今日の市況(2013年05月30日)
かたる:今日の市況は米国の動向を受け下げているようです。何れ金融緩和の出口戦略が議論されますが、これはむしろ正常化へのステップであり、歓迎すべきことなのに…この事を材料に株価が下げているとすれば、金融緩和によるバブル部分が多く、実体景気が株価に追いついていないという事なのでしょう。日本では23日の大幅安から調整波動が続いていますが、まだ連休の地点に戻っただけですからね。依然、多くの人が儲けの状態なのでしょう。昨日は3Dの原材料という事で群栄化学が人気になりましたが、日経新聞の材料に反応する辺り、まだまだ充分に物色する力は残っているのでしょう。このような亀裂が走ると通常、相場は駄目なのです。株価が落ち着くまで、間違いなく2週間は掛かりますから、来週末を過ぎなければ新しい動きも見られないでしょう。
しかし先駆して下げた新興株は、既に2週間が経過し、新しい動きに展開できるかどうか…の時間です。あるいは、今の水準をキープできるかどうか…の瀬戸際なのでしょう。信用規制が解除されたと言うだけでストップ高したJ・TECなど見ると、まだ力は残っているのでしょう。地価動向の改善が伝わったリート関連と言うか…資産株の動向は、昨日は強かったのですが、今日は全体の動きに押されているようです。3流のヒューリックが港区のオフィスビルを500億円で買収とか…富士銀行系列の会社ですが、このクラスまで動きが出てきたようですね。予想利回りは5%程度だと言われています。後にリートに組み込むと言われています。ケネデックスが売買単位を変えるのは、おそらく増資への布石でしょうね。お金が動き始めています。大手では今年の4月に三菱UFJがドイツ銀行から米国の不動産貸し出し債権を37億ドルで買収したと言いますが…この物件はノンリコースなのですね。懐かしい言葉です。ノンリコースは銀行がリスクを被る投資で、仮に返済できなければ、その物件を渡せば済む方式ですね。つまり三菱UFJはリスクを取れるほど内容が改善している訳ですね。欧州と日本の時間関係が良く分かります。
一見すると…なかなか見えない水面下の信用動向は、いくつか、現実に起こったニュースにより状況が判断できますね。このような事例を総合的に集めて、相場観が形成されていきます。この作業はいくらコンピュタが進んでも出来ない人間の領域ですね。もともと株価などは人間心理が決める水準です。需給バランスにより浮動株が吸い上げられ、需給バランスが良好なら割高でも株価は高く評価されます。よく同じ一株利益なのにPERの評価が違うのが説明できない現象があります。所詮、株価の細部まで説明することは困難です。長年、株式相場を見ていれば、その株にはその株の特性がありますからね。癖と言うか…株価の動きに独特の特徴があるのです。ベテラン証券マンは、市場に居なくなりましたが株の特性は消えません。このような経験則をデータ化するのは大変な作業でしょう。まさに勘ですね。26週乖離が100%を超えるとは…それも今回は何銘柄も誕生しましたから…、きっと、まだ多くの投資家は依然ウハウハ状態なのでしょう。だから、この程度の下げでは、物色する力は消えないという事でしょう。果たして期待に応えられる銘柄が、これからも出現するかどうか…。銘柄を公開してからユニデンは順調に評価されていますね。今日も戻り高値を更新したようです。仕手性がどんなものか、体感されると良いのでしょう。あまり褒められた銘柄ではありませんが…時間さえかければ、何れ4ケタに育つ可能性を秘めています。まぁ、007の領域の足元にも及びませんが…。
