今日の市況(2013年)(2013年09月02日)
かたる:構造改革は時間が掛かるものだなぁ~と、カタルは考えています。日本人の習性なのでしょう。江戸時代から明治にかけての構造改革と、今回のプラザ合意からの転換期は、ほぼ同じ時間が経過しています。この休みに昔の仲間と軽井沢に1泊してきたのですが…この話の中で共通したのが、メディアへの考え方です。ゲストは体制に批判的な発言をすると…メディアから呼ばれなくなるとか…。つまり日本と言う社会は、一つの方向性へ向けた社会づくりが意図的に創られていると言うのです。一番悪い…と、カタルは良く政治家と政策官僚を批判してきました。しかしそれ以上の「悪」は、やはりメディアなのでしょう。大衆迎合化したメディアの構造は、視聴率競争から生まれた甘えの構図を日本人に植え付け、日本の構造改革を歪めていると言えるのでしょう。TPPなどの論調も世界の流れからみれば…当然の帰結です。今度は盛んに税制の問題が取り上げられています。ハードルを高くして、それらの競争に勝てるかどうか…。
少子高齢化を迎え生産人口が減るので、GDPは減るのだ…と言う考え方がありますが…この考え方は、間違っていると考えています。例えば自動走行などの技術開発により、高速道路の坂道から生まれる自然渋滞は解消されるでしょう。この時間の節約を考えるとGDP1%や2%の上積みは確実ですね。更にスマートグリッドなどの技術革新で送電による電力ロスも減り、この分の上積みもあります。超電導線の実用化も始まっており、これまで無駄になっていた資源の活用も進みます。蓄電技術の開発により、余分に見積もった発電設備が不要になりますね。メンテナンス費用も含めれば、膨大な金額になるでしょう。スマート・コミュニティー確立は、様々な効率化に結びつきます。
スーパー・コンピュータの発展と実用化により、試行錯誤の実験が減ります。全てコンピュータの中で実験が完了しますからね。つまりこれまでは5年、10年と掛けた試行錯誤の行為が、僅かな時間で出来るようになります。日本は少子高齢化なので移民制度を採り入れずとも…、今、開発されている未来技術を実用化することにより、GDPは2倍にも3倍にも積み上げる事が可能なのでしょう。スマート・スーツの実用化はいろんな点で考えられます。登山にスマート・スーツを利用すれば…老人になっても体力の必要な山に登ることが出来るでしょう。何も力仕事だけではありませんね。既に月額リース料は実用化レベルまで来ています。
日本人の「おもてなし」の精神は、観光業の発展など…新しいサービスが生まれ始めています。先日、タクシーに乗ったら、なんと外国人専門の個人タクシーとか…で、運転手さんは元商社マンだそうです。その為に、英語、ドイツ語などを話し、大物の外国芸能人が来ると口コミでの需要が、かなりあるとの話でした。トム・クルーズなど…いろんな有名人の名前をあげていました。その運転手の商社マンはリストラされたのですが…学生時代にラリーなども…やったとの事で、車好きから運転手に転向したとか…世の中、いろんな人が居ますね。おくさんが大手建設の設計を手掛けており、かなり忙しいそうです。東京も大規模な開発が増えているのでしょう。僕は東京駅周辺しか知りませんが…。建設株は長い間相場がなく、注目している業種の一つです。
さて余談は、この程度にして、今日の話題は日経新聞から11面の「政府支援の忘れ物」を読むと、やはり東電の後処理の問題は、残るのでしょう。漠然としか指摘してありませんが…誰が考えても相場にするのは不自然ですね。もう一つが16面の景気指標です。銀行の国債保有状況から、貸し出しまで話が載っています。カタルが相場の柱に掲げる「信用創造」の話に関係する話題です。ところが土曜日の日経新聞には、経営管理体制への評価が載っており、外国銀行の不備が指摘してありました。カタルが問題にしているのは、此処ですね。この金融庁の方針転換の報道が、先日、掲げられていましたから、不動産向け融資が伸びて…信用創造機能が生まれるので、ケネディクスが有望銘柄になると言うシナリオです。この金融庁の方針が確実に変化するかどうか…は、我が国のGDPの成長率に大きく影響します。これまで銀行や不動産はデフレ環境下で、金融庁の政策方針により、過度の償却を強いられてきており、異常な状態になっています。
