今日の市況(2013年)(2013年08月26日)
かたる:最近は本を読むペースが落ち、読書ノートを付けなくなったのですが、嘗ては簡単な感想と、自己評価を5段階にして、読んだ日付と共にエクセルに書いていました。そうしないと、2度も同じ作品を読むことが、よくあるのです。勿論、途中で気付くのですが…。丁度、会社を辞め、暇になったので、読書に明け暮れていた事があります。…と言っても1年で100冊程度しか読まなかったのですが…。池井戸潤もお気に入りになったようで、彼の作品を10冊程度は読んだようです。この読書ノートによれば、直木賞受賞作の「下町ロケット」の評価は高くなったのですが、「果つる底なき」は、なかなか良かったようです。昨日、放映されたTBSの人気ドラマ「半沢直樹」は、来週から金融庁検査が舞台になるようですが…、カタルが日本の「失われた時代」を引き延ばしている要因の一つとして、この金融庁の検査体制があります。この検査姿勢が、先日、変化すると日経新聞に報道されていたので、もし、これが本当に変わるなら、日本は再び成長過程に入ると考えているのですね。その根拠になっている考え方の一つが、検査体制の転換です。
丁度、1998年から2003年頃に掛け、記憶は定かではないのですが…不良債権の処理を加速させるために、竹中平蔵が指揮した政策ですね。この不良債権認定を巡り、検査忌避と言うことでUFJ銀行は消えました。この竹中平蔵の政策を、当時、かたるは批判しました。しかし必要不可欠な政策だったかもしれないのです。この辺りの判断は、後世の人に評価を委ねねばなりません。あの過剰とも思える手口が、その後の金融政策を方向付け、実際の融資がなかなか伸びない現実が現在、起こっています。いくら日銀がジャブジャブにしても厳格な融資体制下の融資先など…ある訳がありません。だって資金の要らないところしか融資基準に合わないのです。資金が必要な所には、融資しない訳ですからね。このさじ加減は、経済の体温計として働きます。
今年、3月に亀井静香がリードした中小企業資金円滑法の時限法案の期限が切れました。日経新聞はまだ報道していませんが、今年3月に延命処置が切れて、既に7月末時点で、昨年の倒産規模を超えたそうです。これら多くの中小企業は、借金の元本を返すことは出来ませんが、利払いは確実に出来るのですね。多くの借金の原因などはデフレによる影響が大きいのです。シャープの最新工場の減損処理…、消えたダヴィンチの減損会計…。カタルが失われた時代の根源として、声を大にして批判する資産デフレですね。単純に考えてもらえれば分かります。皆さんは株式投資をしますから、一株利益が30円、毎年利益を上げられる企業があるとします。ところがこの失われた時代、毎年、工場や本社の土地が30円以上も値下がりし、その減損会計を強いられてきたのです。だから本業でいくら稼いでも、資産価格の値下がりで、日々の稼ぎが消えて行ったのですね。銀行の株式評価損もその一環です。
ここで不良債権の認定を巡り、金融庁と銀行の考え方が対立するわけですね。元本を返せない企業は不良債権に認定するのです。デフレ政策を採用し、資産価格が下落しているのに…本業以外の理由で、倒産や上場廃止に追い込んだのです。ダヴィンチの上場廃止はそういう事です。今回のシャープのケースも極めて際どい話です。これからスマフォやタブレットの需要は、間もなく一巡するでしょう。中国がLTE投資を加速しますから、スマフォなどの需要は延命されるかもしれませんが…米国や日本では既に巡航速度に低下するでしょう。液晶テレビも売れない、携帯端末も売れないとなると…当然、工場の稼働率は落ちますから、まだ償却してない工場の建設費などの評価は、難しい問題になりますね。亀山工場はまだしも…堺工場は余分だったのでしょう。2000億円と言えば、10年で毎年200億円ですからね。おそらく6年程度の償却期間が妥当なのでしょう。今、シャープは一所懸命に奉加帳を取引先に回しています。しかし…昔と違うし、どうかな? このような後処理の資金を公募増資しようとする証券界は、方向性が間違っていますね。経営権を含めた第三者割当増資が相応しいのでしょう。
同じ増資でも…資産デフレが20年も続き、ようやく浮上しそうな位置にある土地を買うために増資を計画するケネディクスは、業務拡大の為の増資です。増資の意味が全く違いますね。シャープは過去の失敗投資のツケを払う増資、ケネディクスは未来の利益を得るための増資、増資の意味が全然、違います。ケネディクスクラスにしては、受託資産残高の増え方は比較的大きい方でしょう。カタルは分かりやすく受託資産の値上がり率を、全てケネディクスの利益として見ていますが…実際は違います。しかし資産の配分をする権利が大きいのですね。儲かる物件を自社利益に付け替えることは容易でしょう。不動産の世界を知る人は、相対売買のいい加減さを理解している筈です。一応、相場はあるのですが…買い手と売り手の密室の出来事ですからね。カタルがダヴィンチに、ご執心だった理由が分かるかと思います。
