未来かたる・時代や・トロ・神主さんの

今日の市況

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2008年04月30日

4月30日

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かたる:こんにちは…月曜日はお休みを頂きました。ごめんなさい。

最近の市場は、強い相場展開ですね。今年の1~3月の相場が嘘のようです。お客様の心理は完全に、この四半期で冷めたようですが買い場だったですね。上がる、上がる。どの銘柄もすごい値上がりです。5割ほど株価が上がったのはザラにありますね。まぁ、安値を買って置けば…の話しですが…。結果論は誰にでも言えますからね。しかしそれを実践するのは大変です。追証に苦しむ恐怖を克服し、行動することはなかなか出来るものではありません。僕のお客様では一人だけかな?いや二人かな?この下げの最中にお金を用意して現引きをして、尚且つ買い向かいました。これは例外ですね。材木屋さんですが、僕と付き合いが長いのです。お互いに気心が知れていますからね。このような関係になるまで9年以上が経過します。東京に出てきた時の最初のお客様です。あのバブル崩壊を乗り切ったのですからすごいです。まぁ、損も桁外れでしたが、よく我慢されました。
こんなことはどうでも良いのですが…、今年は例年と違い少し相場の動きが違いますね。どうしてでしょうか?

時代や:売る人がいないんじゃないの。でも誰が買っているのかね?

かたる:僕はこう考えているんだね。サブプライム問題の発生で、日本株をかなり売り対象にした外人投資家はポジションを落としすぎた為に、買わなくてはならない状態になっている。ヘッジファンドの多くは、資源などの商品に多額の資金を投入しており、決算対策として、そちらを売り利益を出している。この予想が正しいか分からないが、僕はそう考えているよ。例年、6月は中間決算にあたり、この時期は利食いを先取りする動きが出るからね。だから好決算にも拘らず…○○が弱い。

時代や:その○○って、何?

かたる:考えてごらんよ。今日は商社の決算発表が多かったね。しかし商社の株価は安かったよ。

時代や:材料出尽くしじゃないの。

かたる:確かに世界景気の行方が問題で、資源価格も下落しても良いが…。ところが全然、影響を受けてないね。原油価格などは新高値圏内だよ。僕は下がると言う論理派の読みを支持していたが、実際は違っているね。僕はあまり好きじゃないが、三菱商事の決算が発表されたね。日経新聞の観測記事の6000億円の利益に届かず、5800億円の会社側の予想だったけれど、すごい数字だ。決して悪くないよ。下の表を見て、なにか気付かない?

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トロ:わざわざ、お前は赤字で書いてあるじゃないの。子会社からの配当などの利益配分だね。そこにマジックがあると言いたいのだろう? お前は商事、支持派なの? 違ったんじゃないの。

かたる:お客さんが買っているから調べたの。三菱商事は意外に堅実で、グループ管理を確りしているよ。注目は営業利益が大きく伸びて倍増近くなるのに、何故、最終利益は僅かな伸びなの? 不思議だね。僕の試算では(6850+1895)×0.74÷1693百株=382円前後の数字になるね。おそらくは控えめな数字だろうから、一株利益が400円の攻防になる可能性があるね。だから目標株価はPER10倍の3800~4000円かな? でも目先は資源価格が緩む可能性がある。世界の投機資金の決算対策で…。故に、株価は少し下がるかもしれないが、今日は既に下げているからね。まぁ、小幅な値幅狙いでリターンを狙う攻めも考えられるね。

時代や:商事か…まともだね。

トロ:松下が好決算を発表したじゃないの。プラズマと液晶の違いはあるが…BRICs台頭の恩恵を一番受けるんじゃないの。

かたる:そうだね。以前、構想を話した3丁目相場だね。反対はしないよ。パイオニアの技術陣を引き受け、世界を独走しそうだね。でもプラズマは、今一で、流れは完全に液晶だよね。僕は技術的に難しい有機ELがいつトンネルを抜けるか? ただ液晶も薄型化が進展しているし…プラズマもそうだよね。まぁ、技術的な話は専門家に任せ、株屋としては、松下は明らかに一歩リードしているね。

時代や:ソニーと比べての話?

かたる:そうかソニーか…。僕が一歩と言ったのは、日立の話しを出したかったの。国際会計基準になり、東証も指針を発表しているように子会社を上場しておく意味がないんだね。だから子会社が多い日立などは早めに一体化させなくてはならないね。もう一つ、絡めたいのは、コマツと日立建機の株価レースの話。月曜日そうして今日は、完全に日立建機が上の株価になり、相場が正常な姿になったことを物語っているね。

時代や:一体、何が言いたいのさ。

かたる:ここからの物色が難しいのさ。今まではどんな銘柄でも全体の水準が上がったので株価は戻ってきたが、ここからは個別銘柄の勝負になるね。相場はいつ一服を入れてもおかしくないよ。だから腹八分目だね。

時代や:えっ!もう終わりなの? おいらなんか、全然、儲かってないよ。買っている銘柄は上がってないよ。

かたる:はい、ご苦労さん。流れを良く見て考えて投資をしないと駄目だね。相場のスケールを、もう一段、大きくするためには先駆した銘柄を、もう一段上げるとスケールが大きくなるね。消化不良の楽天や商事などを持ち上げるんだね。みずほは50万円台を回復し、できれば60万ほどまで上げておきたいね。読売新聞は28日、ご丁寧に「1兆円優先株7月転換可能、みずほ株下落要因に」と見出しを打って書いていたね。罪だね。先週末の株価は483千円だね。ところが今日は540千円だよ。この上げ方は僕も驚いているが…株の考え方が基本的に間違っていると思うよ。おそらく記者は7月以降の話しを言っているのかも知れないが…

良く考えて欲しい。ようやく2008年に、みずほは1989年の負の遺産の処理が終るんだよ。新しい旅立ちがようやく出来るんだね。今までは新しい動きをしたくても、手を縛られ足を縛られ出来なかったけれど、ようやく政策官僚が押し付けた政策責任の処理を終えるんだよ。何も双日が野村證券の口車に乗って、先走って処理する必要があったのかね。まぁ、済んだ話だけれど、650億円だから2億株なら一株利益が300円を超えているね。株価は3000円だよ。ここでファイナンスをして優先株の資金を返せばよかったのに…。みずほがようやく終えるのに…。りそななどは、まだ公的資金も返してないよ。馬鹿なトップが上にいると…株主も社員も大変だね。

トロ:おいおい、終ったことをいつまで言っているの?

時代や:過去のことはどうでも良いが…かたるはみずほを全然、買ってないのでしょう。

かたる:うん。今回は全然やってない。相場的には面白いね。逆日歩が入り…僕好みの相場だよ。でも僕は新興株派だからね。みずほが2倍、3倍になるなら取り組むけれど…当面はボックスでしょう。50万~60万ぐらいの…。まぁ、もともと三菱が1000円で住友は800円、みずほは500千円と思っていたんだ。ところがそう思ったところから下がったからね。みずほが上がったというより相場全体が戻ったイメージかな?

むしろ昨年来高値を挑戦している「楽天」や、上場来高値を狙う「商事」の方が今回の上昇相場の核だと僕は考えているよ。コマツと日立建機の株価の話しを出したように、全体相場がようやく戻った印象だね。やはり時代をリードできる銘柄として楽天や商事の動きの方に興味はあるね。

トロ:楽天は昨年の7月の安値33300円から上がっている銘柄だよね。たしか日経平均株価はあれから下がった。

かたる:うん。日経平均株価は7月5日に18295円を付けているね。あれから急落していくんだね。

トロ:全体相場が戻ってきたんだから、楽天は、お役目ご苦労さん、じゃないの?

かたる:そうかもしれない。今回は3度目の下値でのゴールデンクロスなんだね。楽天の評価は意見が分かれるから、面白いのさ。一度、仕手化して急騰してもいいように感じるが…難しいかな? 僕が仕掛け人なら、タイミングを計って思い切って買い仕掛けに動く時期が来ていると思うね。この銘柄の切り口は色々あり面白いね。でもこの高値を買うのは勇気がいるけれど…

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時代や:驚いたね。やっぱり相場が良くなっているんだね。ビスタニュースの…あの銘柄が人気付いてきたね。ビックリしたよ。あまりのタイミングのよさに…。

かたる:一応、僕はこの世界で飯を食っているからね。相場環境がまともになれば、こっちのものだよ。さぁ、買った。買った。

トロ:そろそろ終わりかな? こいつが調子付いた頃は、いつも相場が天井だからね。

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2008年04月25日

4月25日

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かたる:今日は簡単にします。
日本株は強いですね。どの銘柄のチャートを見ても底入れをしているような感じです。連日、人気になっていた商社は一服していますが、「みずほ」が強い動きですね。「初押しは買い」のセロリーどおりの展開になっています。僕はあまり力が入っておらず、数字を計算していませんが、前にも述べたように、何れ…新日鐵の株価とみずほの株価は逆転すると思っています。何れって、いつ? なんて突っ込まないでね。金融庁が要らん指導などをしなければ、日本の銀行はチャンスなのですね。アジア圏の覇権を握るチャンスですが…頭取にその器があるかどうか…今日は売買代金の上位3位を銀行が独占しています。

JFEHDは鉄鋼の値上げ幅が決まらない為に決算予想を提示しませんでしたが、新日鐵の2009年3月は経常利益が39%減の3700億円と発表していました。その割りに株価は強かったですね。値上げが通ると言う読みなのでしょうか? やはり減益じゃなければ値上げは成立しませんから、その辺りを配慮した数字なのかどうか? 私は現状の新日鐵に興味はなく、こっちも数字の読みがサッパリです。問題はオリンピックが終る中国ですが、大きな落ち込みがなくGDPの伸び率を維持できるのかどうか?

中国と言えば心配なのが物価ですね。3月は2月に比べ若干下落しましたが、最近は食料品が大幅に上がっていますからね。食料品は年率20%を越える値上がりをみせており、金利を引き下げるわけに行きません。上海総合指数はここ数日、値戻しの動きですが、果たして本格的な底入れに繋がるかどうか…微妙です。しかしアメリカでは、この不景気の予想の中でフォードが黒字化したそうですから、景気の落ち込みは軽微なのかも知れません。しかし住宅産業は依然、上向き傾向の兆しも見えません。来週のFRBは0.25%の引き下げか、見送りか?との予想に変化している様子です。今回で打ち止め説も一部であります。米国債の金利も上昇し始めています。

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このような外部環境の中で、どのシナリオを描くかが銘柄の選別に影響します。例えば、米国景気の落ち込みは軽微で早晩回復し、中国の活動も鈍らない。…と言う読みなら、BRICs銘柄の押し目買いが有利になりますね。一方、米国景気はマイナス成長を続け、中国も景気が減速するとの読みならば、資源価格まで影響するでしょうから、商社などの人気銘柄は売り場を探す事になりますね。しかしこの関連は、現在、疑われています。資源価格は当分下がらないと言う見方もあるのですね。米国、中国の景気が減速しても、資源価格への影響はないという考え方ですね。色んな見方が出来るわけです。非常に難しい局面になりますね。

市場では今日の日経新聞の報道のように、日本株のPERはかなり高くなっており割安感はない。テクニカル指標でも過熱が見られ、株は安くなると言う読みが一部であります。しかし多くの個別株のチャートは、綺麗な上昇波動に入り始めたように感じます。仮に調整があったとしても、チャートから見て短期調整だろうと考えています。日経での恣意的な報道から、みずほの株は、まったく逆の動きをしています。不思議なものですね。ヘッジ・ファンドが売り仕掛けを入れるとの読みが一部でありましたが、そろそろ、そのような見方は戯言になりつつあります。来週は連休の谷間で決算発表が続きます。基本的に株価が下がって(上がって)いれば、業績悪(好業績)を織り込んでいるのでしょう。INDEX(三菱商事)のような感じですね。

どこかで調整が入りますが、このような下げのあとは、安易な空売りは慎むべきでしょうね。来週の月曜日はお休みを頂きます。それではまた来週。

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2008年04月24日

4月24日

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かたる:今日は簡単にします。
米国ではモノライン大手のアムバックが巨額の損失を計上し、2.57ドル安の3.46ドルとなり大きく株価を下げました。昨日はRBSが1兆2000億円の損失を計上し、2兆4500億円の増資を実施すると伝わっています。峠は越えたのでしょうが、大きな損失ですね。兆円単位の損失は実体経済にも大きな影響を及ぼすでしょう。しかし不思議な事に意外に株価は強いのです。

今日は注目していた三菱商事の決算速報が日経新聞に観測(推察)記事として掲載されていました。あくまでも観測記事なので恣意的なのです。三菱商事の決算発表は30日です。いつだったか、日経新聞がミツミと言う会社を、このように大幅増益と書いて株価が上がったのですが、実際の決算発表では逆の減益になり2日間連続ストップ安した事がありました。僕はその記事を信じて買ったのでしょう。記憶に残っていると言うことは…まぁ、今回の場合は、概ね6000億円の数字は正しいのでしょう。僕がここで言いたいのは、投資の世界では、だれも信じられないと言うことです。天下の日経新聞が誤報をするとは思えないでしょう。しかし日経新聞は現実にたくさんのミス報道をしています。数え上げればキリがありません。まぁ、論点がずれるのでこの問題はこの辺にして…

