未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年03月06日)

かたる:情けないことに証券界にも株式を知っている人間が減り、マニュアル人間が増えてきました。過去歴代の野村証券の社長には様々なエピソードが存在します。この類の話はネットで探せば、いくらでも転がっているでしょう。みんな一流のセールスです。僕の友達にも営業マン時代に、野村の社長から会食に招待された人物が居ますが、なかなか素晴らしいセンスを持った人間です。彼は株の事をあまり知りませんが、一時は仕手筋としてマスコミに大体的に取り上げられていましたから…その剛腕ぶりは皆さんも想像がつくでしょう。1989年、「誠備」の加藤さんに憧れを抱き上京し、その裏舞台を知りガッカリしたことを思い出す次第ですね。僕の上京はバブル崩壊の影がチラチラしていた時代です。

そんな昔話はどうでもいいのですが、3月3日のコラムに掲げた景気循環と株価の考え方は基本中の基本です。数学を解く為の公式のようなものですから、必ず、その背景などを理解するまで、表と睨めっこしながら自分で考えねばなりません。全国の僕のコラムを読んでいる証券マンの人は、僕のページをコピーしてセールスに役立ててください。特に今回の株高の背景を書いたマネタリーベースと株価の関係を、昨年の10月から掲げてありますから…良く株高の背景を自分で理解して、そうして、そのページをコピーして顧客セールスに当たってくださいね。

しかし哀しいですね。今の証券界はトップセールスを出来る人間がいなくなったようです。アラブの王様には、唸るお金があり、米国にも腐るほどお金があります。何故、まともな投資に多額の資金を供給できないのでしょう。シャープの増資に絡み、アップルからの直接資金投入もありですね。アップルには豊富な資金が眠っています。日本の証券マンは、たかが2000億円程度の資金を引っ張れないのでしょうか? 野村にも人がいなくなりましたね。皆氏家体制のマニュアル営業に、呆れかえって野村を去ってしまったようですね。やはり20年以上に及ぶ空白は犯罪ですね。人が居なくなってしまった。技術の伝承が出来ていませんね。考え方の基本が伝わってないようです。なにも製造業だけでなく、金融界も、生きた知識を伝える余裕がなくなったのですね。

何故、たかが2000億円と言ったか?1億円以上のお金など…価値はみんな一緒なのですね。所詮、まともな生活に使えないお金です。バブル期に大阪の料亭「恵川」のおかみ尾上縫と言う人物が居ました。興銀や日債銀の役員を手玉に取り、絶頂期は兆円に届く融資があったとか…。これがバブルの実態です。信用創造とは人間の心を蝕むのですね。この後処理をする為に、多くの人間のお金が消えたのですね。だからバブルの反省は当然ですが今は全く逆ですね。たかが2000億円ですよ。シャープに投資する人を探せないのです。シャープはまともですよ。おそらく野村アメリカが真剣に動いたなら、アップルも投資をするでしょう。サムソンだけでなく…あの雑誌の記事が本当なら、揉めている鴻海(ホンハイ)精密工業は550円の増資を受け入れるはずですね。

サムソンへの増資と言う材料を種に、シャープの株価550円を奪回させ、増資を円滑に進めシャープを残すのが、証券マンの使命でしょう。日経新聞の観測記事は捻じ曲がっています。何故、アップルとの関係がこじれる発想に至るのでしょう。それとも作為的に書かせた観測報道なのでしょうか?僕には背景は分かりませんが…昔から野村と日経新聞、テレビ東京などは一連托生ですからね。記事になった背景も考えなければならないでしょう。最悪、株高を演出して公募増資もあるし、すんなり鴻海(ホンハイ)精密工業への増資もあるし、アップルへも考えられますね。勿論、日本お得意の革新機構の登場も背景にはあるのでしょう。まぁ、どっちにしても9月の2000億円償還は一つの壁ですね。

もともと、すんなり考えれば、サムソンは既に世界一でアップルを大きく抜きスマートフォンの覇権を握りつつあります。シャープがサムソン、アップルの両者に材料を提供しても良いはずですね。本来ならこの筋で記事は書かれるべきです。ところが…アップルが納得するか疑問と…敵対するような日経新聞の書き方は裏が、何かありますね。そう考えるのが普通です。金を貰っているのか交遊関係も調べるべきでしょう。通常ならあんな観測報道はしません。

でも此処は単純にIGZOの価値が輝いたと、評価すべきなのでしょうね。サムソンとアップルがシャープのIGZOを使うと…。スマートフォンは基本的にスリープ状態で常に通電が行われている為に消費電力が最大の問題です。その消費電力を飛躍的に減らせるIGZOの技術をサムソンは喉から手が出るほど欲しいに違いありません。場合によれば、1000億円単位の増資も今のサムソンにとっては可能です。シャープは天秤にかけたのかも知れません。余りに横柄な鴻海(ホンハイ)精密工業の態度なのでしょう。日本の金融機能も落ちぶれたものですね。たかが2000億円の話ですよ。

米国が新高値を取りましたが、実態はまだまだ金融機能が機能するほど…戻っていませんね。JPモルガンはリストラをするし、GSE(ファニーメイやフレディマック)は再建途上です。しかしバーナンキが素晴らしいのは経済を知っていますね。信用創造とは何か?と言う意味をよく知っています。米国の金融危機後と同じ時間軸で、日本のバブル崩壊期に日本の三重野元日銀総裁は「株や土地を下げても経済に影響はない」と暴言を吐いたのです。信用創造の意味は、貨幣乗数効果に影響を及ぼし、多くの人から職を奪うのです。シャープの株価が500円、800円と上がることは…シャープの雇用を支え、関連企業の雇用も支えるのです。ストックの損や利益はフローの生きた実体経済に大きな影響を与えます。

だからこそ、1兆円を超える投資採算利回りに合う保有資産を有するケネデックスは株価が間違いなく上がるのですね。アベノミクスが正しく機能するなら、株価は2倍、3倍になるでしょう。ダヴィンチも本来は救うべきだったのです。上場廃止になってから、日銀は2010年10月に包括的金融政策に踏み切りますが…チビチビと後手ばかり踏んでいます。時間軸の観念が全くありません。黒田東彦(はるひこ)さんが、その器かどうか分かりませんが、やくざ相手に立ち回りが出来る腹が据わった大物の人間が、何故、日本は上に行けないのでしょうね。

さて、ここ何回か取り上げた、シャープのテクニカル上の変化日の話しは、如何でしたか? まさかこんな形でスタートするとは、僕も思いませんでしたが、「効率的市場仮説」と言う命題が、株式市場に存在するのを、実感して頂けたかと思います。カタルのレポートを読めば75日線と200日線がクロスする様子を、ご覧頂けていたはずです。プロの証券マンは、常にタイミングを重視して、仕掛け玉を吸い上げて行きます。さてどんな株も相場のスタート時点は、イライラするほど動きがトロイものです。しかしピカ一銘柄は、だんだん世間からの評価も得て行くのでしょう。いつか僕らも、このトレーダーのような笑顔の興奮を味わえるかもしれない。(WSJより)

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投稿者 kataru : 2013年03月06日 10:00