今日の市況(2013年)(2013年09月06日)
かたる:株式投資をしていると思い知らされることは、いつも少数意見が勝利する現実です。例えばメディアは視聴率を重視しますから、多くの人から支持されないとなりません。しかし、この意見に耳をかす大衆迎合型の選択は間違っていることが多く、むしろ批判を浴びるような少数意見の選択が正しい事が良くあります。日計り商いの目先は大衆迎合型、しかし中長期では…圧倒的に少数派の意見の選択が正解なのです。通常は株価の値上がり率や出来高増に注意を払いますが…、実は人気圏外にある銘柄の方が、儲かる可能性は高いと思われます。
何故、オバマはシリアへの武力介入の是非を、議会に問うたのでしょう。非常に不可解な行動です。政治家らしからぬ…選択に見えます。政治家は国をリードするために選ばれたのです。それにも拘らず議会の賛同を得ようとする行為は、自らの職務を放棄したようにも感じます。エジプト問題でも…本来なら選挙で選ばれたムルシー大統領を解任した軍事政権への資金援助は、直ちにやめるのが筋でしょう。ここで思い出されるのが…イラクへの軍事介入後の混乱です。フセインを倒した後も、正常化への道筋は、なかなか見えませんからね。
現実社会は理想通りにならないという事を示している現実なのでしょうか…。シリアなどもハッキリ言って代理戦争のようなイメージもありますね。リビアもそうです。混乱に乗じフランスは強権実行しました。どうも今日の中東の混乱は、湾岸戦争の選択であるイラクが、引き金になっているようにも感じます。このような現実を考えると、何が正義か? 公正か? 選択する判断は、非常に難しいものですね。
カタルは良く思います。結果が分かっているのに…。何故か、株価が非常に遠回りした値動きになっていることが良くあります。非常に魅力のある銘柄の株価が、もたつく現実は何処に原因があるのでしょう。決まっているのだから、一直線に物事を運べばいいと思うのです。しかし現実は…常に現実社会との対話が進行しています。調整と言う、この動きは人々の反応を見る為に起こるのでしょう。FRBのバーナンキが量的緩和の解除を示唆したのは、ある意味で自分の政策を市場の問うたのでしょう。市場と言う場に、自分の政策が正しいかどうか…反応を見た訳ですね。理想を現実にする為の布石なのでしょう。経済政策では、このように市場の反応を見る行為は、時々あります。今では9月のFOMCで国債の買い入れ額をどの程度減らすのか…に、間もなく焦点が集まるのでしょう。しかし緊迫するシリアへの軍事介入との絡みもあり、何やら混沌としています。
カタルは9月3日の405円高を見て、現在は株式教室で述べたBの予想株価波動に軍配が上がり、7月19日の高値を抜く株価波動に入ったのではないかと推察しています。今日は安いのですが…12日のFOMCでは削減額も明らかになり安心感が生まれ、シリアへのミサイル攻撃も始まれば、市場は落ち着くのでしょう。何度も述べますが…歯に物が挟まった不快感を市場は嫌うのです。大概は予想の範疇の出来事で…スッキリすることが大切なのです。グジグジと…ぬかるむ状態が不快なのです。考えてみれば分かります。シリアへの軍事介入も、FOMCの国債買い入れ削減も、あまり日本経済に大きな影響はありません。むしろロンドンで噂されている利上げの話などは…驚きを持っています。日経新聞ではECBの利下げ見送りが報じられていましたが…FTでは2014年の利上げが話題になって来ているのです。
どうも…日経新聞だけを見ていると、何故か景況感の違和感を覚えます。昨日もインドの話題や日産自動車の話しを、「今日の市況」では取り上げました。メディアに洗脳されカタルは、証券マンの現役時代に何度、騙されたのでしょう。当時はインターネットも普及しておらず情報が偏っていました。現役を外れれば、仲間との会話もなくCDSの存在は分かりませんでしたね。あの時はサブプライムローンの残高からの推察で、金融危機の発生を予測できませんでした。しかし映画でも分かるように、仲間内では既に捌けない持ち高の異常さが、問題になっていたのです。この現実を米国の金融当局は見過ごしていました。バブル当時の日本の融資競争と同じ土壌でしたね。しかし今はネットが様々な角度から色んな情報を教えてくれます。日経新聞が後追いで、他社の追随という事が良く分かります。所詮、そんなに取材要員を抱えられるわけでもなく、これは仕方ないでしょうが…。恣意的な報道を、どう考えるか? この辺りに相場を見る材料がありますね。
例えば消費税の引き上げ問題で…、何故、歳入は減るのに歳出は増え続けるのか?こちらもグラフを見て下さい。カタルが何度も取り上げるダビンチの創業時期は1998年なので平成10年ですね。その時に我が国の地価水準は、収益還元法価格まで値下がりして調整が完了したのですね。それにも拘らず、わが国は清貧思想を貫き、小泉・竹中改革が強行され、金融庁が異常な権限を持ったのですね。本来、正しい政策が実行されているなら、歳入も増えるはずです。宮澤喜一や橋本龍太郎の間違った選択により、日本は信用創造機能を失いました。実物経済での一つのエンジンで飛ぶのは、不可能です。金融機能をと言う実物経済を補佐するエンジンを使って、初めて巡航速度の経済状態に戻るのですね。だから信用創造の目玉の銘柄であるケネディクスは、株価が5倍にも10倍にもなります。

このグラフを見れば、乖離する清貧思想が如何に間違った選択だったか分かりますね。平成元年から、いや実際は平成3年頃でしょうが…この頃から広がった「失われた時代」が急速に修正される動きが、アベノミクスで始まっているのです。だからケネディクスの株価は、ここから5倍や10倍に跳ね上がるのですよ。不動産融資の実態を見れば分かりますね。この話は又にしますが…、積み重なった怨念からの解放は、エネルギーガ蓄積されているだけに大きくなるのです。理屈は地震と似た自然現象でしょう。

投稿者 kataru : 2013年09月06日 11:12