最近の相場を見ていて思うのです。投資心理は極端に萎縮していると考えるのですね。どの銘柄も人気株はカラ売りがずいぶん入っています。買い残は大きく減り、売り残だけが増えるのですね。お客様の反応も儲かるのに鈍いようです。まぁ不思議なものですね。折角、儲かるようになったのに…。投資心理の不思議さを感じます。楽天は昨日、2万株を超えるカラ売りが入っていますね。日証金の売り株数はそのぐらいでした。だいたい出来高の1割です。恐い話しです。三菱商事も今日は利食いを待ち構えていた売りに押されましたね。私も当初、決算発表までの期間限定商品と思っていましたが、今日の株価の動きを見て少し考え方が変わってきました。みずほも売り残が増えていますね。

私が証券界に入った頃、宮地鉄鋼と言う株が仕手株として賑わいました。200円から2000円ぐらいまで上がったのです。あるお客さんはこんな株が上がる筈がないとカラ売りを仕掛けました。しかし買い戻すことが出来ずに期日を迎えました。仕方なく期日になったので買い戻しに行くと、毎日、ストップ高の比例配分で買い戻すことが出来ません。そのお客様は大損をして家を売りましたね。こんな話は腐るほどあります。売りは天井がないのです。まぁ、商事やみずほは大きな会社ですからそんなことにはなりませんが、充分に気をつけたほうが良いですね。

今の私のメイン・シナリオは、どうも大底を叩いたと思っています。1989年から下げ続けていた単純平均株価は2003年の金融危機の時に一度、308円で底入れをしました。そうして株価は上がり2006年1月に597円を付けます。このときに日銀が政策転換をします。過剰流動性を供給するゼロ金利政策を転換します。加えて地検がライブドアを叩きます。折角、育ち始めた新興企業が厳しい洗礼を受けるのです。特に厳しかったのが会計基準の見直しでしょう。今までは良かったものが駄目になるのですから厳しいですね。そうして先月に297円の新安値を単純平均は付けます。僅かですが2003年の安値を割れるのですね。日本の未来を象徴するような現象です。W底を叩き上昇波動に移ったと考えています。

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福田首相は消費庁なるものを作るそうですね。消費者の為の省庁? 私には官僚の増殖ににしか見えません。厚生労働省も農林水産省も国民の為の省庁ではないのですか? 監督権がダブルとどうなるか? 福田さんは現場を知っているのでしょうか? 大蔵解体により金融庁が誕生し、スタッフを補う為に地検上がりや警察などの職員を多く採用した金融庁。その後、金融機関の検査は厳しくなり通達一本で融資がストップするのです。民間企業が独自の裁量で動けないのです。フジサンケイ・ビジネスアイと言う新聞に、渡辺喜美金融行革担当相は「コンプライアンス不況という、われわれにとって非常によろしくない言葉がはやり始めている」と指摘。「(金融商品取引法、金融検査、貸金業法改正が不況の一因になっているという)“金融庁の3K”という言葉を耳にし愕然(がくぜん)とした」と嘆き、金融行政への不信感が広がることに警戒感を示した。…と報道されていました。

本当の話ですね。現場の検査を受けてみれば分かります。ひどい話です。僕らの仲間はアホらしくなり、みんな退職しています。今日は日本板硝子が人事を発表していましたね。買収した筈の英ガラス大手ピルキントン出身のスチュアート・チェンバース氏が社長に昇格すると言うのです。昔、中央信託が三井信託を買収したのに、人事権など全て三井信託に握られ中央信託の職員は悲哀を味わった話しを思い出しました。実力のある人間が会社を支配すべきなのでしょう。株式の持ち合いなので自分達の地位を守るような姑息な手段を取るべきではありませんね。この現象を見て日本もようやく変わるなぁ~と考えた次第です。

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2008年04月23日

4月23日

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かたる:NY市場は続落ですね。デュポンが下げ、マクドナルドは小幅安だと言います。原油価格が高騰し、株価は下げたとか…。民主党の選挙はペンシルバニアでヒラリー・クリントン上院議員が勝利したと言いますが、オバマ氏との逆転は難しいと言われていますね。いつ敗北宣言をするのでしょう? 考えてみると、ブッシュ大統領の出身はテキサスで、テキサスは原油の生産地ですね。日本では小泉さんの退陣が決まった瞬間に、構造改革の巻き返しが始まりました。ブッシュが辞めるので原油価格は下がるかも…なんて考え方は、やはり考え過ぎでしょうか? それにしてもイスラム社会は潤い、力を付けていますね。

日本株は意外に強い印象です。みずほが切り返す動きには驚かされました。日経新聞だけじゃないですが、恣意的な書き方で、みずほは優先株の値決めが始まり、売り仕掛けが入るとの先入観は強いようです。しかし不思議なものですね。ある程度の期間、株価が下がり続けると上がってくる時には、なかなか株を買うことが出来ないものですね。下がるときは買いやすいのに…。僕らはよく間違いますね。待ちくたびれてヤレヤレ…と言う心境になって、買い増しではなく利食いを先行さるのです。利食いだけなら良いのですが、ご丁寧に空売りまで試みる人がいますからね。

株価は不思議なもので、日足と週足では印象がずいぶんと変わるものです。

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時代や:何が言いたいの? みずほが買いだと言いたい訳?

かたる:買ってみたいとは思うけれど、全然、やってないね。理由は上値が限られると思っているからだね。でも下がるとは思っていないよ。当面はボックスの相場だと考えているのだが…。まぁ、これからの情勢では、買いたいと思うかもしれないし…これまでも何度か相談を頂いたけれど、僕はようやく株価は下値を叩き、横這い、または上昇波動に入ったと思っています。でも仮に手掛けたとしても、昔のように熱は入らないよ。

神主さん:上値は大きいとは思ってないから、…かな?

かたる:うん。せいぜい株価が上がっても、目先は55万~60万程度まで。僕は暫く横這いで本格的な上昇は、来年だと思うね。その頃は100万円を目指すと思うけれど…当面はパスかな? そんなことより、多くの人はチャートを日足しか見てないが、みずほのように比べると分かるね。週足で見ると、まだ株価は下降波動の途中に見えるね。しかし日足では明らかに押し目買いのパターンに見えるよ。不思議だね。

トロ:くだらない話しをして…。要するに、時間軸を長く見れば株価の方向性が見えてくるとでも言いたいんだろう。

かたる:うん。流石だね。この株は買いか? それとも売りか?と迷ったら、時間軸を変えてみると良いんだね。例えば今日ストップ高した楽天だけれど…、こんな高値を誰が買うのかな? …と思うよね。しかし時間軸を買えれば、絶好の仕掛け妙味があるように感じない? 長い間、下値のボックス相場を経て、ようやく新しいステージに突入したという感じかな?

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トロ:感じない。感じない。全然、感じない。

かたる:楽天の争点は色んな切り口があるけれど、10万円でも、株価は不自然に見えないよ。現状の業績では、ヤフーが10万円と言うのは無理があるように感じるけれど…。

トロ:たまに買っている銘柄が上がったからと言って…はしゃいじゃって…アホらしい。

かたる:久しぶりだもの。買っている株がストップ高と言うのは…。これまでに買ったら下がるパターンは、結構、あったからね。

時代や:でも今日は売っていたよね。買いじゃなくて…

かたる:うん。ストップ高をするとは思わなかったね。でも「利食い千人力」って言うから…もったいないけれど売ったよ。また買えば良いよ。最近の相場はあまり儲からないね。今日だって普通ならストップ高で大量の買い物を残して引ける所なのに…、強いけれど人気の盛り上がりが、今一だね。やはり市場参加者は、僕と同様に相当やられているんだね。なかなか投資マインドが戻らないね。

時代や:ところでDENAもすごかったね。

かたる:嬉しいね。新興株が頑張っている姿は、やはりいいものだね。勿論、全体の相場が上がるのが一番だけれど…

神主さん:でも三菱商事も上がってきたじゃなの。

かたる:そうですね。原油高などを背景にしているからね。商社の好業績は続くだろうし…BRICsのなかで一番ブレが少ないかな? ただ僕は商事も買っているが、あまり儲かるとも思ってないよ。流れの路線が違うと思っているからね。まぁ、このIRNETで取り上げている銘柄が賑わっているのはいいことだね。

話は変わるけれど、マクドナルドの売上だけれど、国内は6%増、欧州が23%も伸びており、アジア太平洋・中東も24%増なんだって…。このことはデッカプリング現象の背景を裏付けているかな? みんなは、どう考えるかな?

トロ:おいおい、いい気にならないほうが良いよ。1ユーロ=1.6ドル台に入ったんだぞ。良く、この意味を考えることだな。

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2008年04月22日

4月22日

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かたる:NY市場はバンク・オブ・アメリカの決算が嫌気され金融株が軟調で下げたと言います。地銀大手のナショナル・シティが減配と70億ドルの増資を発表したとか…シティーバンクも60億ドルの追加増資を発表しています。イングランド銀行は10兆円の金融支援をすると発表していました。LIBORの高止まりに対する処置なのでしょう。規模が少ないと言う見方はありますが、実質的に公的資金を投入していることには違いありません。FRBと同じ手法で住宅債券を国債にと交換するのですね。一方、上海総合の株価指数は3000ポイントを一時、割りました。インフレへの警戒感が高まっているのでしょう。

日本株は過度の金融懸念から、欧州、アジアの外人売りにより株価が二番底を叩いたと言われています。ここに来て一目均衡表、騰落レシオ、乖離率ともに過熱指標が見られるので株価は一服するとの声が多いようです。下のグラフの形です。

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トロ:おいおい、二番底を叩いた? そりゃ、お前だけがそう思っているだけだろう? まだサブプライム問題が終っているかどうか、定かではないよ。その証拠にイングランド銀行が公的資金を投入するのだから…。

神主さん:そういえば日経新聞にも、モノライン大手のMBIAの見方が分かれているとの報道がされていたね。

かたる:何故、このタイミングで報道するのかね? 書くことがなかったのかな? マーティン・ホイットマン氏の話は、ずいぶん前から投資していることは分かっているからね。まぁ株価は売り手と買い手の需給バランスで決まっているから、意見が対立するのは当然なんだね。最近、このIRNETの株式教室で、銘柄の争点を掲載しているが、色んな考え方があるわけで、その事実を自分はどう考えるか? ここが大切なんだね。

株価は人気だけで動くものではなく…いや、人気を操るのは業績や株価の動き(チャート)なのだろうね。多くの人は業績動向よりチャートを重要視するが、僕は業績の流れを考えるんだね。でも最近思うんだね。やはり株価は正直だな…と。でも前も紹介したように、ここに来て減益や赤字報道を受けても株価は意外に強い動きをしているね。今日だって、荏原なんて値上がり上位に顔を出しているんだからね。驚くよ。

時代や:みずほが最近一番人気を続けているが、かたるは以前のように熱心に薦めていないようだね。

かたる:基本的には株価が下がったといっても45万円だからね。当面は50万円程度で上がっても60万を越えるのは難しいのだろうね。そんなことを考えると、この時期に無理して買う株ではないように思うね。これから1年程度、上値が限られる株は面白くないもの。僕は基本的に、銀行株は買いだと思うよ。しかし概ね株価は横這いのボックス相場だと考えているんだね。ここに来て株価は大きく下がったけれど、狙いは別の所にあるんじゃないのかな?

時代や:どう考えているの。また新興株か?

かたる:うん。新興株は時代の背景を考えると、昔の自動車産業のようなものかな? 産業革命の頃は鉄道株? 基本的な技術進歩で携帯電話を主体としたユビキタス時代の要だと思うんだね。だって、考えてごらん。信じられる? 昔は、携帯電話などは夢だったよね。それが現実のものになり、ネットと融合し通信技術が僕等の生活を確実に変えているね。ソニーが提案しているように、おそらくテレビとネットは一緒になるよ。何より大きな成長が見込めるのは携帯市場のコンテンツなんじゃないのかな? 僕は前からモバイル・コンテンツの会社を狙っていたよ。サイバードは上場廃止になったけれど、代わりに買ったインデックスはひどいもんだね。今のところ…まだ諦めちゃ、いない。そうしてDENAはひょっとすれば、ひょっとするね。ビスタニュースに僕の基本的な考えを書いたけれど…

夢の大きさが銀行株とは違うね。おそらく何れは日本の金融機関は3つが1つになるだろうね。グローバル展開を考えると日本の金融機関が生き延びれる可能性は低いね。やはりシティーのような会社なのだろうね。日本はバブルの後遺症が強く、折角の中国への進出チャンスの時に、大きく出遅れたからね。UFJが唯一積極的だったので、三菱はラッキーだったね。中国を含めるアジア展開で飛躍するシナリオを抱いている会社が、これからの主役銘柄に選ばれると思うよ。先ずは、その前に政治への決別から始まり、日本経済の基盤を、もう一度、固めねばならないね。その動きがみずほの優先株の処理なんだろうね。

トロ:面白い見方だね。もう少し説明してごらんよ。

かたる:えっ? 無料で僕の知恵を奪うの? まぁ、良いか。じゃ、明日の昼飯ね。2003年からの株価上昇は、日本の金融危機を売った反動なのだろうね。基本的に…。だから再生銘柄がスター株になったんだね。産業再生機構などが象徴的な出来事だったね。しかし2006年に日銀は量的緩和の処置をやめ、地検がライブドアの入った。 僕は甘かったね。この動きをもう少し真剣に、深く考えるべきだったよ。明らかに構造改革路線に対する揺り戻しの動きだね。

昔、尊皇攘夷の時代に開国派と攘夷派が大きく割れたね。夷敵を討てと最初の声は大きかったけれど、次第に開国派に世論は流れて行き、遂には300年続いた徳川体制が終るんだね。同じことが、今、起こっていると思うよ。夷敵派だって開国論の意味を、充分理解しているが慣れ親しんだ体制を、そう簡単に転換できるもんじゃない。つまり揺り戻しが2006年にあったんだよ。しかし、ここに来て株が下がると、どうかな? やはり構造改革が…と思い始めていると思うよ。国民もガソリン税の行方を見て、一般会計と特別会計の違いがだんだん理解できてきたと思うよ。

後期高齢者医療制度が実施され、どんどん自己負担率が上がるんだね。僕が散々言ってきたね。時間がないと…。日本には構造改革を急がないと時間がないと…株価低迷をサブプライム問題の責任にしているが本当は違うね。Jパワー問題も含め論争になり、日本は二番底を打ったイメージが広がっているね。 直ぐに株価が上がるわけじゃないが、今度は本物の動きになると思うよ。

時代や:本物の動きって?

