今日の市況(2013年)(2013年06月24日)
かたる:今日は、あるリーダーの「年頭の挨拶文」の紹介から始めましょう。
『全社員の皆様、あけましておめでとうございます。旧年中は本当にありがとうございました。特に店頭で販売されている社員の方々、連日のお勤め本当にご苦労様です。新年の年頭にあたり今年の抱負を申し上げます。今年の年度方針を「志を持って生きる」にしました。
2011年は日本にとってひどい年でした。1990年日本のバブル崩壊以降無策のツケが一気にきたようです。国民の預金と財産を担保に借金をしまくり、食いつぶしてしまった政府。この20年間の借金生活でもらう事ばかりで稼ぐことを忘れた日本人。一所懸命仕事をするよりも小市民的なほどほどの生活を良しとする国民。年金政策の崩壊と原発事故は犯罪であり人災です。
私が15年前に予想したよりも、もっと早いスピードで日本は崩壊に向かっています。今こそこの経済敗戦を心に強く認識して立ち向かっていかなければなりません。またこの未曾有の困難に際して個人も会社も何としても生き残らないといけません。何故こんな事を強く思うのか。それは私の原体験の中にあります。私は山口県の宇部市に生まれました。宇部は炭鉱の町でした。エネルギー革命、石炭から石油への転換で炭鉱は廃山になり5万人の人口が減りました。それで炭鉱労働者が住んでいた町はなくなり小学校が廃校になりました。町と学校が突然消えたのです。
同業を例にとってみても栄枯盛衰、時代の流れの非情さは目を覆うばかりです。百貨店のS社、量販店のD社、専門店のT社。本当にさびしい限りです。…』と続く訳ですが、この文を読んで誰のメッセージか分かりますか?
日本を飛び出しグローバル展開をしている会社のリーダーですね。彼は一度、引退を決めて第一線から退いたのです。しかし後任に社を託しましたが上手く行かず、再び陣頭指揮を執り、世界NO1をめざし頑張っていますね。残念ながらまだトップには立っていませんが…時間の問題でしょう。そうです。ソフトバンクの孫さんと共に日本を代表する経営者の一人でユニクロの柳井さんの社員あての2012年の年頭のメールです。
株価がアベノミクスで上がったので、選挙で勝ったからといって、政策の手を緩めないで欲しいのです。まだまだ、このメールの時代状況と、そう大きな違いがある訳じゃありません。ここで折角、始まったアベノミクスの改革を、止めてはなりませんね。日本は一度、小泉・竹中改革で、市場原理のグローバル時代に乗り出したのです。しかし、ぬるま湯生活を懐かしむ既得権勢力により巻き返され2006年に後退しました。その後、米国金融危機が起こり、ダブルショックに叩きつけられたのが「デフレ・ボトム・ポケット」です。長期金利が1%以下の水準が、そもそも危険領域なのです。正常な経済活動が働かない金利水準が誕生するのですからね。金利が安いのが良いと思うのは間違いですよ。活動が鈍っている事ですからね。現状の日本経済は冬山での凍死状態ですよ。正常な活動に戻すには、やはり金利5%程度が妥当な位置でしょう。PER20倍の水準です。つまり経済成長率が7%程度まで成長しなければなりません。まだまだ長い道のりですね。
柳井さんの叫び声が、社員の方々に届いたのでしょう。FR(ファーストリテイリング)は邁進していますからね。何れトップに立ちます。ココ・シャネルとは方策が違いますが、原点は同じでしょう。日本は頑張る経営者を応援せねばなりません。年金ファンドのような眉唾企業に投資を続ける場合ではありませんね。今、日本に必要なのは、組立ソフトであり、信用創造のために不動産の価値を高める事ですね。リートの物件の取得状況を見れば分かりますね。アベノミクスの成果は2013年1Qに始まったばかりですね。20年以上も下落を続け、1998年に実質的に底を付けている不動産は、その後も15年も底練状態です。信用創造と言う市場経済の仕組みを利用しなくては、日本は絶対に浮上しない状態なのです。GDPの200%もの借金を返せませんからね。
