今日の市況(2013年)(2013年08月27日)
かたる:昨日は減損会計の仕組みを始め、金融庁検査が日本のデフレを長引かせたと…これまでの政策対応を批判しました。日本は敗戦から、長い間、所得水準が低く、欧米に「追い付け、追い越せ」と頑張ってきました。この動きが途切れたのが1985年のプラザ合意です。基本的に東西冷戦下において、米国の庇護のもとで日本は成長を遂げてきました。しかし1985年のプラザ合意は、急激な円高を生み、その円高を抑える為に澄田元日銀総裁は、バブルの芽を見逃し超低金利政策を実施してきました。さらに内外価格差の是正と言う構造改革にも失敗したわけですね。鎖国制度の日本村価格が、国際標準価格に下がる事、土地や株のバブルの清算など…様々な要因が働き、失われた時代を永遠と続けています。日本全体を一つの株式会社とすると…、その株価は1985年までは堅実な成長を遂げたのですが、そこから4年間は人気が加速し、バブル相場の仕手化と言う印象でしょう。しかし…1989年からの24年にも及ぶ、長い調整期間は全ての構造改革を成し遂げ、今は底練の相場状況だと言えるのでしょう。アベノミクスで11月より株価は上がりましたが、三菱UFJの株価水準などを見れば分かるように、まだ論理的に正常なバランスまで戻っていませんね。もしフェアにM&Aを認めるなら、三菱UFJは割安なのでTOBがかかる筈です。此処に日本の資本主義と、米国の市場主義の違いがあります。ただ最近は米国共和党も力を失いつつあり、強い理想の競争社会から、少し変化しているようにも感じています。まぁ、その話は、別にして…。
如何に、政策の決定が重要か分かるかと思います。自民党政権下の嘗ての首相は、判断を誤り続けてきました。宮澤喜一に、竹下登など…日本を間違った方向性に導いたのです。まぁ、結果論は、誰にでも批判できますが、現在進行形の判断は難しいものがあります。大震災の時にカタルは、東電は1兆円か2兆円程度の有限責任で、後は国の責任として処理を考えており、原発被災者地域の土地を、一括買い上げ処理し、将来、除染が済んで住めるようになるなら、優先的に住めるように配慮すれば良いと述べました。そうしてフクシマを未来都市のモデルプランとして、世界のセレブが住みたくなるような未来都市を建設しようと提案しましたが…、現実はなし崩し的な問題の先送りです。もしあの時、直ぐ、今でも、遅くはないでしょう。一括、買い上げ処理をすれば良いのですね。戻れるか戻れないか分からない、宙ぶらりんの状態のまま処理をするから、人間感情はこじれ、問題が長引くのです。漁業権も同じですね。まず一度、諦めて貰うのです。そうして新たな生活を始めて貰うべき…問題です。そうすれば電気料金も上がらずに、産業の競争力は失われずに済んだかもしれません。数々の間違った政策を積み重ねるから、失われた時代が長引くのです。
しかし、この日本株の調整期間は。相場としては非常に魅力的ですね。カタルは消費税を1%ずつを毎年、プライマリー・バランスが成立するまで、10%と言わずに引き上げ続けろと述べています。現状のGDP成長率では、3%の負担に耐えられないでしょう。何故なら、信用創造が機能していませんね。金融株は上がらないし不動産株も上がりません。信用創造機能を復活させれば「希望」が生まれます。人間だれしも将来、株が上がるとか、土地が上がるとかの神話が生まれると、希望を持って頑張ろうと積極的になるものですね。現状は輸入物価の上昇と言う、歪な消費者物価の上昇です。人々が希望を持って積極的に動いた結果の物価上昇とは違います。企業業績も為替効果分しか市場に波及してないようです。相場の中身を見れば、一過性の利益のガンホーが市場をリードし、苦しくなって東電を仕手化させている、見せかけの相場が続きます。何度も言いますが、3Dなど相場になりません。現状は米国が圧倒的にリードしており、中国が2番手に位置しています。日本などは3Dにおいては後進国です。メディアが煽るから、仕方なしに経済産業省は開発費として45億円の予算を組みました。しかしこれから補助金を使い開発しても、既に商業化している米国製品との時間的な開発期間は、2年以上の開きがあるでしょう。2年も利益の出ない、さらには競争に勝てる見込みの薄い事業が、相場になる訳がありませんね。007の収益化は来年、訪れますが、株価は下がり続けています。来年でも株価を維持できない相場環境なのに…。