かたる:上がった株は下がらない。右肩上がりの株価展開だよ。おそらく今後、数年間は超強気相場の幕が開いたんじゃないのかな? 

トロ:馬鹿らしい。本当にそう思っているの?

かたる:可能性があると思っているよ。

トロ:なら、お前の相場観は間違っているね。みずほの上値は上がっても60万程度で、銀行株は基本的に横這いだと言ったばかりじゃないか。

かたる:僕は6ヶ月から1年程度の下値持ち合いをイメージしているんだけれど…。何故なら、やはり時代の変化を実感するには、政権の交代などを含めた大きな動きが必要ではないか?とも考えているんだね。この辺の判断は難しいね。でももう大丈夫だと思うね。世界経済もサブプライム問題のおかげで、金融のグローバル化が確立されたように感じるね。

時代や:どうも分からないな。どうしてそう思うの?

かたる:だって…昔の相場は日本株だけを考えていればよかったけれど、Jパワーもそうだけれど、スティールもそうだね。誰が考えても日本独自のやり方が通用しなくなっているよ。株屋が外人動向や外国の経済の動きを気にしているんだね。日本の新聞よりアメリカ経済の動きなどを気にするようになっているね。例えば三菱商事の業績向上の源の「原料炭」の話しなどの読みは、中国の動きなどを見ないと分からないね。新日鐵が何故、3倍もの高値で成約させられたか? この背景を考える時に、中国などの動きは非常に重要だね。

話は飛んだけれど、グローバル化への新しい道が、株式市場の主要テーマになるんだろうね。このテーマの中で新興株、つまり新しい技術革新によって起こった産業が大きく飛躍するというデッサンを、僕は描いているんだね。このことは昨年のビスタニュースの「時代の背景」とあわせて読んでもらうと、よく理解できると思うよ。この時代の流れを理解できないと相場で儲けられないのだろうね。

トロ:偉そうに…損をしているくせに。

かたる:うん。時代が見えなかったんだね。…と言うより巻き返しが、ここまで強烈だとは思わなかった。仕方ない。また一からやり直し…。

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2008年04月21日

4月21日

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かたる:NY市場は信用リスク懸念の後退やグーグル、キャタピラーなどの好決算に支えられ大幅高しましたね。下のチャートを見るとサブプライム問題が一応、峠を越えたように感じます。キャタピラーの決算ではアジア・太平洋地域の建機販売が35%も伸びたそうです。これを受け日本でもコマツや日立建機が高かったですね。先物からの買いが広範囲に入り全体の値戻しが進んでいる印象です。

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トロ:安心していると危ないよ。本当に峠を越えたかどうか? まだ分からないよ。

時代や:えっ? まだ危ない可能性があるの?

トロ:LIBORが高止まりしているのさ。つまり資金繰りを疑っている連中が大勢いると言う事だよ。仮に本当に峠を越えたなら、この金利は下がる筈だよ。

時代や:LIBORって?

トロ:ロンドン銀行間市場金利の事さ。

神主さん:確かにそうだね。…と言う事は第二幕があると思っているのかね?

かたる:週刊誌にも色んな話が載っているね。日本人は好きだね。悲観論を探して、なんやかんや…と言う事が。確かに株価はある程度戻り、此処からの物色判断に迷う事だろうね。大きく株価が下がった好業績のBRICs関連を取り上げるか? 景気回復を見込んで電機を追うか? あるいは外部環境に左右されない新興企業の株を買うか? 色んな選択肢が考えられる局面だね。

トロ:お前には…常に株が上がると思っているね。株が下がるという選択もあるんだよ。みずほなどは、結構、戻ったよ。サブプライム問題の損失を一番被り多額の損失を計上し、今度は2003年の金融危機時に増資した1兆円の整理が始まるよ。ヘッジファンドは優先株を元に、空売り攻勢をかけるという読みもあるね。

かたる:日経が恣意的な書き方をするので、面白おかしくマスコミがその節を採用しているがどうかな? 確かに1兆円は大きな金額だけれど、時間をかけて会社側は自社株買いなどで償却すると言っているんだね。売り物があるから買い向かう勢力もあることを忘れちゃならないよ。

トロ:そんなお金を誰がこの段階で投じるの?

かたる:みずほのグループ力を馬鹿にしちゃ駄目だね。1兆円程度の株式ならどうにでもなるよ。あの金融危機時に1兆円増資を実施したんだからね。同じ連中に再び市場から買い取ってもらう事も出来るよ。日本と言うのはそんな国なのだろうね。しかし純粋に投資を実施してもおかしくないタイミングだね。正直に言えば、金融庁の過剰な民間指導体制が銀行の収益の足を引っ張っていると思うよ。自由な経営をさせるべきなのに、何かと縛りを入れるからね。本当に彼らは邪魔な存在だと思うよ。

日本の良い所は、政官民の一体攻勢が高度成長時には有効に働いてきたけれど、ここ十数年の失われた時代を見ていると、この体制が邪魔な存在になってきたように思うよ。何故かな? おそらく時代の認識が行政側に足りないのだろうね。既に大きな会社になったのだから、グローバルな側面支援だけにすべきなのに、自分たちがまだ日本を主導していると言う誤った考えかを官がしているから、日本のGDPの伸びが悪いのだろうね。

時代が革新的に進歩しているのに日本の法律などがシステム不全に陥っているんだね。時代に追随も出来ていない。日教組のようなものだろう。最近はどうか分からないが、数年前に子供が携帯電話を学校に持って行ったら取り上げられたよ。あの時に親が学校に呼ばれ注意を受けたが、僕は公衆電話がなくなり社会が変わっていることを指摘し安全上も携帯電話は必要だと述べたが、教師は学校の規則を規則にしていたね。このような時代を考えない法律がたくさんあるんだろうね。

でも僕は最近の新聞報道を見ていると、日本企業がようやくグローバル展開を始めたように感じるよ。まぁ、一例を挙げれば新日鉄がブラジルに高炉を建設する事実だろうね。新日鉄と言う会社を見ていると、あぁ、日本と言う国はこう言う国なんだと思うね。株式持合いをしたり、在庫が減り慌てて高値での原料炭の値上げを飲んだり、製品への価格転換もそうだし、あの会社はまさに日本と言う国を象徴している会社だね。三村さんはやはり一般的な日本的人なのだろう。僕は株式持合いなどせずに、そのお金で自社株買いをして、グローバル展開をやるべきだよね。日本人が世界から見て異質な存在だと考えるべきだよ。

神主さん:そうかな? サブプライム問題はグローバル金融のつまづきだよね。リスクを軽減させる為に新しい金融技術に頼りすぎた。充分な流動性を確保する金融市場がないのに、自分達の論理を発展させ自分たちで勝手につまづいた一例だと思うよ。グローバル基準だって間違っている事があるよ。何でもそう決め付けるは…かたる君らしいが、先走ってない?

かたる:まぁ、良いよ。新日鉄の姿を見て、僕は新しい時代の幕が明けたと思っているよ。ファーストリテイリングもブリヂストンも…みんな遅れていた企業も他社を真似て走り出してきたイメージを持っているね。

トロ:何が言いたいの?

かたる:グローバル化さ。日本企業はグローバル化に目覚めたんだよ。建設機械の戦略の流れを見ているとそう感じるね。新明和みたいな小さな会社が重慶に工場を建てたり、近畿車輛などは海外の受注が非常に多いね。日本の車輌メーカーは優秀だからね。日本車輌などの新幹線の技術は旅客機と同じ技術を用いていると言うからね。歯車がようやく回りだすんだね。銀行もこの山を越えると負の遺産の整理が終わり、グローバル展開を加速させる事ができるね。新興企業もグローバル展開さ。だから株は新しいステージに入るんだね。今日は此処までだね。おいおい、何故、日本株が新しいステージに入るのか? みんなに分かるように色んな事例を出して説明する機会があるよ。多くの人は高値を買うことに躊躇していると思うが、実際はまだ株価は下値なんだね。


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2008年04月18日

4月18日

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かたる:NY市場は堅調な展開なのでしょう。ここに来て金融機関の業績発表が行われていますが大きな混乱はありません。意外に強いと思われるのは消費ですかね? まぁ、金融機関の損失は、これから時間を置いて実体経済に跳ね返るので当たり前と言えば当たり前なのですが…その金融機関を助ける為に米国連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェース、シティ・モーゲージ、ワシントン・ミューチュアルの4社から、年内に総額100億―150億ドル分の住宅ローンを買い取るのだそうです。民間企業の援護射撃を政府はしているわけです。景気の実感を、金利動向から感じてください。下のグラフは10年物の米国債の金利推移です。

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メリルのセインCEOは先行きの収益改善を示唆したそうで、株価は46.71ドルとなり4.1%も上がったそうです。メリルのサブプライム関連の損失は66億ドルだとか…1-3月期は19億6200万ドルの赤字です。グーグルの決算数字は良かったですね。1-3月期は前年同期比で42%増の51億8600万ドルの売上だそうです。純利益は3割増の13億700万ドルだそうです。素晴らしいね。海外の売上が好調だとか…

この海外への取り組みが日本でも始まっています。日刊工業新聞によれば、ブリヂストンは2012年までに中国市場の店舗を750店舗から1700店舗に拡大するとか…最近の高株価企業は、全て海外の売上を伸ばしていますね。最近、株価が元気になってきたファースト・リテイリングもそうですね。中国戦略を加速させています。しかし肝心の上海総合株は下落傾向が続いています。出来高の推移からみると、ずいぶん株価は下がりましたがまだ底入れの兆候は見られません。今日はペトロチャイナの株価が公募価格の16.70元を割り込んだそうです。アリババもそうですね。

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一方、ここに来て日本株は外国投資家の売りが収まり、需給面から株価が元気になってきました。まぁ、この水準ですから株を売る人がいないのでしょう。みずほの動きなどを見ると強いですね。今日も買いが続いています。日経新聞の解説では、三菱UFJ売りのみずほ買いの銘柄間裁定取引の解消と言われていますが、私は違うと思っています。明らかにポジションの解消ではなく、純粋な買い投資なのでしょう。私の推測はグループ企業の株式買いだと思っていますが…。推測は兎も角、ここに来て大林組の減益予想後、新日鐵、トヨタと…、業績悪の発表後、株価は上がっていますね。

時代や:悪材料が出尽くしと言うことなのかね?

かたる:まぁ、株価水準が安いからね。300円を割った単純平均株価は、今、330円だね。2003年の3月17日に308.97の安値を付けて反発したのだけれど、今回も同じ日の3月17日に297.52を付けているんだね。3月17日は鬼門かね。

神主さん:ここに来ての株高は単に株価が安くなったから、その反動だと言いたいの?

