今日の市況(2013年)(2013年07月04日)
かたる:今日はROEの話が日経新聞に掲載されており、この指標の高い株の戻りが強いと述べられていました。基本的に外人投資家の尺度は自己資本利益率ですね。投下したお金に対しリターンがいくらかと言う話です。日本の経営者はこの概念が希薄です。どちらかと言えば「売り上げ」を重視しますね。基本的な発想は1000億円の売り上げで10億円の利益しか上げらない部門と、100億の売り上げで10億円の利益の部門なら、どちらを選ぶかと言う話です。1000億円規模の売り上げになれば、設備投資や人件費などの経費は膨大に掛かります。その部門にどんなに、更に力を入れても、競争が激しく僅かな利益しか生みません。売り上げ規模が大きいから、当然、景気変動の影響も大きく受けるはずです。
もし1000億円の部門に投下する資金があるなら、利益率の高い部門の100億円の部門に、資金を投入した方が効率的ですね。日本は、この戦いに敗れたのですね。半導体は象徴的な分野でしょう。経営学を学んでいれば多額の投資をして僅かな利益を稼ぐより、その分野は台湾のTSMCに外部委託し、経営資源を他に向けた方が良いですね。米国の会社は、早くにファンドリーに生産委託しています。それに引き換えNECの凋落などは、自前に拘り、最後はルネサスエレの顛末ですね。現在のパナソニックもソニー、シャープも似た道を歩んでいます。テレビに拘っていますね。テレビなど…既に汎用品ですね。4Kだ8Kだと騒いでも、たかが画素数を争ったカメラの話しと一緒です。この経営は従業員の雇用問題も絡み難しい選択です。技術開発競争に負けたので、明日から辞めてくれと簡単に言えませんからね。日本は終身雇用の心理的な負担が重く、日本の失われた時代が続きました。90年代初めのパイオニアの指名解雇問題は、象徴的な現象でした。
話しがあっちこっちに飛んで、蚊のような存在では仕方ありませんが、今日はROEの概念を補足しますね。アメリカの化学メーカー、デュポンが開発したデュポン式を少し解説します。ROE=当期利益÷株主資本ですが、この式を分解すると…当期利益÷売上高(売上利益率)×売上高÷総資産(総資産回転率)×総資産÷株主資本(財務レバレッジ)の三つに分解すると言うものです。それぞれ売上利益率を上げるか、それとも在庫の回転日数を短くするか、借り入れを増やし規模を拡大させるか?…などの対策を取れば、ROEは高まる訳です。ソフトバンクは借り入れによりスプリントを買収するのですね。理屈上は利払い費を上回る利益を、スプリントで得られれば成功ですね。企業の成長力が5%以上ある会社はたくさんあります。毎年、毎年、規模を拡大させている代表的な企業は…沢井製薬などは、そのいい事例でしょう。このような企業は景気変動にも関係なく、日本はジェネリック使用率が先進他国に比べ低いので、今後も高い伸びが期待できます。だから借り入れを増やし生産効率を上げ物量網を整備し、MR(医薬情報担当者=セールスマン)を増やせば言い訳ですね。沢井はカタルの好きな企業で、カタルが年金担当者ならコア銘柄の一つに選ぶのでしょう。他にもたくさんありますよ。ピジョンなどもカタルがお気に入りの会社です。
このような会社は、いくらでも挙げられます。保守的な運用、年金生活者とか…が対象なら、証券マンの人はその様な企業をお客様に薦めるべきでしょうね。介護のツクイなども範疇に選ばれるのでしょう。だからそのような銘柄は、必ずステート・ストリート・バンクが株主に登場している筈です。今、調べたら沢井には載っていませんね。カタルはハイリスク派なので、一見すると博打株に注目しているように見えるのでしょう。007などは代表事例ですね。ケネディクスもそうです。
ここで潜在成長率と言う概念があります。企業は儲かると配当金などを支払いますが、今の基準では、配当性向は20%程度でしょうかね。残りを内部に保有し成長を加速させるために設備投資や研究開発費に使いますね。このROEが高ければ、ドンドン投資を増やした方が利益率は高まります。嘗てのマイクロソフトは無配企業でしたね。配当するより投資を選び株価を上げました。やがてアップルのように利益成長が期待通りに進まなくなると…株主は配当や自社株買いを求めます。株の値上がり利益が期待できないからです。昨年はアップルの現・預金残が問題になりました。
内部資金を自分のお金だと勘違いしている経営者が、日本には大勢います。株式公開した以上、公開したら自分はその会社を預かっているだけの話ですね。自分より優れた経営者が出てきたら、潔く城を明け渡さねばなりません。佐治さんはどうするのでしょう。サントリーは銀行団から借り入れの返済を求められていました。ここ最近、ノンアルコール・ビールのオールフリーやハイボール人気に助けられて、利益を上げたので株式上場がスムーズに進みましたね。おそらく金融機関が売りたい為に、上場を促進させたのでしょう。まだオーナー系なら許せますが…二代目経営者やサラリーマン社長の人間が、会社を私物化するのが横行しています。大王製紙などの事件は、その象徴的な出来事ですね。
