株好き父さんのための

Take IT Easy!

電子レンジと無線LAN(2005年05月22日)

レイジーが変なこと言ってきました。
「電子レンジを使うと無線LANが使えなくなって、インターネットの接続が切れちゃうんですけど」
レイジーが遭遇するトラブルは、調べていくと大抵の場合「ごめんなさい、原因は自分にありましたぁ~。えへへ」という結論に達するのですが、今回の質問はまともでしたね。実際、電子レンジと無線LANは相性がよくありません。
無線LANには、IEEE(米国電気電子学会、アイトリプルイーと読みます) が定めた3つの規格があります。

1. IEEE 802.11b
最初に普及した無線LANの規格。2.4GHz周波数帯を使った無線で約11Mbpsの伝送速度。

2. IEEE 802.11g
802.11bと同じ2.4GHz周波数帯を使った無線で約54Mbpsの伝送速度。IEEE 802.11bとの互換性がある。

3. IEEE 802.11a
5.4GHz周波数帯を使った無線で約54Mbpsの伝送速度。IEEE 802.11bとの互換性はない。

普及度合いは、上から1. 2. 3. の順になります。レイジーの使っている無線LANは、1.のIEEE 802.11b というものらしいです。
「電子レンジを使うと無線LANが使えなくなる」というのは、IEEE 802.b や IEEE 802.g で使っている2.4GHz周波数帯 というのが原因です。この2.4GHz周波数帯は、小出力(10mW以下)だったら無線免許なしで自由に使える周波数帯ですので、無線LAN以外にも電子レンジや医療用機器などの電磁波を使う電子機器もこの2.4GHz帯を使用しています。同じ周波数帯を使っているので、電子レンジを使うと電波干渉を起こし、通信速度が低下したり、場合によっては通信が切断されたりすることが発生するわけです。

一方 IEEE 802.11a が使っている 5.2Ghz帯は、無線LAN以外に使っていませんから、そういうことが発生しません。IEEE 802.11g と IEEE 802.11a はどちらも約54Mbsの伝送速度の規格ですが、実効速度は電波干渉がない分、IEEE 802.11aの方が速くなっています。

周波数でひとつ憶えておくと良いのは、低い周波数の電波は遠くまで届くが、高い周波数の電波は遠くまで届かないということです。高い周波数の電波ほどたくさんの情報が送れる反面、性質は光に似てきて直線的になり、ビルや山にぶつかるとその向こうに廻り込めなくなります。
携帯電話が使っている周波数帯は、800MHz、1.5GHz、2GHz と3つの帯域があるのに、携帯電話に参入しようとしているソフトバンク-9984が800MHz帯にこだわっていた理由がわかりますね。

3つの中で一番周波数が低い800MHzが一番遠くまで電波が届くからです。つまり基地局の数が少なくてすみ、設備投資の上で有利だからです。

デンの今日のTake IT Easy:周波数が高い電波ほど大容量の通信に有利だが電波の届く距離は短くなる。
レイジーの今日のおとぼけ:いやあ、電子レンジで靴下乾かしているのがいけないのかと思ったよ。

誰が靴下乾かすんですか、も~勘弁してよデンさんっ!