未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年03月04日)

かたる:先週、不動産から高値を取ったことは、景気循環物象の筋を通しており、相場の違和感が消えましたね。お見事です。アベノミクスの副作用問題は、依然、燻っているのですが、相場の筋を通したことにより、足腰が強くなっています。この辺の感覚は鶏と卵の関係です。本来、賃上げによる消費増加効果を狙うのは、筋論からすれば設備投資の後に起こる現象で強制的に先取りするのは筋が外れます。故に政府の企業への要請は違和感を抱きますが、日本はマニュアル国家で、画一化を好む人種ですからね。なかには好業績にも拘わらず、デフレ環境に胡坐をかく企業もあり、この辺りの解釈は難しい判断です。

ただ相場を見ると、個人投資家は残念ながら、未だに疑心暗鬼のようで、本来ならケネデックスが真っ先に新高値を更新しても良いはずですが、ネット取引が主流になりまともな指導者が不足しているためか、相場の流れが歪んで見えます。バイオの物色に違和感を抱くカタルの解釈は、ある意味で間違ってないとも考えています。ナノキャリアなどの株価をどう説明付けるのでしょう。まぁ、よく調べてないから批判は出来ません。ガンホーがグリーやDENAに比べ、大きく買われるのは少し異常な状況です。ガンポーの企業業績の伸びは素晴らしいのですが、所詮ゲームの話し、飽和状態の状況下で利益成長が期待できるのは、海外体制が整いつつあるグリーやDENAの2強でしょう。あまりにPERの評価が違う現実は、既に訂正が求められている水準と解釈すべきでしょう。

僕はケネデックスと掲げ、時代錯誤の選択のようですが、他の新興不動産は増資の絡みの需給バランスも良好のようで、既に高値追いになっていますね。例えばレーサム8890やサンフロンティア8934など…。ただもし本当に信用創造を成し遂げられるなら、やはり受託資産残高が多く、伊藤忠が絡んでいるケネデックスでしょう。何故なら、ケネデックスの時価総額は、株価が上がったとは言え600億円程度です。今まではデフレ環境なので開発不動産が全て水浸し状態で、含み損を抱えている筈です。その為に過去は経常黒字なのに最終損失を計上し、含み損を償却していますが、まだ残っているのでしょう。

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2008年に経常利益53億の黒字から108億円の赤字に…2009年は2億円の黒字から184億の赤字に…2010年は22億円の黒字から25億の赤字で、2011年は24億の黒字が13の黒字で、ようやく増資効果から一掃されたかと思われましたが、2012年に再び10億の黒字が102億の赤字です。まだ償却不足の不動産が残っているのでしょう。きっと…何しろ1兆円を超える不動産ですから、このデフレ環境では100億程度の話ではないでしょうね。合計しても500億円程度しか償却しておらず、含み損失を抱えているのでしょう。

しかし…アベノミクスから信用創造へ進むなら、この数年間はデフレボトムのポケットの筈ですね。もともと不動産ファンドは利回り採算に合うから投資を開始した筈です。その利回り採算に合うフローの利益をストックの含み損失に消すデフレ状態は行き過ぎの筈で、その淵までは一気に不動産価格は改善する筈です。ケネデックスの上場は2002年です。サンフロンティアの2005年とは違いますが、1兆円規模の受託資産はやはり魅力的ですね。1万円を割れた株価は倒産価格でしたが…信用創造が進むなら、本来は規模の大きなケネデックスが一番恩恵を受け変化率が高いはずです。

この株はアベノミクスの副作用が本格化する後半に真価が問われます。ただ現状の経済状況の評価を考えると2009年の公募価格の3万3350円をクリアしても良いのではないか?と考えています。何故なら、フローの利益がストックの償却に消える心配がなくなるからですね。そうして1兆円の5%の値上がりは時価総額に匹敵します。つまり株価はここから更に倍増しても何ら違和感が生まれません。あらら…原稿を書いている内に大きく買われてきましたね。当然でしょが…。土曜日の株式教室を見て買った人は良かったですね。筋論を大切に考えれば良いのでしょう。ついに野村証券も公募価格を奪回しましたね。569円まで買われています。次は三菱UFJの700円乗せです。

個人投資家のマインドが低いのは、大手不動産に比べ個人好みの銘柄の動きが鈍いからですね。本来は機関投資家好みの銘柄より、先行して動きスター株が生まれるのです。まぁ、ガンホーのような展開ですね。ただガンホーやナノキャリアは既に理屈外の人気株になっています。例えばピカ一の007の評価は難しいのです。現状は赤字ですから株価を高くも感じる人がいるでしょう。しかし会社側は10万円のラインで自社株買いを実施しアナウンスをしたのですね。グリーもそうです。DENAは100億なのに、30億なんてチンケな金額だと言う批判もあるでしょう。しかし潜在成長率の観点から考えると、配当も自社株買いもせずに、再投資するのが本来のベンチャー企業の姿です。マイクロソフトがそうでしたね。経営理念からすれば、本業に邁進するのが筋です。DENAは多角化路線を歩み、収益の安定化に着手、だから同じPERでも安定した利益でPERの評価は高いと言う見方もあります。

しかし成長途上なら、全ての利益を本業の再投資に向けるグリーの戦略の方が正しいとも言えます。高いのれん代を計上しゲーム会社を買収し、その価値があるのかどうか、私には判断が付きません。このような買収が生きるか死ぬかは、経営センスですね。DガレージはM&Aの選択眼を持っているようです。加えて増資を実施するタイミングも見事です。M&Aは時間を買うのですね。しかしDガレージは買った会社を育てずに売却しているのかな?この辺りが株屋の発想で評価が下がりますね。まぁ、あまり調べてないから勝手な解釈で述べられませんが…企業戦略がどう変化し、その評価が正しいのかどうかが、株式投資の王道ですね。バフェットもソロスも同じ金融株に投資をしましたが、彼らの時間軸は異なります。

今日の新聞を読んでベンチャリの先見性は正しかったのだ…と、実感しています。乗り合い代理店急拡大の記事ですね。しかし日本には、僅か数年の運転資金を助けるスポンサーも金融機能も存在せずに夢は消え去りました。ケネデックスは伊藤忠の後ろ盾を得てICUから一般病棟へ移行しつつあります。アベノミクスの副作用を克服すれば、全快祝いが行われ株価評価は大きく変わりますね。2倍なんてものじゃないでしょう。何しろ20年以上も地価は下げ続けているのです。そうすれば受託資産の評価は大きく変化し、含み利益に変化するかもしれませんね。そう考えると、ここから10%の地価上昇は株価3倍増ですが20%なら5倍増、30%なら7倍増になりますね。その頃は人気も加わり、一気に10倍水準まで株価上昇が続くかもしれません。

さて本筋論を継続するのか、それとも幕間が筋なのか? シャープは、明日、75日線が200日線を下から上へクロスするゴールデンクロスを迎え、仕掛けのタイミングになりますが、増資問題が絡み、産経新聞のフライングなら面白いのです…がね。もし株価が700円に復帰するなら、本来の550円の増資はどうなるのでしょう。市場はシャープを応援することができるかどうか? 興味ある見所の一つでもあります。

慌てる事はないけれど…追撃買いのチャンスかも知れませんね。実線の評価はそれほど高いのです。しかし株価面では…今日は我慢。明日以降の方が仕掛けのタイミングとしては相応しいのでしょう。昔から慌てる乞食は貰いが少ないと言いますから…。

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投稿者 kataru : 2013年03月04日 10:59