かたる:過度にサブプライム問題を恐れ、理由もなく株価を下げたからね。当然、株価が戻るのが当たり前だね。何しろ外人投資家の売りが一巡したわけだから…

トロ:どうかな? 一巡したかどうか…まだ分からないよ。LIBORのドル建て3ヶ月ものが0.08375%上がり2.81750%に上昇したとか…。この水準はBNPバリバ傘下のファンドが資金を凍結した日だね。今また、金利が上昇しているのは、危ない金融システム不安の反映じゃないのかな? かたるは既に、峠を越えたみたいに、この問題を話しているが分からないよ。

かたる:金融株の動きが全ても物語っているよ。36万円まで叩かれた「みずほ」は47万まで戻っているわけだから…30%も株価が上昇しているんだね。今日は世界景気のバロメーターの海運株も株価が戻っていたね。市場には色んな見方があるが、株価が底上げになり投資家は元気を取り戻しつつあるね。

時代や:かたるは新興株しかないような言い方だけれど、新興株って、そんなに株価が上がっているの? みんな、まだ下値じゃないの。

かたる:総体的にはそうだね。何しろ2年以上下げ続けているからね。一方、BRICsの関連の雄である三菱商事は上がり続け、昨年の7月、10月に高値を付けているんだね。この銘柄は新高値を付ける可能性が高い銘柄の一つだけれど…、既にかなり長い時間、株価が上がっているから相場が疲れているよね。ところが新興株の一つのレンタルサーバー大手のGMOは急激な値下がりから、急速な株価回復過程を描いているよ。ほら株価も2倍から3倍へ。

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残念な話だけれど、僕はこの株を昨年安いと思い、800円から買い下がっていたんだね。しかし、あまり下がるので途中で買いをやめたけれど、ようやく株価が下値の買い値を上回ってきたよ。800円から200円へそうして今は700円だよ。このような事例を見ると、やはり株価の最大の好材料は、株価が安くなることなんだね。このように安くなった株を買わないで、嘆いている人が大勢いるわけだね。

トロ:そうさせたのは、下手な銘柄を薦めたお前の責任だろ。くだらないボロ株ばかり注目して…

時代や:本当だよ。だいたい普通の下げ方じゃないものね。1/2なんか良い方なんだよ。いくらハイリスク・ハイリターン狙いとはいえ行き過ぎているよ。

かたる:言い訳はしないよ。まぁ、出来ない立場かな?
でも僕は、それぞれ魅力のある会社だと思っているよ。だから時期が来れば、再び取り組むよ。余裕のある人は株を安値で買っておくべきだね。さて今日はこの辺で…。明日の株式教室では新興株の一翼を担っている楽天の株価の争点に付いて考えてみようかな? 良かったね。週末の株価が高くて…豊かな気持ちで週末を過せるからね。

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2008年04月17日

4月17日

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かたる:今日は遅くなったので簡単にします。
相場の焦点はサブプライム問題から景気動向に移っているようです。IBMの決算・見通しとも悪くなく予想を上回りました。昨日のインテルもそうですね。JPモルガンも減益ですが予想よりは良かったのですね。ただメリルは60-80億ドルの追加損失で増資が必要だと報道されていたようです。

今日の日経新聞にはコマツの地域別のセグメントが載っていましたね。この記事はデカップリングの可能性を指摘したものですね。株価も全体相場に助けられ高かったですね。久しぶりにザラバ中に日立建機の株価の方が高くなっていました。(引けはやはりコマツですが…)すこし市場に流動性が増してきたのでしょう。日経ヴェリタスの記事で、みずほの転換売りを警戒する報道がされたのが日曜日です。しかし皮肉なもので、株価は月曜日から一番人気で続伸しています。

三菱商事、楽天は市場に先駆けて上がっていたので休息を入れており、いい感じです。今日は楽天に仕掛け売りらしい動きがありましたが、あの程度の売り物で崩れなくなって来ましたね。株価の腰が強くなっている印象です。手代わりをする筋が参入していれば、一段高が相場が期待できるのですが、どうでしょうか?

私は既に全体の株価は底入れし、上がり始めていると思っていますが、政策動向を見るとそう強気になれません。やはり下値でのボックス相場をしばらく強いられるのではないかと考えています。民間企業は既に日本政府をあてにしておらず、行政が民間活動の邪魔をしなければ良いと言うスタイルなのでしょう。もう少し労働者に対する利益配分率が増えても良さそうですが、法人税との兼ね合いもあるのでしょう。富の配分は官から民へが望ましいのです。

みずほは一番人気ですが上値は大きくないでしょう。しかし確実に売り物を消化しており少なくとも下降相場は完全に払拭したイメージです。本来、このまましばらく上がり続けるのが理想なのですが、難しいと考えています。50円万前後に株価を落ち着かせれば、優先株の転換株数が減りますからね。将来の自社株買いの負担が減るから、株価が高くなるのが当たり前だと思っていたのですが、日経ヴェリスタの記者の影響は大きいのですね。何であんな恣意的な表現を用いたのか…不思議です。

総花的な相場展開は儲からないものです。再び先物の売りが出れば下がるわけです。次の焦点は米国の景気の悪化度合いを占う展開ですが、この判断はもう少し先になります。利下げ効果を何処で確認できるかですから…市場の下げはきつく、確認しないとなかなか上値を買う勢力が登場するかどうか…だから私は大きな資金が必要でない新興株の相場だと考えているのです。それでは今日はこの辺でお休みなさい。

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2008年04月16日

4月16日

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かたる:NY市場はNY連銀景気指数が0.63となり、前月のマイナス22.23より大幅に改善し自律反発したと言います。引け後に発表されたインテルの決算は、マズマズの数字。これを好感に台湾の半導体各社の株が上がっているとか…。日本でもエルピーダの株価は150円高の3710円と高くなり、SUMCOも185円高の2355円と高かったようです。市場の一番人気は「みずほ」で5日連続の陽線を…、そうして4日間の連続高と株価波動の方向性の変化を示している様子ですね。当然でしょうが、業績の悪かった大林組も株価は高く、これ以上、下値を叩けないのかな? と思わせる相場内容でした。

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時代や:じゃ、相場は上昇波動に移ったと言うことなのかな?

かたる:そうだね。その傾向にあるのだろうが…。早くも市場を引っ張ってきた三菱商事や楽天は休んでいたね。確かに損はしないが儲けは微々たるもので…、相場には勢いがないね。上がった株は一段高をすることが少なく、余程、株価が安い時に買わないと利益が出にくい相場だね。まぁ、市場の出来高が物語っているけれど。

トロ:メリルリンチがサブプライム問題で、更なる追加の損失計上をするんだってね。1-3月期は60-80億ドルの金額らしいよ。サブプライム問題は時間の経過と共に、傷が深くなるばかりのようだよ。次にもう一段の被害が広がると…相場は大丈夫かな?

かたる:心配性だね。相場の世界は「知ったら終い」と言う表現があるからね。今度は5月頃から住宅に関する指標が上向きを呈するようになるんじゃないのかな?

トロ:いいや、違うよ。金融がこれだけ被害を受けたので、簡単に実体経済が立ち上がるとは思えないよ。必ず融資姿勢が厳しくなり、実体経済が落ち込むのは必死だよ。欧州だって、これから景気の後退局面が始まるんだよ。物価は上がるし…

かたる:その物価なんだけれど…僕にはやはり理解し辛いね。原油価格も石炭も鉄鉱石も主要な原材料は上がり続けているよ。市場経済だから需要と供給のバランスで価格が決まるわけだけれど…日本でも建築コストが大幅に上がるよ。10%は当たり前で20%ぐらい上がるんじゃないのかな? 既にマンションは売れなくなっているのに…一体、誰が高値で購入するのかな?

日本のGDPは世界22位で35650ドルはあるんだよ。中国は103位で2797ドルだよ。どうして中国に世界中の資源を買い漁る力があるのかな? 人口が多いから買えるのだろうが…、最終的に帳尻が合わなくなる筈だよね。国家負担をするにしても限度があるよ。インドは1089ドルだね。インフラ整備にも限度があるはずで、当然、整備が悪い社会基盤を利用して、経済規模を更に拡大できるものなのかな? この謎が、これからの相場観を形成する上で大切なんだね。

時代や:一体、何が言いたいの?

かたる:昨日の続きだよ。今日は…。コマツの株価が2690円、日立建機は2655円と差が縮まってきたね。つまりこの考えは3月8日の株式教室に流動性のテーマで書いているね。市場はようやく暖まってきたのだろうが…、同時に竹内製作所の今期決算は47%と言う大幅な営業減益を予想として打ち出していたね。建設機械は鉄の塊のような構造だから、鋼材費の値上がりは大きく響くのだろう。まぁ、竹内は大手と違い新興市場への取り組みが遅れているから減益幅が大きいのだろうが…それにしても47%だから。

今週はキャタピラーも決算を発表するね。おそらくコマツも日立建機も、今期の営業利益は減益予想なのだろう。ここまでは誰でも簡単に想像できるね。僕は市況関連銘柄と違いBRICs銘柄の中でも、業績が安定していると思っていたのだが…鉄鋼に続き建機まで駄目だということは、今、人気の資源高を謳歌する商社も、相場が短命だと考えているんだね。だから商事の目先は有望で、株価が上がる可能性は高いが、期間限定の商品のような存在に見えるんだね。丁度、ロッテのラミーチョコレートみたいに…

トロ:好業績が確定している銘柄が短命だと言えるの? 建機と資源価格と、どうして結び付くの? 飛躍しているよ。その考えは…。竹内は小型建機だよ。しかも会社が小さいからアメリカや欧州だけが主流でしょ。コマツはロシアなど資源開発国にも強く、これらの国は、まだまだ潤っているんだよ。やはりお前の期間限定商品の考え方はおかしいよ。

かたる:そうかな? 商社は明らかに商事が引っ張っているんだね。原料炭の利益割合が大きく変化率の激変が見込まれるから、多くのアナリストが目標株価を4000円台に設定しているね。中には馬鹿みたいな株価を言う奴もいるが…。しかし石炭の値上げを主導した中国は、物価高の中で成長を維持できるのかね? …と考えると、いくら石炭が欲しいと思っても、ない袖はふれないよ。スポット価格は高止まりするかもしれないが、株価は常に上を欲する生き物だから…変化率が鈍っただけで株価は売られるんだよ。故に4月30日後の株価は恐いから期間限定さ。

トロ:どうかな? 原油価格に見られるように、お前は高すぎると言い続けているけれど、今も新高値を更新しているのだからね。資源に対する需要は減ることはないよ。商事の戦略は利益が増えるような構造になっているよ。別に石炭だけじゃないよ。

かたる:まぁ、意見が割れるところだね。僕は流れの変化を頭に入れるべきだと思うね。インテルの決算見通しは一つのヒントだね。

時代や:どういう事なの? 相場の流れに変化がまた生まれるの?

かたる:まぁ、良いよ。また早すぎると言われるから…。証券マンはあらゆる事態を常に考えているからね。今日の日経新聞は名言だったね。「アリバイ行政」だって…。しかし日経新聞も、あの程度しか書いてないね。僕が記者なら実際に取材をするね。政策担当官の実名入りで…誰があの法令を作ったのか。おそらく課長級なのだろうが…容認した局長名を実際に入れて、法律が施行され困っている現場の不満と、政策担当者のコメントを載せないと…意味のない記事だね。

そこまで編集長が許すかどうか分からないけれど…。まぁ、駄目なんだろうね。マスコミも体制派側だから…マスコミが変化しなければ世の中も変わらない。みんなが内心思っているのに、誰も行動を起こさない。困った国だね。株が下がるのは、明らかに政策不況なんだね。ずっとそうだよ。日曜日に「もっと自由を…」と言うタイトルで、コラムを書いたけれど、何もかもこの国は、役人様が決めるんだね。国民の僕らも役人に頼ることをやめれば良いんだね。まぁ、株が上がらない愚痴は、兎も角…、当分は底値のボックス相場なのだろう。


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2008年04月15日

4月15日

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かたる:ワコビアの増資の材料より業績の方が影響し株価は安くなったそうです。更に驚いた事にベアスターンズの12月―2月期の決算数字は0.86ドルで黒字だったそうですね。つまり噂により清算を強いられたわけですね。この話しを聞き、私は、サブプライム問題は行き過ぎた反応をしている表れだと感じました。一方、中国です。ご存知のように株は急落しています。しかし3000ポイントラインでは、仮に大台の株価を多少割ったとしても止まると思いますが…どうでしょうか? 何しろ引き締め政策の経験が少ない政策当局ですからね。まぁ日本よりは市場原理を知っている国のようですから大丈夫だと思いますが、此方がハッキリするのは秋以降でしょう。

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時代や:そういえば、かたるは昨年からずっと「春から夏」と言う季節に拘っていたね。どうしてなの?

かたる:相場が上がり始めるとしたら、アメリカの金融政策の効果が見えないと駄目だね。その効果は通常6ヶ月から1年程度、掛かるといわれているね。1月に大きな利下げを始めたので、この効果が出てくるのは7月になるね。更にサブプライム問題の峠は、前からこの1-3月期と言われていたから、その峠が越えたわけだよ。何とか金融機関の毀損した資本の増資が終わり、新たに変化がなければ業績発表が終わり、次の発表の7月がターニングポイントになる可能性があるからだよ。この変化を相場が読み込まないはずがない。だから早ければ、春には相場は上がり始めると最短距離を考えていたわけだね。

時代や:何か、人気株の「みずほ」が確りしてきたので…、相場全体はあまり高くないが、みんなが儲かり始めたように感じる。主要の銘柄は意外と株価が確りしているよ。

かたる:今回のやられは二段下げのパターンだからお客様の損失が大きく、多くの投資家が市場から離れたのだろうね。しかし本当はこういう時が儲かるのに…。まだまだ、相場は、はじめチョロチョロ段階なので、稼いだと実感できるほど儲けられないが、今までは買っても下がる損ばかりの相場ツキだったけれど、明らかに変化が出てきたね。

トロ:サブプライム問題を甘く考えないほうが良いよ。何か事件が起これば自己資本の少ない銀行は、再び危機に陥る可能性があるよ。日本もそうだったよね。住専の時に公的資金を入れていれば小さな損失で終っただろうに…。あの時は、逆に傷口を広げた政策を実行したのだから、こんなにながい「失われた時代」を経験したわけだ。

かたる:アメリカは市場主義の国だからね。大丈夫だろう。日本のように共産党的な考え方をする人は少ないから…日本は資本主義とは名ばかりの…何かをしようとすれば、資格だの、申請だのとやたらに許認可を必要とする国だからね。国民を管理したがる国だよ。本来、考えると言う人間が持つ能力を認めない国だからね。