おそらくPFIやPPPと言われる手法が、主役に躍り出ますね。財政政策も大きく変わるのです。金融工学の発展を利用すべきです。メザニン・ローンなどの仕組みは、良く出来ていますね。折角、ラストリゾートの日銀が資金を供給しているのです。この資金を利用しなくてはなりません。未来都市建設は、世界をリードする試みになります。人口問題でGDPの成長を諦めていませんか? 労働力など過去の話ですよ。ファナックは無人工場でロボットが、ロボットを作っている時代ですよ。更に効率を高める為に、ビッグデータを利用し農業の生産効率を高め、開発力を上げて宇宙を目指すのです。北極海開発など子供の領域ですね。目指せ!宇宙開発です。
何故、政策主導者は、先が見えないのでしょう。既に道は出来上がっているのです。あとはプロジュースするだけの話ですね。MITメディアラボの所長に伊藤さんが採用されたのは、彼が人同志を結びつける才能があるからだと言われています。世界中の人を結びつける能力ですね。クラウド・サービスの世界とも言われていますが…、世界の人はネットで結ばれています。この情報網を利用するのです。何故、007が素晴らしいか? 東大と共同で気象データの応用を始めています。今は見えませんよ。僕らは果敢に未来の夢に投資を続け、明日のビートルズを発掘するのですね。時代の流れを見極め、その可能性に賭けるわけですよ。株価的に連騰しているので、目先筋は需給バランスを考えるでしょうが、何故か、この形は玉が沈んでいるチャートの形です。このあと、一気に新高値を目指すか、どうか分かりませんが、売りはないですね。何処かで再び買うことになるのでしょう。
一流と呼ばれ、成功している経営者は、時代を見る目が優れているのですね。常に時代を先回りして投資を続けています。三菱UFJは、ようやくタイのアユタヤ銀行の買収に乗り出したとか…。タイは親日的でアジア戦略の拠点になりつつありますね。この投資は素晴らしい決断でしょう。モルガンスタンレーに投資し、もっと早くに…と考えていましたが、ようやくステップ・アップしたようです。邦銀はアジアに盤石な基盤を設けなくてはなりません。既に国境の壁は崩れているのです。1%の金利で資金調達して、7%、10%と高成長を続ける国に投資すれば、充分な差益を確保できますね。
カタルは何も新興株やハイリスクの銘柄ばかり薦めている訳ではありません。三菱UFJ、野村証券、やがて東レや日立にファナックなどまで…行けますよ。東レはまもなく炭素繊維の黄金期に入ります。素材は空前の利益に繋がります。おそらくコマツのように育つのでしょうね。企業に積み上がるキャッシュは、一斉に設備投資を開始します。ファナックでなくても化学装置のメーカーでも構いません。日立などは社会インフレ企業の要ですね。ただカタルはいつもハイリスク狙いなのです。本当は三菱UFJやファナックなどの一流ブランドを活用するのが、保守的ですが正しいのでしょう。特に年金資金などの性格を有する資金は保守的な銘柄にすべきですね。カタルはプロだからリスク管理がある程度は出来ます。でも皆さんは素人ですからね。手数料なども関係ありません。
証券マンは、常にお客様を儲けさせ、手数料を上げねばなりません。カタルの学んだ手法はその際立ったものです。今のような相場なら、顧客資金はあっという間に10倍、20倍になるでしょう。良い相場ですね。今週は緩んだから、買って大丈夫でしょう。既にサマーラリーは確定しているようです。ただ残念ながら大きな調整波動の中の戻り相場なので、二番天井に過ぎないのでしょう。新高値をグイグイと更新するような相場ではありませんね。それは仕組み上、仕方がありません。長期金利の水準をここで留めねばなりません。あと半年程度はシステム転換の時間が必要でしょう。何しろ国債市場は非常に大きな市場なのです。簡単に新しいシステムに適用できないのですね。間もなく三井住友が終了のタイミングでしょう。日本は僕らが思っている以上に、大きな国なのですね。
人間と言うのは、直ぐに結果を求めますが、現実は違いますね。時間を掛けながら変化をするものです。一つ、一つの積み重ねが、大きな変化となっているものです。歴史的な視点で相場を眺める必要があるのです。だからカタルは時間軸に拘り、その話をよくしています。所詮、上がる銘柄は決まっているのです。あとは自分との戦いですよ。この精神コントロールが、非常に難しいのです。自分自身の心に勝つために、やはり精神力を養う鍛錬は常に必要なのでしょう。

投稿者 kataru : 2013年06月24日 10:34