株好き父さんのための

Take IT Easy!

生き残るのは誰?(2005年05月09日)

中国のレノボ(Lenovo)社のIBM PC事業の買収が完了しました。売上高 1兆2600億円、年間販売台数 1200万台、社員数 約2万人の巨大PCメーカーの誕生です。これで、レノボは、デル(Dell)HP(Hewlett-Packard) についで世界第3位のPCメーカーになりました。
レノボは、IBM PC事業を約1800億円で買収しました。この金額が高いのか安いのか意見の分かれるところですが、IBM PC事業は、年間 1兆円の売上があったのですから、デル並みの利益率5%が実現できる体制を作ることができれば、年間約500億円の利益をあげ約4年で投資を回収できることになります。しかしIBMはPCでは利益を上げるのが難しくなったと判断して売却したわけですから、レノボデルのように勝ち組になるのはそう簡単ではないでしょう。

PCは薄利多売の世界に入っています。ですから世界規模のPCメーカーでないと生き残れないのです。低いコストと少ない経費で良い製品を大量に売らなければ利益は上がらないのです。PCほどインターネット販売に向いている商品はありません。試着も試乗も必要なく、重要なのはスペックと言われるCPUの性能値やハードディスクの容量などのデータだけです。画面に表示されるそれらの値と製品の全体写真を見て購入したって、そうは失敗はしないのがPC製品です。秋葉原やコジマ電機-7513ヤマダ電機-9831ウォルマートで売っていない製品のメーカーであるデルがPC市場で唯一の勝ち組なのです。

NEC-6701富士通-6702ソニー-6758東芝-6502日立-6501三菱-6503シャープ-6753松下-6752ソーテック-6829 という日本のPCメーカーはどれも世界的に見れば皆負け組。年間出荷台数1300万台(2004年)の日本の市場を主戦場としている限り生き残れません。世界のPC出荷台数は約1億9000万台(2004年)もあるのです。デル1社で年間3000万台以上も出荷しているのです。日本の市場は、世界からみればわずか7%に過ぎません。

日本のPCメーカーで生き残れるのはどこでしょうか。正直言ってわかりません。だだ生き残る条件はわかります。

1.世界を市場とし世界シェア10%以上を取る
1位のデルだってシェア17%です。2位のHPが14%。3位になったレノボはわずか5%。シェア3%以下のメーカーが全体の60%近くを占めています。烏合の衆同士の合併によって頂点に立てる世界です。

2.販売チャネルを変える
PCは売れる商品です。いかに販売コストを下げて利益率を高くするかが課題なのです。店頭販売を中心としている限り利益率は上がりません。インターネット販売にうまく切り替えることができるメーカーが生き残れるのです。

さあ、生き残るのは誰でしょう。そう遠くない将来に答えが出るはずです。

デンの今日のTake IT Easy:日本のPC市場は世界のたったの7%。日本のPCメーカーの吸収合併合戦は開演間近。
レイジーの今日のおとぼけ:生き残るのはワタシ! いや、私のかーちゃんかな。