今日の市況(2013年)(2013年06月12日)
かたる:ようやく日経新聞は一面トップで、長期金利の話を掲載しましたね。もっと早く掲載しておれば、日銀の対応も変わったかもしれません。本来なら株安、円高なので債券が買われても良いのに、昨日は債券が売られ、黒田さんの「市場は次第に落ち着きを取り戻す」と言うのは、確認が取れません。異次元緩和の実施で最も恐いのが、この金利上昇ですね。基本的に金利は、景気がよく成れば上がります。米国のように…。米国の動きは容認されます。既に米国ではシェールガス効果があり、早くからファブレス(生産設備を持たない)に対応し、アップルのように、生産を世界で最も優れたところに、現在は台湾の鴻海精密工業股份有限公司に生産委託しています。前回、紹介した台湾のTSMCもそうですね。最近、G7などの会合で多国籍企業の税金問題が浮上しています。背景は米国でアップルが話題になり揉めています。アイルランドでも、米国でも税金を払わないケースがあるとも言われています。
話しがそれましたが、「先進国への回帰」が始まっているのは、米国での動きです。日本の自動車メーカーも、国内より米国内での投資額の方が多いのでしょう。スバルを始め軒並み増産投資をしています。トヨタなどは、米国と韓国とのFTAを利用し、米国から韓国に自動車輸出しているほどです。おそらく輸送費、電力料金、人件費、設備費などを考えても有利なのでしょう。税金面の関税のあり方は、TPP交渉など含めグローバル化になると何れ撤廃されますね。そうして仕組みも、統一されます。法人税も含め世界統一の方向にあるのでしょう。多国籍企業の税金のあり方などは、今後の世界経済のバランスに大きな影響を与えます。日本の消費税が上がるのも世界基準の一環なのでしょう。
話しが随分と飛びました。実は日本も、この程度の金利上昇は容認されますが、上がるスピードが問題視されるのですね。仮に全国の銀行マンが、カタルが想像する「ガラガラポン」のリスクを考え、怯えたら…イワシ民族なので収拾が付かない動揺が走り、一気に円安、物価高が加速し、日本経済を支える根底が大きく崩れます。日本人以外、誰も日本国債を容認しないからですね。資源もない、技術もない、一体、日本に何があるのでしょう。日本が技術立国だと言うのは、既に過去の話で現在は幻想です。TSMCのモリス・チャンの発言は衝撃的で、彼の解説は日本の現状をよく把握していました。日本は雇用問題があり水平分業化に移行できなかったのです。日立がようやく体制転換したのは、世界から遅れること、およそ10年ぐらいでしょう。今でもトヨタは国内300万台体制に拘っています。微妙なのですね。金融機能を徐々にグローバル化させねばなりませんが、小泉・竹中時代に植え付けた恐怖政治(UFJ事件)が、金融界には根強く残っており、金融庁を絶対視していますから、体制がグローバル化になかなか移行できていません。日本の問題は、市場原理を理解している金融マンが育ってないのです。
話しが難しいかな…。背景を説明しながら解説しようとすると、話があっちこっちにピョンピョン飛びますからね。要するに冒頭に話に戻すと、米国の金利上昇は景気動向の裏付けが取れた金利上昇なので問題はありませんが、日本の場合は、作られた景気回復で演出なのです。この偽物の演出が、本物に変わる時間が必要なのです。ところが23日に1148円下がったという事は、化けの皮がはがれた事を、市場は警告している訳ですね。しかし演出と本物の境は、紙一重なのです。既に日本は限りなく本物の景気上昇パターンに入り始めているのです。だから黒田さんが「市場はやがて落ち着く」…と、静観にも似た行動をとったのは、理解できます。あとは市場との対話ですね。今回は、確かに日銀は、長期金利の上昇に対する行動を市場が求めているように取りませんでしたが…、実は買いオペの回数を増やすなどの対策は、既に採用し対策は取り始めてもいますから、もう少しこの効果の浸透度の時間を与えても良いのでしょう。おそらく長期金利は高止まりでしょう。日銀が懸念を理解している訳で…既に市場の動きは反映されていますからね。

