未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年03月13日)

かたる:今日は市場原理の話を展開しましょう。詳しくは土曜日の株式教室でする予定ですが、先週の株式教室でお金の流れの話をしました。お金は金利の高いところを好む話ですね。株式市場は基本的に、何処にお金を集めるかを問われている場所ですね。その順列を決めるのが株価です。日本に必要な産業なら、資金が必要で株価を高くすることにより、安い調達コストで資金を得る事が出来るようになります。しかし近年は長いデフレ環境が続き、この原理原則が崩れ始めています。大衆投資家をだまして資金を巻き上げ、紙くずを押し付ける場に変化していますね。もともと大蔵省(財務省)にその傾向があります。今回はJTの売り出しが行われますが大量の玉を捌く以上、市場の理論価格より割安に価格設定すべきだと思いますが…そうではありませんね。

嘗て、NTTの売り出しもそうです。基本的に株式投資を煽り、大衆を騙してお金を巻き上げてきました。この論理では一般大衆の投資家が育ちません。シャープの増資の形態がどのような手段を採用するのか分かりませんが、幹事証券と経営者の判断は重要です。双日の西村社長は、投資家に嘘を言って資金を調達しました。彼にその意思があったかどうか、わかりません。結果的に嘘をついたことになったのかも知れません。しかし現実は期間利益の借金返済ではなく、MSCBの強引な行使により資金が調達されました。少し前の野村証券は、営業キャッシュフローは何年も赤字を続けているのに…、表面上は利益が出ている様なマジックを使い、資金繰りを公募や社債に頼ってきましたね。本来ならジャンク債の利回りだったはずです。それにも拘らず、最優遇金利で資金を集めていました。

一体、誰がこのような眉唾の市場を、創り上げたのでしょう。本来の市場原理は高成長をする会社の資金を集めるのが目的だったはずです。最初はNTT債や電力債が基本でした。国家の成り立ちには社会基盤の整備が欠かせません。その為に不足する資金の逼迫期に、優先的にそれらの資金を集める為に、社債を発行できるのは、通信や電力の会社だけだったのですね。鉄道などもそうですね。その資金を使い社会が動き出す基盤を作ったのです。株式投資も同じ理屈です。ソニーやパナソニック、トヨタに投資して、株式を長く持っていれば、家がタダで建ち子供達の教育費も賄えました。その原点は何か?

成長力の高い産業に資金を、優先的に配分してきたから高成長が続いたのです。それでは何故、バブル崩壊後に、経済は低迷したのでしょう。確かに…借金をして不動産を買い上げ、資産インフレを起こしたのは失政でしたが、それ以前に、田中角栄が創り上げた政治家の資金回収システムが間違っていたために、適正な資金配分の概念が歪んだからです。角福戦争の根底は、此処にあります。僕は田中角栄の地元で、彼の講演を聞いたこともあり、自宅のある西山町にも何人かお客様が居ましたから、彼の素晴らしさをよく知っています。まぁ、あの程度なら容認しても良いのです。信濃川河川敷開発のマジック程度なら容認できますが…途中で方向転換できない政官の癒着構造の原点を作った責任はあります。彼は節度を守ったと考えていますが、自民党の他のスタッフは違いますね。秘書は舌先三寸で国家予算を餌に、汚職のしたい放題です。この歪んだ資金配分の温床があったから、バブルが必然的に生まれ、非効率な資金配分が、失われた時代を創り上げたとも言えます。

この20年以上に及ぶ、長い低迷の原因の一つは、この資金配分の非効率化にあります。その為にカタルは財政投融資資金の資金元を断つ為に、郵政の民営化に賛成していました。政策官僚が国家予算の資金配分を決めるべきではなく、市場原理に任せた方が、良い配分が出来ると信じているからです。米国共和党と同じ発想です。しかしご覧のような市場の有様では理屈がつきませんね。インターネット時代において…誤魔化しは通用しませんよ。誰かが見抜き「告発」をします。ライブドアとオリンパスは…、東証は小さな大証を飲み込むべきではありませんでしたね。先ずは東証を上場させてから合併すべきでした。自ら襟を正さずに、誰が信用するのでしょう。JTの売り出しの形を見ると、残念だな…と感じます。

米国のファンドの基本認識は年間成長率が10%程度なら、PERは20倍程度が妥当だと言うものですね。トヨタの株価収益率は、現在はかなり高く買われています。当然なのですが、ほぼ上限の限度だと考えています。今秋になり、実際に一株利益が500円程度の確認ができるなら、また別の視点が生まれるでしょうが、今の時期にこれ以上を求めるのは無理と言うものですね。いくら円安が進んでも…。今日は鹿島建設の営業減益が報道されていました。最終利益は増額のようですね。その原因は海外部門の収益が悪く、資産売却利益となっていました。一般論として東北地方の復興が、なかなか進まないと言われています。それを政府の責任にする傾向がメディアにはありますが…違うのでしょう。

