未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年)(2013年07月08日)

かたる:かなり詳しく株価の動きの背景を説明しているように思っていましたが、やはり専門的すぎるのかな…とも感じることが良くあります。読者の知識レベルが、どの水準なのかにもよりますね。市場経済の意味も学校では学びませんし、乗数効果を理解するのは難しいのでしょう。人間の行動と言うのは、大衆化すると…ある転換点を突破すると、爆発的に普及するのです。人気と言うのは、ソモソモ、そういうものなのですね。村上春樹さんの本が売れるのは、どうしてなのでしょう? 僕にはやはりよく理解できません。あの程度の作家は、いくらでも居ますね。でも何故、あれほど売れるのでしょう。不思議ですね。僕の子供の頃は、「フラフープ」と言う輪を腰で回す遊び道具や「だっこちゃん人形」に、「ヨーヨー」なども流行りましたね。きっと人間は集団行動を好むのでしょう。

さて読者から、このようなメールを頂きました。「かたるさんはケネディクスをハイリスクといつも言ってますが、いちごグループHDとかとチャート見比べても同じような感じです。今後上昇するとしてもこの手の不動産銘柄は大体似た様なチャートを描くと思うんですが?ケネディクスって何でハイリスクなんです?いちごグループHDはどう思いますか?」

レバレッジの違いなのですね。カタルはこれまで不動産融資のエクイティーやメザニン、シニアと言う話を通じて、レバレッジの違いとリターンの違いを解説してきたつもりです。皆さんが、普段から利用している信用取引は、レバレッジを掛けて投資していますね。現物では100万円分しか買えない株を、信用取引を利用すると、およそ3倍の300万円分の株が買えるわけですね。そうすると仮に見込み通りに投資した株が上がりして10%儲かったら…、現物なら10万円ですが信用取引では30万円の儲けになります。これはリスクを冒し、レバレッジを掛けているからですね。経営も同じなのです。

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上のグラフは貸借対照表を簡素化したものです。通常、企業は自己資本と借金などの他人資本でつくった資産を利用して、利益を生んでいます。今日はケネディクスのケースなので簡素化して、左の資産は不動産と仮定しましょう。右の資本はケネディクスの場合は20%と仮に設定し、質問のいちごグループHDを70%としましょう。資産価値がデフレから脱却が成功して、20%増えたら…どうでしょう。いちごの場合は70に対し20の儲け、ケネディクスの場合は20に対し20の儲けで、資本効率は28:100なので、明らかにケネディクスが有利ですね。ところが政策に失敗してデフレが続き資産が劣化したら…この立場が逆転しますね。

それどころか…自己資本が棄損するので、ケネディクスは債務超過に陥る寸前で、資本の増強が求められます。この動きが2006年以降の動きで、昨年まで行われていました。故にカタルの好きだったダヴィンチは、この過程で市場から消えました。ケネディクスは伊藤忠と言うバック・ブランドが、ある程度はものを言ったのでしょう。本当は伊藤忠など関係ないのですが…、銀行マンにとって、何も、後ろ盾のない会社のダヴィンチとケネディクスの二者択一を迫られたら…やはり少しでも可能性のあるケネディクスを残しますね。減損処理は過酷ですね。金融庁のUFJへの脅しが効いており、今では銀行マンは、金融庁のロボットなのです。理屈なんて関係ありません。利回り採算に合う不動産まで、減損会計に追い込む必要があるのでしょうか?

デフレ下に置いて、このような生産性のない「負の整理」を、永遠と行ってきました。過剰とも思える転換期は、1998年の筈です。その時に政策を転換すべきだったのです。2003年には、更に過剰な整理が行われ、みずほは10万円を割れる倒産価格まで追い込まれました。金融庁の明らかな政策ミスでしょう。今の中国の短期金利と同じ事ですよ。日銀が資産価格の劣化を反省し、政策を明確に転換したのは、2010年10月の「包括的金融政策」の採用からです。遅れる実に12年ですからね。失われた時代が続いた訳です。…呆れるでしょう。今度はこの動きが、逆回転するわけですね。当然、安全より冒険しているケネディクスの株価が、意外高する可能性は非常に高いのでしょう。事実、一回り目の山場は、今年の4月でした。カタルは3月2日の株式教室において、25310円で推奨しています。あれよ、アレヨ。僅か1か月足らずで…株価は84900円まで上昇しました。3倍以上になりました。

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今回カタルは、再びケネディクスに山手線理論を採用し、6月22日に50000円割れから推奨しています。山手線論理を覚えていますか? シャープでも、アイフルでも、サニックスでも…、みんな初期波動の強い銘柄は、休みを終えると…第一の山を、大幅に更新していますね。おそらくケネディクスも株価は、売買単位が変更になり849円の4月の高値を超え、1000円にも2000円にも届くような人気株に、再びなるかもしれませんね。

故に6月22日に「不動産はスター株へ」と、掲げた訳ですね。山手線論理は、これからが本番です。さて今日のケネディクスの株価は、アララ…原稿を書いていたら、現在は590円ですね。一目均衡表の雲を抜けるためには、まだ上げ方が足りませんね。しかし既に8連騰です。金曜日にお中元のお礼の話で、友達の証券マンと電話をしていたら、「何か、いい銘柄はないですか?」と聞かれたので、「やはりケネディクスでしょう。」と応えたら…、彼は「とても根性がなくて、買えません。」と言っていました。

確かに8連騰は、勇気が必要な買い場です。実に買いにくいですね。しかし押し目を待っても、なかなか訪れるかどうか…分かりません。先ずは買ってみる事なのです。こういう時は、下がることを前提にして、打診買いをします。下がればラッキー。下がらなくても上に行けば、下値で買った株があるから、更に上の株価で買い増しに動けますね。参加しないことが一番、駄目なのです。だって…、日銀も総理もデフレ脱却をスローガンに選挙戦を戦っており、それを支持するのが市場でしょう。他に良い銘柄などある訳がないのです。確りした会計論理や仕組みなどを理解して置けば、そんなに怖い買い物でもないでしょう。値動きに一喜一憂するのではなく、世情の動きを背景に、銘柄を選択するのです。

不動産株は、読者の方が、言うように同じように動きます。その動くスピードが問題にされ、ケネディクスは財務内容が悪く見えますから、強弱感が対立し、おそらく空売りが入るでしょう。売りは一時的な需給要因ですが、人気株にとって、意見の対立は非常に大切な株価の要素なのです。良い内容の株が、上がる訳じゃないのです。人気があるから、人々が魅了され、馬鹿になるのですね。恋愛を考えれば、分かりますね。他人から見れば、あなたが選んだ彼女はブスかもしれません。しかしあなたには、客観的な判断が出来ませんね。人気とは強弱感が対立するから、面白いのですね。AKB48などは国民投票と言って、参加できるから、人気が盛り上がるのです。乱高下する値動きも魅力ですね。一日の内で、かなりの値幅がブレますから…当面は人気株に育つのでしょう。

ただ覚えておいてほしいのです。おそらく新高値を更新して、更に上に突き抜けられる銘柄は限られるはずです。ほとんどは二番天井の形成でしょう。007は時代性が背景にありますから、別格なのですね。この時代性の魅力は、今は分からないでしょう。僕だって分かりませんよ。だって日々、会社も変化し、時代も変化していますからね。この段階ではただの勘に過ぎないのですね。明らかになった時に株価は、100万にも200万にもなっていますよ。分からないから、面白い事が世の中にはたくさんあるのです。

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投稿者 kataru : 2013年07月08日 10:52