単なる、上昇に対する調整波動と言う解釈の方が、下落度のウェートは高いと思われます。何故なら、20年以上に及ぶデフレ環境にならされた人間が、簡単に、ガラガラポンのリスクなど信じませんね。大手行が現況に対応する時間は、半年程度でしょう。ここで長期金利の10年程の動きを見て下さい。上のグラフです。基本的に2%程度の上昇まで容認されますね。問題はスピードだけの話です。更に下のグラフを見れば分かりますが、「デフレ・ボトム・ポケット」の抜け出した動きだけの話で、正常化の過程の一環だという事が分かるかと思います。さて市場の混乱が日銀の理解度を試し、結果が出た訳で、市場は次のステージに向かう可能性が高いですね。次のステージは既に決まっています。もう一度、株価が上がってきて、円安になった時の長期金利の水準が、どんな反応を示すか?その過程は、どんなスピードか…? 人間心理とは面白いものですね。

三菱UFJの株価は、最近の安値は6月7日の552円です。異次元緩和を発表する前の三菱UFJの4日の引け値は578円です。その前の市場が、日銀への落胆を先取りした安値が4月2日の515円ですね。この事は非常に、チャート上も重要ですね。異次元緩和を開始しましたが、市場はこの期待感を好感しただけで、効果は信じてはいないのですね。つまり金融緩和だけで、日本が成長路線に移行できるとは思っていないと…市場が主張している訳です。果たして、成長路線に変化できるかどうか…これからですね。さてここで注目しているケネディクスですが、カタルはこう述べています。日本を成長路線に回帰させるには、「信用創造の恩恵」が必要だと述べています。
おかしな話ですが…、今では誰も株高の消費効果を否定しませんね。しかし僅か20年ほど前の日銀総裁の三重野さんは、資産効果など経済に関係ないと述べていたのです。日本が再び、力強い経済を取り戻すために必要なのは、株や土地が上がる資産効果ですね。異次元緩和の狙いも、実は此処にあります。どう考えても、やはり1兆1270億円も良質な資産を抱えるケネディクスが、市場から容認されない道理はありませんね。今こそ、中東の王様に…、外国の大手ファンドに売り込む絶好の機会ですよ。野村証券の海外部門は本当に働いているの? 1000億円程度、引っ張って来て、買い占めなさいよ。場合によれば、8万円でTOBを実施しても良いですね。何しろ1兆1270億円の裏付けがあるのですよ。アラブの王様なら、サウジなら1兆円程度の不動産を欲しがりますね。永遠と500億円ずつ毎年入るのですから…こたえられない投資です。
間違いなく3月のケネディクスの株価上昇は、外人ファンドが主導した買いですね。彼らには無限の資金があります。世界の中央銀行は、何しろ大量の資金を供給し、世界は優良な投資物件を探しているのですね。安倍政権は市場原理主義ですから、株や土地は上がります。故に1兆1270億円の優良な物件を抱えるケネディクスは、宝物に見えますね。カタルのページを見ている外資系担当の証券マンは、このような時に、現実の収益を叩きだし、外人ファンドの大手投資家に、玉をはめ込むのです。場合によれば、ケネディクスに行き、保有資産を全て列挙し、地価や簿価などを調べて買収に挑むぐらいの覚悟で、サウジに飛べばいいのです。系列の証券マンはメインバンクに行けば、詳細が一発で分かります。担当役員を通し調査をして、その資料を持ってサウジに役員と共に飛べば、いい仕事が出来ますね。1兆円からのビジネスですから手数料は10億円単位ですからね。役員が動くビジネスですよ。やはり反騰の狼煙は、日本の地価でありケネディクスなのでしょう。
さて、明日は皆さんが、不得意な買い方の解説をしますね。なかなか会得できない投資術の数々を公開する予定です。何故、カタルが、この時期に買い方の解説をするのか…裏に隠された意図を、よく考えてください。007は全面安の中で高いようです。このような時期に、逆行高する銘柄は非常に注目されますから、リストアップしておくと良いでしょう。それでは、また明日。

投稿者 kataru : 2013年06月12日 10:23