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Take IT Easy!

21世紀とともに始まったブロードバンド(2005年04月03日)

世界最大のインターネット・プロバイダー業者のAOLとメディア業界最大手のタイム・ワーナーの合併が世紀の大失敗に終わり、ちょうどライブドアフジテレビの関係に似ていることから、テレビとインターネットの融合なんてできないんじゃないですか っていう質問をホリエモンにしていたのをテレビで見ました。その時、ホリエモンは、当時のアナログ回線中心のナローバンド時代と現在のブロードバンド時代ではネットワーク環境が比較できないくらい違うから、そうはならない(失敗はしない) と答えていましたね。

確かにナローバンド時代のアナログ回線のスピードは、たったの56kbps(キロビーピーエス)。Mbps(メガビーピーエス)の単位に直すと、0.056Mbps です。ブロードバンドの代表格であるADSL利用者のほぼ平均のスピード 8Mbps と比較すると、約150倍もの差があることになります。
東京-大阪間の移動時間に例えると、ブロードバンドだと3時間で行けるのが、ナローバンドでは18日かかるということになります。まるで、江戸時代と現代の交通の差くらいあるんですね。そのくらいブロードバンド化というのは、情報の伝達と言う意味では、革命的なことなのです。
では、なぜこんなにも急速にブロードバンド化が進んだのでしょうか。インターネット利用者の5割以上の人が今やブロードバンドでの接続です。

そもそも当初考えられたいたのが、アナログ回線いわゆる電話回線網から光ファイバーによりデジタル回線網への移行だったんです。それはそれで、非常に正しい発展の形態だったのです。現に、ネットワークの主な幹線は、日本全国津々浦々まで、デジタル回線網が引き詰められています。だけども、家庭の一歩手前で止まってしまっていて、デジタル回線網がなかなか普及しなかったんです。いわゆるラスト・ワン・マイル問題です。最後の1キロちょっとがデジタル化できなかったわけです。各家庭の中までデジタル回線網を繋げようとすると、膨大な費用と時間が必要だったわけです。

そこで登場したのが、電話回線網を利用した高速通信技術のADSLの登場です。誰もが予想しえなかったスターの登場です。スターといっても、当時はデジタル回線網の普及までのつなぎの役割という位置付けでした。NTTはISDNの普及に力をいれていた時でもあり、ADSLはISDNの回線に混信を引き起こすとかいう理由で、ADSLに積極的でなく、NTT自身がADSLサービスを開始するのが遅れたばかりでなく、他のADSL業者の相互接続をなかなか認めなかったんですね。そんなことをしているうちに、お隣の韓国では快適にネットワークゲームをしたいというそんな理由でADSLが爆発的な普及をして、ブロードバンド普及率世界No.1に踊り出たわけです。逆に日本はあっという間にネットワーク後進国に転落です。

もし、あのままの状態が続いていたら、今ごろ韓国にGDPで抜かれていたかもしれません。でも幸いにも1999年末に、やっとNTTがADSL業者に相互接続を認め、2000年になってついにADSLというサービスが日本にも登場してきたわけです。ADSLに消極的だったNTTも2000年12月には、フレッツADSL というサービスを開始し、ブロードバンド時代の幕が開いたのです。21世紀の始まりとともにADSLが始まったんですね。

ADSLは最初は1.5Mbpsのサービスしかなくて、料金もあまり正確には憶えていませんが6000円/月くらいしていて、爆発的な普及とまではいかなかったんです。
爆発的な普及につながったのは、Yahoo BB!の登場ですね。なにせ、1.5Mbps が主流だったのが、いきなり8Mbps のサービスを3000円くらいで提供しますって発表したもんだから、そりゃもうすごい反響でした。当初はYahooBB! に申し込んでも 数ヶ月待たされるのが普通でした。それくらい人気があったんですね。
世界でもっとも速く、安いブロードバンド環境を手に入れることができる国になったのは、かたるもよく言っているように、やっぱりソフトバンクのおかげであったことは確かです。

つなぎと思われていたADSLもその後、1.5Mbps、8Mbps、12Mbps、24Mbps、48Mbps と 徐々にサービスのスピードを上げていき、光ファイバーの100Mbpsの約半分のところにまできています。ただし今後は、技術的にはこれ以上劇的にスピードを上げることは困難であると言われています。ADSLの弱点は、収容局からの距離がせいぜい6、7Km以内でないとだめだということです。48Mbpsのサービスでも、収容局から1Km以内ならば、20Mbps以上の実効スピードがでますが、5Km以上離れていると1Mbpsもでないのが普通です。そういう収容局から離れている地域のブロードバンド化は、今後は光ファイバーになって行くでしょうね。
ADSLのサービスは、ベスト・エフォート型といわれているサービスです。最大限努力して、48Mbpsでるようにしていますが、もしそのスピードがでなくても許してね、ごめんなさいね。でもちゃんとお金は払ってね っていうサービスですね。実にうらやましいサービスです。今度会社との契約にどさくさでベスト・エフォート型です って書いてみるかな。

デンの今日のTake IT Easy :ブロードバンド時代は21世紀とともに始まった
レイジーの今日のおとぼけ:私は、ずーっと前からベスト・エフォート型です