今日の市況(2013年)(2013年06月28日)
かたる:米国と日本の違いは、市場に反応して政策対応するかどうかなのです。甘利大臣の「市場の乱高下は一時的な現象で、実態経済は回復しており何れ落ち着く」との発言や岩田副総裁の「逐次投入ではなく適性だ」との発言は、市場を軽視しているように見えます。これまでの「失われた時代」を継続してきた、歴代の政策担当者と同じ間違いを犯しています。NY市場は日本株ほど下がっていませんが、この重要な時期にメディアへのメッセージを見ると、NY地区連銀のダドリー総裁は「金融引き締めが近づいたと金融市場が解釈しているならば、それは誤りだ」と述べ、明確に市場へのメッセージを掲げています。更にアトランタ地区連銀のロックハート総裁は「非常に緩和的な金融政策を今後数年は維持する見通しだ」と述べたそうです。今は転換期であり、折角、動き出したマネーの流れを止める市場軽視の発言を、政策担当者がする事は大きな損失に繋がります。失われた時代を20年以上も続けてきた、同じ間違いを犯しているように見えますね。FRBが出口論を指摘した今だから、日本の市場は異次元緩和の後押しを求めているのですね。これは市場のメッセージなのです。それを自分達の考え方や行動が正しく、市場が間違っていると…間接的に主張している報道を見ると、こいつらは何も市場を分かっていないと思いますね。実はカタルも何度も同じ間違いを犯しています。だから彼らの間違いが良く分かります。
ましてや川崎重工や西武電鉄の既得権勢力の仕組みで生きている人達が日本には居ます。これではGDPの200%にものぼる借金を返す前に、日本丸は沈没しますね。既に異次元緩和の「カード」を切ったのです。これは「切り札」ですからね。この「切り札」を切ったのに…その効果を半減させるような官僚上がりの岩田さんと言う学者先生は、宮澤さんや三重野さんと、同じ間違いを犯しつつありますね。自分達が正しいと、市場を否定しているようにも聞こえるからです。市場原理主義は常に市場が正しいのです。市場は実体経済の鏡であり、市場の動きが実体経済に影響を与えるのですね。市場と実態経済は表裏一体で、引き離すものではありません。みんな株取引をしないから、この仕組みが、なかなか理解できません。信用創造の意味は、株や土地を上げると、その差額が儲かるから、消費にお金が流れるのですね。給料が増えたから消費が上がる訳ではありません。予期せぬ不労所得が社会の仕組みで発生したので、消費がアップしGDPが上がり好循環は生まれます。その信用創造を不労所得で、手に汗握り、額に汗しない金は、努力に値しないから…と蔑む日本人の心が、失われた時代に繋がったのですよ。この不良所得で得たお金を「悪銭身につかず」などと世間では言いますが、この認識が間違っているのです。
宮澤元首相は、ケインズの現在所得だけを重視し失敗しました。フリードマンは所得の固定部分、所得の変動部分の二つの考え方をしたのです。将来の臨時収入が期待されるから現在所得の余分な可処分所得を消費に回すのですね。ところが株も下がり土地も下がれば、その値下がり部分を埋めねばなりません。だから企業の現預金残225兆円が膨大に積み上がっているのです。とても投資や消費どころではありませんね。フリードマンの恒常所得仮説とは、未来の希望があるから、消費が伸びると言っている訳です。だからこそ、この時期は非常に大切で、株や地価を上げねばなりません。米国はケース・シラー住宅価格指数を見れば分かりますが、年率で12%も上がるのですね。だからこそ出口論が言われていますが、日本は違うでしょう。スカイツリーの特殊効果ぐらいのものですよ。
岩田さんの発言が、如何に外人投資家のヘッジファンドなどの人間に、奇異に映るか分かるかと思います。甘利さんの市場軽視の発言もそうですね。景気とは人間の心が決めるのです。非常にフラフラした気持ちなのですね。「女心と秋の空」と言いますが…転換期に位置する日本経済の疑心暗鬼の市場関係者の気持ちを、全然、理解していませんね。新興株とは言え、高値からあっという間に半値に落ちていれば、追加の対策を打つのが、正しい市場原理主義ですね。ましてやFRBの出口論に市場は揺れているのです。日銀は7月にリート増額を明確に打ち出し、短期資金の1年から2年への延長など…市場の期待に配慮しないと、折角の異次元緩和が無駄になります。此方のコーナーで、日銀のオペ状況が分かります。国債の残存期間と入札倍率が問題にされます。
さて今朝の日経新聞の2面には「日銀に意図せぬ副作用」とのレポートを、小栗太さんが書かれています。ヘッジファンドの過度の期待や剥がれ落ちた動きが報道されていますね。実態は分かりませんよ。推測に過ぎませんが、かなり的を得ている良いレポートだと思います。ヘッジファンドの彼らを日本の味方に付けないと、現状のデフレ状況からの脱却などできませんね。だから甘利さんや岩田さんの失点を埋めねばなりません。それには日銀が7月の金融政策決定会合で、明確なメッセージを打ち出さないとなりませんね。市場を味方に付け、経済成長を成し遂げるのか? 自己の面子に拘り、市場と敵対するのか? 今の焦点は、此処が問われています。幸い、「シャドー・バンキング」の浮上で中国の動揺は静まりつつあり、米国は問題ないでしょうし、投資信託の新規設定があり、調整が一巡していますから仕掛けのタイミングですね。ユトリのある人は、やはり買いなのでしょう。