このような一連の話を出したのは…日本は真剣に経営してないように見えるのですね。売上利益率が高い企業はたくさんあります。20%を超えるなら、借金をして事業規模を拡大させ、果敢に世界に向けて挑戦をすべきです。ニトリはどうなのでしょう。良い素地を持っているように見えますが…。ソフトバンクの孫さんは、その点は立派ですね。だから尊敬されるのです。ところがチャレンジを止めて、現状に胡坐をかく経営者が如何に多い事か…情けない限りです。川重のような事例を見ると、反吐が出ますね。まぁこれはカタルの性格からくる考え方なのでしょうね。いつも最大限のリターンを狙い、高いリスクに果敢にチャレンジするのはカタルのポリシーかもしれません。でも皆さんは、自分の立場をわきまえて行動して下さいね。普通は野村リートなのですね。しかしカタルは、ケネディクスを選択するわけです。どれどれ今日の相場は…
いよいよ6連騰で、関門に519円が近づいてきました。この辺りから株価は重くなりますね。難しい選択の株価位置になりますね。新規の参加者が、力のある参加者が、新たに参入したのでしょうか? 山手線論理です。株価が下げることにより、今までの参加者が降りて新たな参加者が参加します。それが山手線論理の裏舞台で起こっている現象ですね。日本がデフレ克服できるなら…と言うより、政策当局者の行動を信じるかどうか?…なのですね。カタルがフリードマンの恒常所得仮説を焦点としているのは、今の日本には希望が必要だからです。昔の日本には、土地は下がらないと言う「土地神話」がありました。終身雇用や年功序列が約束されていたから、未来に向かい頑張る原動力があったのです。今の時代は何もないですからね。この希望を作ることは非常に大切なのです。信用創造企業が復活しなくては、日本の再生など不可能ですよ。日経新聞は清貧思想の論調を、改めねばなりません。あなた方が世論を作っているのです。
今日は参議院選挙の告示で当初のカタルの予想より相場は弱く見えます。ポルトガルなど欧州危機の増幅されたメディアの宣伝が、どの程度、行われるのでしょう。中国の固定資本形成の話は難しいですね。グライダーのように軟着陸できればいいのですが…。500兆円規模、いや現在の為替では800兆円規模に膨らんでいますね。そのような規模の大国の成長率を7%なんて…とても維持できないでしょう。せいぜい5%維持できるかどうか…。昔からこの程度の成長だと、庶民の不満が噴き出てくると言われていました。…という事は、年末か来年は暴動も警戒せねばなりませんね。非常に難しい舵取りが要求されているのです。カタルは楽観論者ですから、あまり気にしていませんが、今回のシャドー・バンキング問題は兆候に過ぎないという事ですね。
スター株を、創らねばなりません。ケネディクスは一つの候補ですが、他にはPFI関連でしょうね。清水建設は比較的に力を入れているように見えますが…戸田建設に熊谷組などハコモノ企業が並びますが…本当の狙いは利便性ですね。図書館の民間運営など…。橋の新設は高度成長時代は年間1000個と言ったかな? 今の建設スピードは、年間100程度だと…誰かが述べていましたね。この1/10の数字が正しいとすると、劣化した橋の建て替え需要は、相当な規模になり横河橋梁などが注目されますが…。PFIの概念からは外れますね。それでは下水道の月島や三菱化工機などは…どうか?…などと、色んな発想が頭をよぎりますが…。今の所、明確なイメージは、なかなか湧きません。まぁ、取りあえず信用創造が、要でしょう。ケネディクスへの参加は519円の壁を抜けてからの方がベターでしょう。
関門を抜いたはずの007は、その後、人気が離散し株価は小康状態に入っています。理想論から言えば、26万台の株価推移が望ましいのですね。しかし今の水準は、カタルが飛び出す前に買った19万から21万前後だったかな?その水準をクリアしての展開で、少し不満ですがマズマズのラインでしょう。75日線や200日線とのかい離が解消される過程なのでしょう。このような時間調整は、より株価の信頼感を高めるものですね。良い調子です。もともと秋にならないと全体相場の力強い展開を望むのは無理と言うものなのでしょう。ただ8月には、4―6月期の数字が明らかにされます。セグメントで部門別の売り上げ状況を007が、仮に明らかにするなら、村田との提携の数字が早ければ見えるかもしれませんね。もしその段階で見え始めるなら、これは凄い事ですね。僕は来年の2月を予定しているのですが…果たして現実は如何に?
株価が上がっている内は、カタルのゴタクを読むのも楽しいのでしょうが、今のように人気が離散すると面白くなくなるかもしれませんね。しかし末永く読むことが大切なのでしょう。継続は力なり。自分の感覚とカタルの感覚を比較し、常にこれは少し違うんじゃないかな?とか…疑問を抱きながら見ると良いのでしょう。果たして相場はどんな反応をするのでしょう。

投稿者 kataru : 2013年07月04日 11:18