株好き父さんのための

Take IT Easy!

テレビとインターネットの融合(2005年03月19日)

"とうさん" とキーボードに打ち込んで変換すると 「父さん」 よりも「倒産」の方が早く出てくるくらい危うい地位にいるお父さんたち。その地位を向上させるのは、「お金」 と 「知識」 の2つの力です。「お金」の方はかたるに任せるとして、このコーナーでは、「知識」、特に 「IT知識」 の力をつけることを手助けしたいと思っています。難しいITのことを簡単に、その名も Take IT Easy ! (本来の意味は「気楽にいこうよ」、です) の始まりです。

このコーナーの目標は、パソコンもケータイも満足に使いこなせないお父さんたちが、家族や部下たちの会話に割り込んでITウンチクのひとつでも披露できるようにする、ということです。申し遅れましたが、私はIRNETのドン、ではなく「デン」と申します。IT担当として携わってきました。

なおこのコーナーには、新メンバー「レイジー」が気まぐれに登場いたします。かつては一緒に仕事をしていたはずなのですが、いつの間にか「イギリスに行ってくる!」と会社を飛び出し、1年後にまたいつの間にか帰ってきてぼぉーっとしていたのでIRNETを手伝ってもらうことにしました。果たして使い物になるかどうか。。正直な話、父さんたちより心配です。

さて、第1回は、「テレビとインターネットの融合」 についてです。


ライブドア と フジテレビ の攻防が益々熱を帯びています。インターネット組とテレビ組の抗争という図式です。最近では、フジテレビの形勢が不利になってきていますし、この両社の攻防のニュースを見るときには、当事者のフジテレビのニュース番組やワイドショーではたいしたことが報道されないという思いから、つい日本テレビやTBSを見ちゃいますから、視聴率的にもフジテレビはきっと損をしているんでしょうね。

さて今日は、争いの論点のひとつにもなっている 「テレビとインターネットの融合」について考えてみたいと思います。

テレビは、不特定多数の相手(ブロードキャスト)に向かって、あらかじめ決められている番組表通りに一律同じコンテンツ(メニュー形式)をテレビ塔から電波(無線)という形で発信しています。視聴者は見たい番組が始まるときに、テレビの前に鎮座して配られた番組を見る(Push型)わけです。一方、インターネットは、限られた複数の相手(マルチキャスト)、あるいは特定の相手(ユニキャスト) と利用者側から接続(Pull型)して、利用者が要求するコンテンツ(オンデマンド)をネットワーク(有線)を通じて配信しています。

テレビ : ブロードキャスト、メニュー形式、Push型、無線(電波)、単方向
インターネット : マルチキャスト(ユニキャスト) 、オンデマンド、Pull型、有線、双方向

このように、テレビとインターネットは、一見似たもの同士のように見えますが、その性質はまったく違うものなのです。フジテレビはまったく違うものは相容れない という考えですし、ライブドアは違うもの同士だからそれが融合したときに新しいものが生まれる、という発想ですね。政治家を含めた保守的な人たちがフジテレビを支持し、新しいものに抵抗がない若者がライブドアを支持するというのはなんとなくわかりますね。

「テレビとインターネットの融合」というのは、両者の利点を生かし、コンテンツ によってそれを住み分けることじゃないかと思っています。例えば、ドラマなんかは、何もテレビ局が決めた時間に見なくてもいいじゃないか、ということです。 ドラマのようにリアルタイム性が重要でないものはインターネットで好きな時間に見ればよいのです。ニュースやスポーツ中継のようにリアルタイム性が重要なものだけをテレビで配信すればいいのです。

ドラマ、バラエティなどの番組 : インターネット型 - オンデマンド
ニュース、スポーツ などの番組 : テレビ型 - ブロードキャスト
と住み分ける。それが、テレビとインターネットの融合のひとつでしょう。

テレビがインターネットと融合すると、もうひとつ大きく変わる点があります。それは主従関係の逆転です。Push型とPull型の違いですね。テレビ局が決めた番組表に基づいて配信される番組を見る、ということはテレビが主で視聴者が従 の関係です。そうではなく、見たいときに見たい番組を見にいく、ということはテレビが従で視聴者が主 の関係になります。選択権は視聴者のものになります。テレビ側がインターネットとの融合になんとなく否定的なのは、この主従関係が逆転するのを嫌っているんじゃないかと勘ぐりたくなります。

技術的には、インターネットでテレビが見られるのかという課題がありますが、6Mbps(メガビーピーエス:1秒間に6000000ビット、2秒間でフロッピー1枚分が送れるスピード)のネットワークスピードがあればテレビと同じ画質の映像がストレスなく見れるのです。6Mbpsといえば、光ブロードバンドでは軽くクリアしていますし、ADSLでも収容局から2Km以内だったらほとんどがクリアしている数値です。

双方向性というのも テレビとインターネットの融合で新しく生まれるものですね。「番組へのご意見、ご要望はこちらまでお寄せ下さい」ってだいたい番組の最後に言いますよね。そうではなく、番組の始めに、「番組へのご意見、ご要望は、番組中にお寄せ下さい。お寄せいただいた意見は、http://xxx. ,,,,でリアルタイムにご覧になれます」 なんてことができます。全然スピード感が違ってきます。ニュース番組などでは、さらにリアルタイム性が増すはずです。

「テレビとインターネットの融合 っていうけど、堀江さんは全然説明してくれてない」と日枝会長は文句を言ってますが、民放の雄たるフジテレビだったら、そのくらい自分で考えるか、とっくの昔に考えていなければいけないことでしょう。ピンチじゃなくチャンスなんです。日本テレビやTBSやテレビ朝日に先じることができるチャンスなんですヨ。がんばってくださいよ、日枝会長。実はデンはフジテレビの株主なんだぁー。

それにしても、フジテレビの日枝会長は、テレビ写りも悪いし、しゃべり方も皮肉っぽく自虐的だし、コメントも「なんとかだと思いますよぅ」 みたいな発言が多く、まったくもってさえないですね。テレビ会社の会長がテレビ向きでないというのは笑えないブラックジョークです。フジテレビは、優秀なディレクターや演出家、脚本家、衣装さん、メークさん とかをたくさん抱えているんだから、全社を挙げてもうちょっとなんとかしてあげた方がいいと思うんですけどね。テレビに出る前は、メークさんに明るい表情を作ってもらい、演出家に指導してもらった振る舞いやしゃべり方で、脚本家の書いた原稿どおりにしゃべりなさい、といいたくなります。俺たちフジテレビは、ライブドアの10倍以上も株式時価総額 を持った会社なんだ、かかってきんしゃい、くらいの余裕を見せて欲しい。「きっかけはーーーぁ、(パンパン)、フジテレビ!」 じゃなく、「きっかけはーーーぁ、(パンパン)、ライブドア!」 みたいなパロディチックなCMを流すくらいの鷹揚とした態度を見せて欲しい。それでこそバラエティのフジテレビだ。

デンの今日のTake IT Easy :テレビはネットワークスピードが6Mbpsあればインターネットで充分見られる

レイジーの今日のおとぼけ:6Mbpsって時速何Km?