今日の市況(2013年05月27日)
かたる:市場が大幅安を示現し、金利が上がり円安が進行する恐ろしさを体感したことは良かったと思います。潜在リスクを市場が認知すれば、そのリスクが消化されます。つまり潜在リスクに対する対策が進み、実際にそのリスクが現実化する可能性が減りますからね。常に市場は考えられるシナリオに対し警告を発し対処を促すわけです。市場原理主義は市場の動向を見ながら政策を変えることに本分があります。ここが、日本が戦後実行してきた計画経済と大きく違うところですね。三重野元日銀総裁は、市場が何と反応しようと実体経済には関係ないと…市場の動きを無視しました。だから失われた時代の反動が大きくなり長引いたのです。しかしバーナンキは、市場の警告に真摯に向き合い対処をしたので大恐慌のような惨事を起こすことなく、短期で実体経済が立ち直ってきたのでしょう。
新興株の急落からそろそろ2週間が経過します。皆さんお待たせしました。多くの銘柄は過分な期待が修正されたはずであり、そろそろ下値固めの段階に入るのでしょう。そう心配することはありません。安倍さんは非常にうまく対処していると考えています。6月の新成長戦略への期待が現実に変わることが出来れば、アベノミクスは成功しますね。何故なら、日本は既に体制転換を、ほぼ終了させています。失われた時代と言うのは、その構造転換の為に必要な時間だったのでしょう。明治政府が近代国家をめざし、太平洋戦争で列強各国に並ぶ夢を抱き敗北、そうして再構築してきました。いくら東西冷静下の役得があったとしても日本は世界で類を見ないほど、非常にうまく資金配分を実現して、成長してきました。江戸時代からの村論理が背景にあったおかげでしょうね。
なかなか見えない成長戦力ですが…既に日本は実行しているのです。ただ明確な旗振り役が居ない為に混沌としているような印象です。官僚機能の限界なのでしょう。SFマンガを読む人間を増やさねばなりませんね。実は既に多くの技術のデファクトスタンダードを獲得する分野が育っています。震災はある意味で天世が与えてくれたチャンスかもしれませんね。スマート・グリッドやスマート・コミニュティーの高まりなど…情報家電とも呼ぶべき多くの産業が育ち始めており、国際標準を獲得し始めています。この分野をさらに伸ばす事が出来るなら、日本は世界でいち早く新成長路線に突入する事が出来ますね。情報の民間利用など、情報社会を創り上げる新しい目標に向かい、スマート・シティー構想が育ち始めています。ここに先進国の成長の糧は存在します。
実は本日の日経新聞、土屋氏が書いたレポートは、ある意味で非常に興味深いものでした。「しぼむBRICsの夢」と言うのは、デカップリングの終焉という事なのでしょうか…。でも社会が…と言うより、このような認知をしたという事は、新しい時代が始まったことでもあります。この辺りの感覚は、皆さんには分かり辛いでしょうか。なかなか面白い記事でしたよ。一度、読んでおいてくださいね。新興株の調整は、ほぼ終了し下値固めに移行したと述べましたが、実際の相場の上昇と言うか…明確に皆さんが感じられるようになるのは、もう少し先で、あと2週間程度は必要なのでしょうね。しかしその間、おそらく個別物色の流れは、続くように感じますね。決して全面安になることはないのでしょう。
先週末の掲げたユニデンの話を、少し展開しましょうか…この会社の主力製品はコードレス電話で、米国の住宅市況に大きな影響を受けると考えられます。更に近年売り上げを伸ばしているのが監視カメラの分野ですが…先日、ボストンマラソンでのテロで活躍したのが監視カメラで、この市場は先進国のなかでも成長分野です。日本も街の至る所で監視カメラ需要があり生活の安全を守っています。中国からベトナムへ生産基地の移転を終え、当初はもたついた稼働率もようやく採算ベースに乗ってきました。つまり米国経済の立ち上がりと製品需要が噛み合う筈です。既存の固定費を長年の低迷でギリギリまで削っており、損益分岐点を上回る経済環境が訪れるので、一気に高収益体制へ復帰できるのでしょう。この辺りは営業キャッシュフローの推移からも改善が窺えます。

おそらく株価は、この動きを捉え、純資産550円ラインまで、一気に株価の修正が訪れるはずです。大切なことは、この株には仕手性が具わっているという事です。藤本さんは非常にユニークなカラーを持つ経営者です。しかし残念ながら、収益が改善すれば、その後は普通の株ですからね。あまり多くを期待しないでくださいね。3ケタの一株利益は期待できますが、どんなに環境が恵まれても、株価が4ケタに乗れば…魅力はないのです。しかし現在の260円程度の株価は、やはり安過ぎるのでしょう。市況が低迷し混乱している市場展開の時に、物色されやすい素質を秘めており、今の相場環境で一本釣りされる素質を秘めた株と言えるでしょう。別に買わなくても良いのですが、空売りだけは当面は止めた方が良いですね。材料株の一本釣り銘柄として、市場に提供する次第です。
やはりピカ一の007には敵いませんね。スマート・コミニュティーは日本発の先端産業です。スマートフォンを利用した家電利用や情報を利用し、的確に配分される電力の管理などの分野にも応用が効き、限りない成長を予感させる素質がありますからね。カタルの早くからの推奨と、多くの人が総利食い状態にある為に、押しがきつくなりましたが…このような逸材を、野村が見逃す筈はありませんね。楽しみですよ。さて先週予想したような展開になってきましたね。グリーにDENAと材料株の一本釣りか…。果たして市場はどんな選択をするのでしょう。あとは皆さんの選択眼次第なのです。良いですか、自分が多くの情報の中から選択して、決断し、行動するのですね。我々はロボットではないのです。画一化教育から早くに脱皮をして下さいね。あと2週間もすれば、相場は落ち着きを取り戻し、新しい展開を、皆が確認するようになるのでしょう。

投稿者 kataru : 2013年05月27日 10:44