神主さん:皮肉な言い方だね。しかし、的を得ているかもしれない。国民も管理されたがっている。自分で自分の行動を決められない人間が多いからね。

かたる:うん。何故、振込み詐欺のような簡単な事件に引っ掛かる人間が、こうもいるのかな?不思議だよね。まぁ、日本の政策を批判しても無駄だから…日本には真剣に考えるトップがいなくなったからね。僕はいつもPBR1倍を割れている株価を見ると、経営者落第のはんこが押されているように感じるよ。与えられた経営資源を有効に活用して利益をあげてない落第経営者だね。

しかし、その状況を改善する仕組みが日本には存在しないんだね。通産省が管理するJパワー問題をみると、何が国家の安全だと思うよ。建前ばかりで本当に国民の財産と命を守る政策を実施しているなら「失われた時代」などとのレッテルを貼られないよ。本来の市場経済は落第の経営者を変更する力が市場にあるのに…新日鐵のように株式の持ち合いをするのだから…

時代や:わかった、分かった。耳にタコが…ホラこんなに大きいよ。相場は資源関連が主役なのかね? 商社を中心に…

かたる:僕は違うと思うよ。商事を僕も買っているが期間限定商品だよ。想像してごらんよ。大幅な増額した今期予想を出した後の市場を…昨日は竹内製作の決算が発表されていたね。この決算数字は新日鐵に続く意味があるのだろう。僕はそう考えているよ。

トロ:偉そうに…ハズレ屋が。それで、その意味って…なんなのさ。

かたる:今日は時間がないから自分で考えれば良いよ。日経新聞が2桁減益を報じた鉄鋼株は今日は高かったね。しかし…主役は。。。

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2008年04月14日

4月14日

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かたる:GEの1-3月期の一株利益は0.44ドルと市場予測の0.51ドルを下回り予想も下方修正したという。これを受けNY市場は大幅安、ウォルマートの増額修正も露と消え再び業績に対する警戒感を強めていると言います。今週はインテルを初めJPモルガン、シティーと有力企業の決算発表が行われ今月一杯続きます。

G7は終わり失望感が漂う報道になっていますが、アメリカの金融機関は自前で資金調達しており自己資本比率に問題はないと思っています。しかし同時に時価会計制度の問題が前FRB議長のグリーンスパンからも話題が提供されており、この問題の賛否が話題になっている様子です。当然、この問題は意見が大きく割れており、サブプイライム問題が完全に終結しているか、実態把握に時間が掛かるということなのでしょう。

しかし市場の焦点は既に金融機関の損失や増資の話よりGEの業績のように話題が変化している様子に注目すべきでしょうね。ワコビアの資本増強の話よりGEの業績に目を奪われている意味が分かりますかね?

時代や:折角、先週末は日本株も上がったのに、また下げちゃったね。

かたる:僕は自分のかみさんの反応で驚くのは、株を知らない素人は、日経平均株価の上下で相場が強いとか弱いとか判断をするんだね。「今日は下がっちゃったね。」…とか、彼女は話題にするんだよね。しかし下げた割に今日の相場の中身を見れば、明らかに様相は変わっているよね。かなり株価は強くなってきたな。…と考えるのは、僕だけなのかな?

神主さん:どういう点で…

かたる:そうだね。話題にしている三菱商事にしようか。この会社の株価の寄り付きは3450円だったよ。金曜日の買い気配スタートと同じ水準だね。更に驚いた事に、この下げ相場の最中に、一時、プラス展開の動きをしていたね。もう一方で注目されている楽天は、昨日より高い水準で取引を終了しているね。更に、みずほだよ。此方は下降波動が終ったか確認は出来ていないが、横這いの…、あるいは上昇波動に移る準備段階をしているように僕には見えるね。この下げでも株価は下げてないので、きっと誰かが買っているのだろう。転換価格がこれから決定されるので、意識してグループ企業で株を買っているかもしれないね。

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時代や:じゃ、銀行株は上がると思っているの?

かたる:さぁ~、そんな事は誰にも分からないが、僕は横這い波動か上昇波動に移行しているように感じるよ。しかし明確な根拠がないと駄目なんだね。どうもコンプライアンスの規定では、相場妙味なんて言葉じゃ、合理的な価値観とは言いがたいからお客様に株を薦める事ができない事になっている。これから優先株の転換売りにより、発行株式総数が増えるのでIRに隣の浜ちゃんが聞いたら、自社株買いで対応すると話していたらしいが買うのは時間をかけてだろうからね。

神主さん:市場の人気は、短期の需給銘柄に向かっているようだね。今日は鈴丹が値上がり第一位だよ。

かたる:懐かしい銘柄だね。仕手株だったんだね。昔…。仕手株を昔は街の金融屋さんが担保に取っており、その焦げ付いた玉(株)を核として、その後も何度か派手な動きをすることがあるね。鈴丹もそんな一銘柄なのかもしれない。こんな考え方が古いかな? 僕には株価が動く背景も分からないし別に知りたいとも思わない。だいたい、こんな価値のない動きが市場に必要なのかどうか…。もっと、日本の投資家も値動きだけでなく、株が上がってくる争点を理解して、相場に参加したほうが面白いし楽しいね。投資と言う行動が日本の未来にも貢献すると思わないのかな?

トロ:お前は…やはり馬鹿だね。基本的に投資家は儲けたいから、株をやるわけだよ。ボランティアで株をしているわけじゃないよ。

かたる:確かにそうだよ。しかし時代の背景とか、業績を背景にした投資の行為が、結果として株価を高くし、その企業が市場から資金調達がしやすくなり、結果、増資で得た資金が企業を育てて日本のGDPを増やしているんだね。僕も知らない時代だけれど、昔、ソニーが東通工と呼ばれていた時代に仕手株として動いていた時期があったんだね。当時のソニーいや東通工の工場は、町工場のような小さな存在で、こんな会社が世界をリードする会社になるなんて、誰も思わなかったんだね。その会社が、今では日本を代表する会社に育っているよ。

分かるかな? 僕はそのような会社の仕手化した動きは賛成だけれど、業績の伸びも感じられない、業績に関する争点もない意味のない需給だけの相場は虚しいと思うんだね。三菱商事にも、楽天にも、相場の争点は感じられるね。だから仕手化するのは明確な争点があるから賛成だけれど、鈴丹じゃ…投資家として哀しいよ。

時代や:なんで単なる需給の相場と決め付けるの。お前が勝手に考えている、お前の尺度じゃないの。相場が活躍しているから妬みなの。それこそおかしいよ。

かたる:まぁ、何れ分かるよ。ただユニーが親会社になったんだね。知らなかった…。と言うことは単なる需給だけでない可能性もあるのかな? しかし今の環境で、この株価では、やはり僕は買わないね。まぁ、どうでも良いが…。今の関心はアメリカ株の動向、中国株の動向、インフレの行方、日本株の動きかな?

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トロ:いったい、何を言いたいの? サッパリ分からないよ。

かたる:僕はヒントのポイントを述べているだけだよ。詳しく解説している時間はないね。この辺で今日はお終いだよ。商事に、楽天に、みずほか…どう動くのかね。鈴丹を批判しているが、相場の変わり目に敏感に反応するのが仕手株だからね。やはり僕は相場が潮目を迎えていると思うね。まもなく上海総合株も横這いの動きになるだろうね。かなり下がったからね。インフレを鎮圧する為には、元を切り上げることも重要だね。6元台に突入している通貨も意味のある動向だね。それではお休みなさい。今日はサーバーの具合は悪かったようで見れなかった人にはご迷惑をお掛けしました。ごめんなさいね。

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2008年04月11日

4月11日

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かたる:今日はこれから出掛けるので、時間がありませんから簡単にします。来週から本格化するアメリカの銀行の決算に、脅えているような市場の動きも見られましたが、先物から買いが入り日本株は一段高していましたね。アメリカではウォルマートが2-4月期の予想を上方修正しています。従来の一株利益予想を0.70-0.74から0.74-0.76へ、この意味は非常に大きいと思っています。一方、VIX指数も峠を越えたように感じられますね。サブプライム問題は峠を完全に越したのでしょう。

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私は前から春から夏と言う表現を用いていました。この時期になると利下げ効果が早いものでは現れ始めると思っているのです。ただ景気後退は仕方ないのでしょう。その落ち込みが浅ければ良いのですが、予想以上の金融機関のヤラレなので実体経済にどの程度、影響が出るものやら…。情けない話しですが、外国の金融機関の影響で日本の不動産市況は上がってきたのですね。そのリスク資産が減った為に、採算ランインを上回っているにも拘らず、日本の金融機関は融資をしないのですね。金融庁の指導だと言われています。景気後退の原因の一つです。

Jパワー問題で太田経済財政担当大臣と渡辺金融行政担当相が説明責任を述べていましたが、官僚天国の日本では政治家より官僚の方が力はあります。Jパワーの役員構成がどうなっているか調べてないので分かりませんが、羽田の日本空港ビルディングには、国土交通省のOBが代表取締役副社長に一人だけいるそうです。成田は3人のOBが天下り、関西国際空港でも3人が…中部に至っては5人の人間が、役員を務めているそうです。想像するに外資が入り効率化を迫られると都合が悪いのでしょう。

サッポロビールの問題も似たような性質があります。恵比寿にビール館など必要なのでしょうか? 銀座にもビルを持っているとか…。本業に関係ない資産を抱えているからROEが伸びないのでしょう。真剣に経営してないからPBR1倍割れの株価水準がゴロゴロしているのでしょう。TOBが掛からないと思っているのです。日立などいい例です。日本を変えるためには、効率的な考え方をする経営者が、多く市場参入すべきなのでしょう。効率化されれば、当然ユトリがなくなり良いことばかりではありませんが、少なくともGDPの伸び率が低い日本には必要なことでしょう。

さて相場は…今日は総花的で焦点がボケていました。折角、商事が新高値を更新してきたのに…楽天もなかなかの動きでしたが市場参加者が少ない様子です。楽天は日計り組みの参入が目立っていますね。たぶん昨日の5000株買いは実需買いだと思いますが、たかだか3億円です。次第にボリュームが増してくると思いますが、リスクを取る人が少ないのでしょう。ファーストリテイリングの動きなどを見ていると、やはり日本より海外への取り組みに期待しているのでしょうね。日本は規制が多いのでしょう。故に自由な活動が阻害される。むしろ海外の方が積極的ですからね。

今日の動きで面白かったのは「みずほ」ですね。日経新聞に大きく「3回目の下方修正」と載っていましたが、株価は逆に2万円高の407千円でした。悪材料出つくしの上げですね。代わって面白かったのは武田製薬の反応です。米国の「ミレニアム・フォーマシューティカルズ」と言うバイオベンチャー買収するとか…市場の反応は110円安の5300円でした。僕は株屋なので前向きな評価だったのですが市場はマイナスと反応したようです。むかしJTがイギリスのギャラハーを買収した時もJT株は大きく下がりましたが、今、考えれば正解だったですね。板ガラスもイギリスのピルキントン社を買ったときも、似たような反応でした。武田の今後はどうなるのでしょう。興味がありますね。

このように株価は強弱観が対立し、株価が形成されています。ところが鈴丹などの大幅乖離銘柄の強弱観の焦点が分かりません。単なる需給相場に過ぎないのです。こんな銘柄を売り買いするなんて…あまり意味がないと思います。博打に手を染めているだけですね。自分の行動に価値が生まれません。楽天は業績の捉え方に強弱観が対立しています。ネット株にしては、低い売上高利益率でPER20倍程度が妥当だという意見もありますが、一方では、一貫して楽天と言うネットブランドを上げる行動をしているので、証券にしてもクレジットにしても、ネットと融合する分野だという見方ができます。ここに来て海外への展開も積極化させており新しいステージに入っているという見方ですね。だからPER50倍の評価があってもいいのでは…と言う考え方も成り立つわけです。ここに強弱観の火種があります。

一方、一般株の三菱商事は大幅な増額修正が確定しています。原料炭のシェアが高く、その原料炭の価格が3倍になったので、当然一株利益がかなりの伸び率を示します。だから株価は上場来の新高値を追っていくという発想です。明確な利益の根拠が存在します。しかし、その一方では利益の根拠は市況ものだから、信頼性が薄い。更に商事はコア銘柄として長く君臨していますから、売る人は大勢いますが買う種族はあまり多くないということですね。ここで強弱観が対立するわけです。

このように株価の背景には色んな味方があるわけですね。自分なりに買っている銘柄の買い根拠を調べてみると良いですね。そうして必ず逆の見方をして売る根拠もみることです。多くの人が株価の値動きだけで一喜一憂しています。だから株価が下がると売りたくなるのです。逆に株価が上がると買いたくなるのですね。株価が動く背景には色んな条件があるのですね。今日はこの辺で…

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2008年04月10日

4月10日

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かたる:今日は遅いので簡単に…
相場のポイントは色んな切り口がありますが、市場をリードする銘柄の動きを注目していると良いと思います。現在の相場のように主体の流れがなく浮き草のような展開の時は、物色動向を探るのは非常に難しいですね。それぞれに短所がありベストではないのでしょう。故になかなか市場に明確な流れが生まれないのでしょうね。私は予てから新興株の相場だと思っていますから、その関連銘柄を中心に売り買いをしていますが、残念ながら、スター株になる為には、ここから更に一段高する必要があります。しかし関連銘柄は業績推移から見ると、大きく上値を取るとは言いがたい面もあります。強弱観が対立する原因の一つでしょう。

