今日の市況(2013年)(2013年07月19日)
かたる:正直に言って、いくつか見えない部分もあります。僕の内部に抱えている疑問を公にすべきかどうか…いつも悩みますね。例えば、いい銘柄を発見した時に…かなりの過小銘柄の場合は、本文で書かないこともあります。全体のシナリオもそうですね。敢えて弱気の見方を否定することもあります。カタルのホームページは、かなり長く、色んなことを試みました。多くの読者はカタルの真意を理解してくれますが、しかし一部の人は、かなり曲がった見方をする人も居ますからね。インターネットと言うツールを使い、公にする難しさも感じる次第です。日本と言う国は難しいですからね。いろんな考え方がある訳で、その中で株価が形成されますから、どれが正しいと言う訳ではないのです。カタルの場合は、常にベスト・シナリオを前提に物事を考えますが…、実際の選択はかなり違う事が良くありますね。東電の責任論も、僕は解釈に苦しみました。自然災害なので東電にはある程度の過失や責任があるのでしょうが…、全面的に悪者にするのは、如何なものかと考えます。しかし現実の選択は違う訳ですね。結果、電力料金は上がり、基礎的なコストの上昇を招き、産業の国際競争力が失われ、雇用の回復は鈍りますね。こんな事は識者なら選択する前に分かっていたはずなのに…。折角、円安になっても、なかなか設備投資のウェーブが興りません。
つまりカタルは原発法の存在を知り、あの時に東電株を買いましたが、政府の選択は違いました。カタルは後処理にあたり、原発周辺の土地を、一旦、全て政府が買い上げ補償し、住民に諦めを求め、新しい生活をさせるべきだと考えていました。しかし現実は、なし崩し的な先送りの選択ですね。これじゃ、人間の気持ちは、ふっきれずに新しい選択に向かえませんね。いくつか選択肢が、ある中で…何を選択するのが最善なのかどうか…。運も左右し、選択はいつも難しいものです。日本は数々の間違った選択をしてきて、「失われた時代」に甘んじています。市場経済の意味を理解していないようです。バーナンキ議長は金融危機の後処理と言う、難しい大役を見事にこなしてきましたね。現在までは最善の選択だと思われます。ここで米国のM2と、日本のM2の前年比の推移を見て頂きましょう。如何に、日本のやり方が間違っているか…良く分かりますね。カタルは何度も清貧思想を嫌い、政策対応を批判してきました。この中に不動産向け融資の前年比のグラフも、ついでに付け加えておきます。如何にプラザ合意以降の過剰流動性が異常か分かりますし、そうして90年代からの日本の清貧思想の動きも分かります。

カタルは現在、信用創造の確立の為に、株や不動産の値上がりが必要だと述べています。資産インフレの力をかりて、正常な経済活動に結びつけるべきだと考えており、フリードマンの恒常所得仮説も解説しています。そうしてエクイティー、メザニン、シニアと言う不動産に絡むローンの形態を解説し、昨日は「アセットマネージメントフィー(AMF)」と「アクイジションフィー」についても解説しました。何故、ケネディクスが高収益を上げ続ける事が出来るか?と言う解説をしている訳です。ケネディクスの受託資産が昨日、増額発表されており1Q(1―3月)は92億増で、2Q(4―6月)は338億円増えて1兆1609億円になったと発表しています。異次元緩和により金融環境が良くなってきて資金繰りが楽になっているのでしょう。