ただ企業業績推移からみても分かりますが、本格反騰は、秋以降なのでしょうね。少なくとも今回は、期待感を醸し出す展開を創らないと、日本の失われた時代は、益々長引き、ガラガラポンのリスクはどんどん高まります。日本には時間がないのですよ。既に「切り札」を切ったのです。個人に追証が発生している以上、市場は悲鳴を上げつつありますね。仮に日銀が7月も見送りなら、一般株の更なる下落も予想される事態が生まれるかもしれませんね。野村リート(1343)の動きに注目して下さいね。ハイリスクなら、当然、ケネディクス(4321)です。

さて久しぶりに、空売りによる注意喚起は珍しい現象です。グリーは昨日反発しましたが、酒田五法によれば「化け線は1本と知れ」と言う諺があります。つまり昨日の反発は、企業業績改善の狼煙なのか? 現時点では判断が付きませんね。カタルは1000円割れでほとんど売りました。最近では唯一の失敗作でしたね。ターニングポイントに山を掛け過ぎました。カタルは常に、山を掛け投資を実行しますが…何も安値を買わなくても確認してからで、充分なケースが多いですね。カタルの失敗を振り返ると、常に買いだけしか実行しないから一方通行です。失われた時代は常に「空売り」派を支持していました。川重も西武も株主軽視の日本の仕組み社会の表れで…なかなか既得権勢力と言うのは、しぶといものです。2006年は、その仕組みにやられましたね。小泉さんの後継だった市場主義の安倍さんが病に倒れ「デフレ・ボトム・ポケット」が生まれました。売り上げ至上主義のルネサスも象徴的なケースですね。パナソニックもソニーも、シャープも何ら変わりません。今日の新聞にはサムソンの有機ELが掲載されており、シャープの賞味期限も限られた時間ですね。
さて日経産業は、ここに来て世界のお金が日本の不動産をターゲットに動いていると伝えています。僕の考え方は間違ってないと思いますが、何故か、ケネディクスの下げは止まりません。野村リートの方が、鏡としては、正しい選択なのでしょうが…何しろハイリスク派ですからね。さらに007の技術を、ルネサスが採用した評価は、非常に大きいですね。この10MBのRAMを内蔵したMPUは、007の技術の一般化を支持するものですからね。皆さんには分かりにくいでしょうが…このMPUに007のSQLが採用されたという事は、期待されるビッグデータ処理に、応用が効くという証明なのでしょう。ルネサスのホームページからの引用ですが、『ICT(情報通信技術)と半導体の進化により、家電・産業機器・ビル管理・電力網・自動車・交通など人々の生活に関わるあらゆるものがネットワークにつながり、クラウドと連携して生活を豊かにする「スマート社会」が実現しつつあります。」となっています。
さらに日経産業によれば、村田製作のSAWフィルタの話しですが、アップルとサムソンに二大メーカーに採用され、増産体制を急いでいると言う記事があります。これは間接的に先ごろ発表された007の技術が、デファクト・スタンダードになる可能性も秘めています。このスマフォによる家電操作は(ダイキンのエアコンなど)、日本独自の技術対応でユビキタス社会の象徴的な技術ですからね。しかも日本の規格が世界基準になる可能性が高いのですね。村田のSAWフィルタの記事掲載は、その事を示唆しています。カタルは007に惚れているから、皆さんはカタルの戯言を割り引いて考えなければなりませんが、007はユビキタス社会の組み込みソフトの第一人者として、続々と大企業が支持を表明していますね。このワクワク感が007の魅力なのですね。だから赤字でも惹かれ、多くの人の心を魅了するのでしょう。
その希望、夢を語れるような基盤を作るのは、日銀であり、政府です。果たして期待に応えてくれるかどうか…カタルはサマーラリーの二番天井を、未だに想定しています。しかしどうせ、本格的な動きに繋がりませんから、思惑を先行させるより、高く買っても良いのですね。資金的にユトリがあるなら、買い下がるドル平均法が一番で、ケネディクスなどは良い銘柄になります。いくら下がっても良いのですね。ドンドン下がれば儲けも膨らみます。問題は自分の資金量と投資方法ですね。この自己セーブが、出来るかどうかなのです。カタルの狙いは正しいはずです。問題は買うタイミングと、その成果が生まれる時期ですね。上がる銘柄は決まっていると、何度も述べていますが…、そんなものは日本が成長を前提に考えれば、既に決まっているのですね。問題は的確に政策対応をしてくれるかどうか…なのです。黒田さん、歴史に残る男になってくださいね。

投稿者 kataru : 2013年06月28日 09:51