この傾向は新興株だけでなく一般株もそうです。既にかなりの好材料が株価に織り込まれており、好業績銘柄は市況物が多いので危ういのですね。もともと市況物は利益の根拠が乏しく同じ利益でも大きく買うわけに行きません。不動産もそうですし、船も、鉄鋼も、証券会社も市況産業とも言えるでしょうね。産業の循環には一定の流れがあり、今は世界経済が停滞期ですから…、逆業績相場に入っている展開場面ですね。BRICsの位置づけは金融相場が終了し業績相場から逆金融相場のイメージです。中国などは金融引き締めを継続していますからね。物価高に民衆の不満があります。中国はやむなく元の切り上げを実施し6元台に突入しました。気になるのはユーロの展開です。1ドルー1.58台の動きは気になりますね。まもなく1.6台をうかがう動きです。

話はそれましたが、このような物色環境の中で、自然発生的に低位の仕手株が物色されています。日ばかりを前提で勝負しているのでしょうが、あまり感心できない銘柄が多いですね。やはり相場になる為には、業績動向が継続的に上昇する銘柄でないと駄目なのですね。業績の継続性で強弱観が対立するDENAやドワンゴ、楽天、ヤフーなどをはじめ、三菱商事も東芝なども意見が割れる銘柄です。三菱商事は明らかに一翼を担っていますが、業績数字が大幅に増額されるでしょうが、果たして新高値をクリアしてどんどん駆け上がるとは私には思えませんが…、どうでしょうか? 故に物色の範囲を、何処に絞るかが難しく、勝敗の分かれ目なのでしょう。

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明日のSQは130の攻防が展開されていましたね。基本的に底入れをしており、押し目買いに歩があると思っています。銀行なども既に底入れしていると思っています。明日は週末だから上がって欲しいものですね。おやすみなさい。

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2008年04月09日

4月09日

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かたる:NY市場は高値揉み合いを続けている様子。下のチャートはSP500の日足推移です。1400となればボックス相場を確認することが出来ます。上昇展開に移れるか分かりませんが、少なくとも下値を付けた可能性が高まりますね。果たして…どうなるか。

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一方、大林組が材料費の高騰を理由に営業利益を40%減の285億円としました。この発表を受け株価は後場から売り気配に…一斉に他の建設株も下げました。私のお客様の話では建築基準改正法の影響で審査が滞っており、昨年、受けた工事が赤字受注になっており、資材高の悪影響をもろに被っているとの事です。建設資材はこの4月から一斉に値上がりしているので大変らしいですね。建設許可が下りない為に審査期間が伸び、材料費が値上がりし赤字になるとの事。この影響はまだまだ続きますね。今期の4-6月期はまだ大赤字でしょうね。一般住宅も建設費が高騰し、採算に合うためには坪単価10万円ほど引き上げるとの話だそうです。45万円とすれば22%の値上げですね。このような背景もあり企業倒産が増えています。東京商工リサーチの調べでは3月の企業倒産が2001年以来(データがここまでしかないとか…)最高の11333件になったそうです。下のグラフです。

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鉄を作る鉄鉱石や原料炭が上がり三菱商事の株価は注目されています。あまりに問い合わせが多いのでしょう。商事は今日、50%の権益を持っているBMAのFOB価格を2007年度比205%-240%だと発表しました。セグメントによれば、金属部門(原料炭)の割合は純利益(3456億円第三四半期まで)の37.1%(1283億円)で、この分野が商事の利益の源なので注目されているのですね。通期4300億円予想で一株利益が262円で株価は3290円ですから、PERが12.5倍と増益予想をかなり織り込んでいると思われます。新日鐵はPER16倍まで買ったので、なんとも言えませんが…今期の予想一株利益が当然増えますから、新高値を挑戦できるまともな株(機関投資家が好む株)と言うわけですね。意見が分かれる銘柄です。

トロ:そうだ。その通りだよ。新興株より、ずっと筋が通っているよ。だいたい、かたるが推奨している新興株なんてジェットコースターのような株ばかりじゃないか。恐くて、まともな評価も出来ないよ。経営者は犯罪者と紙一重だし…何かあると逮捕されるような人種だよ。

かたる:そりゃ、世間一般の評価が間違っているんだよ。ホリエモンが逮捕され、もっと悪質なIHIとか、JALは何故、許されるの? だってIHIは粉飾を知りながら(本当は分からない)、増資をしているよ。あの行為は詐欺だよ。東証は管理ポストに入れたけれど、所詮、仲間だからね。検察もそうだし…。このような政策を実行しているから、企業倒産が増えGDPが伸びないの。株式市場の本来の使命である資金供給は、ストップするんだってね。IPOが実質2ヶ月間も停止状態らしいよ。市場の低迷により…

神主さん:かたる君が政策批判するということは、まだまだ、株は駄目だということかな?どうも怪しい動きだものね。折角、上がってきたのに…。

かたる:僕は大丈夫だと思っているよ。驚いちゃいけないよ。僕もビックリしたんだね。一日を通してDENAの売買代金は292億円で9位だった。けれども前場の段階では、なんと、あのトヨタを抜いて第2位だったんだね。みずほに続いて…。このような現象は画期的なことなんだね。市場の変化を物語っているよ。もう直ぐ、ネット世代の新しい種族の天下になるよ。旧石器時代の人種は、どんどん現役を引退するからね。時代の波は僕らを応援しているわけさ。

時代や:本当かね。その割には株価が下げちゃって…トホホ。折角、いいムードになってきたのに、また萎んじゃった。

かたる:馬鹿だな。絶好のチャンスだよ。良いかい、株は上がる一方じゃないよ。本格的な上昇、所謂、健全な上昇過程は、売り残も、買い残も両方とも積みあがるのが正常なの。今の状況みたいに、売りだけが増えるのは異常な状態なんだよ。だから乗り遅れた人の為に相場は上下しなくてはならないよ。人間と言うのは不思議な動物で、100万円を一度付けたものが下げて80万円になると安いと思うが、上がり続けて60万円が80万円になっていると買えないものだよ。ところが一度、高値をみると下げてきたら、今度は買いやすくなるね。こうやって出来高のボリュームが増えるのさ。

トロ:ハハハ…内容の怪しい株を…何が新規市場参加者の参入だ。へそが茶を沸かすよ。そう言うのを「値惚れ買い」と言うのさ。一番危ない投資だよ。相場が終わって株価が下がってくるのだから…。

かたる:ふん。いつの時代も「初押しは買い」と言うんだよ。サブプライム問題以降、初めての復活相場だよ。ようやく日経新聞の解説にも載るように、IT株、新興株の相場が外部環境からみて認知されてきたんだよ。仮に商事の株価が上がったとしても、短期で相場は終わるね。何故なら、先ほども話したとおり、GDP3万ドルの国の経済がおかしくなっているのに、資源高をGDP2800ドル程度の国が耐えられるわけがない。「元」の為替相場は上がり輸出が落ちるし、物価統制を続けていく余裕が国家にあるかな? 

時代や:どうも難しい話だね。つまり物価統制って…?

かたる:不思議に思っていたが、中国ではガソリンなどの価格は政府が補填し、安く販売しているんだね。ところが下がり続けていた自動車などの価格は、鋼材高も背景にあり値上げを余儀なくされているよ。政府は一部分しか物価調整ができないんだね。消費者物価は上がりつづけ、中国はまだ様子見の段階だよ。故に資源価格が、更に上がるというシナリオは無理があるよ。

時代や:だって…BRICsは中国だけでなくロシアもあるし…他には中東諸国もあるよ。

かたる:GDPの低い国が今の資源価格水準に耐えられるわけがない。だからGDPの成長率が落ちて需要が減るのさ。一方、資源価格は高騰しているから新規の鉱山開発が起こっているよ。例えば昨日発表されていたメタンハイドレートだね。日本には100年分の天然ガスが眠っているというよ。実験に成功したんだから、何も2018年なんて悠長なことを言わずに、直ぐに着手して来年か再来年に生産を開始すれば良いね。やはり僕の考えは変わらない。相場の流れは初押しが入っている新興株なんだろうね。

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2008年04月08日

4月08日

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かたる:NY市場は下値ボックスを脱出できるかどうか? 際どい株価位置だけれど、大勢観は景気の動向を見る時間との戦いの印象ですね。グリーンスパンの景気見通しなどを聞いていると暗くなります。年初から実施している利下げ効果が年半ばに働くのかどうか?早ければ5月の統計数字辺りから注目されます。第一四半期の決算発表が始まりました。アルコアは予想数字(0.48)より、若干、悪く0.44ドルだったそうです。注目しているシティーは18日です。

一方、日本株は当然の一服の展開ですが、意外に新興株が脆かったですね。人気株が総崩れしていました。DENAはストップ安、ドワンゴも10%を越える値下がりです。エルピーダも10%を越える下げでした。毎年4月は外国人の決算対策売りが入りやすいといわれています。5月はヘッジファンドの決算対策も予想されていますね。今週はミニSQがあり株価が上がっていただけに売り仕掛けが入りやすいと言われていました。一方、強い動きを示していたのは仕手色の強い銘柄です。鈴丹、クミアイ化学など…

トロ:心配していた通りの展開だね。ここ数日、少し戻っていたからね。上がる理由がないのに買われていたわけで、やはり上値の壁は厚いのだろうね。景気は減速傾向で原料高を吸収できない企業が多く基本的にユトリは減るから消費は伸びないよ。まぁ、上がった銘柄を売っていれば、どの株も下がるんじゃないの。

かたる:そんな考えをする人が多いから売り残が増えるんだね。昨日はその恐怖で先物からムードが上げ潮になり、買戻しを誘って引けにかけあがったけれど、今日は買いが続かずに反落していたね。個人の短気売買が多いようで値動きが激しい展開だったね。あらら…折角、利食いをせずに買い増しをしているのに…

トロ:お前は懲りないやつだね。そう言うのをやはり「馬鹿は死ななきゃ直らない」と言うんだよ。お前だって日本の政策批判をしているじゃないの。本音は駄目だと思っているんじゃないの。まぁ、お前のチャレンジ精神は認めるけれど無謀な行動は慎んだほうが良いよ。

かたる:そのように考えるやつが多いから、カラ売りが増えるんだね。昨日は買戻しで上がっていたけれど、今日はカラ売りの仕掛けがかなり広範囲に入っていたね。株価には会社の業績がバックにあるのだから、博打とは違うと思うけれど、コーポレートガバナンスが確りしてないから、なかなか適正な株価で取引が成り立たないね。通常は株価が安くなれば、M&Aが狙われるよね。しかしJパワーのような価値判断をする国だから…

ただ僕は何れ世界の会計ルールだけでなく、市場も統一されると思うね。その下準備の動きが至る所で見られるようになったね。日本人は自分で勉強して本来の価値観を身に付けるべきだね。PER10倍とは、配当性向を100%とすれば10年の利益で元本が帰るんだね。後は丸儲け。単純に考えると5%の世界はPERが20倍だね。日本の金利は低く、イールドスプレッドと言う指標では明らかに株式が優位なのに…本来持っている市場のバランスが政策で歪められているんだね。

しかし考えてごらんよ。こんな歴史的な過渡期に、僕らは遭遇しているから千載一遇のチャンスだね。お金の持ちになれる…。2003年にもあったけれど、今回は二度目のチャンスだね。株は安くなったから買うんだよ。僕は今日ストップ安した銘柄を少し買ったね。また明日下がれば、また買うだろうね。

神主さん:新興株と言うけれど、値動きが荒すぎて…やはり商社が良いかな?

かたる:どうかね。僕はグローバル化でBRICsの活躍で商社が有望だと考えていたが最近は微妙だね。どうしても、僕には理解できないことがあるんだよ。アメリカ景気の失速が言われ、中国も物価が上昇し引き締め政策を実施しているのに、何故、資源価格が上がるの? そりゃ、ある程度は理解できるよ。文化的な消費型生活をする人が増えたから世界の物の需給バランスが壊れたという理由は理解しているつもりだよ。しかし原油価格は既に上昇し、その上昇期間が9年ほど経過するかな? 

常識で考えてごらんよ。一人あたりのGDPが3万ドル前後の国で、原料高により減益になる企業が続出し、物価が上がるんだよ。中国は2800ドルしかないのに、どうして耐えられるの? 経済成長が高い伸びで続く道理がないよ。つまりBRICsの国々では成長率が落ちるから需要が減る。逆に資源価格は高騰しているから、これまで採算に合わなかった所でも開発競争が加速し供給が増えるんだね。だから商社に過度に依存するのはどうかと思うんだよ。あまりに目先的過ぎると…

トロ:どうかな? お前はどうも先を考えすぎるよ。実際に原料炭は3倍になるんだね。そうなれば実際の収益は上がるよ。つまり商事の業績は上がるから、その業績変化を期待する買いは続く可能性があるよ。お前の新興株依存は麻薬中毒のようなものだね。

たる:どうかな? 時代はどんどん変化しているんだよ。50歳以下のネット世代がこれから主導権を握るんだね。日本の55年体制は既に崩壊しているよ。沈没する船にしがみ付いているのが自民党の道路族だよ。ガソリン税の一般財源化は時代の変化の現われ、株式市場がその変化を感じない筈がない。

時代や:仮にだよ。時代の変化が起こったとして、どうして新興株なの?

