです。まぁ、話は兎も角、このような技術革新が進むと、膨らむ医療費が削減できるかどうか分かりませんが伸び率を減らせます。効率化が情報の集約で進むのですね。007のSQLなどは膨大なデータでの集約は出来ませんが、簡単なデータ検索は出来るのです。WiFiなどの通信が情報を集約化し、渋滞情報の活用が始まりますね。

此処で重要なことなのですが、日経新聞なども…少し方向性が違うと思うのです。オリンピックの経済効果を、インフラ整備とする旧来型の発展で、ものを見ています。何と言うかな…スマフォを活用するソフトの技術革新の進展に、エネルギーを置き換えるべきですね。ハコモノ建設はメインスタジアムだけで充分でしょう。次世代の交通システムの構築を考えるべきですね。無人自走の路面電車など…。お金の掛からない設備で、後世の人が活用できる仕組みの構築ですね。高速道路なども予防保全の考え方で補修に留めるべきでしょう。ハコモノを作るならオリンピック以外の活用をメインにしてオリンピックはサブですね。

昨日、堺屋太一がテレビに出ており「安心、安全を求め規制し、委縮する社会より、多少危険があっても楽しい社会づくりを…」と述べていました。オリンピックはその様な起爆剤になると…良いなと思うのです。カタルは何もハコモノ建設を否定するわけじゃありませんが、そのような経済効果より、日本人の心がオリンピック開催を切っ掛けにして、前向きな行動に繋がる「心の起爆剤」になれば、良いと思っているのです。だから大成建設などより、違う銘柄ですね。あるとすれば情報を伝達するスマフォの活用などの未来型産業から、大きく育つ銘柄が生まれると考えています。具体的なイメージは沸くのですが…なかなか銘柄が出ていませんね。日本にはGPSがあるのですね。早く 準天頂衛星を4機体制にして、正確な位置情報を活用できるようにすると良いですね。観光産業に生かせますね。オリンピックの開催は、日本人の心を前向きにさせる効果が大きいのです。決して、箱モノの建設需要効果とは違うと思うのです。

さてまもなく「イプシロンロケット」が打ち上げられます。まだコストは高く38億ラインとか…。誰でも簡単にパソコンで制御され、固定燃料なので安上がりで、小さな衛星を打ち上げられますね。糸川博士のペンシルロケットの発展版です。昨夜、NHKで糸川博士の特集をしていました。遅れる内の浦のロケット発射場建設の為に、地元村の主婦がスコップを持って、人海戦術により建設が進められたと言う話が紹介されていました。人間と言うのは、お金ではありません。希望と言う目標を持つことが、大切なのですね。今の社会は、安心、安全を過度に求め、規制や規則で人間の行動を縛っています。金融庁の検査方針などは、その最たるものです。何故、カタルが金融庁検査の方針転換を、何度も繰り返し、その重要性を話すかと言えば…、このような方針転換が日本に必要だからです。カタルだけでは、ありませんね。昨日、堺屋太一も、リオのカーニバルで死者が出ても、楽しいから続けていると述べています。多少の犠牲は仕方ありません。それより未来に対する希望、目標が大切です。オリンピックの意義は、きっと、そこにあるのでしょう。

株式市場は、明日の夢を語る場なのでしょう。

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投稿者 kataru : 2013年09月10日 10:34