これまでの失われた時代において、政策に信頼感が全くありませんでした。そんな時に松井証券が生き残り策として、ネット取引を始め手数料を下げました。情報力では野村などの大手に太刀打ちできないからですね。その影響で…あっという間に、手数料の値下げ合戦が起こり差別化は進みました。この間隙を縫ったのが、小手川君などのネット・トレイダーの誕生です。ディトレは比較的、容易に参加できるのでしょう。各証券会社にはディーラーマンが数多く生活をしていたから、短期のトレードはリスクが軽減されますからね。なかなか難しいのですが、熟練を重ねれば得るものがあり、やがて毎日やっていれば、ある程度の領域には、達することができるのでしょう。しかしバフェットなどの領域に行きつくことは絶対にありません。小手川君のように儲けが100億円単位になると、コバンザメは無理なのです。時代の流れの領域になりますね。しかしおそらく小手川君は、あの時に仕入れたオリックス株の大半を売ったことでしょう。彼にはきっと魅力的に見えなかったのでしょうね。しかし、もしバフェットなら、買い増しをしていたことでしょう。
まだ分かりませんが、日本が新しい時代の入り口に位置しているとすれば…、やはり王道の投資方法が生きるはずです。これまでは政策が間違っていたために、何を買っても無駄でしたが、ようやく大丈夫かな…と言うところまで来ましたね。しかし今回の異次元緩和は「諸刃の剣」なのですね。「ガラガラポン」の入り口でもあります。日本の財政問題の話ですね。
呆れますね。原発訴訟に漁船の燃費問題など…、みんな政治の責任ですか…。不可抗力の自然災害が切っ掛けで起こった東電の原発問題を、菅直人は東電の責任としました。この辺りが、僕には不可解な所です。当事者の東電の免責はあり得ませんが、1兆円か2兆円程度の有限責任で、あとは全部、国家責任にすれば電力料金も上がらずに基礎コストの上昇が防げたはずですね。この基礎コストが高いから円安になっても、なかなか生産移転が起こらないのでしょうね。まもなく小麦粉の価格が上がり一般消費者が手にする食料品を中心に値上げ合戦が始まるでしょう。その時にメディアは、また一方的な政策批判をするのでしょうか? どちらを選択するか…の問題ですね。失われた時代を経て、何か改善されましたか? 若者は20万円の手取りから5万円を取られ、15万円で生活をしているのに…遊んで暮らす老人が20万円も貰えるのが、おかしな仕組みでしょう。アベノミクスの副作用は、これからどんどん広がり、何処かで均衡点を得るのでしょうが…この世論の批判に耐えても成長路線を堅持できるかどうか…。
日本は明らかに岐路にあります。タイムイズアップで、時間切れですね。故に長期金利の動向は非常に重要なのですね。時間がないのです。カタルが何度も、何年も述べてきた現象がスタートしたわけですね。成功するかどうかなど…誰にも分かりませんよ。様々な副作用のハードルをクリアしないと、目標さえ見えませんからね。使い古された製造業の回帰を主眼にするようでは、円安による弊害が大きすぎますから、やはり未来都市の実現ですね。スマート・コミュニティーの実現ですよ。官僚さん、自分達の領域を守ろうとせずに情報を公開し、民間企業に委託することですね。民間は儲けを主眼にサービスを進めますから、時間感覚が大きく進みます。安全、安心などを多少、犠牲にしても進化のスピードを早めないと、借金時計の針の動きに負けてしまいます。わかりますかね。官僚さん。抵抗をしないで協力してほしいものですね。今は、岐路に位置しているのです。
今日は、少し脅しすぎましたかね。昨日掲げた長期金利の動向は、残された時間がないことを示しているのです。僕の読者は、どちらかと言えば年金族が多いのかもしれません。皆さん、覚悟して下さいね。しかし僕ら、高齢者は知恵がある筈です。若者の体力に比べ知恵で勝負すればいいのでしょう。目先筋のディトレか…。それとも知恵で戦う王道の株式投資を目指すか? みんな自分自信の選択です。カタルは述べています。全体相場の動向は、あと1週間程度は仕方ないでしょう。しかし新興株は、既に下値堅めに移行している可能性が非常に高いですね。つまり「今でしょう」なのでしょう。ピカ一か…。

投稿者 kataru : 2013年05月30日 11:07