メディアは公共事業投資が無駄だと言う論調を、一貫して展開してきました。田中角栄の反省ですね。故にヤン場ダムや諫早干拓が象徴的な事例として意見が対立していました。しかし開発より「予防保全」が大切な時期に来ています。その為に、早くから外人投資家は横河ブリッジHを注目する筋が存在しました。しかし三井住友建設は相場にならず、割高感が消えませんでしたね。つまり予防保全まで、自民党は200兆円構想を加速させることは出来なかったのでしょう。依然、横河ビリッジは割安水準のままです。純資産水準も回復していません。しかし長期の年金ファンドは予防保全と言う背景がありますから、ファンドに組み入れるべきでしょう。三井住友は論外ですが…横河なら文句はないはずです。

話しがそれてきましたが、東北復興がなかなか進まないと批判されるのは、メディアの責任なのですね。わが国の建設業界は、ギリギリのラインまで削っています。その環境下の中でいくら予算を増やしても、消化出来るものではありません。建設資材から人員まで、何年もかけて縮小してきたのです。一時的な復興予算の為に償却できない建機を買う訳に行きませんね。レオパレス21の入居率動向を見ていると、奇妙なことに都心より東北地方が高いのですね。つまり全国から労務者が集められ、建設工事が進んでいるのでしょう。建設資材も直ぐに増産できるわけではなく、意外に建設業界は儲かっておらず、ギリギリの状態が続いていることが分かってきました。その為に三井住友建設は、相場から除外されたものと考えられます。まぁ、この株価位置になれば、また注目される可能性もあるでしょうが…。

さて本題です。いつも前置きが長くて…本当の狙いは、此処からなのです。円安を進めても国内生産が増えるとは思われないのです。長いデフレ環境により、既に下請けや開発などの組織は、ほとんど壊滅しています。有力筋は海外移転が済んでいますね。つまり円安を推し進めても、輸出企業の稼働率を押し上げて、景気を回復させることは難しい可能性があります。アベノミクスの弊害と言うか、副作用の問題は市場では消化されていませんね。この事を示しているインタビュー記事があるので、関心のある方は読み返してください。3月6日の日経新聞で日清製粉の社長が、17面の「戦略を聞く」のコラムに応じ、国内工場を集約すると述べています。この記事はTPPも主眼に置いていますが、注目すべきことは原料比率が70%のくだりです。つまり為替が20%も円安に振れているので、現状は14%程度の値上げをしなければ…、それまでの収益を確保できないのですね。その為にも工場の集約化は欠かせません。長いデフレ環境だったために、円安が進み国内企業の多くは合理化が、輸出企業ほど進んでいないと思われます。

皆さんには、株の理屈など、どうでもいいのでしょう。だからカタルのページは難しいかもしれません。チャート論を演じろ!と言えば、いくらでも言えますが…そんなものは派生なのです。最後に長くなったので止めるつもりですが、ROEの考え方は非常に重要なのですね。市場原理主義が…世界の基準です。米国はシェールガス効果や金融の回復により、一段と力を付けるでしょう。故に市場原理主義の考え方は、より求められます。だから日本もこの考え方に合わせねばなりませんね。トヨタなどを持ち出したのは、実は売上高営業利益の考え方を説明したかったのです。ROEの高い企業のPERが、ROEの低い企業のPERより安く評価される時代はおかしいのですね。つまりROEの原点である売上高営業利益率の高い企業は注目されるという事です。

分かりますかね? ここに市場価格と論理価格の大きなギャップが市場に存在します。だからこのギャップは必ず修正されますね。つまりROEの高い企業で、低いPERの企業の株価は騰がると述べています。グリーやDENAの株価の話をしている面もあるのですよ。関連付けができない人が沢山いるでしょうから…。さて昨日は007が世間から初めて認知されたようです。カタルは主張している市場の人気動向を測る目安として、売買出来高でも、値上がり率でもなく、TICK回数だと予てから述べています。値動きがカチカチと変わる回数の事です。この回数が昨日は初めて市場で7956回と21番目に顔を出しました。ようやく世間から認知され始めています。昨日はマツダが20位ですから、ほぼ人気株圏になっていたわけです。

何度も言いますが、自分のリスク許容度に応じて、売り買いをして下さい。僕は現物で1株だけでも買っておいて欲しいと願っています。そうして2倍になったら、もう一株買いなさいと述べています。株価が2倍に上がると、自分のリスクの許容度が増しますからね。現状は赤字なのです。だから世間から認知が受けやすい黒字に変化したら、また1株買いなさいとも述べていますね。大切に育てて欲しいと願っています。過去の実績を見て下さい。日揮に始まって…最近ではJトラストがヒットでした。夢は大きい方が良いですね。今は株価が上がってきたので、今度、下がってきたときに、詳しく背景を解説することもあるでしょう。いくらでも候補銘柄はたくさんありますが…、やはりグリーはケネデックスと共に気になる存在です。昨日の上げはスタートなのか?それとも予兆なのか?

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投稿者 kataru : 2013年03月13日 11:20