かたる:時代の変化は技術革命の変化でもあるんだね。産業革命の時代を見ても分かるよ。新しい産業が飛躍的に伸びるのさ。蒸気機関を発明したワットのおかげで鉄道が世界を変えて行ったんだよ。

トロ:まぁ、馬鹿げた話は良いよ。どっちにしても株は駄目なの。

かたる:安易にカラ売りを仕掛けるべきでないね。最近は逆日歩銘柄がどんどん増えているが、変化を僕は感じるよ。さて明日はどんな動きになるかな? 楽しみだね。スターが誕生するかもしれないね。

時代や:スター? まさか…

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2008年04月07日

4月07日

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かたる:米国では3月の雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数は8万人減となり予想の5万人を上回ったが、株価は僅かな値動きに留まりましたね。下のグラフはカラ売り株数の推移です。アメリカでも空売りが増えているようです。まもなく開始される第一四半期の数字はよくはないでしょうが、株価だけを見れば、なんだか底入れをしたようにも感じます。今週号の日経ヴェリタスには、果敢にリスクを取るウィルバー・ロス氏の話が載っていましたね。

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日本株は意外に強い展開を、この所、続けているようです。後場から値上がりするケースが増え、相場展開が明らかに変化してきているようですが…お客様の投資心理は弱気のままですね。不思議な現象です。折角、儲かる時期にきたのに買わないのですから…またやられたら…と、言う心理が働くのでしょう。何度も言いますが、少しで良いのです。最初は最低単位の1000株でも良いのです。自分自身の相場感覚を身に付けるためにも相場に参加しなければ、相場心理が理解できませんね。そんな少ない株数を買っても意味がないと思うかもしれませんが、先ずはその最初の一歩が大切なのです。

トロ:まぁ、お前のお客さんも大変だよな。買った瞬間に、1年もしないのに1/2などは当たり前、1/3や1/5と大損をしているわけだから…。お前と付き合って貰うだけ良かったじゃないの。普通の人は、お前との付き合いをやめるよ。

かたる:うん。そうかもね。狙っている株が、次々に大下がりするんだからね。祟られていたようだよ。今度は逆に、次々に利食い圏になってきたね。嬉しい限りだよ。

神主さん:しかし焦点ボケで、何を買って良いやら…

時代や:野村は自動車のレーティングを下げたとか…言っていたね。今日、高かったのは商社だよ。三菱商事などすごいね。株価もかなり戻ったよ。大幅な増額修正が期待できるらしいね。

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神主さん:何しろ原料炭が高くなり、新日鐵とBHPの間で結ばれる価格が3倍になったとか…。1トン辺り98ドルから300ドル前後に上がるというからね。当然、鉄鋼石も65%高くなり、鉄の製品価格を2割ぐらい引き上げるんだってね。自動車業界も大変だね。引けだけは戻っていたけれど、トヨタは終日、安かったね。

かたる:三菱商事の利益の源はMDPだからね。石炭だけで1000億円を越える利益を稼ぐらしいからね。すごいよ。会社の利益構造はまるで資源会社だね。その価格が3倍になるのだから…株価が上がるのは、ある意味で当然だけれど…。かなりPERも高いね。他には今日は新興株も強かったね。

時代や:マイクロソフトが米ヤフーに対し、最終通告をしたと言うからね。3週間以内に回答を出せといっている。

かたる:今日はヤフーを信用期日が近いから、損益分岐点価格の55400円で指値をしていたら売れちゃったね。ビックリしたよ。一瞬しか株価が付かなかったから…

時代や:あれれ? 口では新興株、新興株と言いながら、売っているの?

かたる:だから期日が近いの。仕方ないでしょうよ。ほかは高値でも買っているんだよ。この高値を…。今日は買い乗せの絶好場面だったね。本当は今週後半かな?と思っており、のんびりと買い続けていたけれど、株価は自然体で上がってきた感じ…。やはり人気化してきたね。

時代や:逆日歩が付き、格言では「逆日歩に買い目なし」なんて言うが…どうかな?先週は全体が高かったけれど…。その間、動かなかったんだね。ビスタニュースの原稿もようやく当たり始めたね。まぁ、全体の株が上がるのだから、当たり前だけれど…

かたる:失礼なやつだ。まぁ、僕は相場が上手いとは言わないが、下手でもないと思うよ。全体が上がるなら、かなりのペースで儲けることができるよ。せめて1年ほど続いてくれれば、お客様の資産も戻るのだけれど…

トロ:無理だね。残念ながら、相場は下がるよ。今回の金融危機はそう簡単に消えないよ。サブプライム問題は広がっているからね。もう一波乱あると思うね。

かたる:そういえば、メールを頂きました。どうもありがとうございました。わざわざ関連サイトまで教えていただいて…此方です。なかなかの質ですね。感心しました。でも僕は物事には本質が存在すると考えているのです。サブプライム問題の原点は信用力ない人が住宅を買った債券でその損失はおよそ20%程度でしょう。ところがトリプルAのABXなどは40%以上も値下がりしています。明らかに異常な現象ですね。アメリカは日本と違い市場主義の国、市場、つまり株式市場が下がり続けるなら梃入れの為にどんな手でも打ちます。最悪、下値保証までするわけです。ベア・スターンズのように…だから最近の現象になっているのですね。僕はそう考えています。この場を借りてお礼申し上げます。嬉しかった。メールの内容が…最近、誰にでも返信を書いていませんからご容赦ください。ネットの素晴らしさですね。知らない人から新しい情報が得られる。ありがたい話しです。まぁ僕は、株式は大丈夫だと思っています。

時代や:じゃ、何が良いのかな?

かたる:株数が揃わないと面白くないからね。折角、利食いしても手数料だけみたいに、思われるからね。下がれば買えば良いのに…下値を買う力がないから儲からない。最近は買う器量もなくなったからね。

トロ:お前はお金がいくらあると思っているの? お前と付き合っていたら、こちとら死ななきゃならないよ。

かたる:まぁ…ね。僕はやられてもやられても…その会社がしっかりその方向性を維持していれば、何度でも手がけるからね。これまでに2度、大きくやられているから…3度目も…と思われるのだろうね。今回は3回目の挑戦だね。果たしてどうなるかな?

トロ:これだ。他人事に考えているのだから、当事者は大変だよ。

かたる:ふん。僕は、僕は、僕は…。


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2008年04月04日

4月04日

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かたる:今日は遅くなったので、簡単に…
NY市場では金融株が確りしていますね。シティーバンクは24.36ドルです。やはり20ドル割れた所が、今のところ底値のようです。むかしサウジの王様がシティーで大儲けをしました。今回も中東の資金がかなり入っていますね。今回、様々な金融機関が資金調達をしていますが、金利もかなり高いですね。10%なんて、もんじゃないのですね。18%ぐらい払うところもあるようです。さすが、市場経済の国ですね。面白いですね。今回の騒動でNY市場の株をかなり勉強しました。中国の情報も手軽に手に入り、相場の動向が見えるようになって来ましたね。しかし日本株は主体性がなく、NY市場の写真相場のような展開が続いています。この所、個人投資家は元気を取り戻しつつあるようです。今日の市況では、出来高急増銘柄のリストを冒頭に掲げていますが、ようやく出来高の増える傾向が見られるようです。

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昨年、辞めたブツブツはディトレイダーになり、相場を張っているそうです。現役の時代と同じような収入があると言っていました。彼は軽井沢に別荘を持ち、かなりの資産家ですが、歩合セールスで成功した部類に入るのでしょう。その内、遊びに行って、詳しいやり方を聞いてこようと思っています。彼が会社を辞めたのは、あまりにも規制が厳しいからです。我々の電話は録音されており、お客様がいい所を売ってほしいとか…安い所を買って欲しいという裁量が我々になくなりました。電話をかけても繋がらない場合がありますし、一瞬の高値を売りそびれることもありますからね。昔はある程度の裁量が認められていましたが、だんだん規制が厳しくなっています。

この傾向は証券界に限ったことではありません。今日はDENAの株価が上がっていましたが、フィルタリング規制のさじ加減で株価は大きく左右されます。今度、総務省は音楽や映像まで法律で縛ろうとしています。ルールは必要だという認識でしょう。誰かが悪いことをすると、後を追うように大きな網を被せるのですね。法律と言うのは、一律に縛るから大変ですね。悪名高き「建築基準改正法」は、姉歯建築士が不正に構造計算をやったからですね。偽造されたマンションを買った人は、大変な苦労をしているわけで許せない行為ですが、一方で、法律の施行により善良な建築家をはじめ、建設業者の方は大変な苦労をされているわけです。一部の不正をする輩が居るから大変です。

しかし私は赤福のような例は、もう少し穏便な方法がなかったかと考えています。日付の改ざんは悪いことですし、原材料の品物を不正に表示していることもおかしいと思いますが、あまりに役人が表に出すぎの対応に感じます。何故、役所になんでも要求するのでしょうか? 報道さえあれば、社会が改善するのが市場経済だと思うのです。私は赤福の餅が一日ぐらい日付を改ざんしてあっても気にしませんね。信号機がいい例ですね。必要のない場所まで信号機が出来ている。あまりに過剰なのですね。日本の場合…。ダイエーの産業再生機構入りのプロセスを見ているとそう思います。民間が処理できると言っているのに、役人がしゃしゃり出る。この背景には国民が役所に依存している現状があるのでしょう。もう少し、一人ひとりが独立心を育てないと…何でも国の責任じゃないですね。

株が元気ないのは、過剰な金融行政が背景にあるからです。例えば、USENの信用規制は信用買い残が30万株あるからだそうです。不思議ですね。この会社の発行済み株式総数は1億2713万株ですよ。僅か30万株で規制? 馬鹿らしい限りです。このような規制が市場にはびこっています。これで市場が活況なら文句は言いませんが…GDPの成長率は負けているし、国民の可処分所得も伸びてない。かわいそうですね。さらに例を挙げれば、東京スター銀行の脱税です。ローンスターが東京スター銀行を買い、不良債権処理をして儲けたわけですが、本来、国に入るべき税金を、ローンスターは納税してないと言います。金融庁がそのような連中に東京スター銀行を譲渡したわけで情けない限りですね。おそらく金融庁の担当官は責任を取らないでしょうね。まぁ、金融庁の責任とは一概に言えませんけれど…

さて、相場に物色環境が戻りつつあるようで、少しずつですが儲かるようになって来ました。大きく損をしていた株も値戻しをして余裕が少し出てきました。果たしてこの傾向が続くのか? 狙うラインは何処か? 週末に考えて見たいと思っています。相場は銀行株の行方など、非常に重要なポイントに来ていますね。やはり相場には潮が流れており、その潮目を見極める力が必要なのでしょうね。

大きく損をしましたが…先日、次のような記事を目にしました。
経済の低迷期こそ、好機と捉えた産業が誕生することが多い。米国ではセブンイレブンが世界恐慌直前に現在の原型になるコンビに事業に着手。大恐慌の消費不振の時期にも拘らず業容を拡大させたそうで、ほぼ同時期にミッキーマウスが生まれ後のキャラクタービジネス、エンターテーメントの礎となったそうです。逆境の時期に消費者から支持を勝ち取った産業がその後大きく伸びるそうです。面白いですね。この人が言うとおりでしょう。私がビスタニュースに時代の背景を探るレポートを書きましたが同じことですね。僕らは大きくやられましたが、その分、貴重な経験を積んだわけです。(こんな経験は要らないけれど…)相場は新興株の活躍場面なのでしょう。今日はこの辺で…おやすみなさい。

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2008年04月03日

4月03日

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かたる:今日は遅くなったので簡単にします。
アメリカでは信用不安から景気後退へ視点が完全に移り始めたようですね。この行方がハッキリするのは夏以降でしょう。この時期の感覚が重要なポイントになります。中国は秋以降に…一方、日本株は今日も高かったですね。やはり年金資金の買いが続いているのではないでしょうか?そんな気がします。問題は銀行株ですね。今日はみずほが売買代金第一位でした。この夏から転換が始まる銘柄で日本株の行方を見るうえで重要なキー銘柄になりますね。相場的には2003年のような面白さはないのですよ。仮に株価が上がったとしても買うかどうかは…効率の問題ですからね。100万円を付けるのはかなり時間と労力を要するでしょうからね。

一方、出遅れと言うか資源関連も上げていましたね。しかし私にはどうも疑問なのですね。景気後退が注目されているのに…中国だってすごいインフレです。どうして資源株が上がる背景があるのか?私にはサッパリ理解できないのですが、石油価格は堅調ですね。通常は新規の油田開発などが進み需給バランスが崩れると思うのですが…やはり僕には理解できません。外需の行方は見えないということは内需の好業績銘柄に的が絞られますね。だから新興株に注目していますが、スターが、なかなか誕生しません。素質のある銘柄は幾つかあるのですが…

読売新聞にはフィルタリング規制の話が載っており、ブラックリストの方向性が再度報じられていました。日経新聞には東芝の原子力の話が載っていましたが、10年以上掛かる話しでしょうから総額の投資額は大きいですが株価にどの程度、影響があるものやら…むしろフラッシュメモリの価格は下落し、ウォンが安いのでサムソンとの競争が大変でしょう。今日はカラ売りかな?と思った次第です。やはり注目は銀行株と不動産でしょうが…どちらも本格的な上げ相場になるとは思えません。基本的に底打ちする為には底練りの現象が必要なのですね。相場が強い時は、右肩上がりの上げ相場に移行できますが、通常は底値を何度か確認してから買い勢力が増すのが普通です。

私の考え方は、ずっと、一貫しています。一昨年、冬の新日鐵の上げを乗れなかったのは理由があるのですね。昨年の夏は市況物にも拘らずPER16倍を批判しました。しかしブラジルの高炉建設などは賛成です。株式の持合などをせずにそちらに資金を回せばよかったのに…高炉メーカーが何社も必要なのでしょうか?同じことは自動車産業にも言えます。トヨタ、日産、本田、鈴木ぐらいで充分ですね。果たして統合できるのでしょうか?経営者もグローバル時代へ舵取りをすべきでしょう。やはり小さなお山でも大将が良いのでしょうか? 