通常、金利裁定は必ず働きます。だって0.7%で運用するより、2%や3%で運用した方が有利ですね。三菱UFJの株価を配当金と国債金利を単純に比較すれば…配当利回りは2.4%になり、既存の金融機関が三菱UFJ株を持っていれば、売り物が出る道理がありません。純資産価格も801円で時価は578円ですから、大きく下押しした状態です。だから本来なら国債を売り、三菱UFJを買う裁定が働くのです。ところがこの金余りの状態なのに…。この正常な裁定感覚が働かない経済状態が問題なのですね。この原因の一つと考えられるのが、過剰な検査体制にある金融庁の存在です。カタルが1998年のダヴィンチの創業の話を、何度も登場させるのは…この年に日本の資産価格は収益還元法と言う極めてシンプルな損益分岐点を達成した経済環境になったから、ダヴィンチやケネディクスなどの新興不動産企業が誕生したのです。つまり1985年から生まれた過剰の資産バブルの整理が、実質的に完了したのが1998年と言う年なのでしょう。その後、ヘッジファンドなどの金融機能により、この違和感は改善されました。しかしリーマン・ショックなどにより、もう一度、過度に下振れした状態が現在の状態です。
カタルは行き過ぎたサラ金規制を、何度も批判してきました。しかし最高裁は過剰な判定を下し、多くのサラ金企業が過剰な引当金を積まされましたね。その過程で武富士などが消えました。その怨念相場…と言うか、その行き過ぎた訂正相場が、Jトラストに現れ株価は大きく水準訂正をしました。Jトラストは27円から、途中で株式分割をハサミ、4560円ですから、実質的に337倍になっています。勿論、最安値を買って、最高値まで持っており、実際はあり得ない、てっぺんで売った仮定の話です。しかし行き過ぎた最高裁の今井判事の怨念相場の成果を、得る事が出来ました。市場ではJトラストは、あまり話題にされませんでしたが、カタルは一時、推奨をして買ったことがあります。市場ではアイフルが相場をリードし、オリコが続いたことは記憶に新しいところです。
つまり「過剰な違和感」は、必ず市場で訂正されるという事を、サラ金の事例は示しています。カタルは何度も、信用創造の必要性を説き、ケネディクスと言う銘柄を掲げています。本日は公募増資発表を受けて、通常は株価が下がる筈ですが…大きく反発しています。おそらく9月11日に値決めを実施し、この玉が種玉としてヘッジファンドに入り、来年に向けた相場作りがスタートするのでしょう。サラ金規制と同じように、過剰な金融庁の検査体制は、時代と共に変化し、我が国の不動産向け融資は伸び続け、膨大な含み利益が生まれ、経済界が元気を取り戻していくのでしょう。この考え方は「核」なのです。信用創造は1998年に、既に論理価格以下になったのです。つまり正しい政策を実施していれば、失われた時代は、これほど長引いては居ないのでしょう。公募価格が決まれば、足かせが外され、ケネディクスの相場がスタートするのでしょう。
サラ金規制の怨念相場のようなJトラストの337倍のような成果は、既に株価も修正されており無理でしょうが、ここから5倍や10倍程度の上昇は、容易に想像できます。最近は調整相場の考え方を示しています。ガンホーを事例として考え方を紹介し、ナノキャリアなども参考に株式教室で取り上げました。下値は正直に言えば…何処か分かりません。そんな事が分かれば大金持ちです。シリア問題は議会の判断にゆだねるとか…。つまり調整期間の延長が示唆されています。でもこの話は市場にとって、小さな問題なのです。中国の権力闘争は懸念材料ですが、この話とシャドー・バンキング問題を絡め、不安感を感じるかもしれませんが、中国は日本同様に債権大国です。故にメディアが何と言え、現状は叩けません。中国のこの時期の環境は、1992年頃の日本と似ています。日本はこの大切な時期に、宮澤喜一、竹下登などの政治家は、住宅価格を下げる為に、不動産に対する税制を過剰に締め付けデフレの元凶を作りました。通常、その時に引き締め政策を採用したのですから、その政策を1998年に転換させるべきだったのでしょう。ところが…小泉・竹中改革は、更に過度に厳格化を求めたので、金融庁の権限が異常に強くなり、失われた時代が長引いたのだと…カタルは考えています。しかし小泉・竹中改革は必要悪だったと言う見方もあります。どちらが正しいか、後世の人が判断するのでしょう。
まぁ、どっちにしてもケネディクスの公募発表により、奥歯にものが挟まった違和感が消え、新しい相場のスタートラインが見えてきました。おそらくスマート・コミュニティーの007も調整は終盤なのでしょう。この水準から下は、間違いなく買い場です。しかし下値は何処か…カタルにも分かりません。ただガンホーやナノキャリアなども下値の動きを示しており、アベノミクス相場第一弾の上昇からの調整波動は、出口が見えてきた印象を持っています。此処からは目先筋の僅かなみせ玉などに怯えずに…そろそろ新しいスタートを考える時間が近づいているのでしょう。株価が下がるから…新たな参加者が増えるのです。乗り遅れた列車が再び駅に入り、今は乗降客の入れ替え期、間もなく発車ベルが鳴り新しい旅立ちがスタートするのだと考えています。

投稿者 kataru : 2013年09月02日 11:00