しかし相場は、分かりませんね。むかし、加藤あきらが率いる誠備と言う投資グループが宮地鉄工を力で強引に買い上げ、経営権を手に入れました。しかし最後は、失敗しました。でも一時的ですが、株価は上がりました。しかし…理論外の会社の支配権を手に入れても、誰も最後は認めませんから、自作自演の株価は、やがて崩れます。しかし市場の中には、ファンドが売れずに持っており、周りの水準からみて割高の銘柄もいくつかはあります。それは需給バランスが取れているのですね。基本的に最後は会社を解体して資産を売ると、なんぼ、回収できるかどうか…の裁定感覚です。三菱UFJは事業会社と違い、資産価値の質は高いですね。日立の持っている茨城の工場などは、日立がなくなれば二束三文ですが、三菱UFJが所有する銀行店舗の土地は、都心の一等地に位置しており、どれも直ぐに買い手が付きます。つまり日立の純資産価格と三菱UFJの純資産価格は雲泥の差があるのです。同じバランスシートの資産価値も質が違いますね。
しかし日立には長年培った技術集団の人的価値はあります。優秀な人材を活用する魅力がありますね。しかし三菱UFJの人材はマニュアル化付けになっており、日立の技術者より劣るかもしれません。きっと日立には埋もれている技術は山のようにあるはずです。活用されていないだけの話しでしょう。まぁ、人的な評価や埋もれた技術評価は目に見えず金にもなりませんが、使い方次第でお金に変わることもあります。さらに日立は自由に、海外に出て事業を拡張させることが出来ますが、三菱UFJは政策に縛られます。金利水準も自分勝手に決められません。ある程度の許容度はありますが、自由度はありません。行動も制約されます。ここ数日、ガンホーについて述べています。利益の質がどうか…と言う話です。
しかし時代の変化の激しい新時代の成長会社も凋落が激しいですね。マイクロソフトのバルマー氏は退任されるとか…。例えばSNSのミクシーからツイッターになり、今ではLINEですからね。ネット産業の利益の質は、概ね、安定度は低いようです。時代の変遷が激しいので、経営者がその変化の感覚について行けないのでしょう。賞味期間の短い利益は価値が低いのですね。ゲーム等の厭きる商品の利益は一過性なのです。カタルがグリーを当初、選び、買ったのは、グリーはゲーム業界の雄だったからですね。小さなゲームの会社が、サーバーの準備や宣伝まで手掛けるのは大変です。小さなゲーム会社からの上がりを、ピンハネできる仕組みを評価しました。日本の成功が、海外でも簡単に通用すると考えていました。ところが…この業界の参入障壁の壁が低いのですね。特にスマフォの時代になり、アプリをダウンロードする方式に変わると、アップルが、グリーやDENAに代わりピンハネする構図になりました。この事に気付いたのが遅かったですね。グリーもDENAも、一塊のゲーム会社に成り落ちました。だからグリーに興味を失ったのです。
利益の質で高いのは公共的な事業で、絶対に生活に必要な電力産業などですね。一度利用すれば継続的にお金を払い続けねばなりません。しかも生活には必ず必要です。しかし、これらの産業は公共性が高い為に、料金を自由に設定できず、適正利潤しか認めない許認可事業なのです。利益の質は高くても…自由に利益を増やせません。足かせをされ、牢獄に閉じ込められているようなものです。それでは…最も利益の質が高く、魅力的な利益は何か? それは未来の利益ですね。時代をリードする利益です。携帯電話が誕生した当初のドコモの株価は、良く上がりました。しかし料金産業だったために、直ぐに沈没です。時代を構築する会社。スマート・コミュニティーに必要な産業の利益は、非常に質が高いのでしょう。故にカタルは007を、何度も取り上げています。未来技術は変遷が激しく何が誕生するか分かりません。LINEの誕生やLTE技術の進化により、テレビ電話が一般的になってきました。電波を利用分散させるために、WiFi技術の応用は、今では一般化していますね。
ほぉほぉ…、今日は批判対象の東電が、昨日のポイントから反発してきていますね。でも僕は相場にならないと思いますが…。所詮、売り残高を頼りにする相場は大きくなりません。市場は未来の利益を探る場所なのです。資金配分を決め、淘汰する場と考えても良いでしょう。人類の成長に必要不可欠な技術開発の順番を決める場所なのですね。必要度が高くなれば資金が必要になり、その技術開発の為に、市場が資金配分を決めます。経済産業省が3D開発の為に、45億円もの無駄な資金をつぎ込むことを決めるやり方と、市場原理は一線を隔します。もし3D関連が僕の見方と違い、相場になり株価を維持できる業績が上げられるなら、経済産業省の行為は正しいのでしょう。しかしこれまで、産業のコメと言われた半導体産業に、どれだけ援助をしてきましたか? 最後は結局、エルピーダも市場原理に沈みました。溝に捨てた資金でした。無駄な組織は必要ないですね。だから小さな政府を目指す、市場原理主義が正しいとも感じるのです。主役は役人の組織ではなく、役人は市場取引をフェアにする作業をする小さな組織に留めるべきでしょう。
新時代のスター株の誕生が臨まれます。

投稿者 kataru : 2013年08月27日 11:11