昨日は地上げの話にも少し触れました。本来、収益の上がる投資物件を作るのは大変なのですね。複雑な地主や借家人などの了解を取り、まとめあげる作業は時間もお金もかかります。金利がいくら低くても、5年、7年も掛かると金利負担も大変な金額に膨らみます。そうした苦労の末に、利益の上がる物件を集めた金額が、1兆円を超えるのは実にすごい事なのです。アセットマネージメントフィーは、常に流動的です。地価が10%、20%と上がれば糊代が増えますから、取り分が膨らみますね。加えて、今度は「不動産特定共同事業法」の改正により、ケネディクスの抱える収益性の低い物件は建て替えられ、容積率に見合った最新ビルに生まれ変わります。そうすると、これまで利回り採算が3%程度だった物件が、6%、8%となる可能性が出てきますね。更に値上がりによる転売も、将来はあり得ます。この法律改正の意義は、非常に大きいですね。融資をする方もしやすくなります。つまりシニアローンの幅が広がり、リスクが軽減され、貸出金利も低くなります。少ないエクイティーで、大きな比率のシニアローンが利用できますから、レバレッジ効果が拡大します。だから地価上昇と相まって、弱小不動産の代表格で受託資産残高の大きなケネディクスの価値が光るのです。
100%自己資金で100億円のビルを買収して、5%の収益、つまり5億円のリターンがあったとします。この場合の資金効率は5%ですね。今度は20%のエクイティーで80%を借り入れに頼り、仮に3%金利負担とし、2%の鞘が稼げると…、借り入れは80億円ですから2億4千万円が経費で、残りの2億6千万円がリターンになります。20億に対し2億6千万ですから投資効率は13%になりますね。今度、このビルの価値が120億円になったとすると…今度は含み利益も利用できます。このように雪だるま式に資産拡大を繰り返していくと…、簡単にお金が2倍、3倍に増えますね。森ビルの森泰吉郎さんは、そうやって時代に乗り資産を増やしてきました。僅か7500万円の資本に対し、58億円もの借金をして財を成したとか…。ダヴィンチも似たようなものだったのですが、時代の読みを間違い失敗しました。カタルが何度も不動産融資残の推移を掲げている狙いが、分かると思います。最近は証券化により、メザニンローンも存在しますから、様々な形態が考えられレバレッジが、より掛けやすくなっています。要するに社会環境の読みが一番大切なのですね。
それにしても…こんなに分かりやすい理屈なのに…。何故、ケネディクスの株価は、こんなにもたつくのでしょう。どうも実弾の投入率が低いようですね。しかしこのモタツキで厭になり、日証金の融資残は確実に減っていますね。180万だったものが、昨日は110万台です。これほど、くどく抜けないと…流石の僕も嫌になりますね。相場論としては、一旦下げもやむなし…とも考えますが、もし下げが在れば、絶好の拾い場に見えます。ボックスを離れる前に一旦、演出があるのでしょうか? それとも一気に、そろそろ抜けるのでしょうか? この所、毎日後場から引けにかけ、売られています。つまり日計り組の目先筋ばかりの参戦なのでしょうが…。それでは日証金残の減り方はどういう意味があるのでしょう。やはり一番、興味がありますね。人気もあり時流に乗っていますし…。ただ一つだけ、全体が見送りになると、この間の揉み合いがさらに続くこともあります。僕は自分のシナリオに絶対の自信を持っているのですが…、目先の株価の読みは、なかなか難しいですからね。あらら…また下げていますね。今のところ今日の安値の572円ですね。トホホ…。さっき、また買ったばかりなのに…。
さて昨日、存在感を示した007、昨日のテレビでは、スマートアグリの話をやっていました。007が狙っているユビキタス時代の到来は、こういう事なのですね。農業もデータ化時代です。やはり評価はピカ一です。村田との協業第二弾も、何れ発表されるでしょう。さて昨日はソフトバンクが一番人気でした。財務指標の悪化でレーティングが引き下げられています。面白いものですね。誰が考えても、しばらくは先行投資負担が膨らみ収益など期待できないのに…。グーグルを見ているようでもあります。そのグーグルは、設立が僅かのイスラエルの新興企業、Wazeを13億ドルも出して買収しました。カーナビなどの地理情報のソフト会社です。日本も初等教育からソフト開発に馴染ませないと国際競争に更に遅れますね。一体、政治家は何を考えているのでしょう。先ずは信用創造を確立させ、早く次のステップに移りたいものです。

投稿者 kataru : 2013年07月19日 11:18