お客様のマインドは低いようです。株は上がっている直ぐに売りたがるし、買うのを躊躇う傾向があります。折角、買いで儲かるチャンスなのですから積極的な姿勢が必要なのでしょう。もたつく株価を果敢に攻めましょうね。それでは今日はこの辺でおやすみなさい

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2008年04月02日

4月02日

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かたる:UBSとリーマンの増資が切っ掛けになり金融株からNY市場は上がったと言います。資金調達が難航していた米不動産投資信託のソーンバーグ・モーゲージも13億5千万ドルの調達に成功したそうですね。今週はシティーの決算発表があります。だいたいこれで数字が出揃いますね。前から述べているように、1―3月期がピークの損失処理はようやく終るわけです。今日はISMも48.6と市場予測を上回ったとの事です。

一方、日本株は日銀短観が悪化している割合に、高くなったね。今日は…なんと500円高だよ。NY市場と連動し今までは上げは小さく、下げは大きかったけれど、今日は違った印象だね。

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トロ:これから景気後退が何処まで進むか…。
仮にお前が主張するように、金融機関の損失が確定し、安定的になったとしても、実体経済はこれから悪化するわけで、どの程度の落ち込みになるのかどうか…。今の状況は1929年の大恐慌以来、…と言う声もあるからね。まだまだ安心は出来ないよ。

かたる:僕は全く違う捉え方をしているよ。金融デリバティブの市場経済化の幕開けだと思うね。よく新しいものが誕生すると試練が生まれるね。その試練に耐えて、市場が栄えれば、本物の原理となり定着するのだろうね。人間の真価も同じだよ。順風満帆に行っている時は誰でも同じだよね。その人が逆境にあって、落ち込んでいる時に、本当の真価が表れると思うよ。金融デリバティブは必要な金融技術だと思うよ。そのおかげでリスクを回避でき、経済が栄えるのだからね。経済が栄え、金融が栄えるのではないね。両者の因果関係は大きいが、やはり金融が栄えてから、初めて、一般経済が栄えるんだね。この点を日本人は誤解しているよ。

時代や:…と言う事は、今日の株価の上げは金融株が主体になっているから、本格的な上昇になるの?

かたる:うん。近いと判断しているよ。まだ本格的に上昇するわけではないと思うが、とりあえず下値は確認できたのだろうね。今日の売買代金のトップは、みずほ銀行で1137億円だね。二番目が三菱UFJで831億円、そうして3番目が三井住友銀行で559億円だね。以下、トヨタ、地所、ソニー、三井不、野村HDと並んでいたよ。一方、住友鉱山や丸紅などの商社は、日経平均株価が500円も上がっているのに安かったね。

神主さん:いや…これで本格的な上昇になるのかね? 折角、辞表を出したのに…未練が残るね。

かたる:そんな…もう充分、働いたじゃないの。証券マンなどを長年やっていると、ろくな死に方をしないよ。仲間の多くは心臓病や癌などで患っているし、ストレスで何人か死んでいるからね。まともに最後まで生きれる人は少ないよ。僕も早く辞めたいよ。トップにまともな実力者が居ないと、末端の下っ端は大変だね。振り回されて…。思うような政策をしてくれないし…株を上げる政策が正しいと認知しなくてはならないのに…アメリカが羨ましいよ。この20年で両国では、かなりの格段の差が付いてしまったね。

時代や:折角、株が上がってきたんだから…政策の批判はやめようよ。ところで相場の流れは、どうなるのかな。BRICs銘柄の行方などは、どうなるのだろう?

かたる:日経新聞には建設機械のコマツなどの利益率が鈍化すると書かれているが、まだ新年度が始まったばかりだからね。(僕も鈍化すると思うが…。)BRICs銘柄の中で新日鐵や商社、海運などの銘柄より、建設機械を何度か取り上げたのには、実は訳があるんだね。市況品がらみの利益は、あっという間に大きく変わるけれど、建設機械は物を作って売る産業だからね。市況品とは、若干、意味合いが違うね。そりゃ、同じような動きをするんだよ。景気敏感株だからね。しかし抵抗力は市況株式より強いよ。そのコマツだけれど、誰かが継続的に買っているね。だからこのような動きになっているのだろう。この所、日立建機との株価の鞘が大きく開いてきたね。

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神主さん:じゃ、コマツは買いなの?

かたる:僕はお客様に、いつもBRICsの株価を理解してもらおうと、コマツの株価を話しているから、今日はお客様が「買いたい」と言われたが、注文を断ったね。

時代や:もったいない。おいらなら、受けるけれどね。

かたる:だって仮に上がったとしても一時的な可能性もあるね。そりゃ、先の高値の4090円を抜ける可能性もあるが、その行方は現時点では判断が付かないね。秋以降にならないと見えないよ。お客様はテレビを見たらしく、ロシアの需要がどうのこうの…と言っていたが、資源関連株が下がっているに建設機械だけが、バカバカ売れる道理がないね。やはり世界景気の動向は重要だよ。

神主さん:じゃ新興株以外で、まともな流れと言うのは見えないの?

かたる:本命は新興株だけれど、それ以外で…と、言う指定ならば、やはり、かなりの調整期間を経ている銀行株じゃないかな? 今日はUBSの報道などを受けて、アメリカ株が大幅高したので、日本の金融機関にも、買戻しが殺到したらしいね。しかし先月の安値が下値で、銀行株は暫くは、ボックスの動きだと思うね。やはり本命は新興株だよ。

トロ:本当にお前は新興株馬鹿だね。

かたる:時代が要求しているの。今日は外資が復活すれば、不動産市場にもお金が流れるとの予測の元に、住友不動産をはじめ、ダヴィンチやアーバンなども、株価は大幅高していたね。証券も高く、正常な金融相場の図式なんだろうね。しかし私は、この金融相場の流れは、もう少し後になると、推測しているね。早くても夏以降だよ。一般的には、秋以降、年末頃の流れに分類されると思うんだ。

トロ:みんな、株が上がると、次は何が言いかと…。銘柄選びに対し、真剣になるね。果たして、どうかな? たんなる、アヤ戻しじゃないの? 基本的に日本株はいくら安くても駄目だよね。政策が滅茶苦茶だもの。

かたる:まぁ、見ていてよ。僕はなんども、「株価が安くなるのが最大の好材料」だと述べてきたよ。人間と言うのは面白い生き物だよ。みんながワイワイ騒ぎ出すと、集まる習性があるね。僕は株価が安くなると血が騒ぐけれど、逆に株価が高いと躊躇するね。

時代や:しかし…、偉そうに喋っているが、お前だって今日は高い時に株を買いに行ったじゃないの。

かたる:スター株の可能性があるなら、高値で、何度でもチャレンジしたんだね。

神主さん:どうやって、スター株を見分けるの?

かたる:今日のような全面高のときは、真価を見せないものだよ。みんなが安い時に、この株の真価が発揮されて動くのだろうね。やはり時代の背景にあった銘柄を、中心にして探せば良いね。さて今日はこの辺で…。


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2008年04月01日

4月01日

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かたる:今日は疲れているから簡単に…

UBSはこの日、第1・四半期に190億ドルの追加評価損を計上し、最終損益が120億スイスフランの赤字になるとの見通しを示したと報道されています。これはロイターかな? そうして150億スイスフランの増資をするとか…。今日、一時、日経平均株価が下がったのは、この報道が切っ掛けのようですね。嘗てUBSは日本長期信用銀行と提携をしていました。そうしてUBSへの増資のよって倒産を免れようと模索していたのです。その過程で悪化する財務データHBSは知り、UBSは増資を引き受けるどころか、長銀株をカラ売りして倒産に追い込んだのです。今なら金融庁がインサイダーで逮捕すべき話題ですね。外国資本と言うのはドライです。日本の金融機関は最後まで助けようとしますね。まぁ、この姿勢がアダになり未曾有の金融危機に直面したのですが…。

今朝の日経新聞は日本とアメリカのGDPと株式時価総額の比較記事を載せていましたね。日本は0.79倍、アメリカは1,28倍だそうです。私は先頃、アーバンと言う会社が人気になっており、今の日本の不動産業界の環境を語り、危ない会社だと警告しましたが、土曜日の株式教室では、日本には必要な会社だと正反対の見方を披露しました。ダヴィンチの金子さんは有名で、日経ヴィリタスの創刊号を飾りましたね。しかし、私はあの記事は実像にあってないと批判しました。日経の記者の取材がおろそかだったか、かなり前の取材なのか分かりませんが…、その後、週刊ダイヤモンドが「地価暗転」と言う記事を掲載し、そのほうが実情に合っていると書きました。その後、今週号の日経ヴィリタスは金子社長の記事を載せ、実情を修正していました。金子さんも苦しいでしょう。今の金融情勢で不動産なんか買いたくても買えませんね。

ここで私がいいたい事は、情報と言うのは、捉え方が難しいですね。一つの現象を見て色んな解釈が成り立つということです。今回のUBSの出来事をどう捉えるか? ベアの次の候補だったリーマンが資本の増強を発表しました。30億ドルの増資だそうです。昨日の日銀の発表で、3兆円を短期市場に供給したとか…年度末に加え、外銀の資金需要が大きかったのですね。だんだん広がっている印象を受けるかもしれませんが、私は一流から三流への資金供給の流れと解釈しています。何度も言っていますが、アメリカは大丈夫なのでしょう。問題は今日も株価が下がっている中国なのですね。IRNETでは、何度か中国の消費者物価の推移を数ヶ月前から伝えていますね。相場観とは皆さんは結果だけで簡単に言いますが、それぞれの因果関係があり、何処に主眼を置くのか? どう考えるかの問題だけなのです。

みずほの1兆円増資の転換開始が迫っているという重要なキーワードを先日書きました。7月1日から転換できるのだそうで、45日前の平均株価が転換価格になるとか…。夏ですね。私はバブルの清算が、まだ終ってないと何度も述べています。りそなを見れば分かります。日本株が弱いのは日経新聞などが、必要なことを、正しい報道をしないからですね。まぁ、日経に限ったことではなく、全ての報道機関ですが…。NHKも日本の株が下がっている理由をサブプライムの責任にしていますからね。確かにそうなのですが…しかし、日本独自の問題の方が株安に大きく働いていると、私は思っています。おかしいですね。何故、アーバンの株がこんなに売られるのか? この背景を考えると行政、政策に問題点があるのですね。新日鐵の三村さんを批判していますが、5月に株式持合いの評価損を計上し、株主総会で三村さんは、どんな釈明をするのでしょうかね? みんな同じ土壌です。

相場の流れはもう一度、原点に戻るのです。私はそう考えています。日本に必要なのはグローバルな新しい考え方です。75歳以上の後期高齢者の医療制度が始まりました。さすが厚生労働省です。この背景にはおそらく維持できない仕組みを変える下準備があるのでしょう。官僚は頭が良いですね。時間をかけながら、じっくりと国民を教育していき、体制を変化させるわけです。最後に国民は諦めます。仕方ないか…これじゃ。特別会計と一般会計の意味の違いも分からない国民が大勢いて(実は私も最近まで…)、今回のガソリン税の意味も理解していません。時間がないから真剣に考えなくちゃならないのです。だから新興株が…新しい体制が求められると私は考えているのですね。何度も、何度もトライするのが時代の流れなのでしょうね。

KDDIがシステム転換を総務省の意向で遂にするそうですね。日本の中で覇権を争う次代ではありませんね。アジアのインフラ整備を考え、道路財源も利用すべき時代なのでしょうね。日本の田舎を整備するなら、ベトナムの港を整備したり、インドの道路を整備しあるいはアジアの情報インフラにお金を投じるべきでしょうね。何故、私が今回のビスタニュースで、あのスクリーニングの中から、あの銘柄を選んだか? まだ観察段階ですが、こう話すと理由が分かるでしょう。僕は株屋だから、日本が成長する分野にお金を流したい。使い切れない予算の為に、掘っては埋める無駄な公共事業より、多くの人に喜ばれる予算を使うように仕組みを、早く変えないとなりませんね。その為には証券市場が、株式市場が活況になり、資金を提供しなくてはなりません。日本に必要な会社の株が、資金ショートで倒産するなんて…許せない現象です。哀しい現象の現実が続くわけです。

何故、日経新聞の記者はこういう現実を記事にしないのでしょうかね? 単純平均株価が最安値ですよ。朝日生命の抱える株式が含み損失になったのですね。このままでは。次は三井が、住友が…。たった一本の通達を変えるだけで、日本は豊かな国に転換できるのです。清貧思想なんてまっぴらです。豊かな日本を…ジャスダックと大証が争っている場合じゃないですね。みんな度量が小さい人ばかりだね。哀しい現実が続きます。あぁ~。


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