さてドラマに話を戻しましょう。昨日のドラマは支店長宅に、金融庁検査前に資料を疎開させる話をやっていました。この行為が犯罪です。検査忌避と言うものですね。これでUFJは消えたのです。後に残った…UFJ職員は三菱派閥にやられ左遷されている筈です。三菱は自己派閥が強い組織です。みずほも同じ派閥闘争下があります。何処でもあるのです。実際にカタルは、内部事情をある程度、知り合いから聴いていますから、あのドラマはある意味で実話に近いのです。来週は金融庁との緊迫したやり取りが舞台になるのでしょうが…このような締め付けが長く続き、現在の銀行は、全てマニュアル営業で人間の裁量権がありません。だから融資が伸びないのですね。今度は融資残高を検査目標にして…不良融資ではなく、融資残高が鈍っているのだから、この数字推移を検査すればいいのですね。そうすれば経済は動き始めますね。ノルマを掛けるのです。何しろ、失われた時代が20年以上も続き、地価は下がりっぱなしなのです。
つまりカタルがケネディクスにご執心なのは、この実体経済の背景を考えた相場観なのですね。間違いなく来年、再来年と…株価は上がる筈です。そうして1000円は当たり前、場合によれば、新高値の4000円台に向け、株価が騰がると考えている根拠の一つが、この半沢直樹のドラマに、ヒントが隠されています。現在、銀行は最後の不良債権処理をしています。中小企業資金円滑法の後処理ですね。膨大な債券の含み利益が、この不良債権処理と相殺されています。
6月6日に付けた451円まで、あと10円ですね。東電は…。その前は4月30日の398円ですね。おそらく自民党政権下では巻き返し勢力が、別会計処理されている原発処理の為の会社は、政府の管理下に置かれるのでしょう。そうして新生東電として債務が分離され上場が維持されるのでしょうが…。問題は既存株主が株主責任を取らされるかどうか…、またその際に銀行の貸し手責任も問題になるでしょう。この行方を決めるのは、その時の国民感情ですね。メディアの論調によるのでしょう。景気が浮上すれば甘く処理されるかもしれませんし、アベノミクスが失敗するようだと厳しく、貸し手責任も株主責任も問われるのでしょう。非常に危うい会社なので、本来は、東証は東電を整理ポストに入れ、信用取引を停止させるのが正しい処理の仕方でしょう。東証は大証との合併過程に於いて、自ら禁を犯しています。これが現実なので…文句を述べても仕方ありませんが、このような間違った政策を、積み重ねるから、失われた時代が長引いたのですね。
ただ現在は、その間違った方向性が、徐々に、正常化されている様です。先日は債権放棄の再生の仕組みを変える方向性にあると報道されていましたね。現行法では返してもらえない借金を放棄すると利益として認定されますが、この法律の解釈が変わるようです。これは大きいですね。もともと法律など時限にすればいいのですね。時代対応により見直せばいいのでしょう。
さて今日はヒントだけ、カタルは現在、悩んでいますね。相場の周期の話です。もし50日周期が活きているなら、今週は、やはり少し強い相場が展開されて、ボックス水準が引き上がるのではないかとも…思っている訳です。実際の本格的な上昇相場は、10月と予定しているのです。買うつもりはありませんが、その意味で、ガンホーの5万円割れからの株価動向も、興味を見て眺めているのですね。何しろ今までの上昇相場の牽引役だった人気株です。やはりこの株が下落を続けるうちは、全体の上昇も難しいのでしょう。しかし、昨日も書いたようにガンホーの利益の質は、グリーやDENA以上に悪いものです。だからPER評価などは、当然、更に下の筈ですね。しかし相場は下がるにしても上がるにしても、一方通行の展開はありません。必ず、リバウンドをするのですね。その意味で注目する段階に差し掛かったと述べているだけの話です。
相場の底入れを見るには、下値の切り上げや出来高推移などは非常に重要です。皆がその動向を見ている訳です。ドル平均法は株価により買いタイミングを計りますが…、これは資金のある人の話し、ない人は時間でドル平均法を実施するのです。例えば007なら、カタルは来年の2月が注目されると考えています。そこから上昇期間3か月として買うタイミングを逆算して、今月は1株、来月は2株、再来月は4株、そうして11月は8株、12月は16株、1月は32株、2月は64株と…ドル平均法の時間概念を働かせる手もありますね。通常は株価が下がったら実施するのですが、時間の概念は非常に重要ですね。僅かな見せ玉を消化できないうちは、のんびりやればいいのでしょう。

投稿者 kataru : 2013年08月26日 10:42